- 英
- ghrelin
- 関
- 食欲亢進ペプチド
WordNet
- a gastrointestinal hormone produced by epithelial cells lining the fundus of the stomach; appears to be a stimulant for appetite and feeding, but is also a strong stimulant of growth hormone secretion from the anterior pituitary
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/03/19 21:34:36」(JST)
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グレリン (ghrelin) は、胃から産生されるペプチドホルモン。下垂体に働き成長ホルモン (GH) 分泌を促進し、また視床下部に働いて食欲を増進させる働きを持つ[1]。GHS-R (growth hormone secretagogue receptor) の内因性リガンドである[2]。
1999年、国立循環器病センターの児島将康・寒川賢治らにより発見された[3]。
本稿は、特に明記しない場合、ヒトのグレリンについて記載する。
目次
- 1 構造
- 2 分泌調節
- 3 生理作用
- 4 名称
- 5 参考文献
- 6 関連項目
|
構造
- 分子量:3370.9
- アミノ酸配列:1 GSSFLSPEHQRVQQRKESKKPPAKLQPR 28
28個のアミノ酸からなり、3番目のセリンがオクタノイル化修飾をうける特徴的な構造をもつ。このオクタノイル化によりグレリンは活性型となり、生理活性を示す。オクタノイル修飾がつかない不活性型グレリンをデスアシルグレリンと呼び、血中では大部分がこの型である。
分泌調節
胃での産生細胞は、これまで機能が不明であったX/A-like細胞と呼ばれる内分泌細胞である。胃以外にも、腸管、視床下部、下垂体、膵臓、腎臓、胎盤、精巣などで少量ではあるが産生が認められる。
グレリンは絶食により血中濃度が上昇し、摂食により血中濃度は低下する。肥満者では血中濃度は低値を示し、やせ状態では血中濃度は高値を示す。
生理作用
グレリンは下垂体に働きかけ、成長ホルモン分泌を強力に刺激する。この作用は、成長ホルモン放出ホルモン (GHRH) による成長ホルモン分泌と相乗的である。また、視床下部に働きかけ、摂食を刺激する。グレリンの投与により、体重増加、脂肪組織の増大がみられることから、脂肪細胞が産生する抗肥満ホルモンであるレプチンに拮抗するホルモンであると考えられている。
名称
グレリンの"ghre"は、"grow"(成長)の印欧基語であることと"GH-releasing peptide"に因み命名された[2]。
参考文献
- ^ Inui A, Asakawa A, Bowers CY, et al. "Ghrelin, appetite, and gastric motility: the emerging role of the stomach as an endocrine organ." FASEB J 2004;18:439-456. PMID 15003990
- ^ a b 寒川賢治ほか「新しい消化管ホルモン:グレリン:1グレリンの発見とその意義」『BIO CLINICA』2003年、18巻、6号、p486-487
- ^ Kojima M, Hosoda H, Date Y, et al. "Ghrelin is a growth-hormone-releasing acylated peptide from stomach." Nature 1999;402:656-660. PMID 10604470
関連項目
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
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視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
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GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
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脳下垂体後葉
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バソプレッシン - OXT
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脳下垂体中葉
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インテルメジン
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脳下垂体前葉
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αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - MSH - エンドルフィン - リポトロピン)
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副腎 |
副腎髄質
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副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
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副腎皮質
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副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
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甲状腺 |
甲状腺
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甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
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副甲状腺
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PTH
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生殖腺 |
精巣
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テストステロン - AMH - インヒビン
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卵巣
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エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
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その他の内分泌器 |
膵臓
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グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
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松果体
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メラトニン
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内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 離乳前後の子牛におけるグレリンとGLP-1の分泌と作用について
- 福森 理加,三田 貴子,杉野 利久,長谷川 喜久,児島 将康,寒川 賢治,小櫃 剛人,谷口 幸三
- 栄養生理研究会報 55(2), 127-128, 2011-10-12
- NAID 10029794746
- 茨城県における黒毛和種の遺伝子多型と産肉性との関連
Related Links
- 移動: 案内, 検索. グレリン (ghrelin) は、胃から産生されるペプチドホルモン。 ... 本稿は 、特に明記しない場合、ヒトのグレリンについて記載する。 ... オクタノイル修飾がつか ない不活性型グレリンをデスアシルグレリンと呼び、血中では大部分がこの型である。
- グレリンは,わが国の研究者により新たな成長ホルモン分泌促進物質としてヒトと ... グレリンの空腹と成長ホルモン分泌に関する情報は,求心性迷走神経を介して脳へ伝 ... 臨床研究も,わが国ですでに始まっており,グレリンの持つ幅広い生理作用の解明や ...
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★リンクテーブル★
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- プロトンポンプ阻害薬の投与で血中濃度が上昇するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I016]←[国試_110]→[110I018]
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- 英
- growth hormone (Z), GH
- 同?
- ソマトトロピン somatotropin、ソマトトロピックホルモン somatotropic hormone STH
- 関
- 成長ホルモン
- 関
- ホルモン、下垂体成長ホルモン、組換え型成長ホルモン
基準値
- 血清:M:0.4±0.1 ng/ml, F:3.2±0.4 ng/ml → 性差(エストロゲンが分泌促進作用を持つため?生物学的意義は?)
分類
性状
産生組織
標的組織
作用
- SP.883
-
- 成長を促進:各組織における細胞分裂による増殖(細胞分裂、DNA,RNA,蛋白合成)と細胞の分化
-
- GH存在下でアミノ酸が組織に取り込まれ蛋白合成のために用いられる。内臓臓器、骨格筋、皮膚、および結合組織などほとんど全ての組織がGHに反応して肥大。
- (抗インスリン作用->血糖上昇)筋肉、脂肪へのグルコース取り込みを減少させ、肝臓からのグルコース放出を増加させる。膵臓に作用しインスリン分泌を促進する。 ← GHは何がしたいの?
- (中性脂肪分解作用->血中遊離脂肪酸増加)中性脂肪を分解し、末梢血でFFAを増加させ、グルコースの代わりにエネルギー源として利用される。(おそらくFFA増加により)ケトン体が増加する。
- (骨形成に向かう反応。リン酸濃度上昇、カルシウム濃度上昇)近位尿細管でのリン酸の再吸収促進、腸からのカルシウム促進。Na,K,Cl濃度増加、細胞外液増加
分泌の調整
分子機構
臨床関連
- 成長の遅れ:成長ホルモン分泌が低下している場合、3歳頃から身長の伸びが遅れる。
国試
[★]
- 英
- peripheral orexigenic peptide
- 関
- グレリン、食欲亢進ペプチド
[★]
- 英
- ghrelin receptor
- 関
- グレリンレセプター
[★]
- 英
- ghrelin receptor
- 関
- グレリン受容体
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- Leri
- 関
- レリ徴候