- 英
 
- tyrosine Tyr Y, L-tyrosine
 
- 同
 
- p-ヒドロキシフェニルアラニン p-hydroxyphenylalanine、2-アミノ-3-ヒドロキシフェニルプロピオン酸 2-amino-hydroxyphenylpropionic acid
 
- 関
 
- アミノ酸
 
-CH2-C6H4-OH
代謝
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/03/03 03:44:47」(JST)
[Wiki ja表示]
 | 
「Tyr」はこの項目へ転送されています。軍神については「テュール」を、フェロー諸島のヴァイキングメタルバンドについては「ティア (バンド)」をご覧ください。 | 
 
| チロシン | 
 | 
 | 
| 
 | 
別称 
2-Amino-3-(4-hydroxyphenyl)propanoic acid 
 
 | 
| 識別情報 | 
| CAS登録番号 | 
60-18-4 (L体)  | 
| PubChem | 
1153 | 
| ChemSpider | 
5833  | 
| KEGG | 
C00082 | 
| ChEMBL | 
CHEMBL925  | 
- N[C@@H](Cc1ccc(O)cc1)C(O)=O
 
 
 
 | 
- InChI=1S/C9H11NO3/c10-8(9(12)13)5-6-1-3-7(11)4-2-6/h1-4,8,11H,5,10H2,(H,12,13)/t8-/m0/s1 
 
Key: OUYCCCASQSFEME-QMMMGPOBSA-N  
 
 
 | 
| 特性 | 
| 化学式 | 
C9H11NO3 | 
| モル質量 | 
181.19 g mol−1 | 
| 特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 | 
チロシン(tyrosine、英語発音: [ˈtaiərəˌsiːn] タイアラスィーン)または、4-ヒドロキシフェニルアラニン (4-hydroxyphenylalanine) は、細胞でのタンパク質生合成に使われる22のアミノ酸のうちの一つ。略号は Tyr または Y[1]。コドンはUACとUAU。極性基を有するが必須アミノ酸ではない。tyrosineはギリシア語でチーズを意味するtyriに由来し、1846年にドイツ人化学者のユストゥス・フォン・リービッヒがチーズのカゼインから発見した[2][3]。官能基または側鎖のときはチロシル基と呼ばれる。
目次
- 1 概要
 
- 2 生合成
 
- 3 代謝
 
- 4 サプリメント利用
 
- 5 出典
 
- 6 関連項目
 
- 7 外部リンク
 
 
概要
タンパク質を構成するアミノ酸。極性無電荷側鎖アミノ酸あるいは芳香族アミノ酸に分類される。糖原性・ケト原性を持つ。
ヒドロキシ基の位置が異なる3種類の異性体、パラ-Tyr (p-Tyr)、メタ-Tyr (m-Tyr)、オルト-Tyr (o-Tyr) が存在するが、フェニルアラニンヒドロキシラーゼによる酵素反応で合成されるのは p-Tyr のみである。他の2つの異性体は酸化的ストレスが高い場合にヒドロキシルラジカルの攻撃によって生成する。 チロシンは酵素チロシンヒドロキシラーゼによってドーパに変換される。
プロテインキナーゼの作用でリン酸基による修飾を受け、ある種の酵素の機能や活性を変化させるため、シグナル伝達で重要な役割を果たしている。リン酸化されたチロシンはフォスフォチロシンと呼ばれる。また、チロシンは甲状腺ホルモンのチロキシン、トリヨードチロニンやメラニン色素、生理活性なカテコールアミンであるドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの前駆体である。
ケシがモルフィンを生産する際にも用いられている。
また、りんごを変色させる原因となる物質としても知られている。 タケノコの水煮では、節の中に、しばしば白く析出したチロシンが見られる。 納豆では長く発酵させると、大豆タンパク質の分解が進み水に溶けにくいチロシンが豆の表面にプツプツと現れる。食感もジャリジャリとした感じになる。この状態を納豆業界では「チロっている」と呼んでいる。 ギリシャ語でチーズを表すのtyriからチロシンは命名されたが、パルミジャーノ・レッジャーノ(パルメザンチーズ)という長期熟成のチーズではチロシンの析出が観察できる。食べたときにはジャリッとした食感となる。
生合成
動物ではフェニルアラニンよりフェニルアラニン-4-モノオキシゲナーゼ (EC 1.14.16.1) と補酵素テトラヒドロビオプテリン (tetrahydrobiopterin) の作用により合成されるが、これにはフェニルアラニンが豊富に存在する必要がある。フェニルアラニン-4-モノオキシゲナーゼ遺伝子の欠損は、フェニルケトン尿症の原因となっている。
- EC 1.14.16.1 L-Phe + テトラヒドロビオプテリン + O2 → L-Tyr + 4a-ヒドロキシテトラヒドロビオプテリン
 
