- 英
- left ventricular hypertrophy, LV hypertrophy, LVH
- 関
- 心室肥大
概念
心電図
心電図 (心電図の読み方パーフェクトマニュアル p.115)
-
- ST下降、Tの陰転化(ストレイン型。上に凸のST低下)
Sokolow&Lyon心電図上の診断基準
日本人に用いる場合
心電図の例
- 097D017
- [show details]
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- 左室高電位とV5,V6でのST低下が認められるが、VATの延長は微妙。ぎりぎり0.04sか。
UpToDate Contents
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- 1. 左室肥大の心電図による診断 electrocardiographic diagnosis of left ventricular hypertrophy
- 2. 高血圧における左室肥大の臨床的意義および治療 clinical implications and treatment of left ventricular hypertrophy in hypertension
- 3. 左室肥大および不整脈 left ventricular hypertrophy and arrhythmia
- 4. 高血圧における左室肥大の定義および病因 definition and pathogenesis of left ventricular hypertrophy in hypertension
- 5. 慢性腎疾患における貧血および左室肥大 anemia and left ventricular hypertrophy in chronic kidney disease
Japanese Journal
- 臨床ノート 症例から学ぶピットフォール 左室肥大と心筋脂肪酸代謝
- 人間ドック受診者におけるN-terminal pro-brain natriuretic peptide測定の意義
- 特別講演(第64回東邦医学会総会) 慢性腎臓病とアテローム動脈硬化の関連
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- 心肥大とはこの心臓の筋肉が肥大し、心筋重量の増加した状態をいいます。 一般に 健康診断や病院を受診した際に「心肥大」といわれるのは、胸部レントゲン写真で心臓が 大きく見える場合、あるいは、心電図検査により左室肥大の所見が認められた場合が ...
- 心肥大では左室の心筋が分厚くなるため、心臓自体が硬くなります。そのため(1)収縮 するにも ... 左室肥大起こす病態は、(1)スポーツ心臓のように左室に余分な力がかかっ たとき、(2)高血圧性左室肥大、(3)肥大型心筋症 などが考えられます。 軽度の左室 肥大 ...
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[★]
- 次の文を読み、66~68の問いに答えよ。
- 58歳の男性。前胸部圧迫感を主訴に来院した。
- 現病歴:午前11時ころ、庭仕事中に頸部に放散する前胸部圧迫感を初めて自覚した。2分以上続き冷汗も出現するため、看護師をしている妻に助けを求めた。居間にいた妻が駆けつけたときに橈骨動脈の拍動は微弱であり、冷汗を伴う前胸部圧迫感も続くため救急車を要請した。午前11時15分に救急車が現場に到着した際、胸部症状はかなり改善していた。直ちに搬送が開始され、午前11時30分に病院に到着したときには症状は完全に消失していた。
- 既往歴:36歳時に十二指腸潰瘍。
- 家族歴:父親が胃癌のため76歳で死亡。
- 生活歴:喫煙は20本/日を38年間。
- 現症:意識は清明。身長 168cm、体重 72kg。体温 36.2℃。脈拍 76/分、整。血圧 122/78mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 100%(マスク4L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:採血時間:午前11時32分 血液所見:赤血球 455万、Hb 12.8g/dL、Ht 38%、白血球 7,800、血小板 21万、Dダイマー 0.8ng/mL(基準 1.0以下)。血 液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 3.8g/dL、心筋トロポニンT 陰性、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 32IU/L、ALT 28IU/L、LD 222IU/L(基準 176~353)、ALP 352IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 42IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 88IU/L(基準 37~160)、CK 42IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 12mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、血糖 98mg/dL、HbA1c 6.2%(基準 4.6~6.2)、Na 138mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 101mEq/L。胸部エックス線写真で心胸郭比 48%、肺野に異常を認めない。心電図(別冊No. 13)を別に示す。続いて行った心エコー検査で左室の前側壁から心尖部にかけて収縮の低下を認めた。
- 予想される病態として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109E066]←[国試_109]→[109E068]
[★]
