- 44歳の男性。航空会社の職員に付き添われて空港内の診療所を受診した。持参した英文紹介状の一部を示す。
- This patient is a 44-year-old man with a complaint of right flank pain*. The pain suddenly occurred while he was on the airplane. It was colicky and radiated to the right inguinal region. Neither nausea nor diarrhea was associated. He had appendectomy when he was 8 years old.
- Urinalysis results: Protein(-), Sugar(-), Occult blood(2+)
- *flank pain: lateral abdominal pain
- 出張のため近隣国へ向かう飛行機内で上記の症状を認めたため、到着直後に現地の空港内の診療所を受診し鎮痛薬を投与された。疼痛は我慢できる程度になり、予定を変更して次の便で日本に帰国した。現在、紹介状に書かれた症状は我慢できる程度に続いており、新たに生じた症状はない。意識は清明。身長 165cm、体重 68kg。体温 37.1℃。脈拍 76/分、整。血圧 136/76mmHg。
- この患者にみられる可能性の高い身体診察所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109F024]←[国試_109]→[109F026]
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 51歳の男性。上腹部痛を主訴に来院した。
- 現病歴:3日前から上腹部の強い痛みと悪心とを自覚していた。これまでも時々、空腹時に上腹部膨満感が出現することがあり市販の薬を内服していた。便通は毎日あり、もともと軟らかい方である。今朝から倦怠感を少し感じたため受診した。発熱や息切れはない。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒はウイスキー60mL/日を30年間。
- 家族歴:母親が60歳時にくも膜下出血で死亡。父親がAlzheimer型認知症を発症し72歳時に胃癌で死亡。
- 医療面接は以下のように続いた。
- 患者「・・・ということで当時は親戚中がもめており、父が亡くなったときは正直言ってホッとしたことを思い出します」
- 医師「そうでしたか。つらい思い出をお話しくださってありがとうございました」
- 患者「いえいえ。もうずいぶん前のことですから大丈夫ですよ」
- 医師「それで、今回のおなかの痛みについて何か思い当たることはありますか」
- 患者「実は、父が自分と同じように長い間胃が悪くて、検査の結果ピロリ菌陽性だったそうで、ひょっとしたら自分もそうではないかと」
- 医師「そういうご事情があったのですね」
- 下線部に該当する病歴情報はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109F025]←[国試_109]→[109F027]
[★]
- 70歳の男性。痩せと全身倦怠感とを主訴に家族に付き添われて来院した。5年前に大腸癌の手術をした。3年前に肝臓と肺の多発転移が判明し、1年前から自宅近くの診療所で緩和ケアを受けていた。徐々に食欲不振と痩せとが進行し、1か月前からほとんど食事をとらず寝たきりとなっていた。本人と妻は宗教心があつく毎日のお祈りを欠かさない。妻と長男夫婦が付き添っているが、身近に迫る患者の死を前にして強い不安がうかがわれる。
- 家族に対する対応として適切なのはどれか。
- a 奇跡を祈るよう促す。
- b 感情の表出を支援する。
- c 毎日のお祈りをやめさせる。
- d 取り乱さないよう指導する。
- e 不安を感じてはいけないと諭す。
[正答]
※国試ナビ4※ [109F023]←[国試_109]→[109F025]
[★]