植物や多くの微生物はシキミ酸経路によってプレフェン酸を経て合成を行う。プレフェン酸はヒドロキシ基を残したまま酸化的脱炭酸によって p-ヒドロキシフェニルピルビン酸となる。これがさらにグルタミン酸を窒素源としたアミノ基転移を受け、チロシンが生成する。
代謝
フェニルアラニンとチロシンの生物学的に重要な誘導体への変換過程
 
 
 
 
分解
チロシンのアセト酢酸とフマル酸への分解過程。2つのジオキシゲナーゼははこの分解過程に不可欠である。最終生成物はクエン酸回路に入ることができる。
 
 
 
 
サプリメント利用
チロシンは、大量に飲用した場合は約2時間後に血中チロシン濃度のピークに達し7時間持続する。[4]神経伝達物質の前駆物質であり、血漿中のノルアドレナリンやドパミンのレベルを増加させる。しかし気分に与える影響はほとんどない。冷水ストレスにさらしたラットの攻撃性を正常レベルにもどしたり、ヒトではストレス条件下の気分や認識作用の改善がみられた。[4]睡眠不足状態で、覚醒3時間後の精神活動検査において持続時間が延長したという記録がある。[5]成人におけるADHD(注意欠陥多動性障害)では、チロシン摂取により一時的に改善が見られる場合がある。[5]チロシンには毒性がなく、有害事例の報告はない。一日に体重1kgあたり150mgで3ヶ月間で安全とされている。経口摂取の副作用としては吐き気、頭痛、疲労、胸焼け、関節痛など。(これらは成人について。小児、妊婦についての安全性はまだ報告されていない。)[4]
出典
- ^ IUPAC-IUBMB Joint Commission on Biochemical Nomenclature (1983年). “Nomenclature and Symbolism for Amino Acids and Peptides”. Recommendations on Organic & Biochemical Nomenclature, Symbols & Terminology. 2007年5月17日閲覧。
 
- ^ “Tyrosine”. The Columbia Electronic Encyclopedia, 6th ed.  Infoplease.com — Columbia University Press (2007年). 2008年4月20日閲覧。
 
- ^ Douglas Harper (2001年). “Tyrosine”. Online Etymology Dictionary. 2008年4月20日閲覧。
 
- ^ a b c エビデンスに基づくハーブ&サプリメント事典 ISBN 4524239650
 
- ^ a b 機能性食品素材便覧—特定保健用食品からサプリメント・健康食品まで ISBN 4840807825
 
 
関連項目
- チラミン
 
- アルブミン
 
- チログロブリン
 
- アルカプトン尿症
 
- チロシン血症
 
- アルビノ
 
外部リンク
- チロシン - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
 
| 
タンパク質を構成するアミノ酸 | 
 
| 主なトピック | 
 | 
 | 
 
| 特性 | 
| 脂肪族 | 
- 分枝鎖アミノ酸 (バリン
 
- イソロイシン
 
- ロイシン)
 
- メチオニン
 
- アラニン
 
- プロリン
 
- グリシン
 
 
 
 | 
 
| 芳香族 | 
- フェニルアラニン
 
- チロシン
 
- トリプトファン
 
- ヒスチジン
 
 
 
 | 
 
| 極性なし | 
 | 
 
| 正電荷 (pKa) | 
- リシン (≈10.8)
 
- アルギニン (≈12.5)
 
- ヒスチジン (≈6.1)
 
 
 
 | 
 
| 負電荷 (pKa) | 
- アスパラギン酸 (≈3.9)
 
- グルタミン酸 (≈4.1)
 
- システイン (≈8.3)
 
- チロシン (≈10.1)
 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
| 分類 | 
- 必須アミノ酸
 
- ケト原性アミノ酸
 
- 糖原性アミノ酸
 
- タンパク質を構成しないアミノ酸(英語版)
 
 
 
 | 
 
- 主要な生体物質
 
- 炭水化物
- アルコール
 
- 糖タンパク質
 
- 配糖体
 
 
 
- 脂質
- エイコサノイド
 
- 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体
 
- リン脂質
 
- スフィンゴ脂質
 
- ステロイド
 
 
 
