出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/22 23:21:10」(JST)
脳: 頭頂葉 | |
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前頭葉
側頭葉
頭頂葉
後頭葉
外側溝
中心溝
頭頂後頭溝
後頭前切痕
主要な脳溝と葉を側面から見た図。頭頂葉は右上に黄色で示されている。
大脳左半球の側面から見た図。オレンジ色の所が頭頂葉。頭頂葉の外側面後下方の境界分けは、目印となる脳溝がなくある程度曖昧である(この図で言うとオレンジ色の右下部分)。
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名称 | |
日本語 | 頭頂葉 |
英語 | Parietal lobe |
ラテン語 | lobus parietalis |
略号 | PL |
関連構造 | |
上位構造 | 大脳 |
構成要素 | 中心後回、上頭頂小葉、下頭頂小葉(縁上回、角回)、楔前部、中心傍小葉の後部 |
動脈 | 前大脳動脈 中大脳動脈 |
静脈 | 上矢状静脈洞 |
画像 | |
アナトモグラフィー | 三次元CG |
Digital Anatomist | 内側 内側 |
関連情報 | |
IBVD | 体積(面積) |
Brede Database | 階層関係、座標情報 |
NeuroNames | 関連情報一覧 |
NIF | 総合検索 |
MeSH | Parietal+Lobe |
グレイの解剖学 | 書籍中の説明(英語) |
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頭頂葉(とうちょうよう、英: Parietal lobe)は、大脳葉のひとつで、後頭葉の上部、前頭葉の後部にある。
頭頂葉は異なる感覚モダリティーから感覚情報の統合を行っており、特に空間感覚と指示の決定を担っている。例えば、頭頂葉は体性感覚野と視覚系の背側皮質視覚路を構成している。これにより頭頂葉において、視覚によって知覚した対象の位置を身体座標における位置に変換することが出来る。
頭頂葉は4つの解剖学的境界によって定義される。中心溝は前頭葉との境界、頭頂後頭溝は後頭葉との境界、外側溝 (シルヴィウス溝) は側頭葉との境界、そして大脳縦裂は左右の大脳半球の境界を作っている。
中心溝の後部に接していて、頭頂葉の最前部となる領域は中心後回 (ブロードマンの脳地図における3野) で、一次体性感覚皮質領域である。この領域と後頭頂皮質を分けているのは中心後溝である。
後頭頂皮質はさらに、上頭頂小葉 (ブロードマンの脳地図における5野と7野) と下頭頂小葉 (ブロードマンの脳地図における39野と40野) に、頭頂間溝 (IP) によって分けられる。頭頂間溝とそれに隣接する脳回は四肢と眼球運動の指示に重要な役割を持ち、細胞構築学と機能に関する違いにより、内側頭頂間野 (MIP)、外側頭頂間野 (LIP)、腹側頭頂間野 (VIP)、前側頭頂間野 (AIP) に分けられる。
頭頂葉は身体の様々な部位からの感覚情報の統合や、数字とそれらの関係に関する知識[1]、対象の操作などに関する機能に重要な役割を持つ。頭頂葉の一部は視覚空間処理に関わっているともされていて、頭頂葉は他の3つの大脳葉に比べてほとんどよく分かっていない大脳葉である。
1990年代の様々な研究によって、マカクザルの頭頂葉の異なる領域が空間における異なる領域を表現していることが分かった。
ゲルストマン症候群 (Gerstmann's syndrome) は優位側 (通常は左側) の頭頂葉の損傷と関連付けられている。またバリント症候群 (Balint's syndrome) は両側の障害と関連付けられている。半側空間無視は通常、非優位側の頭頂葉による注意の大きな障害と関連付けられている。
大脳表面の区分。赤色の所が頭頂葉。
頭蓋骨に対する脳の関係を示した絵。黄色の所が頭頂葉。
日本語のオープンアクセス文献
ウィキメディア・コモンズには、頭頂葉に関連するカテゴリがあります。 |
表・話・編・歴
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外側面 | 外側溝内部 と 極 | 内側面 |
前頭葉
頭頂葉
後頭葉
側頭葉
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島葉
前頭極
後頭極
側頭極
|
側頭葉
後頭葉
頭頂葉
辺縁葉
前頭葉
|
表・話・編・歴
|
||
