- 48歳の女性。前頭部の疼痛を主訴に来院した。2週前に咽頭痛と38℃台の発熱とがあり解熱薬を服用した。3日前から前頭部に疼痛を伴う腫脹が生じた。腫脹は増悪し、疼痛が激しくなったため受診した。身長159cm、体重60kg。体温38.4℃。呼吸数24/分。脈拍92/分、整。血圧132/78mmHg。甲状腺右葉下極が腫大し、同部に自発痛と圧痛とを認める。血液所見:赤血球 420万、Hb 12.6g/dl、Ht 39%、白血球 9,000、血小板 22万。血液生化学所見: LD 234IU/l(基準176-353)、ALP3941U/l(基準115-359)、TSH O.06μU/ml(基準0.2-4.0)、T3 240ng/dl(基準80-220) 、T4 15.8μg/dl(基準5 -12)。
- この患者で上昇していると考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I069]←[国試_105]→[105I071]
★リンクテーブル★
[★]
- 34歳の女性。右手のしびれ感を主訴に来院した。2か月前から右手のしびれ感が断続的に続いていた。脈拍68/分、整。血圧120/68mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。頚椎に異常を認めない。右上腕二頭筋反射と腕橈骨筋反射とに異常を認めない。握力は両側上肢とも正常範囲内である。右手関節を屈曲するとしびれ感が増強する。触覚低下を認める領域を斜線で表した図を示す。
- この患者の初期治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I070]←[国試_105]→[105I072]
[★]
- 介護老人福祉施設において、多数の入所者が嘔吐と下痢とを発症した。複数の患者の糞便試料から、PCR法によって原因ウイルスが確定された。
- 感染の拡大を抑えるために適切なのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I068]←[国試_105]→[105I070]
[★]
[★]
- 英
- subacute thyroiditis
- 同
- ドゥ・ケルヴァン甲状腺炎
- 関
- 甲状腺
概念
- 有痛性の甲状腺腫脹がみられ、ときに発熱が認められる甲状腺炎である。病気によって甲状腺中毒症や甲状腺機能低下症を呈する。全身倦怠感や感染による上気道炎が、数週間くらい甲状腺にまつわる特徴(thyroid-related features)に先行する。(HIM.2238)
- 全身性ウイルス性感染(mumps、coxsackie, adenoviruses, measles, Influenza, echoviruses)に伴うが、患者からウイルスを同定する試みはしばしば不成功に終わり、病原体同定することは本疾患の管理に影響を及ぼさない。(HIM.2238)
- 症状は咽頭炎に似ており、しばしば見落とされる。(HIM.2238)
疫学
- 30-50歳 (HIM.2238)
- 男女=1:3 (HIM.2238)
病期~
- 1) destructive phase:濾胞破壊によるhyperthyroid。甲状腺中毒症(T3,T4高値。TSH低値)。123I uptakeは低値か検出下限以下。
- 2) phase of hypothyroidism:数週間の経過で甲状腺機能低下症となる。unbound T4低値、軽度TSH高値。123I uptakeは正常化やや高値
- 3) recovery phase:正常化
病理
- 斑状に炎症細胞の浸潤が認められ、甲状腺濾胞のdisruptionを伴う。甲状腺濾胞には多核巨細胞が認められるものがある。濾胞の変化は線維化を伴う肉芽腫に進展する。発症から数ヶ月で甲状腺は通常正常に回復する。
- マクロ:非対称性腫大。
- 組織像:多核巨細胞、リンパ球、形質細胞、組織球、急性炎症を示す箇所、線維化巣、肉芽腫形成。
症状
- 局所の圧痛と自然痛、発熱、全身倦怠感、数カ月で回復。
身体所見
検査
- 甲状腺機能:病期による。
- 超音波検査:炎症部位・腫瘤部に一致して低エコーとなる。
グレーブス病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎の比較
- YN.D-40改変
参考
- 1. [charged] 亜急性甲状腺炎 - uptodate [1]
国試