無脳体
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無脳症 (Anencephaly) |
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分類および外部参照情報 |
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診療科・ 学術分野 |
遺伝医学 |
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ICD-10 |
Q00.0 |
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ICD-9-CM |
740.0 |
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OMIM |
206500 |
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MedlinePlus |
001580 |
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eMedicine |
neuro/639 |
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無脳症(むのうしょう、英語: Anencephaly(アネンスファリ))とは神経学的奇形症の一つで、大脳半球は通常欠損して全くないか、または小塊に縮小している[1]。胎児や乳児などにこの症状が現れた場合無脳児(むのうじ)とも言い、その他神経管欠損症(しんけいかんけっそんしょう)、頭蓋骨の欠損を含めて無頭蓋症(むとうがいしょう)[2]、ともいう。
概要
原因
原因については詳しく解明されていない。しかし、人種によって発現の頻度に差があり遺伝的要因が関係すると考えられているほか、母体の栄養状態など多因的であることがわかっている。
妊娠の26日以前に神経管前部の閉塞などがおこり、胎児の神経管の発達が阻害されることで発現するとされている[3]。
症状
胎児の神経管から脳や脊髄が形成されることが阻害されることにより、脳の一部あるいは大部分が欠如する。大脳のほか、生命の維持に重要な役割を担う脳幹の発達も障害され、欠如する例が多い。そのため、発症した胎児の75%は死産となり、出産した場合も生後1週間以上生存することは難しい[3]が、まれに1年以上生存しているケースも存在する[4]。
延髄の下半分があれば嚥下や啼泣がみられ、音刺激、痛覚に反応を示す。原始反射は存在しており、腱反射は亢進している[3]。
無脳児でも胎齢4か月までは大脳のある程度の発育が見られることが研究によって判明しており、5か月あたりから大脳、小脳部分が退化していくことが報告されている[5]。
頭頂部の頭蓋骨やこれをおおう皮膚の一部または全部が欠損して脳が露出する場合もあるほか、眼球の突出や欠落、口唇口蓋裂なども併せて起こることがある。露出した神経は薄い膜で覆われており、頭髪や皮膚に繋がっている。
頻度は国によって異なるが、アメリカでの発現率は、出産1000人あたり1人[3][6]、日本では10000人に対して10人[7][6]である。
診断
妊娠4か月以降であれば、胎児の超音波診断で出生前診断が可能となる。また、羊水または母体の血清から血清蛋白Α-フェトプロテイン (AFP) が検出される[3]。
治療・予防
治療法については、発見されていない。
予防については、多因性があることと、遺伝子研究がその段階に至っていないことから、確実なものは発見されていない。日本では、ビタミンBの一種である葉酸の摂取がその発症のリスクを低減するとして、厚生労働省が勧告している[8]。
中絶
そのような事情により他ならぬ医師が人工中絶を強く推奨している。それほど死亡率が高く、治療する術もないということである。これに関して、ダウン症の出生前診断や、安楽死同様に倫理学的、また法的、社会的議論の対象となっている。
臓器提供に関する議論
生命倫理学や医療現場ではこの無脳児の臓器を、臓器移植を必要とする乳児、幼児のための医療資源として用いてはどうかという議論が行われている。
日本では、名古屋大学医学部付属病院で、在胎36週、体重2,600グラムの無脳児(性別記載なし)が出生、家族から腎提供の承諾を得たうえで、腎臓を取り出し8歳の女児に移植した事例がある。このときのレシピエントは、拒絶反応で移植後61日目には再透析となり、77日目には全く移植腎が機能しなくなり、移植腎を摘出した。腎臓が上手く生着しなかった原因について、医師団は「ドナーとしての質が悪く、組織適合性も不良だったため」と総括した[9]。
脚注
- ^ 日本医学会医学用語委員会編「医学用語辞典・国際病理学用語コード」
- ^ 国際病理学用語コード
- ^ a b c d e 診断と治療社「小児科学・新生児学テキスト 全面改訂第4版」p.858 2003年
- ^ 1歳の誕生日を迎えた無脳症の赤ちゃん―コロラド州 | HEAVEN
- ^ 坂田一美「胎生中期の無脳児の神経病理学的検討」より
- ^ a b 中絶を選択した場合の数は含まれていない
- ^ 住吉好雄「わが国における無脳症とダウン症候群の疫学的研究」1979年及び1990年の報告例より
- ^ 厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」 平成12年12月28日
- ^ 都築一夫、美濃和茂、伊東重光、小野佳成、絹川常郎、松浦治、大島伸一「無脳児をドナーにした小児腎移植の一例」小児科臨床第37巻第6号、1984年
参考文献
- 平塚志保「無脳症児をめぐる医学的・倫理的・社会的・法的諸問題」『看護総合科学研究会誌 = Journal of Comprehensive Nursing Research』1巻1号27-38頁、1998年10月30日。
- 坂田一美「胎生中期の無脳児の神経病理学的検討」『日本病理学会会誌』82巻1号 263頁、1993年3月。
関連項目
- 奇形症候群
- 遺伝子疾患
- ポッター症候群 - 無脳症を伴う腎無形成の症例がある。
外部リンク
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…few days or weeks. The clinical features, diagnosis, and management of anencephaly are discussed in this topic review. Anencephaly is one of the three major neural tube defects. The others are encephalocele …
