- 英
- lysosome
- 同
- 水解小体、ライソソーム、リソゾーム
- 関
リソソームの蛋白質
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/24 15:25:04」(JST)
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典型的な動物細胞の模式図: (1) 核小体(仁)、(2) 細胞核、(3) リボソーム、(4) 小胞、(5) 粗面小胞体、(6) ゴルジ体、(7) 微小管、(8) 滑面小胞体、(9) ミトコンドリア、(10) 液胞、(11) 細胞質基質、(12)
リソソーム、(13) 中心体
リソソームの形成 青い三角形を2つ含む灰色の袋(中央)がリソソーム。細胞膜表面(図中央上)から取り込まれた高分子(青い三角)をくるむ小体、またはゴルジ体(図左下)から出芽した小胞として形成される
リソソーム(lysosome; ライソソーム)は、真核生物が持つ細胞小器官の一つである。リソゾーム、ライソソーム、ライソゾームまたは水解小体(すいかいしょうたい)とも呼ばれる。語源は、“lysys(分解)”+“some(〜体)”に由来する。生体膜につつまれた構造体で細胞内消化の場である。内部に加水分解酵素を持ち、エンドサイトーシスやオートファジーによって膜内に取り込まれた生体高分子はここで加水分解される。分解された物体のうち有用なものは、細胞質に吸収される。不用物はエキソサイトーシスによって細胞外に廃棄されるか、残余小体(residual body)として細胞内に留まる。単細胞生物においては、リソソームが消化器として働いている。また植物細胞では液胞がリソソームに相当する細胞内器官である。
目次
- 1 形成過程と種別
- 2 構成蛋白質
- 3 その他
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
形成過程と種別
リソソームの形成段階は前後二段階に分けることが出来る。まず、一次リソソーム(primary lysosome、一次水解小体)と呼称され、分解するべき対象を含有しないリソソームがある。リソソームはゴルジ体のトランスゴルジネットワークからクラスリンにコートされた被覆小胞として出芽した小胞からなり、これが分解するべき物体を含んだ小胞に融合した後のものは二次リソソーム(secondary lysosome、二次水解小体)と総称される。
さらに、二次リソソームはいくつか異なった経路で形成される。一つは、エンドサイトーシスに由来する。細菌等巨大な異物を取り込んだファゴソームや、ピノソームと呼ばれる細胞膜近辺のより微視的な分子を含んだ一重の生体膜からなる構造と、一次リソソームとが融合しファゴリソソーム(phagolysosome、食込融解小体)となり、取り込んだ物を分解する。もう一つはオートファゴソームに由来する。オートファゴソームは、ミトコンドリア等の細胞小器官が古くなった場合、あるいは細胞が飢餓状態に置かれたときに、小胞体に由来するとされる二重の生体膜がこれを包むことで形成される。オートファゴソームに一次リソソームが融合し、一重膜の構造体であるオートリソソーム(autolysosome、自家食融解小体)となったあと同様に分解が行われる。二次リソソームは一次リソソームと同様にエンドソーム等に融合し分解酵素の供給源となると考えられている。このように細胞内には様々なリソソームがあり、その大きさ・形状は様々に異なっている。
構成蛋白質
リソソームが含有する加水分解酵素群は酸性条件下で効率良く働く性質を持っており、リソソーム内部の水素イオン指数はプロトンポンプの働きによって pH5 程度と酸性に保たれている。このことによって、中性状態の他の細胞内区画ではリソソームが含む加水分解酵素は不活性となり、不必要な反応を防いでいる。
これらの酵素群はグリコシダーゼ、リパーゼ、ホスファターゼ、ヌクレアーゼなど様々な加水分解酵素からなる。これらは粗面小胞体で合成された後、マンノースが付加され、ゴルジ体のシスゴルジネットワークに輸送された後に、マンノースにリン酸基が付加される。その結果生じたマンノース6リン酸はリソソームに運ばれるシグナルとして膜受容体であるマンノース6リン酸レセプターに認識される。
マンノース6リン酸レセプターは膜蛋白質であり、マンノース6リン酸を持つ分子を結合させこれを輸送小胞へ取り込むことによってリソソームへの蛋白質輸送を行っている。被覆小胞は一次リソソームと融合しその酸性環境下でレセプター結合蛋白質を乖離する。その後、レセプターは更なる分子輸送のためにトランスゴルジネットワークへと戻る。
その他
魚類以外の脊椎動物の精子が持つアクロソームは特異なリソソームと考えられている。精子が卵子に到達した際にアクロソーム内の酵素が放出され、透明帯を分解する。この作用によって精子が卵子の細胞膜へ到達する通路が形成される。
リソソームの機能異常によって引き起こされる30以上もの遺伝病(ライソゾーム病)が存在することが分かっている。多くの遺伝病は、リソソームによって分解されなければならない物質が蓄積することによって疾患に至る。
関連項目
外部リンク
細胞小器官 |
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内膜系 |
細胞膜 - 核 (核小体) - 小胞体 - ゴルジ体 - ペルオキシソーム - パレンテソーム
小胞 (エキソソーム - リソソーム - エンドソーム - ファゴソーム - 液胞)
