デメチルクロルテトラサイクリン
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 4.高度な低Na血の1症例 : SIADHに対するレダマイシンの効果(第585回千葉医学会例会・第1内科教室同門会例会)
- 小児の尿路および消化器系感染症に対するレダマイシン・ドライシロップの臨床効果について
Related Links
- タケダ健康サイトの「レダマイシン軟膏」ページです。レダマイシン軟膏に関する情報を 掲載しています。
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
販売名
組成
成分・含量 (1カプセル中)
- デメチルクロルテトラサイクリン塩酸塩 150mg (力価)
添加物
- トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン
効能または効果
適応菌種
- デメチルクロルテトラサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、炭疽菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、軟性下疳菌、百日咳菌、野兎病菌、ガス壊疽菌群、ワイル病レプトスピラ、リケッチア属、クラミジア属、肺炎マイコプラズマ (マイコプラズマ・ニューモニエ)
適応症
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、淋菌感染症、軟性下疳、性病性 (鼠径) リンパ肉芽腫、子宮内感染、涙嚢炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱、炭疽、百日咳、野兎病、ガス壊疽、ワイル病、発疹チフス、発疹熱、つつが虫病
- 胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験 (ラット) で胎児毒性が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 小児 (特に歯牙形成期にある8歳未満の小児) に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあるので、他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。
- デメチルクロルテトラサイクリン塩酸塩として通常成人1日450?600mg (力価) を2?4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。
慎重投与
- 肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 食道通過障害のある患者[食道潰瘍を起こすおそれがある。]
- 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
薬効薬理
作用機序3)
- 細菌の蛋白合成系において、aminoacyl t-RNAがm-RNA・リボゾーム複合物と結合するのを妨げ、蛋白合成を阻止させることにより抗菌作用を発揮する。また、本剤は動物のリボゾームには作用せず、細菌のリボゾームの30Sサブユニットに特異的に作用することから、選択毒性を有すると報告されている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- デメチルクロルテトラサイクリン塩酸塩 (Demethylchlortetracycline Hydrochloride) 〔JAN〕
略号: DMCTC
化学名:
- (4S , 4aS , 5aS , 6S , 12aS )-7-Chloro-4-dimethylamino-3, 6, 10, 12, 12a-pentahydroxy-1, 11-dioxo-1, 4, 4a, 5, 5a, 6, 11, 12a-octahydrotetracene-2-carboxamide monohydrochloride
- 本品は、黄色の結晶性の粉末である。
本品は、水にやや溶けやすく、エタノール (99.5) に溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone, (国試)SIADH
- syndrome of inappropriate secretion of antidiuresis, SIAD
- 同
- 抗利尿ホルモン不適合分泌、ADH不適合分泌症候群 inappropriate antidiuretic hormone secretion inappropriate secretion of antidiuretic hormone syndrome inappropriate ADH syndrome IADHS、シュワルツ・バーター症候群 Schwartz-Bartter syndrome。抗利尿ホルモン分泌異常症。不適切ADH分泌症候群
- syndrome of inappropriate ADH、syndrome of inappropriate ADH secretion、syndrome of inappropriate antidiuretic hormone、syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion、syndrome of inappropriate diuresis、syndrome of inappropriate secretion of ADH、syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone
- 関
- バソプレシン AVP
病因
- 1. 抗利尿ホルモンが分泌される血漿浸透圧の閾値が異常となっている ← セットポイントの異常
- 2. 何らかの原因によって、恒常的に抗利尿ホルモンが分泌されている
HIM.2222改変
- 癌腫:肺、十二指腸、膵臓、卵巣、膀胱・尿路系
- その他:胸腺腫、中皮腫、気管支腺腫、カルチノイド、gangliocytoma、ユーイング肉腫
- 頭部外傷
- 感染症
- 血管障害
- 神経疾患
- 先天奇形
- 代謝異常
- 薬剤性
病態生理
- なぜ、waterのreabsorptionが増えるにもかかわらず、血圧が上昇しないの?
