- 英
- adrenomedullary hormone, adrenal medullary hormone
- 副腎髄質で産生・分泌されるカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン)、エンケファリンの総称?(SP.899-900)。
以下、アドレナリンとノルアドレナリンだけについて記述する。
分類
性状
産生組織
標的組織
生理作用
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受容体
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存在部位
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作用
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心臓
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β1
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心臓
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心拍数・心収縮・心伝導速度↑
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平滑筋
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α1
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血管、性器、泌尿器の平滑筋
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収縮
|
〃
|
α1
|
消化管平滑筋
|
弛緩
|
〃
|
α2
|
血管平滑筋
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収縮
|
〃
|
α2
|
消化管平滑筋?
|
収縮?
|
〃
|
β2
|
血管、気管支、胃腸、尿路、子宮の平滑筋
|
弛緩
|
代謝
|
α1,β2
|
肝臓
|
グリコーゲン分解, 糖新生
|
〃
|
β2
|
骨格筋
|
グリコーゲン分解, 糖新生
|
〃
|
β3
|
脂肪組織
|
脂肪分解促進
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内分泌
|
α2
|
膵臓β細胞
|
インスリン・グルカゴン分泌↓
|
〃
|
β1
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腎臓傍糸球体細胞
|
レニン分泌↑
|
作用機序
分泌調節
ホルモン>:ホルモン
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/07/27 14:38:54」(JST)
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カテコールアミン (Catecholamine) とは、一般にチロシンから誘導された、カテコールとアミンを有する化学種である。レボドパや多くの神経伝達物質等(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)及び関連薬物の基本骨格になっている。カテコラミンとも呼ばれる。
目次
- 1 性質
- 2 生合成
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
性質
一般に、水溶性が高く、血液脳関門は通過しないため、静脈内投与で中枢に作用することはない。
カテコールアミン神経伝達物質はモノアミン神経伝達物質の一部として含まれる。
カテコールアミンは輸送、貯蔵され、刺激によって細胞外に放出され、多くが細胞内に再取り込みされる。一旦細胞外に出ると、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ (Catechol-O-Methyltransferase、COMT) によってメチル化されたり、細胞内で遊離した場合には、モノアミン酸化酵素 (Monoamineoxidase、MAO) によってアミノ基が酸化的除去されたりして、速やかに分解される。ノルアドレナリンはノルメタネフリンへ、アドレナリンはメタネフリンへと代謝・不活化される。
生合成
生体内では、チロシンよりチロシン水酸化酵素によりレボドパが生合成される。レボドパはレボドパ脱炭酸酵素や芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素によりドーパミンへ変換される。ドーパミンはドーパミンβ-水酸化酵素によりノルアドレナリンへ変換される。ノルアドレナリンは、 フェニルエタノールアミン-N-メチルトランスフェラーゼによりアドレナリンへ変換される。
関連項目
- ホルモン
- ジュリアス・アクセルロッド
- フェネチルアミン
- ステロイドホルモン
- ペプチドホルモン
- バニリルマンデル酸
- 副腎髄質
- カテコラミン誘発多形性心室頻拍(Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia:CPVT)
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 57.生活習慣病における副腎髄質ホルモン分泌機構の分子メカニズムとその作用機序の解明(第28回産業医科大学学会総会学術講演・展示抄録集)