顆粒 (メラノソーム - 微小体 - グリオキシソーム - バイベル・パラーデ小体)
|
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内部共生体 |
ミトコンドリア - 色素体 (葉緑体 - 有色体 - 白色体)
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細胞骨格 |
マイクロフィラメント - 中間径フィラメント - 微小管 - 原核生物の細胞骨格
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外部組織 |
細胞壁 - 繊毛/鞭毛 - 先体
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その他 |
細胞質 - リボソーム - 微小管形成中心 (中心体/中心小体 - 基底小体 - 紡錘極体) - ヴォールト - プロテアソーム - フィコビリソーム
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 先天性代謝異常症におけるiPS細胞技術の応用 : リソソーム病への応用 (第5土曜特集 次世代iPS医療) -- (iPS細胞によるヒト疾患モデル)
- オートファジー-リソソーム分解系 : 疾患・生理機能・分子機構 (特集 内分泌代謝制御と疾患にかかわる蛋白質分解)
Related Links
- 種類と構造 リソソームは6~10 nmの一重の生体膜に囲まれた直径0.1~1.2 μmの細胞小器官である。リソソームは極めて動的な存在であることから、様々な名称で分類されてきた。一次リソソーム(primary lysosome)は分解基質を含まない ...
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Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- neutrophil (Z),neutrophile ,neutrophils
- 関
- 血液、血球、白血球
特徴
- マクロファージより貪食能が高い
- 非特異的感染防御に関与
- 寿命:1週間。(他の資料:1週間以内。血中で6-7時間,活性化時1-2日。)
- 好中球比率(対白血球):50-60%。文献によっては50-70%
- ケモカインによって走化能を示し、異物を貪食する
- 貪食→食胞形成→proteolysis (lysosome: 約30種類)
分化・成熟
骨髄芽球:顆粒なし
↓
前骨髄球:アズール顆粒出現
↓
骨髄球:好中球に特異な顆粒(ALP、リゾチーム)が出現
↓
後骨髄球:核が分葉。細胞分裂(-)
↓
桿状核球:末梢血中に現れる� ↓
↓
分葉核球:成熟細胞
顆粒
成長とリンパ球・好中球数
- PED.703
- リンパ球数は生後1ヶ月以降に増加して6ヶ月~1年でピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- これに対して好中球は生下時にピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- 生後一ヶ月までは好中球優位であり、1ヶ月~2-6歳まではリンパ球優位となり、以降好中球優位となる。
臨床関連
- 末梢血好中球数1500/μl以下 、特に500/μl以下 (定義:[1])
- 末梢血好中球数7500/μ以上
- 慢性肉芽腫症:NADPH酸化酵素の異常による好中球の活性酸素産生障害をきたす疾患。常染色体劣性遺伝。
- チェディアック・東症候群:細胞内輸送蛋白(CHS1)の調節の異常により巨大顆粒の形成、殺菌性蛋白・溶菌性酵素の食胞内放出が障害され、また好中球の遊走能が低下する疾患。常染色体劣性遺伝。
[★]
- 英
- cell death
- 関
- アポトーシス、プログラム細胞死、ネクローシス
アポトーシスとネクローシスの違い
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アポトーシス
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ネクローシス
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形態
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濃縮、分断化
|
溶解
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膜の強度
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保たれる
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失われる
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ミトコンドリア
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影響を受けない
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膨潤、Ca取り込み