- 64歳の男性。浮腫と全身倦怠感とを主訴に来院した。 10年前に健康診療で血糖高値と血圧高値とを指摘されたが受診しなかった。半年前から夜間排尿回数の増加を自覚していた。 1か月前から浮腫と全身倦怠感とが出現し、次第に増悪するために受診した。飲酒は日本酒1台/日を40年間。喫煙は15本/日を40年間。身長168cm、体重74kg。体温36.0℃、呼吸数16/分。脈拍80/分、整。血圧166/100mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は軽度に膨隆し、圧痛を認めない。肝・脾を触知しない。前脛骨部に浮腫を中等度認める。尿検査:蛋白3+、糖1+、潜血1 +。血液所見:赤血球 280万、 Hb 8.2g/dl、 Ht 22%、白血球 5,000、血小板 20万。血液生化学所見:空腹時血糖146mg/dl、HbA1c 6.8%(基準4.3-5.8)、総蛋白 5.8g/dl、アルブミン 3.0g/dl、尿素窒素 30mg/dl、クレアチニン 2.2mg/dl、尿酸 8.2mg/dl, Na 140mEq/l、K 6.0mEq/l, Cl 114mEq/l。胸部エックス線写真で心胸郭比56%であり、心電図で左室肥大を認める。
- 治療として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D044]←[国試_105]→[105D046]
[★]
- 43歳の男性。頭重感を主訴に来院した。 1か月前から後頭部の頭重感を自覚していた。 5年前の健康診断で高血圧を指摘されたが、治療を受けていなかった。
- 身長168cm、体重76kg。脈拍80/分、整。血圧180/106mmHg。胸部と腹部とに血管雑音を聴取しない。下腿に軽度の浮腫を認める。尿所見:蛋白2+、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球460万、 Hb14.0g/dl、 Ht44%、白血球9,800、血小板21万。血液生化学所見:血糖112mg/dl、総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.7g/dl、尿素窒素20mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、尿酸6.9mg/dl、総コレステロール240mg/dl、 Na145mEq/l、 K3.0mEq/l、 Cl103mEq/l。胸部エックス線写真で心胸郭比50%である。心電図で左室肥大を認める。
- この患者の高血圧症のスクリーニングとして行う検査はどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A055]←[国試_106]→[106A057]
[★]
- 55歳の男性。両足の浮腫を主訴に来院した。10日前に両足の浮腫が出現し増悪したため受診した。身長 170cm、体重 75kg(10日前は65kg)。脈拍100/分、整。血圧 92/56mmHg。両下肢に浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血(-)。随時尿の尿蛋白/Cr比は8.7g/gCr(基準 0.15未満)。血液所見:赤血球 485万、Hb 18.1g/dL、Ht 48%、白血球 7,800、血小板 23万。フィブリノゲン 677mg/dL(基準 186~355)、Dダイマー 3.1μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 4.0g/dL、アルブミン 1.5g/dL、尿素窒素 56mg/dL、クレアチニン 1.3mg/dL、血糖 84mg/dL、HbA1c 6.0%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 310mg/dL、トリグリセリド 120mg/dL。腎生検にて微小変化型ネフローゼ症候群と診断された。
- この患者において注意すべき合併症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114B030]←[国試_114]→[114B032]
[★]
- 76歳の女性。高血圧、脂質異常症および陳旧性心筋梗塞の定期受診のため来院した。 5年前に急性心筋梗塞と診断され、経皮的冠動脈インターベンションを受けている。以後、胸痛発作はないが、階段や長く歩いたときに息切れを感じている。脈拍 64 /分、整。血圧 122/80 mmHg。呼吸数 14/分。 SpO2 97% ( room air)。頸静脈の怒張を認めない。左側臥位で IV音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。両側の下肢に軽度の浮腫を認める。本日の心電図 (別冊 No. 16)を別に示す。
- 患者への説明として適切なのはどれか。
- a 「脈が速すぎるようです」
- b 「左脚ブロック]]が認められます」
- c 「心房細動]]の状態になっています」
- d 「高血圧による左室肥大が認められます」
- e 「心筋梗塞のあとが左心室の前側と下側にあります」
[正答]
※国試ナビ4※ [108A041]←[国試_108]→[108A043]
[★]
- 74歳の男性。労作時の息切れを生じるようになり来院した。20年前に高血圧を指摘されたが治療は受けていない。下肺野にcoarse crackles(水泡音)、心尖部に心室性奔馬調律を聴取する。脈拍76/分、整。血圧162/92mmHg。心電図を以下に示す。心臓カテーテル検査で左室拡張末期圧22mmHg(基準12以下)、心係数3.2l/分/m2(基準2.3~3.6)。心血管造影で左室駆出率56%、冠動脈に狭窄病変はない。適切な薬物はどれか。
[正答]
B
高血圧
- 心電図:左室肥大
- V5R = 27mm > 26mm
- V1S + V5R = 45mm > 35mm
※国試ナビ4※ [097D016]←[国試_097]→[097D018]
[★]
- 81歳の男性。 1か月前からの労作時の呼吸困難を主訴に来院した。生来健康で農作業に従事していた。脈拍76/分、整。血圧126/74mmHg。頸動脈拍動の立ち上がりが遅い。胸骨右縁第2肋間に収縮中期性(収縮期駆出性)雑音が聴取され、頚部に放散する。下腿に浮腫を認めない。心電図で左室肥大を認める。胸部エックス線写真で異常を認めない。カラードプラ心エコー図(別冊No. 18A)と連続波ドプラ法で記録した左室駆出血流速パターン(別冊No. 18B)とを別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D046]←[国試_106]→[106D048]
