- 英
- congenital cytomegalovirus infection
- 同
- 先天性CMV感染症, 先天性巨細胞封入体症
- 関
- サイトメガロウイルス、サイトメガロウイルス感染症
概念
- 妊娠初期に妊婦がCMV感染を受けると、胎児が経胎盤的にCMVに感染し、一部の胎児に奇形が生じる。
症状
後遺症
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 先天性サイトメガロウイルス感染症の胎児・新生児治療 (特集 知っておきたい周産期感染症の知識)
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- サイトメガロウイルスは、初期感染と再賦活することで生じる日和見感染として生じる。 胎内感染では新生児に先天性の感染症を生じる。輸血の際、白血球内に感染したサイト メガロウイルスが感染し、2〜4週間後に発熱、まれに肝炎を発症することもある。 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 生後0日の新生児。在胎39週3日、仮死なく出生した。身長43cm、体重2,010g、頭囲28cm、胸囲30cm。外表奇形は認めない。体幹と四肢とに点状出血斑を認める。眼底に異常は認めない。血液所見:赤血球600万、Hb19.0g/dl、白血球11,000、血小板7.3万。血清生化学所見:IgG1,900mg/dl(基準960~1,560)、IgA5mg/dl(基準0~10)、IgM65mg/dl(基準0~20)、AST135IU/l、ALT1201U/l、LDH1,200IU/l(基準270~480)。頭部単純CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [101H017]←[国試_101]→[101H019]
[★]
- (1) 網膜炎がみられる
- (2) 聴力障害を合併する
- (3) 頭部X線単純写真で頭蓋内石灰化像を認める
- (4) 尿からウイルスを分離できる
[★]
- 英
- cytomegalic inclusion disease, CID
- 関
- サイトメガロウイルス感染症、封入体病、巨細胞封入体病
- サイトメガロウイルス
- 先天性サイトメガロウイルス感染症
[★]
- 同
- 先天性サイトメガロウイルス感染症
[★]
先天性サイトメガロウイルス感染症
[★]
先天性サイトメガロウイルス感染症
[★]
先天性サイトメガロウイルス感染症
[★]
- 英
- cytomegalovirus infection
- 同
- CMV感染症
- 関
- サイトメガロウイルス、巨細胞封入体症。日和見病原体、不顕性感染
概念
- ヘルペスウイルス科ベータヘルペスウイルス亜科に属するサイトメガロウイルスによる感染症である。
- 宿主の状態により臨床像が異なる。
- 一般に弱毒で、健康な成人に感染しても発症することはまずない。
- ほとんどの成人(80~90%)が罹患しているが、不顕性のまま経過し、持続感染/潜伏感染している。
- 感染によりCMV-IgG抗体を有することになる。
- 既感染者の尿、唾液、精液、血液、乳汁にサイトメガロウイルスが分離されるため、体液や粘膜を介した接触、尿や唾液を介した接触感染、母乳を介した感染が起こりうる。
- 初感染の場合、細胞免疫が低下した者で再活性化した場合に症状を呈する(免疫抑制薬投与、AIDS患者)。
- 乳児幼児の初感染、妊婦の初感染、易感染性宿主の再活性化
- 胎児が感染した場合は、黄疸、肝脾腫、出血、小頭症、網膜炎、知能障害などが、移植患者などでは肺炎が起こりやすい。
- 妊婦の初感染により、胎内感染による流産や先天性奇形をきたしうる。
臨床型
先天性サイトメガロウイルス感染症
- 先天性巨細胞封入体症
- 妊婦がサイトメガロウイルスの初感染、再感染、あるいは再活性化により経胎盤的に胎児に感染する。妊婦が初感染の場合には重症となる。
- 症状:低出生体重、黄疸、出血斑、肝脾腫、小頭症、脳内石灰化/脳室周囲石灰化、肝機能異常、血小板減少、難聴、脈絡網膜炎、DIC、知的障害
- 出生時には無症状~一部の症状のみ呈する場合がある。
新生児・乳児・幼児の初感染
- 産道での感染、母乳を介した感染、尿や唾液を介した水平感染が主である。
- 正常な妊娠で出生した場合、母体からの移行抗体によりほとんどが不顕性感染かあるいは軽症で経過する。
- 早産児や低出生体重児の場合、母体からの移行抗体が不十分であるため重症化することが多い。結果として肝炎、肺炎、単核球症を生じうる。よって、このような児に対しては接触予防策を徹底すべきであり、またCMV既感者からの授乳や輸血は回避する必要がある。
成人の初感染
- サイトメガロウイルスに未感染の者が、思春期以降に唾液、精液、血液などを介して初感染を受けた場合には、伝染性単核症様の症状を呈することが多い。
- 発熱、肝機能異常、頚部リンパ節腫脹、肝脾腫などが主な症状であり、EBウイルスの初感染との鑑別が困難である。
- ただし、EBウイルスの場合と違って、滲出性扁桃炎を起こすことは少ない。
- 伝染性単核症様の症状が出たとしても1-2週間で軽快する。
臓器移植による感染
- 臓器移植において、CMV-IgGパターンとしては、ドナー陽性・レシピエント陰性、ドナー陽性・レシピエント陽性の場合が考えられる。
- 前者の場合、ドナーの臓器内に潜伏しているサイトメガロウイルスにより初感染を受けることになる。
- 後者の場合、ドナーからの臓器に拒絶反応を起こさないようにレシピエントは免疫抑制薬により細胞免疫が徹底的に抑制されるが、そのためレシピエントに潜伏していたサイトメガロウイルスが再活性化して発症することがある。
