- 40歳の男性。小学校教諭。 5日間続く発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。2週前に林間学校から帰ってきた。林間学校では野外活動を引率した。帰宅して9日後から発熱と倦怠感とを訴え、自宅近くの診療所でセフェム系抗菌薬の投与を受けていたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。意識は清明。体温38.5℃。脈拍92/分、整。呼吸数24/分。血圧122/76mmHg。右前腕に皮疹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を4cm触知する。脾を触知しない。血液所見:赤血球396万、Hb 12.0g/dl、Ht 38%、網赤血球1.2%、白血球7,800(桿状核好中球12%、分葉核好中球51%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球28%)、血小板8.1万。血液生化学所見:尿素窒素 18mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 364IU/l、ALT 451IU/l、LD 736IU/l(基準176-353)。CRP 8.3mg/dl。皮疹の写真(別冊No.19)を別に示す。
- 病原体として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D046]←[国試_105]→[105D048]
★リンクテーブル★
[★]
- 38歳の女性。血液検査値異常の精査目的で来院した。1週前から37℃台の発熱と咽頭痛とがみられていた。昨日、自宅近くの診療所で実施した血液検査で異常がみられたため紹介されて受診した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。体温37.6℃.脈拍92/分、整。血圧98/60mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。口腔粘膜に点状出血が散在し、咽頭発赤を認める。心音と呼吸音とに異常を囲めない。腹部は平迫、軟で、右肋骨弓下に肝を1cm触知する。脾は触知しない。両側下腿に点状出血を認める。血液所見:赤血球 330万、Hb 10.2g/dl、Ht 33%、白血球 1.800(桿状核好中球6%、分葉核好中球58%、好酸球2%、単球12%、リンパ球22%)、血小板2.8万。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.20)を別に示す。
- 初期治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D047]←[国試_105]→[105D049]
[★]
- 32歳の女性。1回経妊、1回経産。1年間の無月経を主訴に来院した。1か月前からのぼせとイライラ感とが出現している。挙児希望がある。経腟超音波検査で子宮はやや萎縮しており、卵巣には卵胞が認められない。
- 高値を示すのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D045]←[国試_105]→[105D047]
[★]
[★]
- 英
- scrub typhus、tsutsugamushi fever、trombiculiasis、trombiculosis, tsutsugamushi disease
- 同
- 恙虫病、草原熱、(国試)つつが虫病、ツツガ虫病
- 関
- ツツガムシ、節足動物
[show details]
ツツガムシ病 : 約 147,000 件
ツツガ虫病 : 約 39,400 件
つつが虫病 : 約 36,500 件
つつがムシ病 : 約 147,000 件
つつがむし病 : 約 3,740 件
恙虫病 : 約 18,900 件
概念
疫学
- 世界ではアジアを中心として広く分布
- 北海道を除く全国で発生。毎年300-400例報告。
- 季節性
- 北陸、東北地方:春、秋
- 本州の関東以西、四国、九州:秋~冬
病原体
感染経路
潜伏期
症状
- 頭痛、発熱(弛張熱)、悪寒、戦慄
- 皮疹:麻疹、薬疹様の淡い不整形の紅斑が全身に広がる。手掌部紅斑はない
- リンパ節腫脹
- 所属リンパ節腫脹:ほぼ全例でみられる
- 全身リンパ節腫脹:半数例でみられる。
- (重症例)肺炎様症状、脳炎、播種性血管内凝固などをきたす。
三大徴候
刺咬部位
- 刺咬部位の写真
[show details]
検査
- 血小板低下
- 白血球:減少(好酸球が消失)
- AST、ALT:上昇
- LDH:上昇
- 尿検査:血尿、蛋白尿
- 免疫血清学的検査:抗ツツガムシ病リケッチア抗体の検出
- PCR法:末梢血よりリケッチアDNAの証明
鑑別疾患
- 日本紅斑熱:手掌部紅斑はツツガムシ病では見られないが、日本紅斑熱ではみられる。キノロン系薬は日本紅斑熱では有効であるが、ツツガムシ病では無効である。
- ウイルス性熱疾患(麻疹、風疹など)、薬疹
治療
- テトラサイクリン系薬
- ×ペニシリン系、セフェム系、アミドグリコシド系、キノロン系は無効。
参考
- 1. ツツガムシ病 - FORTH|厚生労働省検疫所
- http://www.forth.go.jp/mhlw/animal/page_i/i04-12.html
- 2. ツツガムシ病 - 国立感染症研究所 感染症情報センター IDSC Infectious Disease Surveillance Center
- http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_13/k02_13.html
国試