- 35歳の男性。 2週前からの悪寒、発熱および下痢を主訴に来院した。 6か月前と2か月前とに発熱を伴う気管支炎を発症し、自宅近くの診療所にて抗菌薬投与を受け1週間程度で軽快した。体重が6か月で10kg減少した。8年前に海外渡航歴がある。意識は清明。身長168cm、体重50kg。皮膚、口唇および口腔粘膜は乾燥し、舌と口腔粘膜に白苔を広汎に認める。腹部は平坦で、全体に軽度の圧痛を認めるが、筋性防御は認めない。血液所見:赤血球 560万、Hb l6.0g/dl、Ht 48%、白血球 12,200(好中球11%、好酸球5%、好塩基球1%、単球12%、リンパ球5%)、血小板34万。CRP 12.3mg/dl。
- 初期の対応として適切なのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A058]←[国試_105]→[105A060]
★リンクテーブル★
[★]
- 70歳の男性。急に右上下肢が勤かなくなったため、発症から1時間後に搬入された。意識レベルはJCS I-2。全失語と右片麻痺とがみられる。脈拍88/分、不整。血圧152/94mmHg。既往歴に高血圧と心房細動とがある。頭部MRIの拡散強調像(別冊No.23A)と頭部MRA(別冊No.23B)とを別に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A059]←[国試_105]→[105B001]
[★]
- 52歳の男性。胸部圧迫感を主訴に来院した。 1か月前から仰向けに寝ると前胸部に違和感を自覚していた。心音と呼吸音とに異常を認めない。初診時の胸部造影CT(別冊No.22)を別に示す。
- 診断に必要な検査項目はどれか。 3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A057]←[国試_105]→[105A059]
[★]
[★]
- 英
- HIV infection
- 同
- ヒト免疫不全性ウイルス感染症
- 関
- HIV、後天性免疫不全症候群 AIDS
HIV感染症のステージ
急性HIV感染症
- 血清学的手法でウイルスが検出できるのは6-8週間経ってから
- 血清学的手法でウイルスが検出される前、感染後2-4週以内に20-50%の感染者は急性症状を呈する。
臨床像
- also see HIM.1174
- 口腔病変:カンジダ、単純ヘルペスウイルス
- 食道病変:カンジダ
- 消化管病変:サイトメガロウイルス腸炎(AIDSに進展した患者の5-10%に見られていたが、HAARTの導入により一般的ではなくなりつつある(HIM.1175))、偽膜性腸炎(抗菌薬を投与されたHIV感染者が下痢を訴える場合、鑑別に入れるべき疾患。ある研究では、下痢を訴えるHIV感染者における細菌性の病原体のうちClostridium difficileが54%を占めたという(参考1))
検査
免疫血清学的検査
- HIV抗体の検出
- 擬陽性:多産の女性、血液疾患(白血病、多発性骨髄腫)、膠原病、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、アルコール肝炎、DNAウイルス感染症、HIVワクチン
- 偽陰性:感染直後、末期で抗体産生不全
スクリーニング
- スクリーニングするのはHIV感染症の有病率が0.1%以上の集団(MMWR 2006 55(RR-14):1
- 日本の有病率は0.02%であるので対象をリスク因子の集団に行う
- MSM、静脈注射の違法薬物使用者、多数のパートナーとの無防備な性交渉、commercial sex worker、他のSTI感染症
診断
- HIV抗体の存在を証明する。所管腺から6-12週で陽転する。 ← 抗体が検出されるころにはRNAは一旦減少に向かっている印象
- スクリーニング検査:ELISA法、PA法
- 確定診断:ウェスタンブロット法、IFA法/蛍光抗体法
参考
- 1. [charged] Evaluation of the HIV-infected patient with diarrhea - uptodate [1]
国試