- 核酸
- 核酸塩基
 
- ヌクレオチド代謝中間体
 
 
 
- タンパク質
- タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体
 
 
 
- テトラピロール
 
- ヘムの代謝中間体
 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 悪性褐色細胞腫の治療 : 化学療法,放射線療法,対症療法など (AYUMI 褐色細胞腫の診断と治療 : 最近の進歩と今後の展開)
 
- EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(エルロチニブ)の皮膚障害とその治療 (第110回日本皮膚科学会総会 : 世界に貢献する日本の皮膚科) -- (教育講演 分子標的治療薬の基本と皮膚障害の診断と治療)
 
- Srcファミリーチロシンキナーゼによる脳機能制御機構
 
Related Links
- チロシン(tyrosine、英語発音: /ˈtaiərəˌsiːn/ タイアラスィーン)は、アミノ酸の1つで、  側鎖にフェノール部位を持つ。「タイロシン」とも言う。2-アミノ-3-ヒドロキシフェニルプロピ  オン酸あるいは p-ヒドロキシフェニルアラニンとも呼ばれる。略号は Tyr または Y。
 
- 海外サプリメント激安通販サプリンクス【公式サイト】チロシンページ。サプリンクスでは  チロシン配合商品をはじめ高品質で低価格なサプリメントや日本で入手困難な最新の  サプリメント&コスメをロサンゼルスより直送しています。後払いもOKです、ぜひご利用 ...
 
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プロテアミン12注射液(200mL)
組成
成分・分量〉
 有効成分 1袋200mL中
- L-イソロイシン 1,194mg
L-ロイシン 2,276mg
L-リシン塩酸塩 1,960mg
L-メチオニン 866mg
L-フェニルアラニン 1,948mg
L-トレオニン 1,008mg
L-トリプトファン 374mg
L-バリン 1,380mg
L-シスチン 46mg
L-チロシン 114mg
L-アルギニン塩酸塩 2,976mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物 1,412mg
L-アラニン 1,642mg
L-アスパラギン酸 404mg
L-グルタミン酸 204mg
グリシン 3,136mg
L-プロリン 2,126mg
L-セリン 934mg 
 添加物 1袋200mL中
- 乾燥亜硫酸ナトリウム(安定剤) 80mg
クエン酸ナトリウム水和物(安定剤) 100mg
コハク酸二ナトリウム六水和物(pH調節剤)  1,922mg
水酸化ナトリウム(pH調節剤) 236mg
乳酸ナトリウム液(pH調節剤) 2,092mg
(乳酸ナトリウムとして) (1,046mg) 
 1袋200mL中
- 総遊離アミノ酸 22,724mg
分岐鎖アミノ酸 21.3%
総窒素 3,630mg
必須アミノ酸/非必須アミノ酸 0.88 
電解質量〉 1袋200mL中
禁忌
[肝性昏睡が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[高窒素血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある.]
効能または効果
・手術前後,消化管障害,食事制限など蛋白質の摂取または吸収に障害のある場合
・手術,熱傷などで蛋白質の損失が著しい場合
・各種疾患で低蛋白血症があり,かつ経口摂取の不良な場合
・熱性・消耗性疾患など蛋白質の消耗並びに需要が著しく増大している場合
- 通常1回量として,本剤200mLを静脈内に点滴注射する.注入速度は本剤200mL当り120分を基準とする.
 
経中心静脈輸液法に用いる場合は,本剤を糖液などと配合し,中心静脈内に24時間持続点滴注入する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
慎重投与
[アシドーシスが悪化するおそれがある.]
[心不全が悪化するおそれがある.]
薬効薬理
- プロテアミンは日本人の人乳アミノ酸組成を指標として,特に重要な必須アミノ酸パターンは極めて忠実に,非必須アミノ酸はE/Nを考慮しながら重要度に合わせて増減したアミノ酸輸液であり,血中アミノ酸バランスの維持,並びに利用率もよく,窒素出納の負の傾向を軽減させる.2), 3), 4)
 
★リンクテーブル★
  [★]
- 英
 
- amino acid
 
- 関
 
- ケト原性アミノ酸、糖原性アミノ酸
 
定義
- L-アミノ酸、D-アミノ酸がある。一般的に生合成されるポリペプチドはL-アミノ酸を材料としている。D-アミノ酸は細菌が産生し、ごく短いペプチドとして特に、細胞壁に存在する。これはペプチダーゼによる分解を免れるためと言われている。D-アミノ酸を含むポリペプチドは、通常の翻訳経路で生合成されない。(FB.58)
 
