- 英
- elastase
- 商
- エラスチーム、エルモナーゼ
- 関
- 高脂血症用剤
- 膵臓から分泌される (FB.209)
- エンドペプチダーゼ
- 切断部位の一つ前のアミノ酸が中性アミノ酸である部位を特異的に切断 (FB.209)
- セリンプロテアーゼの一種であり、キモトリプシン、トリプシンと一次構造は40%が共通 (FB.209,210)
WordNet
- a pancreatic enzyme that catalyzes the hydrolysis of elastin
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/16 09:41:56」(JST)
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エラスターゼ(Elastase)は、タンパク質を分解するプロテアーゼの分類の一つである[1]。
目次
- 1 分類
- 2 機能
- 3 病気におけるヒトのエラスターゼの役割
- 3.1 A1AT
- 3.2 周期性好中球減少症
- 3.3 その他の病気
- 4 病気における細菌のエラスターゼの役割
- 5 出典
分類
ヒトには8つのエラスターゼの遺伝子が存在する。
ファミリー |
遺伝子 |
タンパク質 |
EC番号 |
酵素名[2] |
現在 |
以前 |
現在 |
以前 |
chymotrypsin-
like |
CELA1 |
ELA1 |
chymotrypsin-like elastase family, member 1 |
elastase 1, pancreatic |
EC 3.4.21.36 |
膵臓エラスターゼ |
CELA2A |
ELA2A |
chymotrypsin-like elastase family, member 2A |
elastase 2A, pancreatic |
EC 3.4.21.71 |
膵エラスターゼII |
CELA2B |
ELA2B |
chymotrypsin-like elastase family, member 2B |
elastase 2B, pancreatic |
EC 3.4.21.71 |
CELA3A |
ELA3A |
chymotrypsin-like elastase family, member 3A |
elastase 3A, pancreatic |
EC 3.4.21.70 |
膵エンドペプチダーゼE |
CELA3B |
ELA3B |
chymotrypsin-like elastase family, member 3B |
elastase 3B, pancreatic |
EC 3.4.21.70 |
chymotrypsin |
CTRC |
ELA4 |
chymotrypsin C (caldecrin) |
elastase 4 |
EC 3.4.21.2 |
キモトリプシンC |
neutrophil |
ELANE |
ELA2 |
neutrophil elastase |
elastase 2 |
EC 3.4.21.37 |
顆粒球エラスターゼ |
macrophage |
MMP12 |
HME |
macrophage metalloelastase |
macrophage elastase |
EC 3.4.24.65 |
マクロファージエラスターゼ |
緑膿菌のような細菌もエラスターゼを生産するが、毒性の要因になっていると考えられている。
機能
エラスターゼは、コラーゲンとともに結合組織の機械特性を決定している弾性繊維のエラスチンを分解する。好中球の形で、大腸菌やその他のグラム陰性菌のOuter membrane protein A(OmpA)を分解する。またペプチド結合を切断することで赤痢菌の毒性も分解する。C末端側のグリシン、アラニン、バリン等の小さな疎水的アミノ酸の位置が切断される。それ以外の詳しい機構については、セリンプロテアーゼを参照のこと。
病気におけるヒトのエラスターゼの役割
A1AT
急性期タンパク質のα1-アンチトリプシンは、エラスターゼやトリプシンの活性部位にほぼ不可逆的に結合することでエラスターゼの働きを阻害する。A1ATは通常は肝臓から血清に分泌される。α1-アンチトリプシン欠損症(A1AT)では、エラスターゼによるエラスチンの分解が阻害されず、肺気腫等を引き起こす。
周期性好中球減少症
周期性好中球減少症は珍しい病気で、好中球の数が21日ごとに増減する常染色体優性遺伝病である。好中球が減少する期間は、患者は感染に弱い。1999年に、この病気はELA-2 / ELANE遺伝子の異常と関連があることが発見された[3]。またELA-2遺伝子の変異でもこの病気が起こることが分かっている。
その他の病気
抗体の存在下で、好中球のエラスターゼが水疱を形成し、類天疱瘡を引き起こす。
病気における細菌のエラスターゼの役割
エラスターゼは密着結合を分裂させ、サイトカインやαプロテイナーゼ阻害剤を分解し、免疫グロブリンA(IgA)及び免疫グロブリンG(IgG)を切断し、また補体を構成するC3biや食作用に関わる別の補体の受容体CR1も切断する。IgA、IgG、C3bi、CR1の切断によって、好中球が食作用によって細菌を殺す能力が減少する。また、これらの因子はヒトの病状にも関わっている。
出典
- ^ Bieth JG (2001). “[The elastases]” (French). J. Soc. Biol. 195 (2): 173–9. PMID 11723830.
