- 43歳の男性。歩きにくくなったため来院した。10日前に微熱と下痢とがあり、3日で回復した。3日前に両手指尖部にしびれ感が出現した。昨日は握力が低下し、下肢脱力感を覚えた。今朝起床時に布団から立ち上ることができず、妻に介助されなければ歩けなくなった。意識清明。中等度の四肢筋力低下、四肢遠位部の軽度の感覚鈍麻および四肢腱反射の消失を認める。排尿障害はない。診断に有用なのはどれか。
- (1) 便細菌培養
- (2) 脳脊髄液検査
- (3) 運動神経伝導速度検査
- (4) 頚部MRI
- (5) 末梢神経生検
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095G043]←[国試_095]→[095G045]
★リンクテーブル★
[★]
- 28歳の男性。食事中に急に動作が止まってしまい、まぱたきをするだけで話しかけても応答しない状態が数秒間続く発作を主訴に来院した。家族によれば、この発作は3年前から気付かれ、週に数回の頻度で出現している。身体所見に異常を認めない。
- 脳波を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G044]←[国試_095]→[095G046]
[★]
- 61歳の男性。昨日、意識障害と右片麻痺とが出現し、今日になって急に悪化したため救急車で搬送された。昏睡状態で自発運動を認めない。頭部単純CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G042]←[国試_095]→[095G044]
[★]
- 英
- Guillain-Barré syndrome Guillain-Barre syndrome GBS
- 同
- (国試)Guillain-Barre症候群
- 急性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー acute inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy AIDP
- 感染性多発神経炎 infective polyneuritis infectious polyneuritis、急性炎症性多発ニューロパシー acute inflammatory polyneuropathy
- 関
- 免疫介在性ニューロパチー
病型
- SPE.645
- ギラン・バレー症候群:経過中に蛋白細胞解離が見られたもの
症状
- 知覚異常:(初発)腰痛、手足のしびれ感。感覚障害は軽度にとどまる
- 運動神経:下肢末梢から左右対称性、上行性の弛緩麻痺。腱反射消失
- 自律神経:自律神経の障害による症状(不整脈、洞性頻脈、血圧の変動、発汗異常)が見られることがある。
検査
-
- 抗原:GM1、GQ1b(→Fisher症候群と関連)、GD1a、GalNAc-GD1a、ガラクトセレブロシド
- 蛋白細胞解離。発症から1週間後の患者の80-90%の患者で見られる。近位神経根のレベルで血液神経関門の透過性が亢進したことによるのかもしれない(increased permeability of the blood-nerve-barrier at the level of the proximal nerve roots)。(参考1)
治療
- 免疫吸着療法(プラスマフェレーシス):侵襲の大きさから大量ガンマグロブリン静注療法が行われることが多いらしい。
- 大量ガンマグロブリン静注療法(高ガンマグロブリン大量静注法)
予後
- 予後良好:2週間程度で極期に達し徐々に回復する。しかしながら約5%の例で死亡、約10%の例では重篤な機能障害を残す。(IMD)
関連疾患
参考
- 1. [charged] Clinical features and diagnosis of Guillain-Barré syndrome in adults - uptodate [1]
- 2. [charged] Treatment and prognosis of Guillain-Barré syndrome in adults - uptodate [2]
国試