- ケト原性:Leu, Lys
 
- 糖原性/ケト原性:Ile, Phe, Trp
 
- 糖原性:Met, Thr, Val, Arg, His
 
- ArgとHisは成長期に必要
 
- PriVaTe TIM HALL
 
一覧
| 分類
 | 
極性
 | 
電荷
 | 
名前
 | 
1
 | 
3
 | 
糖原性
 | 
ケトン原性
 | 
必須アミノ酸
 | 
分枝アミノ酸
 | 
 
 | 
pK1 α-COOH
 | 
pK2 α-NH2
 | 
pKR 側鎖
 | 
側鎖
 | 
| 疎水性アミノ酸
 | 
無
 | 
無
 | 
グリシン
 | 
G
 | 
Gly
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
2.35
 | 
9.78
 | 
 
 | 
―H
 | 
| 無
 | 
無
 | 
アラニン
 | 
A
 | 
Ala
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
2.35
 | 
9.87
 | 
 
 | 
―CH3
 | 
| 無
 | 
無
 | 
バリン
 | 
V
 | 
Val
 | 
 
 | 
 
 | 
○
 | 
○
 | 
 
 | 
2.29
 | 
9.74
 | 
 
 | 
―CH(CH3)2
 | 
| 無
 | 
無
 | 
フェニルアラニン
 | 
F
 | 
Phe
 | 
○
 | 
○
 | 
○3
 | 
 
 | 
 
 | 
2.2
 | 
9.31
 | 
 
 | 
―○C6H5
 | 
| 無
 | 
無
 | 
プロリン
 | 
P
 | 
Pro
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
1.95
 | 
10.64
 | 
 
 | 
αCとNH2の間に ―CH2CH2CH2-
 | 
| 無
 | 
無
 | 
メチオニン
 | 
M
 | 
Met
 | 
 
 | 
 
 | 
○2
 | 
 
 | 
 
 | 
2.13
 | 
9.28
 | 
 
 | 
―CH2CH2-S-CH3
 | 
| 無
 | 
無
 | 
イソロイシン
 | 
I
 | 
Ile
 | 
○
 | 
○
 | 
○
 | 
○
 | 
 
 | 
2.32
 | 
9.76
 | 
 
 | 
―CH(CH3)CH2CH3
 | 
| 無
 | 
無
 | 
ロイシン
 | 
L
 | 
Leu
 | 
 
 | 
○
 | 
○
 | 
○
 | 
 
 | 
2.33
 | 
9.74
 | 
 
 | 
―CH2CH(CH3)2
 | 
| 荷電アミノ酸
 | 
有
 | 
酸性
 | 
アスパラギン酸
 | 
D
 | 
Asp
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
1.99
 | 
9.9
 | 
3.9 β-COOH
 | 
―CH2COOH
 | 
| 有
 | 
酸性
 | 
グルタミン酸
 | 
E
 | 
Glu
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
2.1
 | 
9.47
 | 
4.07 γ-COOH
 | 
―CH2CH2COOH
 | 
| 有
 | 
塩基性
 | 
リシン
 | 
K
 | 
Lys
 | 
 
 | 
○
 | 
○
 | 
 
 | 
 
 | 
2.16
 | 
9.06
 | 
10.54 ε-NH2
 | 
側鎖のCH2は4つ ―-CH2CH2CH2CH2NH2
 | 
| 有
 | 
塩基性
 | 
アルギニン
 | 
R
 | 
Arg
 | 
 
 | 
 
 | 
○1
 | 
 
 | 
 
 | 
1.82
 | 
8.99
 | 
12.48 グアニジウム基
 | 
側鎖のCH2は3つ ―CH2CH2CH2-NH-C-(NH2)NH
 | 
| 極性アミノ酸
 | 
有
 | 
無
 | 
セリン
 | 
S
 | 
Ser
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
2.19
 | 
9.21
 | 
 
 | 
―CH2OH
 | 
| 有
 | 
無
 | 
スレオニン
 | 
T
 | 
Thr
 | 
○
 | 
○
 | 
○
 | 
 
 | 
 
 | 
2.09
 | 
9.1
 | 
 
 | 
―CH(CH3)OH
 | 
| 有
 | 
無
 | 
チロシン
 | 
Y
 | 
Tyh
 | 
○
 | 
○
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
2.2
 | 
9.21
 | 
10.46 フェノール
 | 
―CH2-φ
 | 
| 有
 | 
塩基性
 | 
ヒスチジン
 | 
H
 | 
His
 | 
 