- ^ 加水分解酵素
- ^ Horwitz M, Benson KF, Person RE, Aprikyan AG, Dale DC (1999). “Mutations in ELA2, encoding neutrophil elastase, define a 21-day biological clock in cyclic haematopoiesis”. Nat. Genet. 23 (4): 433–6. doi:10.1038/70544. PMID 10581030.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 新規薬剤の開発への道 : 好中球エラスターゼ阻害薬による線維化抑制の可能性
- 研究・症例 呼吸器内科領域における急性肺損傷に対する好中球エラスターゼ阻害薬の効果について--有効例と無効例の臨床的検討
Related Links
- エラスターゼは、動脈壁や筋肉の腱を構成するエラスチンという成分を分解する酵素で、エラスターゼ1はそのうちの一つです。すい臓の細胞が障害されると、血液中に増えるので、その量を測定することによって、急性膵炎 ...
- 好中球エラスターゼ 好中球エラスターゼは、炎症の際に好中球から放出され、微生物、異物を分解し、生体を防御する。しかし、好中球エラスターゼは、自己の組織を障害する恐れがある。 1.好中球エラスターゼ
- エラスターゼ1は早期の膵臓がんで高値を示し、同様の腫瘍マーカーのCA19-9では進行膵臓がんで高値を示すので、併せて測定することにより早期から末期がんの把握に有用です。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
※エルモナーゼ錠1800
組成
1錠中の有効成分
添加物
- アメ、乳糖水和物、セルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、無水ケイ酸、ヒプロメロースフタル酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、酸化チタン、タルク
効能または効果
高脂血症
- 通常、成人には1日量3錠を3回に分けて食前に経口投与する。効果不十分の場合は、6錠まで増量できる。
- ただし、年齢、症状により適宜増減する。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:エラスターゼES(Elastase ES)
- 性 状:ブタのすい臓から製した酵素で、エラスチンを分解し、カゼイン、フィブリン及び変性コラーゲンなども分解する。通例、デキストランを加えたものである。灰色〜淡褐色の粉末で、特異なにおいがある。
★リンクテーブル★
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[正答]
※国試ナビ4※ [099D099]←[国試_099]→[099D101]
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[★]
- 英
- neutrophil (Z),neutrophile ,neutrophils
- 関
- 血液、血球、白血球
特徴
- マクロファージより貪食能が高い
- 非特異的感染防御に関与
- 寿命:1週間。(他の資料:1週間以内。血中で6-7時間,活性化時1-2日。)
- 好中球比率(対白血球):50-60%。文献によっては50-70%
- ケモカインによって走化能を示し、異物を貪食する
- 貪食→食胞形成→proteolysis (lysosome: 約30種類)
分化・成熟
骨髄芽球:顆粒なし
↓
前骨髄球:アズール顆粒出現
↓
骨髄球:好中球に特異な顆粒(ALP、リゾチーム)が出現
↓
後骨髄球:核が分葉。細胞分裂(-)
↓
桿状核球:末梢血中に現れる� ↓
↓
分葉核球:成熟細胞
顆粒
成長とリンパ球・好中球数
- PED.703
- リンパ球数は生後1ヶ月以降に増加して6ヶ月~1年でピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- これに対して好中球は生下時にピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- 生後一ヶ月までは好中球優位であり、1ヶ月~2-6歳まではリンパ球優位となり、以降好中球優位となる。
臨床関連
- 末梢血好中球数1500/μl以下 、特に500/μl以下 (定義:[1])
- 末梢血好中球数7500/μ以上
- 慢性肉芽腫症:NADPH酸化酵素の異常による好中球の活性酸素産生障害をきたす疾患。常染色体劣性遺伝。
- チェディアック・東症候群:細胞内輸送蛋白(CHS1)の調節の異常により巨大顆粒の形成、殺菌性蛋白・溶菌性酵素の食胞内放出が障害され、また好中球の遊走能が低下する疾患。常染色体劣性遺伝。
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エラスターゼ(エラスターゼES)
[★]
エラスターゼ(エラスターゼES)
[★]
- 英
- elastase 1
- 同
- 膵陰イオンエラスターゼ pancreaticanionic elastase
- 関
- 腫瘍マーカー、エラスチン
- 膵臓の外分泌液に含まれる酵素。エラスチン分解作用を有する。
- 膵炎(急性、慢性)や膵癌において血症エラスターゼ1が上昇する。また腎不全でも上昇する。
参考
- http://data.medience.co.jp/compendium/main.asp?field=04&m_class=01&s_class=0013
- http://www.srl.info/srlinfo/kensa_ref_CD/KENSA/SRL0599.htm
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- 英
- C1 erastase inhibitor
- 関
- C1インアクチベータ
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- 英
- pancreatic anionic elastase
- 関
- エラスターゼ1
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- 英
- pancreatic elastase
- 関
- エラスターゼ
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子宮頚管粘液中顆粒球エラスターゼ