骨髄移植による感染
- 骨髄移植において、CMV-IgGパターンとして、ドナー陰性、レシピエント陽性のパターンで、サイトメガロウイルスが再活性化した場合に重篤化する。
- 免疫を担当する細胞はもっぱらドナー由来の細胞となるが、サイトメガロウイルスは初感染となるため、その他のパターンより重篤化しやすい。
症状
- 脳 :脳炎
- 肺 :間質性肺炎
- 肝臓:ウイルス性肝炎の病態となる
- 網膜:網膜炎。サイトメガロウイルス網膜症
- 消化管:腸炎(潰瘍、びらん)
- 感染症専門医テキスト 第1部 解説編より
症候
|
頻度(%)
|
出血斑
|
54
|
胎児発育不全
|
47
|
肝腫
|
47
|
脾腫
|
44
|
脳石灰化
|
43
|
出生時の黄疸
|
36
|
小頭症
|
40
|
聴覚障害
|
41
|
溶血性貧血
|
13
|
脈絡網膜炎
|
11
|
痙攣
|
8
|
肺炎
|
11
|
肝機能障害
|
30
|
死亡
|
8
|
疾患
|
新生児
|
乳児
|
臓器移植
|
骨髄移植
|
AIDS
|
発熱/肝障害
|
++
|
++
|
++
|
+
|
+
|
消化器感染症
|
+
|
+
|
+
|
+
|
+
|
網膜炎
|
|
|
+
|
+
|
++
|
間質性肺炎
|
+
|
+
|
+
|
++
|
|
骨髄抑制
|
|
|
|
++
|
+
|
脳炎・脳障害
|
+
|
|
|
|
+
|
PTLDリスク
|
|
|
+
|
+
|
|
検査
- 血液像:異型リンパ球増加、単核球の増加
- CMV-IgM:初感染、既感染者の再活性化で陽性となる
- CMV-IgG:既感染者で陽性となる
診断
先天性CMV感染症
- 3. 抗原血症
- 4. DNAの検出
- 5. mRNAの検出
CMV感染症
- 1. NASBA法(nucleic acid sequence based amplification法):mRNA検出。mRNAの検出はウイルスの活動性を反映
- 2. antigenemia法:ウイルス抗原(方法:C7HRP 、C10C11)
- 白血球を単離してCMV抗原に対するモノクローナル抗体で染色し、陽性細胞を計測する。陽性細胞の数で判定する。
- 3. PCR法:DNA検出
- 4. 直接的なウイルス分離
- 5. ウイルス特異的IgM 抗体の検出
治療
予防
- pre‐emptive therapy
- 造血幹細胞移植:ホスカルネット(ガンシクロビルの骨髄抑制)
- 腎移植 :ガンシクロビル(ホスカルネットによる腎障害)
参考文献
[★]
- 英
- cytomegalovirus, CMV
- 関
- ウイルス、白血球中サイトメガロウイルスpp65抗原
ウイルス学
- ヘルペスウイルス科ベータヘルペスウイルス亜科サイトメガロウイルス属
- 二本鎖DNAゲノム。
- あらゆる臓器・組織に潜伏感染
- 感染細胞が巨大化
- 初感染はほとんどの場合は不顕性
- CMVの増殖には2-3日かかるので、病変の進行には約2週間かかる
- HSV:6-8hr, VZV:約14hr, CMV:48-72hr
病原性を示す場合
- 経胎盤感染:妊娠中に妊婦が初感染した場合:胎児:経胎盤感染→巨細胞封入体症
- 新生児・乳児期:未熟児として出生して以降抗体が不十分な場合
- 免疫不全患者:日和見感染症として再活性化して感染症を起こす。
- 免疫抑制患者(臓器移植):間質性肺炎
感染症
疫学
- 小児期にほとんど感染 → 近年成人の罹患率が低下しつつある。
感染経路
- 垂直感染:母子感染(経胎盤。経産道。経母乳)
- 水平感染:唾液、尿、精液、子宮頸管分泌液。医原性(臓器移植。輸血)。
[★]
- 英
- virus
- 同
- ウイルス粒子 virus particle、ビリオン virion
- 関
- 微生物学、抗ウイルス薬、国試に出がちなウイルス
感染経路による分類 SMB.374
学名
目(order, -virales), 科(family, -viridae), 亜科(subfamily, -virinae), 属(genus, -virus), 種(species)
増殖過程
- 吸着 absorption
- 侵入 penetration
- 脱殻 uncoating
- ゲノムの複製 replication、遺伝子発現 transcription
- ウイルス粒子の組み立て assembly
- 放出 release
感染の分類
持続時間
ゲノム
- 一本鎖RNA(-)をゲノムとするウイルスはウイルス粒子内にRNA依存性RNA合成酵素を有する。
[★]
- 英
- infectious disease
- 関
- 感染、定着、感染症法
- 病原体から引き起こされる疾患
- 感染が成立して、宿主に病気が発症した状態
- →宿主が病原体を追い出そうとしている状態
地域別の感染症
参考になるリンク
- http://www.forth.go.jp/tourist/worldinfo/index.html
- Centers for Disease Control and Prevention
- http://www.cdc.gov/
[★]
- 英
- infection
- 関
- 定着、感染症、不顕性感染、顕性感染。サブクリニカル感染
- 細菌が宿主の体表面、体内や組織内に付着して増殖し、定着している状態。
- 感染の成立には微生物(定着能、増殖能、細胞内進入能、毒素産生能などを総合した病原性)と宿主(排除能、殺菌能などの生体防御機構)の力関係が崩れたときに生じる