- 英
- cerebral aneurysm、intracranial aneurysm
- 同
- 頭蓋内動脈瘤 intracranial aneurysm
- 関
- 前交通動脈動脈瘤、頭蓋内動脈瘤、嚢状動脈瘤、脳底動脈瘤、桑実状動脈瘤、後交通動脈分岐部動脈瘤、中大脳動脈瘤
好発部位
- BPT.867
- 海外のデータ
- 1. 前交通動脈分岐部 40%
- 2. 中大脳動脈の第1分岐部 34%
- 3. 内頚動脈-後交通動脈分岐部 20%
- 4. 脳底動脈から後大脳動脈の分岐部 4%
- SQ.520
- 日本のデータ
- ウイリス動脈輪の前半部分が90%を占める
- 1. 前交通動脈
- 2. 内頸-後交通動脈分岐部
- 3. 中大脳動脈分岐部
未破裂脳動脈瘤による症状
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/12 13:06:41」(JST)
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脳動脈瘤 |
分類及び外部参照情報 |
脳動脈瘤がある頭部のMRI画像
|
ICD-10 |
I67.1 |
ICD-9 |
437.3 |
DiseasesDB |
1358 |
MedlinePlus |
001414 |
eMedicine |
neuro/503 med/3468 radio/92 |
MeSH |
D002532 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう、英cerebral aneurysm)とは、動脈壁の脆弱性等に起因する先天的な血管壁が瘤状に変化したもの。大きさは1~2mm程度の比較的小さなものから、30mmを超える大きなものまで様々である。
動脈瘤の血管壁は中膜を欠いている為に破綻しやすく、多くの脳動脈瘤はクモ膜下腔に存在するので、クモ膜下出血の最大の原因となる。
20%の確率で複数の動脈瘤が発見される。
目次
- 1 好発部位
- 2 原因
- 3 未破裂脳動脈瘤の自然経過に関しての報告
- 4 症状
- 5 診断
- 6 治療
- 6.1 未破裂脳動脈瘤の治療
- 6.2 くも膜下出血の対応
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
好発部位[編集]
特に分岐の豊富なWillis動脈輪が好発部位となる。
- 内頸動脈後交通動脈分岐部(IC-PC)
- 前交通動脈(A-com)
- 中大脳動脈第一分岐部(MCA)
- 脳底動脈終末部(basilar top)
原因[編集]
- 先天的な中膜の欠損がある状態で内弾性板の断裂が加わり、そこに血圧の負荷が加わる事で嚢状に動脈瘤が膨らむと考えられている。また遺伝的要因も否定できず、脳動脈瘤の家族歴がある場合は発症の確率が高まるという研究結果もある。
- 特殊な原因の脳動脈瘤として、細菌性脳動脈瘤や外傷性脳動脈瘤がある。
- 細菌性脳動脈瘤
- 感染が原因の脳動脈瘤である。通常は連鎖球菌やぶどう球菌が原因であることが殆どである。稀に真菌が原因となることもあり、真菌性脳動脈瘤と呼ばれる。
- 原因疾患としては細菌性心内膜炎が大部分であり、血液培養で陽性を示す。そのほか敗血症、髄膜炎、歯科的処置に合併することもある。
- 発生機序としては、感染源からの菌塞栓が血液中を循環して脳末梢の血管壁に付着、そこで血管壁の中膜並びに外膜に炎症反応がおこり壁の脆弱化が起こり、不整な動脈瘤が形成される。
- 外傷性脳動脈瘤
- 閉鎖性頭部外傷や穿通性頭部外傷後に起こることがある。内頸動脈の前床突起部、海綿静脈洞部、前大脳動脈や中大脳動脈の末梢部に起こりうる。