[★]
- 58歳の男性。職場の定期健康診断で初めて不整脈を指摘されたため来院した。自覚症状はない。 7年前から高血圧症のため治療中である。家族歴に特記すべきことはない。脈拍64/分、整。血圧134/78mmHg。身体診察所見、 12誘導心電図および胸部エックス線写真に異常を認めない。心エコー検査で軽度の左室肥大を認める。 24時間Holter心電図(別冊No. 2)を別に示す。この心電図にみられる異常波形は1日102回あったが、自覚症状は認められなかった。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H023]←[国試_106]→[106H025]
[★]
- 75歳の女性。階段を昇ったときに自覚する前胸部の違和感を主訴に来院した。症状は約1年前からあり、頻度や強さに変化はないという。身体診察所見に異常を認めない。胸部エックス線写真と安静時の12誘導心電図とに異常を認めない。アデノシン負荷201Tl心筋血流SPECTの左室短軸像(別冊No. 14A、 B)を別に示す。
- 原因として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A036]←[国試_106]→[106A038]
[★]
- 32歳の女性。労作時の胸部圧迫感を主訴に来院した。二峰性脈を認め、心尖部に収縮期駆出性雑音を聴取するが、頚動脈への放散は認めない。心電図で胸部誘導に巨大陰性T波を認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [098I040]←[国試_098]→[098I042]
[★]
[★]
- 英
- hypotensor, depressor, hypotensive drugs hypotensive agent hypotensive drug
- 同
- 降圧剤、血圧降下薬、高血圧症治療薬、抗高血圧薬 antihypertensive antihypertensive drug, antihypertensive drugs
[show details]
ja
hypotensor : 約 1,170 件
depressor : 約 13,000 件
hypotensive drugs : 約 1,410 件
hypotensive agent : 約 1,320 件
hypotensive drug : 約 1,200 件
en
hypotensor : 約 12,100 件
depressor : 約 1,220,000 件
hypotensive drugs : 約 29,100 件
hypotensive agent : 約 37,600 件
hypotensive drug : 約 12,500 件
降圧薬
-
- 近位尿細管:アセタゾラミド:炭酸脱水酵素を阻害
- 太いヘンレループ上行脚:フロセミド:Na+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC)を阻害
- 遠位尿細管前半部:チアジド系利尿薬:Na+とCl-の共輸送体を阻害
- 遠位尿細管後半部と集合管:
- スピラノラクトン:アルドステロン受容体に競合的に結合
- トリアムチレン:Na+流入を抑制
-
-
-
- カルベジロール(α1遮断により末梢血管を拡張。β遮断により陽性変力作用を抑制)
- アムスラロールなど
- 強力な降圧効果を示す
- 細胞内へのCa流入を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させ末梢血管抵抗を下げる
- 脳、心臓、腎臓への血流を保つ
- 膜電位依存性Caチャネルに作用して血管平滑筋を弛緩させる
-
- 副作用:ジルチアゼムの副作用:洞性徐脈、洞性ブロック
- ニフェジピン: 血管への親和性が高い→抗高血圧薬として優れる
- 副作用:反射性交感神経緊張、顔面紅潮、浮腫(静脈拡張より動脈拡張の度合いが大きいため)、便秘
- 臓器障害の改善、進展予防 beyond blood pressure
- RA系の抑制
- アンジオテンシノゲン→(レニン)→アンジオテンシンI→(アンジオテンシン転換酵素)→アンジオテンシンII-(アンジオテンシン受容体遮断薬)-|アンジオテンシン受容体1
- ACE阻害薬の腎機能保護
- ACE阻害薬:輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 拡張 → 糸球体内圧↓
- Ca拮抗薬 :輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 なし → 糸球体内圧↑
-
- 副作用
- ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、決勝滲出決勝進出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 禁忌
- 妊婦。ブラジキニンは胎児の動脈管閉鎖に関わっている。このた、母胎にACE阻害剤を加え、ブラジキニンが増えると胎児の動脈管が閉鎖してしまう。(血管浮腫?)
- 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
降圧薬の積極的な適応と禁忌
- 合併症を有する高齢者高血圧に対する第一選択薬と併用薬
○:第一選択 空欄:適応可 △:注意が必要 ×:禁忌
- 理由はACE参照
使用できる降圧薬
- α2作動薬
- β遮断薬
- α遮断薬
参考
- http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html
漢方薬
- 降圧目的に釣藤散が使われることが多い。補助的に防風通聖散が用いられることがある。
[★]
- 英
- electrocardiogram ECG, electrocardiography
- 同
- elektrokardiogramm EKG
- 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
- 心電図の読み方:PHD.108
概念