- HIM.2222
- 何らかの原因による不適切な抗利尿ホルモンの分泌 → 水の過剰な保持 →
- 1. → 細胞外液の増加 → (1)糸球体濾過量の増加と心房性利尿ペプチドの分泌、(2)レニン活性の抑制(supresses plasma renin activity)、(3)尿ナトリウム排泄の増加
- 細胞外液の増加を相殺しているが、その代償としてナトリウムを喪失し、低ナトリウム血症の増悪に繋がっている。 ← このために血圧は正常で、浮腫も起きないし、体液量も増えないと。
- 2. → 低ナトリウム血症 → 脳を含めた全身の細胞内液の増加 → 頭蓋内圧が亢進 → 急性水中毒症状
- 2-3日で脳の組織から水が排除されて症状が寛解する。
- 上記メカニズムに追加。
- 3. 1.の通り、循環血漿量の増加を招き、RAA系抑制などが起こる → 近位尿細管でのNa、水吸収低下(近位尿細管でのNa再吸収にはアンジオテンシンIIが関与) → 尿酸の再吸収低下、尿排泄増加(近位尿細管での挙動はNa、水と同じ、らしい) → 低尿酸血症
症状
- 低ナトリウム血症に基づくもの
- 尿量は変化がない ← 水の再吸収が亢進しているため??
検査
診断基準
- 1.低ナトリウム血症:血清ナトリウム濃度は135mEq/Lを下回る。
- 2.血漿バゾプレシン値:血清ナトリウムが135mEq/L未満で、血漿バゾプレシソ値が測定感度以上である。
- 3.低浸透圧血症:血漿浸透圧は280mOsm/kgを下回る。 ← 基準値:275-295 mOsmol/kg serum water(HIM.A)
- 4.高張尿:尿浸透圧は300mOsm/kgを上回る。 ← 基準値:50-1200 mOsm/l (QB) , 500-800 mOsmol/kg water(HIM.A)
- 5.ナトリウム利尿の持続:尿中ナトリウム濃度は20mEq/L以上である。
- 6.腎機能正常:血清クレアチニンは1.2mg/dl以下である。
- 7.副腎皮質機能正常:早朝空腹時の血清コルチゾールは6μg/dl以上である。
鑑別診断
治療
- 参考1
- 1.根治療 : 原疾患の治療を行う。
- 2.水分摂取制限: 1日の総水分摂取量を体重1 kg当り15~20 mlに制限する。
- 3.Na摂取 :食塩を経口的または非経口的に1日200 mEq以上投与する。
- 4. 自由水排泄 :重症低ナトリウム血症(120 mEq/L以下)で中枢神経系症状を伴うなど速やかな治療を必要とする場合はフロセミドを随時10~20 mg静脈内に投与し、尿中ナトリウム排泄量に相当する3%食塩水を投与する。その際、橋中心髄鞘崩壊を防止するために1日の血清ナトリウム濃度上昇は10 mEq/L以下とする。
- 5.ADH拮抗阻害薬:異所性バゾプレシン産生腫瘍に原因し、既存の治療で効果不十分な場合に限り、成人にはモザバプタン塩酸塩錠(30 mg)を1日1回1錠食後に経口投与する。投与開始3日間で有効性が認められた場合に限り、引き続き7日間まで継続投与することができる。
- 6.ADH拮抗阻害薬:デメクロサイクリンを1日600~1,200 mg経口投与する。
- 注意:急速な低Na血症の補正は橋中心髄鞘崩壊 CPMをきたす。
- ADH拮抗薬としては抗菌薬のデメクロサイクリン(レダマイシン)や抗てんかん薬のジフェニルヒダントイン(フェニトイン)が使われることがあった
参考
- http://square.umin.ac.jp/endocrine/tebiki/001/001008.pdf
国試
- 同
- 不適切ADH分泌症候群
[★]
商品
[★]
- 英
- demethylchlortetracycline DMCTC
- ラ
- demethylchlortetracyclinum
- 化
- 塩酸デメチルクロルテトラサイクリン demethylchlortetracycline hydrochloride
- 同
- デメクロサイクリン demeclocycline
- 商
- レダマイシン、Declomycin
- 関
- テトラサイクリン系抗菌薬、SIADH
[show details]
特徴
- ADH antagonist; acts as a diuretic in SIADH
構造
[★]
- 英
- tetracycline TC
- ラ
- tetracyclinum
- 化
- 塩酸テトラサイクリン
- 商
- アクロマイシン、アクロマイシンV、オキシテトラコーン、テトラサイクリン・プレステロン、テラ・コートリル、テラマイシン、レダマイシン
- 関
- テトラサイクリン系抗菌薬、抗菌薬
[★]
商品