- 20歳の女性。全身浮腫を主訴に来院した。3日前から顔面と下腿とに浮腫が出現し、急速に増悪してきた。現在までに体重が6kg増加した。身長156cm、体重60kg。体温35.6℃。脈拍72/分、整。血圧110/76mmHg。全身浮腫が高度である。尿所見:蛋白4+、糖(-)、潜血(-)。血液生化学所見:総蛋白 5.0g/dl、アルブミン 2.2g/dl、総コレステロール 320mg/dl、尿素窒素 40mg/dl、クレアチニン 1.8mg/dl、尿酸 8.0mg/dl、Na 138mEq/l、K 4.4mEq/l、Cl 100mEq/l。腎生検のPAS染色標本(別冊No.14)を別に示す。
- この患者の尿所見として考えにくいのはどれか。
- a 尿比重 1.030
- b 尿Na濃度8mEq/l
- c 尿沈渣で脂肪円柱
- d 尿蛋白 1.6g/日
- e 尿Na分別排泄率(fractional Na excretion) 0.2%
[正答]
D
- YN.E-21改変
指標
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腎前性
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腎性
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濃縮能
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尿浸透圧
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>500 mOsm/L
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<350 mOsm/L
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尿/血症浸透圧
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>1.5
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<1.1
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尿/血清Cr比
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> 40
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< 20
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尿/血清BUN比
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> 20
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< 20
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Na再吸収
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尿中Na濃度
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< 20 mEq/L
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> 40 mEq/L
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FENa
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< 1.0%
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> 1.0%
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尿細管機能は保たれる
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Naダダ漏れ
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※国試ナビ4※ [105I056]←[国試_105]→[105I058]
★リンクテーブル★
[★]
- 3歳の男児。顔色不良と発熱とを主訴に来院した。母親は1か月前から顔色不良に気付いていた。1週前から発熱し、自宅近くの診療所で抗菌薬を投与されていたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。体温38.3℃、脈拍120/分、整。呼吸数24/分。皮膚は蒼白で、下肢に点状出血を認める。眼瞼結膜に貧血を認める。眼球結膜に黄染を認めない。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を4cm触知する。血液所見:赤血球 196万、Hb 5.8g/dl、Ht 18%、網赤血球 0.3%、白血球 5,600(桿状核好中球1%、分葉核好中球6%、好酸球1%、単球2%、リンパ球86%、異常細胞4%)、血小板 1.9万。血液生化学所見:尿素窒素 11mg/dl、クレアチニン 0.3mg/dl、尿酸 6.2mg/dl、AST 72IU/l、ALT 58IU/l、LD 691IU/l(基準335-666)。CRPl.3mg/dl。骨髄検査を行ったところ、骨髄で増加している細胞はペルオキシダーゼ染色陰性で、表面マーカー検査ではB前駆細胞の形質を示す。骨髄染色体所見は51、XY、+4、+6、+10、+17、+21である。脳背髄液検査に異常を認めない。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.15)を別に示す。
- この疾患の治療について誤っているのはどれか。
- a 多剤併用抗癌化学療法を行う。
- b 副腎皮質ステロイドが有効である。
- c 最も多い治療関連合併症は感染症である。
- d 中枢神経予防療法は必須である。
- e 約半数の症例が造血幹細胞移植の適応となる。
[正答]
E
予後
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予後良好群
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予後不良群
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初診末梢血白血球数
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1万/μl未満
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10万/μl以上
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年齢
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1歳~10歳
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1歳未満。10歳以上
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免疫学的細胞形質
|
B細胞前駆性
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T細胞性、 B細胞性、 mixed lineage
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胸腺腫大
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無
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有
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初診時中枢神経系/精巣浸潤
|
無
|
有
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著明な肝脾腫
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無
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有
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著明なリンパ節腫大
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無
|
有
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染色体
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高2倍体、t(12;21)
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低2倍体、t(9;22), t(4;11)
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治療14日目の骨髄中の芽球
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5%未満
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25%以上
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ステロイドに対する感受性
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良好
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不良
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染色体異常
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遺伝子異常
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予後
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B前駆細胞型ALL
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t(9;22)
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BCR/ABL融合
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不良
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t(4;11)
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MLL/AF4融合
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不良
|
染色体数45本未満
|
|
不良
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t(12;21)
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TEL/AML1融合
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良好
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t(1;19)
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E2A/PBX1融合
|
良好
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染色体数50本以上
|
|
良好
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T細胞型ALL
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t(11;19)
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TAL1変異
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不良
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MLL/ENL
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良好
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HOX11高発現
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良好
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NOTCH1変異
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不明
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※国試ナビ4※ [105I057]←[国試_105]→[105I059]
[★]
- 68歳の男性。排尿困難と頻尿とを主訴に来院した。1か月前から尿意切迫感と夜間頻尿とを認めた。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない.身長164cm、体重64kg、脈拍68/分、整。血圧128/82mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診で表面平滑で腫大した弾性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。PSA 1.6ng/ml(基準4.0以下)。国際前立腺症状スコア 14点(軽症0-7点、中等症8-19点、重症20-35点)。残尿量 30mg。腹部超音波写真(別冊No.13A)と尿流測定の結果(別冊No.13B)とを別に示す。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I055]←[国試_105]→[105I057]
[★]
[★]
- 英
- minimal change disease
- 同
- 微少変化群、微小糸球体変化 minor glomerularabnormality、リポイドネフローゼ lipoid nephrosis
- 微小変化型ネフローゼ症候群 minimal change nephrotic syndrome, MCNS
- 関
- 一次性ネフローゼ症候群、原発性ネフローゼ症候群
概念
- 光学顕微鏡で糸球体に変化が認められないが電子顕微鏡で異常が認められる。
- 小児に多い。
- 小児のネフローゼ症候群の約80%を微小変化群がしめる。
- 成人のネフローゼ症候群の約20%を微小変化群がしめる。
疫学
- 小児に多い(2-6歳)。蛋白尿で発見(学校検尿で)
治療
予後
- 予後は良好→消失(治療する必要もなし) ← ????
- 小児例
- 90%の症例でステロイドに反応して寛解。寛解例の2/3で再発し、いくらかはステロイド依存状態となる。25年後に5%の例で慢性腎不全となる。この群の殆どの人が巣状分節状糸球体硬化症をともなうネフローゼ症候群を呈している。(BPT.550)
- ステロイド療法に反応するが、治療への反応は小児例より遅く、また再発しやすい。(BPT.550)
病理
- 光学顕微鏡、蛍光で異常な変化(-)、電子顕微鏡で観察できる(+)
[show details]
国試