 | 
 
 | 
○
 | 
 
 | 
 
 | 
1.8
 | 
9.33
 | 
6.04 イミダゾール基
 | 
―CH2-C3H3N2
 | 
| 有
 | 
無
 | 
システイン
 | 
C
 | 
Cys
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
1.92
 | 
10.7
 | 
8.37 -SH基
 | 
―CH2-SH
 | 
| 有
 | 
無
 | 
アスパラギン
 | 
N
 | 
Asn
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
2.14
 | 
8.72
 | 
 
 | 
―CH2-CO-NH2
 | 
| 有
 | 
無
 | 
グルタミン
 | 
Q
 | 
Gln
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
2.17
 | 
9.13
 | 
 
 | 
―CH2-CH2-CO-NH2
 | 
| 無
 | 
無
 | 
トリプトファン
 | 
W
 | 
Trp
 | 
○
 | 
○
 | 
○
 | 
 
 | 
 
 | 
2.46
 | 
9.41
 | 
 
 | 
―Indol ring
 | 
| 1 人体で合成できるが、不十分。
 | 
| 2 Cysが足らなければ、Metから合成することになる。
 | 
必須アミノ酸
参考
  [★]
- 英
 
- cirrhosis of liver (M), liver cirrhosis LC, cirrhosis
 
- 関
 
- 肝臓
 
定義
(アトラス肝臓病 金原出版 谷川久一、阿部弘彦 昭和62年1月30日 p.57)
- 1. 肝細胞死が原因で、びまん性の結合組織増生が肝臓全域に見られる
 
- 2. 肝実質の結節性再生と小葉構造の改築が認められるもの
 
概念
- 肝硬変はびまん性に線維化した肝病変の終末像であり、慢性肝炎とともにもっともしばしばみられる肝の病態である。臨床的には様々な程度の肝細胞機能不全状態と門脈圧亢進症による症状がみられる慢性疾患である。
 
疫学
- 人口10万人あたりの死亡率12.5人
 
- 45-59歳の男性では死亡順位第4位
 
- 西日本に多い
 
病因
病理
- 炎症による細胞の破壊と再生を繰り返す結果、再生した肝細胞と新たに形成された線維性の隔壁を有する結節が形成され(再生結節)、肝硬変となる。(BPT.647)
 
- ウイルス性肝炎の慢性化による肝硬変では、3mm以上の結節がみられる(macronodular cirrhosis)。
 
- アルコール性肝炎の慢性化による肝硬変では、平均3mmの結節がみられる(micronodular cirrhosis)。
 
病態生理
- 肝機能低下により(1)エストロゲンの肝臓における異化が低下、(2)アルブミン合成能が低下、(3)門脈圧亢進が起こる。(1)によるエストロゲンなどの血管拡張因子により血管が拡張し循環血漿量が減少する。(2)による膠質浸透圧の低下はサードスペースへの体液移動を引き起こしさらに循環血漿量を低下させる。これには(3)も相加的に作用すると思われる。循環血漿量の低下はRAA系の亢進をきたし、アルドステロンによるNa、水の貯留引き起こす。
 
- 非代償性肝硬変では、肝網内系(クッパー細胞など)の機能低下、白血球減少による易感染性を呈する。
 
症状
合併症
- 参考2
 
身体所見
[show details]
- 腹部:脾腫 ← 門脈圧と脾腫の程度は相関しない (QB.B-315)
 
検査
血算
- 
- 血小板減少が門脈圧亢進の最初の徴候(HIM.1978)
 
- 白血球減少 ← 門脈圧亢進によるうっ血性の脾腫に伴う脾機能亢進。 骨髄での産生低下も原因らしい(出典不明)
 
 
血液生化学
- 
- 総ビリルビン T-Bil:上昇
 
- アンモニア NH3:上昇
 
- Fischer比:低下
 
- 線維化マーカー (ヒアルロン酸、IV型コラ-ゲン):上昇
 
- 膠質反応(TTT,ZTT):上昇
 
- γグロブリン:上昇  ← 門脈血に含まれる細菌の抗原が肝臓をシャントしてリンパ組織に到達するためとされている(uptodate)
 
 
- 
 
- 
- 糖の処理障害により食後高血糖を来しやすく、糖尿病を発症しやすい。
 
 
- 低ナトリウム血症、血漿浸透圧低下 ← 血液中の水が間質に移動する結果、電解質も共に移動する。血液中には水が過剰となり、低ナトリウム血症、血症浸透圧低下となる。volume depletionに対してADHが主に作用するからか、あるいはH2Oが移動しやすいからなのかは不明。
 
