- 英
- inapparent infection
- 同
- 無症状感染 symptomless infection、無症候性感染 silent infection、亜臨床感染 subclinical infection
- 関
- 顕性感染。サブクリニカル感染、感染
- 伝染力の強い菌に感染しているにもかかわらず、発症していない状態
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/02 20:59:30」(JST)
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不顕性感染(ふけんせいかんせん、inapparent infection)とは感染が成立していながら臨床的に確認しうる症状を示さない感染様式のことを示す。不顕性感染と顕性感染は連続的であり、病原体により不顕性感染の方が一般的であり、発症に至ることの方が稀であるものも少なくない。不顕性感染を示す個体は臨床症状を示さないため、感染源として気付かないうちに病原体を他個体に拡げてしまうおそれがある。このような個体をキャリアと呼ぶ。一般に宿主と微生物との関係が長期間におよぶほど病原性は弱くなる傾向がある。これは宿主側の免疫などの防御機能や微生物側の生存戦略が関係している。不顕性感染の臨床上の応用では弱毒生ワクチンがあり、これは人為的に不顕性感染を成立させることにより、免疫を成立させる方法である。
関連項目
- 感染
- 不完全発病
- 感染初期に発病してもその症状がすぐ消失する状態。
- 自発性感染
- 通常感染しても病原性を示さない微生物が、個体の抵抗力が低下した場合などに急激に増殖し発病する状態。
- 無症候性キャリア
- ワクチン
参考文献
- 鹿江雅光、新城敏晴、高橋英司、田淵清、原澤亮編 『最新家畜微生物学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460198
外部リンク
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Japanese Journal
- 流行性耳下腺炎 (特集 Vaccine preventable diseases を制御するためのわが国の課題)
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Related Links
- 不顕性感染 ふけんせいかんせん ウイルスなど病原体に感染したにもかかわらず、臨床症状を示さずに経過する状態。無症状感染、無症候性感染ともいう。また、明らかな臨床症状がないという意味でサブクリニカル(亜臨床)感染の ...
- 細菌やウイルスなど病原体の感染を受けたにもかかわらず,感染症状を発症していない状態をいう。一般に感染しても必ず発症するとはいえず,大部分がこの不顕性感染となる。感染症状は抗体陽性や遅延型過敏反応などで確認される。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- cytomegalovirus infection
- 同
- CMV感染症
- 関
- サイトメガロウイルス、巨細胞封入体症。日和見病原体、不顕性感染
概念
- ヘルペスウイルス科ベータヘルペスウイルス亜科に属するサイトメガロウイルスによる感染症である。
- 宿主の状態により臨床像が異なる。
- 一般に弱毒で、健康な成人に感染しても発症することはまずない。
- ほとんどの成人(80~90%)が罹患しているが、不顕性のまま経過し、持続感染/潜伏感染している。
- 感染によりCMV-IgG抗体を有することになる。
- 既感染者の尿、唾液、精液、血液、乳汁にサイトメガロウイルスが分離されるため、体液や粘膜を介した接触、尿や唾液を介した接触感染、母乳を介した感染が起こりうる。
- 初感染の場合、細胞免疫が低下した者で再活性化した場合に症状を呈する(免疫抑制薬投与、AIDS患者)。
- 乳児幼児の初感染、妊婦の初感染、易感染性宿主の再活性化
- 胎児が感染した場合は、黄疸、肝脾腫、出血、小頭症、網膜炎、知能障害などが、移植患者などでは肺炎が起こりやすい。
- 妊婦の初感染により、胎内感染による流産や先天性奇形をきたしうる。
臨床型
先天性サイトメガロウイルス感染症
- 先天性巨細胞封入体症
- 妊婦がサイトメガロウイルスの初感染、再感染、あるいは再活性化により経胎盤的に胎児に感染する。妊婦が初感染の場合には重症となる。
- 症状:低出生体重、黄疸、出血斑、肝脾腫、小頭症、脳内石灰化/脳室周囲石灰化、肝機能異常、血小板減少、難聴、脈絡網膜炎、DIC、知的障害
- 出生時には無症状~一部の症状のみ呈する場合がある。
新生児・乳児・幼児の初感染
- 産道での感染、母乳を介した感染、尿や唾液を介した水平感染が主である。
- 正常な妊娠で出生した場合、母体からの移行抗体によりほとんどが不顕性感染かあるいは軽症で経過する。
- 早産児や低出生体重児の場合、母体からの移行抗体が不十分であるため重症化することが多い。結果として肝炎、肺炎、単核球症を生じうる。よって、このような児に対しては接触予防策を徹底すべきであり、またCMV既感者からの授乳や輸血は回避する必要がある。
成人の初感染
- サイトメガロウイルスに未感染の者が、思春期以降に唾液、精液、血液などを介して初感染を受けた場合には、伝染性単核症様の症状を呈することが多い。
- 発熱、肝機能異常、頚部リンパ節腫脹、肝脾腫などが主な症状であり、EBウイルスの初感染との鑑別が困難である。
- ただし、EBウイルスの場合と違って、滲出性扁桃炎を起こすことは少ない。
- 伝染性単核症様の症状が出たとしても1-2週間で軽快する。
臓器移植による感染
- 臓器移植において、CMV-IgGパターンとしては、ドナー陽性・レシピエント陰性、ドナー陽性・レシピエント陽性の場合が考えられる。