---|---|---|
外側面 | 外側溝内部 | 内側面 - 上部 |
上前頭回
中前頭回
弁蓋部
+
三角部
+
眼窩部
ll
下前頭回
中心前回
中心後回
上頭頂小葉
下頭頂小葉
ll
縁上回
+
角回
後頭回
上側頭回
中側頭回
下側頭回
|
島回
横側頭回
|
舌状回
楔部
楔前部
中心傍小葉
帯状回 (前部+後部)
上前頭回
脳梁
梁下野
梁下回
|
脳底部 - 眼窩面 | 脳底部 - 側頭葉下面 | 内側面 - 下部 |
眼窩回
直回
嗅球
|
鉤
下側頭回
紡錘状回
海馬傍回
|
歯状回
紡錘状回
鉤
海馬傍回
|
|
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A
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など
アルツハイマー病 | 脳血管性認知症 | ピック病 | |
認知症 | 全般的認知症 | まだら認知症 | アルツハイマー病に類似。 早期には人格、注意力が障害され、 次第に記憶力も障害される。 |
人格 | 晩期に人格障害 | 保たれる | 早期に人格障害 |
病識 | なし(初期にはあり) | あり | なし |
経過 | 進行性 | 動揺性、階段状に進行性 | 進行性 |
基礎疾患 | 特になし | 高血圧、糖尿病、心疾患 | 特になし |
画像検査 | 対称性の脳溝開大 | 脳実質内に脳梗塞巣 | 側頭葉と前頭葉の萎縮 |
機能画像検査 | 側頭葉、頭頂葉での代謝低下 | 前頭葉を中心とした多発性の脳代謝低下 | 前頭葉、側頭葉での代謝低下 |
相談体制 | 保健所 | 地域保健法が定める事業内容「母性及び乳幼児並びに老人の保健に関する事項」による老人精神衛生相談事業 | |
高齢者総合相談センター | 厚労省が都道府県レベルに設置している高齢者に関する相談窓口 | ||
在宅介護支援センター | 老人福祉法により市町村が実施の主体となっている施設であり、在宅の要介護高齢者やその介護者の要望に対応した適切なサービスが円滑に提供されるように市町村や関連機関との連絡・調節などを行っている。 | ||
認知症疾患医療センター | |||
在宅対策 | 介護 | 訪問介護 | ホームヘルプサービス |
通所介護 | デイサービス | ||
短期入所生活介護 | ショートステイ | ||
認知症老人向け毎日通所型デイサービスセンター | |||
認知症対応型老人共同生活介護 | グループホーム | ||
老人認知症疾患デイ・ケア施設 | |||
福祉 | 訪問指導 | ||
施設対策 | 介護 | 介護療養型医療施設 | |
介護老人保健施設 | |||
介護老人福祉施設 | |||
医療 | 老人性認知症疾患治療病棟 | ||
福祉 | 養護老人ホーム | ||
特別養護老人ホーム |
視床核 | 入力 | 出力 | 関連している機能 | |||
1 | 視床前核 | AP | 乳頭体 | 帯状回 | 大脳辺縁系の一部 | |
前背側核 | A | |||||
前腹側核 | AV | |||||
前内側核 | AM | |||||
2 | 視床内側核 | M | 視床核 | 視床下部・前頭葉 | 情動の体験・情動の具現 | |
3 | 視床外側核 | LT | ||||
背側外側核 | LD | 帯状回? | 帯状回? | 情動の発現 | ||
後外側核 | LP | 頭頂葉の連合野? | 頭頂葉の連合野? | 高等な精神作用と関連 | ||
前腹側核 | VA | 淡蒼球 | 前頭葉運動前野 | 運動系と関連 | ||
外側腹側核 | VL | 小脳歯状核 | 前頭葉運動野・運動前野 | 運動系と関連 | ||
後外側腹側核 | VPL | 体性感覚(下肢~上肢) | 頭頂葉の感覚野 | |||
後内側腹側核 | VPM | 体性感覚(頭部) | 頭頂葉の感覚野 | |||
4 | 視床後核 | 上丘、側頭葉、頭頂葉、後頭葉 | 側頭葉、頭頂葉、後頭葉 | 視覚、聴覚、体性感覚 |
障害 | |
前頭葉 | 後方は一次運動野であり、障害により健側の麻痺。前方は前頭連合野であり、障害により発動性の低下、感情鈍麻。底面の障害は脱抑制症状をきたす |
頭頂葉 | 頭頂連合野の障害により、構成失行、失読・失書、失算が認められる |
側頭葉 | 優位半球側頭連合野後方部の障害でウェルニッケ失語。海馬を中心とする内側面の障害で記憶の障害 |
後頭葉 | 一次舌の損傷で健側の半盲 |
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