免疫血清検査
- 多クローン性γグロブリン血症
 
- IgG:増加する傾向あり。 ← 門脈血が肝臓を通過せずにリンパ組織に流れ込む結果。著しく高値であったら自己免疫性肝炎。(参考1)
 
- IgM:高値であったら90-95%はPBCである。(参考1)
 
- 壊死、炎症が持続的に起きているから上がると解釈することもできる、みたい。
 
画像
- (US,CT, MRI,Angio,肝シンチ、上部消化管内視鏡)
 
腹腔鏡、肝生検
- 分枝鎖アミノ酸(branched chain amino acids, BCAA)と芳香族アミノ酸(aromatic amino acids; AAA)の分子比(モル比)
 
- 
- 肝臓、末梢(筋肉など)でよく代謝される
 
- ほぼ肝臓で代謝される
 
 
診断
治療
- IMD 参考2 YN.B-47
 
- 治療のゴールは、(1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させること、(2)他の原因による肝臓障害を予防すること、(3)合併症の予防、(4)肝移植の時期を決定することである。
 
- 方針:原疾患の治療を行い、肝硬変の進展を抑えるように食事、生活療法を行う、非代償期には合併症の治療を行う。
 
- (1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させる:原疾患の治療を行う(自己免疫性肝炎であればステロイドや免疫抑制薬、アルコール性肝障害であれば禁酒、ウイルス性肝炎であれば病原体に応じた治療)。
 
- (2)他の原因による肝臓障害を予防する:肝臓に障害を与えないようにする(アルコール摂取、アセトアミノフェンの過剰服用)。予防接種を受ける(肝予備能がほとんど無ければA型肝炎、B型肝炎。肺炎球菌、インフルエンザウイルスに対する予防接種も考慮される。
 
- (3)合併症の予防:肝細胞癌、静脈瘤出血、特発性細菌性腹膜炎、肝腎症候群、肝性脳症、肝肺症候群
 
- (4)肝移植の時期を決定:
 
代償期
- 食後の安静、適切な熱量(25-30kcal/kg/日)で適切な蛋白質(1.2-1.5g/kg)の食事を摂取、ビタミンB、ビタミンK補充
 
- 肝庇護薬(ウルソデオキシコール酸、グリチルリチンなど)
 
非代償期
- 
- 食塩制限(5-7g以下)。飲水制限(1L/day)(腹水貯留時)
 
- 蛋白質の補充:分枝鎖アミノ酸の多い食事、分枝鎖アミノ酸製剤の点滴。NH3が上昇するなど肝性脳症の危険があれば低蛋白食とする。
 
- 膠質浸透圧の維持:アルブミン製剤
 
- 早朝低血糖に対し、夜食を勧める(肝機能低下により糖新生↓のはず)。(出典不明)
 
- 利尿薬:抗アルドステロン薬(スピロノラクトン)、トルバプタン、フロセミド、サイアザイド  →  後2者はhypokalemiaからmetabolic alkalosisを惹起、アンモニアのNH4+ ⇔ NH3 + H+の平衡を左に移行させてアンモニアの排泄を阻害、高アンモニア血症を増悪しうる(非イオン化状態では尿細管で再吸収されやすいはず)(出典不明)。
 
- 腹水濃縮再注入法
 
- 肝内門脈大循環シャント、腹膜静脈短絡術
 
 
- 食道静脈瘤の治療:内視鏡的食道静脈瘤硬化術・結紮術、外科的治療
 
- 肝性脳症の治療:腹水の食事療法に準じるが、NH3再吸収につながる便秘の予防に気をつける。
 
- 肝移植
 
予後
- 死因:(1)肝性脳症、(2)静脈瘤破綻、(3)肝癌合併
 
- (1),(2)の治療が発達したことにより、(3)での死亡が増加している。
 
参考
- 1. [charged] Diagnostic approach to the patient with cirrhosis - uptodate [1]
 
- 2. [charged] Overview of the complications, prognosis, and management of cirrhosis - uptodate [2]
 
