出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/12 00:27:58」(JST)
「クラミジア」はこの項目へ転送されています。広義のクラミジアについては「クラミジア門」をご覧ください。 |
クラミジア科 | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Chlamydia trachomatis
|
|||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||
|
|||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||
Chlamydiaceae Rake 1957 | |||||||||||||||
下位分類 | |||||||||||||||
|
クラミジア科 (Chlamydiaceae) とは、グラム陰性偏性細胞内寄生性の真正細菌の1科である。2属9種を含む。
代表的なクラミジアとしては、以下の4種類がある。何れもかつてはクラミジア属に含まれたが、1999年に分類の大幅な変更がなされ、Chlamydia trachomatisを除いて1999年にChlamydophila psittaciをタイプ種とする近縁のクラミドフィラ属 (Chlamydophila) に移された。一般的にはこれらもクラミジアと呼ばれる。
種類 | 感染する動物 |
---|---|
Chlamydia trachomatis | 人間 |
Chlamydophila pecorum | ウシ、ヒツジ |
Chlamydophila psittaci | 人間、鳥類 |
Chlamydophila pneumoniae | 人間 |
人間の場合、Chlamydia trachomatis(クラミジア・トラコマチス)はトラコーマ、性器クラミジア感染症、鼠径リンパ肉芽腫、Chlamydophila (Chlamydia) psittaci はオウム病、Chlamydophila (Chlamydia) pneumoniae はクラミジア肺炎(非定型肺炎のひとつ)、気管支炎の原因となる。
細胞壁にペプチドグリカンがないため、ペニシリン系・セフェム系のβラクタム抗生物質は無効であり、マクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系といった抗菌剤が治療には用いられる。女性のクラミジア感染が蔓延しつつあり、不妊症の原因となる骨盤腔内の感染が問題となりつつある。 また性的接触で感染するので、性感染症の一種であり、他の性感染症と同様、性交渉によりキャッチボールと呼ばれる感染パターンのため性的パートナーも危険に曝されている。このため、治療は、性的パートナーと同時に行わなければならない。
クラミジアが血液感染するかどうかは、2014年7月現在、判明していない。60℃10分間の加熱で死滅するので、加熱処理された血液や血液製剤から感染する可能性はまったくない。
クラミジアなどによって引き起こされる肝周囲炎はフィッツ・ヒュー・カーティス症候群と呼ばれる。
リンク元 | 「特殊な細菌」「Chlamydophila psittaci」「Chlamydiaceae」「クラミジア目」 |
関連記事 | 「クラミジア」「科」 |
科 | 寄生性 | 大きさ | グラム染色性 | 細胞壁 | LPS | ペプチド グリカン |
封入体 | 免疫原性 | 感染経路 | 無効抗菌薬 |
マイコプラズマ科 | 直径0.3μm | なし | なし | なし | なし | 飛沫感染 | βラクタム薬 | |||
リケッチア科 | 偏性細胞寄生性 | (0.3-0.5)x(0.8-2.0)μm | 陰性 | あり | あり | あり | なし | 媒介動物 | βラクタム薬 | |
クラミジア科 | 偏性細胞寄生性 | 陰性 | あり | あり | なし | あり | なし | 飛沫感染/接触感染/性行為 | βラクタム薬、アミノ配糖体系 |
科 | 属 | 病原体名 | 疾患名 | 潜伏期 | 感染経路 | 診断 | 症状 | 治療 | |
マイコプラズマ科 | マイコプラズマ属 | Mycoplasma pneumoniae | 肺炎マイコプラズマ | マイコプラズマ肺炎 | 飛沫感染 | マクロライド系・テトラサイクリン系 | |||
リケッチア科 | オリエンチア属 | Orientia tsutsugamushi | ツツガムシ病 | 4-18日 | ツツガムシ | Weil-Felix反応/蛍光抗体法/免疫ペルオキシダーゼ法/ペア血清 | テトラサイクリン系 ニューロキノロン系 | ||
リケッチア科 | リケッチア属 | Rickettsia japonica | 日本紅斑熱 | 2-8日 | マダニ | Weil-Felix反応 | |||
リケッチア科 | エールリキア属 | Ehrlichia sennetsu | 腺熱 | 10-17日 | 不明 | ||||
リケッチア科 | コクシエラ属 | Coxiella burnetii | Q熱 | 14-26日 | 経気道的、経口的、経皮的。人獣共通感染症 | テトラサイクリン系・ニューキノロン系・リファンピシン併用 | |||
リケッチア科 | バルトネラ属 | Bartonella henselae | Bartonella henselae感染症 (ネコひっかき病/細菌性血管腫症) |
マクロライド系・テトラサイクリン系 | |||||
クラミジア科 | クラミジア属 | Chlamydia psittaci | オウム病クラミジア | 7-10日 | テトラサイクリン系、マクロライド系。 βラクタム、アミノ配糖体無効。 基本小体に作用しない | ||||
クラミジア科 | クラミジア属 | Chlamydia trachomatis | トラコーマクラミジア | 1-5週 | 性行為 | ||||
クラミジア科 | クラミドフィラ属 | Chlamydophila pneumoniae | 肺炎クラミジア | 3-4週 |
.