- 英
- gonadotropin, gonadotropins (Z), gonadotropic hormone GTH
- 同
- ゴナドトロピン
- 関
- FSH、LH。性腺刺激ホルモン放出ホルモン GnRH
概念
- 性腺(精巣や卵巣)の発育と内分泌機能に刺激作用をもつホルモンの総称。
- 下垂体前葉から卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)が分泌される。
男性
- SP.904 SURO.294
WordNet
- hormone secreted by the anterior pituitary gland and placenta; stimulates the gonads and controls reproductive activity (同)gonadotrophin, gonadotropic_hormone, gonadotrophic hormone
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/07/07 19:26:55」(JST)
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性腺刺激ホルモンまたはゴナドトロピン(英: Gonadotropin、イギリス英語: gonadotrophin)は脊椎動物の下垂体の性腺刺激ホルモン産生細胞から産生されるタンパク質ホルモンである。黄体化ホルモン(または黄体形成ホルモン、LH:luteinizing hormone)と卵胞刺激ホルモン(または濾胞刺激ホルモン、FSH:follicle stimulating hormone)の2種類の主要な性腺刺激ホルモンがある。LH、FSHともに、2つのペプチド鎖のα鎖とβ鎖がジスルフィド結合している。LHとFSHはほぼ同一のα鎖を持ち、β鎖が受容体相互作用へ特異性を与えている。
また、ヒトの第三の性腺刺激ホルモンとしてヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG:human chorionic gonadotropin)が挙げられ、妊娠中の胎盤で産生される。
機構
性腺刺激ホルモン受容体は標的細胞膜に埋め込まれており、Gタンパク質系と結合している。受容体に引きおこされたシグナルは細胞内でcAMPにより中継される。
性腺刺激ホルモンは視床下部の弓状核からの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH:gonadotropin-releasing hormone)のコントロール下にある。性腺―精巣と卵巣―はLHとFSHの第一の標的器官であり、様々な細胞タイプに影響し、標的器官に多様な反応を誘発する。単純に言うと、LHは精巣のライディッヒ細胞あるいは卵巣の顆粒膜細胞を刺激してテストステロン(間接的にエストラジオール)を産生させ、一方FSHは精巣の精子形成組織あるいは卵胞の顆粒層細胞を刺激する。
疾患
脳下垂体の疾患による性腺刺激ホルモンの欠乏は性腺機能低下症を引きおこす。性腺の不全や欠損はLH及びFSHの血中レベルが上昇する。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモン及び卵胞刺激ホルモン処理が黒毛和種雌牛の生体内卵子吸引に及ぼす影響
- 谷口 俊仁,高田 広達,樽本 英幸
- 和歌山県農林水産試験研究機関研究報告 = Bulletin of the Wakayama Prefectural Experiment Stations of Agriculture, Forestry and Fisheries (3), 125-130, 2015
- NAID 40020400011
- 月経からみた女性のストレス疾患(シンポジウム:女性のライフステージと心身症,2013年,第54回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))
- 甲村 弘子
- 心身医学 54(7), 658-665, 2014-07-01
- … 身体面と精神面に大きな影響を与えている.体重減少や過度の運動,ストレスなどにより視床下部性無月経が起こってくる.やせによる栄養不良や強いストレスの影響下では摂食促進因子の作用が高まって性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)分泌が抑制される.また,栄養不良によるレプチンの低下はGnRH分泌不全をもたらす.そして無排卵・無月経となる.このように摂食およびストレスと生殖機能は密接に関係している.月経困 …
- NAID 110009823340
- サラブレッド種雌馬における卵胞直径及び子宮内膜浮腫グレードがヒト絨毛性性腺刺激ホルモン投与による排卵効果に及ぼす影響 (日本獣医師会学会学術誌) -- (産業動物臨床・家畜衛生関連部門)
- 宮越 大輔,池田 寛樹,前田 昌也 [他]
- 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 67(3), 183-187, 2014-03
- NAID 40020015496
Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プレグニール筋注用5000単位
組成
- プレグニール筋注用5000単位:1管中に日局ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン5000単位含有