- 2. 神経管閉鎖障害:危険因子、出生前診断、妊娠中の管理open neural tube defects risk factors prenatal screening and diagnosis and pregnancy management [show details]
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- 3. 神経管欠損症の超音波診断ultrasound diagnosis of neural tube defects [show details]
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- 4. 原発性(先天性)脳ヘルニアprimary congenital encephalocele [show details]
…in this topic review. The other main types of NTDs are anencephaly and myelomeningocele, which are discussed in separate topic reviews: Anencephaly, which is an open NTD as the affected region of the cranial…
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…without this disorder, although most such pregnancies still deliver before 42 weeks of gestation . Anencephaly, which results in absence or hypoplasia of the hypothalamus and pituitary and adrenal hypoplasia …
Japanese Journal
- 看護学生の死生観構築を目指した「デス・エデュケーション(生と死の教育)」の試み
- 石田 美知
- 名古屋市立大学大学院人間文化研究科人間文化研究 (10), 217-231, 2008-12
- … 今回は、その中の一部である人間の誕生をテーマとする胎児の命に関する学習として、「人工妊娠中絶」、「出生前診断」、「減数手術」、「無脳児の臓器提供」を授業に取り上げ、学生の生と死に対する考え及び臓器移植に対する考え方の変化を調査した。 …
- NAID 110008154691
- 無脳児における脳欠損レベルと心拍パターンとの関係 (特集 胎児・新生児の神経系の評価) -- (特殊病態における神経学的評価)
- 1児が無脳児であり, 体重不均衡がみられた1絨毛膜1羊膜性双胎の1例
Related Links
- 無脳児(むのうじ)とは、生まれつき大脳半球が欠損していて全く無い、もしくは小塊に縮小している胎児や乳幼児である。このような子どもは ...
- 無脳児とは、文字どおり脳のない状態ではあるが、通常、 脳幹 は存在している。 原因は不明であるが、出生の1000~2000例に1例といわれている。
- 無脳児(むのうじ)とは、生まれつき大脳半球が欠損していて全く無い、もしくは小塊に縮小している胎児や乳幼児のこと。
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★リンクテーブル★
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- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 41歳の1回経産婦。無月経を主訴に来院した。
- 現病歴 : 最終月経は2か月前であった。数日前に市販の妊娠反応試薬で陽性を確認した。
- 既往歴 : 前回の分娩は5年前。正常分娩で、母子ともに異常はなかった。他に特記すべきことはない。
- 現症 : 身長158cm、体重52kg。体温36.7℃,脈拍84/分、整。血圧128/70mmHg。内診所見で子宮は鷲卵大に増大して軟、圧痛はない。両側付属器も触知しない。経膣超音波検査で子宮内に胎嚢を認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F030]←[国試_096]→[096F032]
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- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
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- 妊娠10週の経腟超音波検査で診断できるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G030]←[国試_111]→[111G032]
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[正答]
※国試ナビ4※ [097G048]←[国試_097]→[097G050]
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- a. (1)(2)
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- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
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- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
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- 英
- hydramnios, polyhydramnios
- 同
- 羊水過多(自覚症状を伴わない。自覚症状を伴うものが羊水過多症)
- 関
- 羊水
概念
原因
胎児側の原因
- 無脳症では妊娠末期は髄液の貯留や嚥下障害により羊水過多を来しやすい
母体側の原因
国試
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- 英
- anencephaly, anencephalia, anencephalus
- 同
- 無脳児 anencephalus
- 関
- 頭蓋破裂
参考
- 1. [charged] 無脳症と脳瘤 - uptodate [1]
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- 英
- anencephalus
- 同
- 無脳児
- 関
- 無脳症
[★]
- 英
- anencephalus、anencephaly、brain-absent baby
- ラ
- anencephalia anencephalus
- 関
- 無脳症