国試
  [★]
- 英
 
- urinary sediment
 
- 関
 
- 尿沈渣検査 urinary sediment examination、尿沈液
 
概念
- 尿中に含まれる各種の細胞、円柱、結晶、微生物などの有形成分。
 
- 尿沈渣の検査は腎・尿路系疾患の診断、進行度、予後の推定を目的に行う。
 
検体
- 検体は早朝起床時尿(早朝第一尿)の中間尿約10mL。早朝第一尿では円柱がみられやすい
 
- 検体は採尿後1時間以内になるべく早く観察 → 室温2時間以上放置すると細菌が増殖し、アルカリ化が進む。尿路感染が分からなくなるうえ、円柱や細胞が崩壊して観察できない。
 
- 古い尿やアルカリ性尿では血球、円柱、上皮細胞の崩壊が強く正しい判定ができないことがある。
 
- 女性の場合、月経時における血液の混入、腟分泌物の混入(中間尿を採るようにしてもらう)
 
方法
- 1. 新鮮尿10mLを尿沈渣用試験管にとり500Gで5分間遠心する
 
- 2. 上清を捨て残液約0.2mLとする
 
- 3. そのまま、あるいは尿沈渣用染色液を加えて混和する
 
- 4. 1滴(15μl)をスライドガラスに載せカバーガラスをかけ鏡検する
 
観察方法
- LPF(low power field 、弱拡大、100倍):3.14  mm2、7.27ul
 
- HPF(high power field、強拡大、400倍):0.196 mm2、0.45ul
 
病的所見
- 赤血球と白血球はそれぞれ5/HPF以上、硝子円柱は1/HPF以上、上皮細胞性円柱、顆粒円柱、蝋様円柱、脂肪円柱、赤血球円柱、白血球円柱の各種円柱類、異常結晶(ビリルビン、チロジン、ロイシン、コレステロール、シスチン、2,8-ジヒドロキシアデニンなど)、細菌、真菌、原虫、虫卵、腫瘍細胞の出現
 
判断基準
| 赤血球
 | 
≧5個/HPF
 | 
| 白血球
 | 
≧5個/HPF
 | 
| 上皮細胞(正常)
 | 
扁平上皮細胞をのぞく全て(移行上皮、尿細管上皮、円柱上皮)
 | 
| 上皮細胞(異常)
 | 
すべて(卵円系脂肪体、多核巨細胞、封入体細胞)
 | 
| 異型細胞
 | 
癌細胞
 | 
| 大食細胞
 | 
≧1個/HPF
 | 
| 円柱
 | 
<1個/HPFの硝子円柱をのぞく全て
 | 
| 粘液系
 | 
≧1+
 | 
| 結晶
 | 
病的結晶(シスチン、チロシン、ロイシン、ビリルビン、コレステロール、DHA結晶)。正常結晶(尿酸結晶)で≧2+の時
 | 
| 細菌
 | 
≧1+(>/HPFの桿菌)
 | 
| 真菌
 | 
すべて
 | 
| 原虫
 | 
すべて
 | 
| 寄生虫
 | 
すべて
 | 
OLM.53
| 尿沈渣成分の基準値
 | 
|  
 | 
強拡大視野あたり(/HPF)
 | 
| 赤血球数
 | 
1/4-7≧
 | 
| 白血球数
 | 
1-2/4-7≧
 | 
| 上皮細胞数
 | 
1/10≧
 | 
| 円柱
 | 
1/20≧
 | 
結晶 (LAB.217)
- アルカリ性尿で見られる血症はウレアーゼ産生菌のプロテウスやクレブシエラなどによる尿路感染症でみられるが、正常尿でも見られうる。
 
病的意義のある結晶
急性腎不全を背景とする場合
円柱 (LAB.214)
- 硝子円柱は正常でも見られるので病的意義はない。尿量の少ないとき、運動後や利尿薬の使用時にみられる。
 
  [★]
- 英
 
- dopamine DA DOA 3,4-dihydroxyphenethylamine
 
- 同
 
- ドーパミン
 
- 化
 
- 塩酸ドパミン, dopamine hydrochloride, ドパミン塩酸塩
 
- 商
 
- イノバン、イブタント、カコージンD、カコージン、カタボン、ガバンス、クリトパン、ツルドパミ、ドパラルミン、ドミニン、トロンジン、プレドパ、マートバーン、ヤエリスタ
 
- 関
 
- ドパミン受容体、カテコラミン。強心剤
 
概念
生合成
視床下部-下垂体系
- 視床下部弓状核や脳室周辺の隆起漏斗系ドパミンニューロンで産生される。
 
- 下垂体のD2受容体を介してホルモン分泌の調節を受けている。 → e.g. プロラクチン放出抑制ホルモン(PIF)
 
- 低用量での血管拡張はこの受容体を介して起こる (GOO.249)
 
- 中枢神経系に存在
 
神経伝達物質の薬理 (GOO.324)
薬理学
- D1受容体に作用して血管拡張→腎血流量↑→GFP↑→Na排出↑→利尿
 
- β1受容体に作用→心拍出量↑・心収縮力↑(頻脈はない)・収縮期圧↑・拡張期圧不変
- アドレナリン低用量投与と同じ?
 