成分のヒト絨毛性性腺刺激ホルモンは妊婦尿抽出物である。
添付溶解液として1管につき日局生理食塩液1mLを添付してある。
添加物
- 添加物として1管中にカルメロースナトリウム0.05mg、D-マンニトール5mg、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウムを含有
禁忌
- アンドロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、前立腺癌)及びその疑いのある患者[アンドロゲン産生を促進するため、病態の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
- 性腺刺激ホルモン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 性早熟症の患者[アンドロゲン産生を促進するため、性早熟を早め骨端の早期閉鎖を来すことがある。]
効能または効果
- 無排卵症(無月経、無排卵周期症、不妊症)、機能性子宮出血、黄体機能不全症、停留睾丸、造精機能不全による男子不妊症、下垂体性男子性腺機能不全症(類宦官症)、思春期遅発症、睾丸・卵巣の機能検査、妊娠初期の切迫流産、妊娠初期にくり返される習慣性流産
- ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、
無排卵症には、通常1日3,000〜5,000単位を筋肉内注射する。
機能性子宮出血及び黄体機能不全症には、通常1日1,000〜3,000単位を筋肉内注射する。
妊娠初期の切迫流産及び妊娠初期にくり返される習慣性流産には、通常1日1,000〜5,000単位を筋肉内注射する。
停留睾丸には、通常1回300〜1,000単位、1週1〜3回を4〜10週まで、又は1回3,000〜5,000単位を3日間連続筋肉内注射する。
造精機能不全による男子不妊症、下垂体性男子性腺機能不全症(類宦官症)、思春期遅発症には、通常1日500〜5,000単位を週2〜3回筋肉内注射する。
睾丸機能検査には10,000単位1回又は3,000〜5,000単位を3〜5日間筋肉内注射し、1〜2時間後の血中テストステロン値を投与前値と比較する。
卵巣機能検査には1,000〜5,000単位を単独又はFSH製剤と併用投与して卵巣の反応性をみる。
黄体機能検査には3,000〜5,000単位を高温期に3〜5回、隔日に投与し、尿中ステロイド排泄量の変化をみる。
- 本剤の用法・用量は症例、適応によって異なるので、使用に際しては厳密な経過観察が必要である。
慎重投与
- 前立腺肥大のある患者[アンドロゲン産生を促進するため、病態を悪化させるおそれがある。]
- エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
- 子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。]
- 子宮内膜症のある患者[症状が増悪するおそれがある。]
- 未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合があるため。]
- 乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある。]
- 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者[症状が増悪するおそれがある。]
- てんかん、片頭痛、喘息、心疾患又は腎疾患の患者[アンドロゲン産生を促進するため、体液貯留、浮腫等があらわれ、これらの病態を悪化させるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 骨成長が終了していない可能性がある患者、思春期前の患者(「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック
頻度不明
- ショック症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、顔面潮紅、胸内苦悶、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
卵巣過剰刺激症候群
頻度不明
- ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤の投与に引き続き、本剤を用いた場合又は併用した場合、卵巣腫大、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水・胸水を伴う卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。これに伴い、血液濃縮、血液凝固能の亢進、呼吸困難等を併発することがあるので、直ちに投与を中止し、循環血液量の改善につとめるなど適切な処置を行うこと。
血栓症、脳梗塞、卵巣破裂、卵巣茎捻転、呼吸困難、肺水腫
血栓症(頻度不明)、脳梗塞(頻度不明)、卵巣破裂(頻度不明)、卵巣茎捻転(頻度不明)、呼吸困難(頻度不明)、肺水腫(頻度不明)
- 卵巣過剰刺激症候群に伴い、血栓症、脳梗塞、卵巣破裂、卵巣茎捻転、呼吸困難、肺水腫を引き起こすことがある。
薬効薬理
- ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)は、女性に対しては黄体形成作用(LH作用)、黄体刺激作用(LTH作用)と若干の卵胞刺激作用(FSH作用)を有し、妊娠黄体の機能不全に作用し黄体機能を回復し、その機能を維持させるといわれている1〜3)。
- 男性に対して睾丸間質細胞を刺激し(ICSH作用)、男性ホルモンを分泌させ、副性腺の発育、性欲の発現を促すとされている4,5)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(Human Chorionic Gonadotrophin)
性状
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- leuprorelin
- 化
- 酢酸リュープロレリン leuprorelin acetate
- 商
- リュープリン
- 関
- その他のホルモン剤
概念
作用機序
- リュープロレリンの投与により、急性作用として下垂体-性腺系刺激作用を生じ、下垂体で性腺刺激ホルモンの産生が高まる。
- リュープロレリンが持続的に作用することで、下垂体における性腺刺激ホルモンの産生・放出が低下する。さらに、精巣や卵巣における性腺刺激ホルモンに対する反応性が低下し、テストステロン及びエストラジオール産生能が低下する(慢性作用)。
薬理作用
適応
- 前立癌:血清テストステロン濃度の抑制
- 子宮内膜症、閉経前乳癌、中枢思春期早発症
用法用量
- リュープリン注射用1.88/リュープリン注射用3.75
子宮内膜症
- (成人)リュープロレリン酢酸塩3.75mg皮下注。4週毎。 (体重50kg未満)リュープロレリン酢酸塩1.88mg皮下注。4週毎。なお、初回投与は月経周期1~5日目に行う。
子宮筋腫
- (成人)リュープロレリン酢酸塩1.88mg皮下注。4週毎。 (体重が重い、子宮高度腫大)リュープロレリン酢酸塩3.75mg皮下注。4週毎。 なお、初回投与は月経周期1~5日目に行う。
- (成人)リュープロレリン酢酸塩3.75mg皮下注。4週毎。
- リュープロレリン酢酸塩30μg/kg皮下注。4週毎。180μg/kgまで増量可
- リュープリンSR
前立腺癌、閉経前乳癌
- リュープロレリン酢酸塩11.25mg皮下注。12週毎。
注意
禁忌
[★]
- 英
- isolated gonadotropin-releasing hormone deficiency, isolated GnRH deficiency
- 関
- 性腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン
[★]
- 英
- gonadotropin test, Gn test
- 同
- ヒト閉経期ゴナドトロピン試験 human menopausal gonadotropin test
- 関
- 性腺刺激ホルモン
[★]
- 英
- ectopic gonadotropin-producing tumor, ectopic Gn-producing tumor
- 同
- 異所性ゴナドトロピン産生腫瘍
- 関
- 性腺刺激ホルモン
[★]
ゴナドトロピン、性腺刺激ホルモン、ゴナドトロフィン
- 関
- gonadotropic hormone、gonadotropin、GTH
[★]
- 英
- gonadotropin receptor
- 関
- ゴナドトロピン受容体、ゴナドトロピンレセプター、性腺刺激ホルモン受容体
[★]
- 英
- chorionic gonadotrophin, placental gonadotrophin
- 関
- 絨毛性ゴナドトロピン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン
[★]
- 英
- gonadotropin-releasing hormoneagonist
- 関
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモン誘導体
[★]
- 英
- gonadotroph
- 関
- 性腺刺激ホルモン分泌細胞
[★]
- 英
- gonadotrope
- 関
- ゴナドトロピン産生細胞
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- sexual gland, gonad
- ラ
- gonada, gonadum
- 同
- 生殖腺 reproductive gland
- 関
- 発生第7週まで生殖腺に男女の別のは形態的に現れない。(L.303)
- 生殖堤:体腔上皮+間葉凝縮
- 原始生殖細胞:発生の早期に尿膜に近い卵黄嚢壁の内胚葉細胞の間に出現。後腸の背側腸間膜に沿ってアメーバ様運動により移動。発生第5週の初めに原始生殖腺に達し、第6週に生殖堤に進入する。(L.303)
- 原始生殖索:原始生殖細胞が生殖堤に到達する直前またはその経過中に生殖堤の体腔上皮は活発に増殖し、上皮細胞はその下層の間葉へ進入する。これらの細胞により多数の不規則な細胞索を形成されたものをいう。(L.303)
- 未分化生殖腺:原始生殖索は表面の上皮と結合したままであり、男女の区別ができない。この状態の生殖腺を指す。(L.303)
男性の生殖腺 L.303-306
女性の生殖腺
[★]
- 英
- (刺激そのもの)stimulus、stimuli。(行為)stimulation、、stimulate、irritate、incite、(薬物や抗原で)prime
- 同
- impulse
- 関
- 刺激作用、煽動、抗原刺激、扇動、予備刺激