- 前者の場合、ドナーの臓器内に潜伏しているサイトメガロウイルスにより初感染を受けることになる。
- 後者の場合、ドナーからの臓器に拒絶反応を起こさないようにレシピエントは免疫抑制薬により細胞免疫が徹底的に抑制されるが、そのためレシピエントに潜伏していたサイトメガロウイルスが再活性化して発症することがある。
骨髄移植による感染
- 骨髄移植において、CMV-IgGパターンとして、ドナー陰性、レシピエント陽性のパターンで、サイトメガロウイルスが再活性化した場合に重篤化する。
- 免疫を担当する細胞はもっぱらドナー由来の細胞となるが、サイトメガロウイルスは初感染となるため、その他のパターンより重篤化しやすい。
症状
- 脳 :脳炎
- 肺 :間質性肺炎
- 肝臓:ウイルス性肝炎の病態となる
- 網膜:網膜炎。サイトメガロウイルス網膜症
- 消化管:腸炎(潰瘍、びらん)
- 感染症専門医テキスト 第1部 解説編より
症候
|
頻度(%)
|
出血斑
|
54
|
胎児発育不全
|
47
|
肝腫
|
47
|
脾腫
|
44
|
脳石灰化
|
43
|
出生時の黄疸
|
36
|
小頭症
|
40
|
聴覚障害
|
41
|
溶血性貧血
|
13
|
脈絡網膜炎
|
11
|
痙攣
|
8
|
肺炎
|
11
|
肝機能障害
|
30
|
死亡
|
8
|
疾患
|
新生児
|
乳児
|
臓器移植
|
骨髄移植
|
AIDS
|
発熱/肝障害
|
++
|
++
|
++
|
+
|
+
|
消化器感染症
|
+
|
+
|
+
|
+
|
+
|
網膜炎
|
|
|
+
|
+
|
++
|
間質性肺炎
|
+
|
+
|
+
|
++
|
|
骨髄抑制
|
|
|
|
++
|
+
|
脳炎・脳障害
|
+
|
|
|
|
+
|
PTLDリスク
|
|
|
+
|
+
|
|
検査
- 血液像:異型リンパ球増加、単核球の増加
- CMV-IgM:初感染、既感染者の再活性化で陽性となる
- CMV-IgG:既感染者で陽性となる
診断
先天性CMV感染症
- 3. 抗原血症
- 4. DNAの検出
- 5. mRNAの検出
CMV感染症
- 1. NASBA法(nucleic acid sequence based amplification法):mRNA検出。mRNAの検出はウイルスの活動性を反映
- 2. antigenemia法:ウイルス抗原(方法:C7HRP 、C10C11)
- 白血球を単離してCMV抗原に対するモノクローナル抗体で染色し、陽性細胞を計測する。陽性細胞の数で判定する。
- 3. PCR法:DNA検出
- 4. 直接的なウイルス分離
- 5. ウイルス特異的IgM 抗体の検出
治療
予防
- pre‐emptive therapy
- 造血幹細胞移植:ホスカルネット(ガンシクロビルの骨髄抑制)
- 腎移植 :ガンシクロビル(ホスカルネットによる腎障害)
参考文献
[★]
- 関
- ノロウイルス、ノーウォークウイルス
病原体
疫学
- 学童期以降成人のウイルス性胃腸炎、ウイルス性食中毒の原因ウイルス
- 10月-4月
- 日本では生ガキを喫食するため
顕性
- Approximately 50% of persons challenged with Norwalk virus become ill and acquire short-term immunity against the infecting strain.(HIM.1206)
潜伏期
感染経路
- 糞口感染
- 嘔吐物が乾燥し、エアロゾルとなって経口的に感染しうる
- 呼吸器を介して感染しない
- 小腸の上皮細胞で増殖
症状
- 脱水により重症化することはまれ
- 発熱は38℃をこれることはまれ
HIM.1205
- 平均24時間(12-72時間)の潜伏期を経て、胃腸炎を突然発症。経過は12-60時間。
- 消化器症状:悪心・嘔吐、腹部疝痛、下痢
- 全身症状:頭痛、発熱、悪寒、筋痛
- 症状の重症度:ロタウイルス>ノロウイルス>サポウイルス
経過
- 1-3日で回復
- 回復後3-7日間は糞便中にウイルスを排出し続ける
治療
検査
- 便:軟便~水様便、×血便、粘液便、白血球なし (HIM.1205)
- 血液:血球数異常なし、時に白血球増多+相対的リンパ球減少 (HIM.1205)
予防
予後
- 死亡は稀。死亡する場合、脱水による(老衰している老人など)。(HIM.1205)
[★]
- 英
- subclinical infection
- 同
- 無症状感染 silent infection、不顕性感染 inapparent infection、潜伏感染 latent infection
- 関
- 感染、感染症
[★]
- 英
- subclinical infection
- 関
- 不顕性感染
[★]
- 英
- symptomless infection
- 関
- 不顕性感染
[★]
- 英
- infection
- 関
- 定着、感染症、不顕性感染、顕性感染。サブクリニカル感染
- 細菌が宿主の体表面、体内や組織内に付着して増殖し、定着している状態。
- 感染の成立には微生物(定着能、増殖能、細胞内進入能、毒素産生能などを総合した病原性)と宿主(排除能、殺菌能などの生体防御機構)の力関係が崩れたときに生じる
[★]
- 英
- dominant、manifest、overt
- 関
- 著しい、明らかにする、著明、ドミナント、明白、優位、優性、優占、支配的、顕在化、現す
[★]
- 英
- apparent infection
- 関
- 不顕性感染、感染
顕性感染の確率が高い感染症
[★]
- 英
- latent、masking、inapparent
- 関
- 潜在性、潜伏、マスキング、遮蔽、潜在、潜在型