- 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
- 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ
医学大事典より
- 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
- 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
- この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。
意義
- 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
- 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。
施行する目的
- 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
- スクリーニング(学校検診、職場検診など)
心電図の種類
電極の部位による分類
表現形式による分類
- ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
- スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録
心電図の記録サイズ
- 縦軸:10mm = 1mV
- 横軸: 5mm = 0.2s
標準12誘導心電図
- 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導
電極の取り付け位置・電極の色
単極肢誘導
- EAB.5改変
V1
|
右第4肋間
|
赤
|
V2
|
左第4肋間
|
黄
|
V3
|
V2とV4の中点
|
緑
|
V4
|
左第5肋間かつ鎖骨中線
|
茶
|
V5
|
V4と同じ高さで前腋窩線との交点
|
黒
|
V6
|
V4と同じ高さで中腋窩線との交点
|
紫
|
心電図の波
- 6つの棘波よりなる
- P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
- QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
- T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
- U波
心電図の波の間隔
- PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
- QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
- QTc=QT/sqrt(RR)
- 心拍数によらずほぼ一定の値を示す
正常心電図における波
心電図による得られる情報 (SP.536)
- 1. 心臓内の興奮伝導の障害
- ex. 房室ブロック
- 2. 不整脈:脈拍のリズムと心拍数の異常
- ex. 心房粗動、心室細動
- 3. 冠循環の異常
- ex. 心筋梗塞
- 4. 心室肥大
- 5. 血漿中の電解質濃度の異常
各誘導で取りやすい所見
特徴的な所見
新生児・幼小児の心電図
- SPE.428-
- 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位 胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
- 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
- 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。
心電図と心疾患
- 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
- 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
- 異常Q、ST上昇、冠性T
- 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。
疾患と心電図
- 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
- 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
- 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
- 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
- 心室中隔欠損症:
- ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
- 脚ブロック
- WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
- 肺血栓塞栓症:右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転
- 肺気腫:V1,V2でrS/QSパターン
注意点
- 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。
参考
- http://www.cardiac.jp/
[★]
- 英
- ST segment depression
- 同
- ST下降、ST部分下降
- 関
- ST、ST上昇
病態
-
-
形態による分類
(心電図の読み方パーフェクトマニュアル p.219,239)
- 下降型傾斜型(down-sloping type)
- 水平型(horizontal type)
- 緩徐上行型(slowly upsloping type)
図:LAB.1520
- 1. junctional depression
- 2. slow-rising depression
- 3. horizontal depression
- Master2段階試験のdouble test判定基準では、以下のST低下で陽性としている。
- 0.5mm異常のischemic depression(1., 2.)