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クロマチン
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偏在化、濃縮
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凝集
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タンパク質合成阻害
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死が阻害されうる ・actinomycin D ・CHX
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なし
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原因
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糖質コルチコイド、ホルモン刺激の低下、過剰な刺激、中程度の毒
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強い毒、低酸素、pHの大きな変動
|
典型例
|
胸腺←糖質コルチコイド
|
肝臓←肝毒性物質
|
細胞の変化
|
リソソームは変化無し
|
リソソームが破裂する
|
核の変化
|
特定の長さに切断
|
ランダムに切断
|
最初の徴候
|
エンドヌクレアーゼの活性化
|
小疱形成、膨潤
|
[★]
- 英
- Danon disease, Danon's disease
- 同
- Danon病
- 関
- 糖原病IIb型
概念
- リソソームの膜タンパクであるLAMP2が欠損することにより心筋症、ミオパチー、精神遅滞をきたすX連鎖性遺伝疾患
- 左心室肥大を伴う遺伝性代謝性心筋症
- 病理学的には筋細胞に空胞が多数形成される。肥大した心筋細胞にはPAS染色陽性の封入体が見られる(HIM.1485)。
- 病態としては肥大型心筋症と筋力低下をきたす。
- 症状は慢性心不全とserious arrhythmias
- 心電図上、心筋肥大とventricular preexcitationが認められる
- ポンベ病と似る。
- これまでは糖原病の一型に分類されていた。難病情報センターでは自己貪食空胞性ミオパチーに分類されてる。
遺伝
参考
- http://www.genome.jp/dbget-bin/www_bget?ds_ja:H00150
- 2. Ⅱ.筋原性疾患(myopathies) 17.ダノン病(Danon disease)
- http://www.jmda.or.jp/6/hyakka/kin250.htm
- 3.難病情報センター - ライソゾーム病 ← 情報なし
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/340
- 4.難病情報センター | ライソゾーム病(1)ライソゾーム病(ファブリー病を除く)(公費対象)
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/199
[★]
- 英
- Pompe's disease Pompe disease Pompes disease
- 同
- 糖原病II型 glycogen storage disease type II, II型糖原病 type II glycogen storage disease, glycogenosis type II
- 酸性マルターゼ欠損症 acid maltase deficiency AMD、全身性糖原病 generalized glycogenosis、α-1,4-グリコシダーゼ欠損症
- 関
- 糖原病
概念
- リソソームのα-1,4-グルコシダーゼ(酸性マルターゼ)欠損症
- リソソームに存在する酵素であるα-1,4-グルコシダーゼを欠損するため、グリコーゲンが大量に蓄積し、心肺機能の障害で通常1歳以下で死亡(FB.304)
病型
病因
疫学
遺伝形式
病変形成&病理
症状
診断
検査
治療
予後
- 小児型は一般的に予後不良(IIa型は1歳前後で死亡)
予防
[★]
- 英
- NADPH oxidase, 英:NADPH-oxidase
- 同
- NADPH酸化酵素、NADPH-オキシダーゼ
- 関
- ミエロペルオキシダーゼ、リソソーム、ファゴリソソーム
first aid step1 2006 p.89
- O2からH2O2を酸性する
- リソソーム膜上にあって細胞質から電子を取り込んでリソソーム内のO2に電子を渡しO2-(スーパーオキサイド)を生成する酵素 (SMB.39
臨床関連
- catalase positive organismの感染を受けやすい
[★]
- 英
- phagolysosome
- ラ
- phagolysosoma
- 同
- 取込みリソソーム、食水解小体
- 関
- ファゴソーム、リソソーム
[★]
- 英
- lysosome-associated membrane protein 2、lysosomal-associated membrane protein 2、LAMP-2、LAMP2
[★]
- 英
- lysosome-associated membrane protein、LAMP
- 関
- リソソーム膜糖タンパク質