- Case of Adrenal Incidentaloma with 131I-adosterol Scintigraphy Showing High Uptake Despite No Significant Physical or Endocrinological Abnormalities
- Ogo Atsushi,Mayoba Yuka,Sakai Yoshiyuki,Hiramatsu Shinsuke,小河 淳,的場 ゆか,坂井 義之,平松 真祐,オゴウ アツシ,マトバ ユカ,サカイ ヨシユキ,ヒラマツ シンスケ
- 福岡医学雑誌 101(6), 128-131, 2010-06-25
- … 検査では,コルチゾールは正常な日内リズムで,デキサメサゾン1 mg 抑制試験で十分な抑制を認めた.早朝ACTH値は正常で,CRH負荷試験においても正常な反応がみられた.レニンーアルドステロン系や副腎髄質ホルモンは正常であり,以上から非機能性副腎腺腫と診断した.ところが131I-アドステロールシンチグラフィー検査では患側に陽性所見を認めた.この4年間において腫瘍のサイズを含めてこれらの検査所見に …
- NAID 120002451552
- 尾仲 達史
- 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 126(3), 170-173, 2005-09-01
- … キャノンとセリエにより医学の世界にストレスという言葉が持ちこまれた.キャノンは,ストレス刺激に対応した多様な反応が生体におきることとこの反応に交感神経系-副腎髄質ホルモン分泌が必須であることを示した.セリエは,刺激によらず非特異的な反応が生体におきることとこの反応に視床下部-下垂体前葉ACTH-副腎皮質ホルモンが必須であることを示した.近年になり,「ストレス」が多くの疾患の少なくと …
- NAID 10019595918
Related Links
- 副腎髄質は主にホルモンを作り出すクロム親和性細胞によって構成されており、アミノ酸 のチロシンからカテコールアミンの ... また、節前神経線維と節後神経線維の間の シナプスは自律神経節と呼ばれ、実際は副腎髄質は交感神経系の神経節である。
- 副腎髄質ホルモンとは、腎臓の上に左右一対ある副腎と呼ばれる臓器から分泌される ホルモンのことです。アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの3種類があり、3つを 総称してカテコールアミンと呼びます。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- catecholamine catecholamines CA
- 同
- カテコラミン
- 関
- 副腎髄質ホルモン
Wikipedia
生合成
チロシン tyrosine
(フェニル基の3位にOHを導入) :律速酵素
-チロシン 3-モノオキシゲナーゼ tyrosine 3-monooxygenase, チロシン水酸化酵素 tyrosine hydroxylase
←{H4・biopterin}
→{H2・biopterin}
L-ドーパ L-dopa
(アミノ酸から脱炭酸)
-芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ dopa decarboxylase + {ピリドキサル5-リン酸(VB6)}
→CO2
ドパミン dopamine
(β位の炭素にOHを導入)
-ドーパミン β-モノオキシゲナーゼ dopamine β-monoxygenase, dopamine β-odidase
←O2 + ビタミンC(アスコルビン酸)
→H2O + デヒドロアスコルビン酸
ノルアドレナリン norepinephrine
(アミノ基にメチル基を転移)
-フェニルエタノールアミン N-メチルトランスフェラーゼ phenylethanolamine N-methyl transferase
←S-アデノシルメチオニン S-adenosylmethionine
→S-アデノシルホモシステイン S-adenosylhemocysteine
アドレナリン epinephrine
分解
分解産物
薬理作用
昇圧作用
臨床検査
基準値
カテコールアミン3分画(血漿)(BML)
- アドレナリン:≦0.10 ng/mL
- ノルアドレナリン:0.10~0.50 ng/mL
- ドパミン:≦0.03 ng/mL
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- adrenal gland (KH), suprarenal gland (Z)
- 同
- 腎上体
解剖
血管(図:N.322)
- ref(renal_gland_av.png,副腎)
組織
機能
[★]
- 英
- adrenal medulla (Z)
- 関
- 副腎、副腎皮質
- クロム親和性細胞がカテコールアミンを合成
- クロム親和性細胞の顆粒中にはAD:NA=4:1で貯蔵されている(SPC.140)
- 交感神経節が内分泌器官に分化した組織 (SP.899)
- 胸髄(T5-T9)から出る交感神経節前ニューロン(大内臓神経の線維)の支配を受ける (SP.899)
- 英
- adrenal medulla
[★]
- 英
- renal medulla (Z)
- ラ
- medulla renalis
- 関
- 腎臓、腎皮質
[★]
- 英
- medulla (Z)