- 3.でQX/QT 50% (つまり低下部分の方が長い) または QT比が1.08以上
- トレッドミル検査では1mm以上の虚血性ST変化の出現(1.または2.)でendpointとしている。
注意
- ST低下は心筋の虚血を表す場合があるが、この場合虚血が起こっている場所を同定できない。
[★]
- 英
- left axis deviation
- 関
- 右軸偏位、電気軸
定義
医学大事典
- QRS波の前額面の平均電気軸の偏位で定める
- 左軸偏位有り:29≦ ≦-89
- 病的意義あり:-30≦ ≦-89
最新医学事典
心電図のABC (改訂2版)
原因
- 1. 左脚前枝ブロック:
- 2. 左脚ブロック:右脚が興奮後に左脚側が興奮するために、電気軸が偏位する。
- 3. 2枝ブロック:右脚ブッロク+左脚前枝ブロックでは左軸偏位となる。
- 4. WPW症候群 房室結節とケント束を介して刺激伝導系を興奮させるため、電気軸が偏位する。
- 5. 左室肥大:左室での起電力が増大するため。
- 6. 先天性心疾患 心内膜床欠損症や単心室などの疾患で左軸偏位となる。
- 7. 下壁梗塞 下壁心筋の壊死(起電力の低下・欠如)に伴い、Q波を認め、よって電気軸が偏位する。
- 8. 横位心、水平位心:肥満、妊娠、腹水、腹部腫瘤など横隔膜が持ち上げられ、心臓が横位となる場合は左軸偏位となる場合がある。
- 9. 健常者:加齢に伴って出現することがある。いわゆる正常変異(normal variant)であり、軽度(0°~-30°)である。
- 10. 肺気腫
- 11. 心筋症
[★]
- 英
- U wave
- 関
- 心電図
概念
- T波に続いてみられる波で、プルキンエ線維や心室の拡張が原因と考えられる。(心電図パーフェクトマニュアル.40)
- 通常T波と同じ向きにふれ、振幅はT波を超えることはない。(心電図パーフェクトマニュアル.40)
- 一番、V2,V3で振幅が高いとされる。(心電図パーフェクトマニュアル.40)
- 振幅は1mm以下で波は丸い
正常
- aVR以外は陽性U波、aVRは陰性U波
- 振幅は肢誘導<1mm、胸部誘導<2mm
異常
- 著しく増高したU波はトルサード・ド・ポワンツ型の心室性頻拍を来たしやすさの指標となる(HIM.1391)
U増高
- 低カリウム血症
- 薬剤性:defetilide, amiodarone, sotalol, quinidine, procainamide, disopyramide(HIM.1391)
陰性U
[★]
- 関
- 左室肥大
- 圧負荷によるリモデリングで左室壁の肥厚を伴う左室肥大がみられる。
[★]
- 英
- hypertrophy
- ラ
- hypertrophia
- 関
- 過形成、増殖
[★]
- 英
- macro
- 関
- マクロ