 
- α1受容体に作用→血管平滑筋収縮(→収縮期圧↑、拡張期圧↑???)
- アドレナリン高用量投与と同じ?
 
 
ran]]
(PT.218)
- 中脳に細胞体を持つものが多く、黒質から線条体に至る黒質線条体系と黒質や腹側被蓋野から報酬系の神経核、辺縁系、前頭葉に至る中脳皮質系がある。視床下部やその周辺にもドーパミン作動性線維の細胞体とその終末があり、隆起漏斗系、隆起下垂体系、不確帯視床下部系、脳室周囲系を形成する。黒質線条体系の変性はパーキンソン病をもたらす。ドーパミン誘導体には幻覚剤となるものがある。ドーパミンの分泌増大や脳のD2受容体の増加は精神分裂病(統合失調症)の発病に関与している可能性がある。モルヒネはドーパミンの分泌を促進する。コカインは輸送体によるドーパミンの取り込みを阻害し作用の持続時間を延長する。一部の覚醒剤中毒はドーパミン輸送体の抑制による。
 
ホルモンの調節
- プロラクチンは視床下部でドパミンの産生を促進 ← プロラクチン抑制因子として作用
 
- ドパミンは視床下部でGnRHの分泌を抑制 → 卵巣機能の抑制
 
- ドパミンは下垂体前葉?でD受容体に作用してプロラクチンを抑制 ← 抗精神病薬(D2受容体をブロックする)を使うと高プロラクチン血症となる。
 
循環不全治療薬として
- イノバン
 
- 下記のような急性循環不全(心原性ショック、出血性ショック)
 
- (1) 無尿、乏尿や利尿剤で利尿が得られない状態   ←  低濃度で用いれば、腎血流を増加させ尿量の増加が期待できる → ドパミン#薬理学
 
- (2) 脈拍数の増加した状態  ←  高濃度でなければ、頻脈を起こさず心拍出量を増やす。 → ドパミン#薬理学
 
- (3) 他の強心・昇圧剤により副作用が認められたり、好ましい反応が得られない状態
 
  [★]
- 英
 
- catecholamine catecholamines CA
 
- 同
 
- カテコラミン
 
- 関
 
- 副腎髄質ホルモン
 
Wikipedia
生合成
チロシン tyrosine
 (フェニル基の3位にOHを導入) :律速酵素
 -チロシン 3-モノオキシゲナーゼ tyrosine 3-monooxygenase, チロシン水酸化酵素 tyrosine hydroxylase
 ←{H4・biopterin}
 →{H2・biopterin}
L-ドーパ L-dopa
 (アミノ酸から脱炭酸)
 -芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ dopa decarboxylase + {ピリドキサル5-リン酸(VB6)}
 →CO2
ドパミン dopamine
 (β位の炭素にOHを導入)
 -ドーパミン β-モノオキシゲナーゼ dopamine β-monoxygenase, dopamine β-odidase
 ←O2 + ビタミンC(アスコルビン酸)
 →H2O + デヒドロアスコルビン酸
ノルアドレナリン norepinephrine
 (アミノ基にメチル基を転移)
 -フェニルエタノールアミン N-メチルトランスフェラーゼ phenylethanolamine N-methyl transferase
 ←S-アデノシルメチオニン S-adenosylmethionine
 →S-アデノシルホモシステイン S-adenosylhemocysteine
アドレナリン epinephrine
分解
分解産物
薬理作用
昇圧作用
臨床検査
基準値
カテコールアミン3分画(血漿)(BML)
- アドレナリン:≦0.10 ng/mL
 
- ノルアドレナリン:0.10~0.50 ng/mL
 
- ドパミン:≦0.03 ng/mL
 
  [★]
- 英
 
- lymphocyte-specific protein tyrosine kinase p56
 
- 関
 
- Lckキナーゼ
 
  [★]
- 英
 
- tyrosine phosphorylation、tyrosine-phosphorylated
 
  [★]
- 英
 
- non-receptor type 12 protein tyrosine phosphatase
 
  [★]
- 英
 
- non-receptor type 3 protein tyrosine phosphatase