- 破裂率は40-60%と高い。また、破裂例の死亡率は31-54%と高い。
未破裂脳動脈瘤の自然経過に関しての報告[編集]
- 国際未破裂脳動脈瘤研究(ISUIA, 2003)
- 脳動脈瘤の破裂率に関して、前向き経過観察(1,692例、2,686瘤、平均4.1年、6,544人・年)を行った研究である。
- くも膜下出血の既往のない7mm以下の未破裂脳動脈瘤のうち、内頸動脈―後交通動脈瘤を除くWillis輪前方の動脈瘤はほとんど破裂しないことが示された。
- 後方循環の動脈瘤の破裂率は年間0.5%であった。
- 脳動脈瘤のサイズが7~12mmの場合、前方の動脈瘤は年間0.5%、後方は年間2.9%、13~24mmの場合には前方年間2.9%、後方は年間3.7%、25mm以上では前方年間8%、後方年間10%の破裂率であった。
- 日本での報告
- 瘤全体の年間破裂率は、1.9~2.7%と報告されている。
- サイズが大きいもの、後方循環、症候性、多発性および多房性の形状などが破裂のリスクが高い因子であるという報告がある一方で、合併疾患や瘤の部位による破裂率の差を認めないとする報告もある。
- UCAS Japanは中間段階であり、正確な破裂率は公開されていないが、破裂率は全体で年間約1%前後、破裂に関与する因子として、脳動脈瘤の大きさと部位が重要であり、現段階では有意差はないが、高血圧、高齢者などもリスクファクターとして挙げられている。
症状[編集]
破裂しない限り、原則として無症状。
ただし内頸動脈に生じた脳動脈瘤は、瘤による圧迫で同側の動眼神経麻痺をきたす。また、最大径が2.5cm以上のいわゆる、巨大動脈瘤になると、動脈瘤の部位に応じた圧迫症状が起こる。
診断[編集]
- カテーテルを血管内に挿入してそこから造影剤を流しながらレントゲン撮影する。最近は3D撮影できる装置も普及している。脳血管造影は脳動脈瘤検査の基本であり、従来は脳動脈瘤患者(特に手術を行う患者)に対しては必須の検査であった。しかし最近は検査に伴う侵襲と他の診断機器の進歩から必要なときのみに行うという施設も多い。
- 脳血管造影や3D-CTAと比較して侵襲の小さい検査である。脳ドックでの脳動脈瘤スクリーニングに用いられる。MRIのT1強調画像、T2強調画像では、動脈瘤内の血栓化の有無を確認することもできる。
- 3D-CTA(3D-CT angiography)
- 造影剤を経静脈的に投与して撮像する。造影剤アレルギーのリスクの分、MRAよりも侵襲は大きいと言えるが、脳血管造影よりも患者さんにかかる負担は遥かに小さいと言える。
治療[編集]
未破裂脳動脈瘤の治療[編集]
脳卒中ガイドライン2009、脳ドックガイドライン2008によれば、以下のことが推奨されている。
- 未破裂脳動脈瘤が発見された場合、患者の背景因子、病変の特徴、未破裂脳動脈瘤の自然歴、および施設や術者の治療成績を勘案して、治療の適応を検討する。
- 未破裂脳動脈瘤の自然歴(破裂リスク)から考察すれば、原則として患者の余命が10-15年以上ある場合に下記の病変について治療を検討する。
-
- 大きさ5~7mm以上の未破裂脳動脈瘤
- 5mm未満であっても、破裂の危険性が高いと推測される動脈瘤(症候性のもの、多発性、後方循環、前交通動脈、内頸動脈―後交通動脈分岐部の動脈瘤、不規則な形状、ブレブの存在)
- その他の危険因子として、サイズが大きいもの、高齢、女性、くも膜下出血の既往、くも膜下出血の家族歴、喫煙、高血圧、が挙げられる。
- 経過観察を行う場合には、喫煙習慣、大量飲酒習慣の是正、高血圧の治療を行い、半年~1年毎に画像検査を行う。経過観察にて瘤の拡大、変形、症状の変化が明らかになった場合、治療に関して再度評価を行うことが推奨される。
- 治療を行う場合には、開頭術(クリッピング)或いは血管内治療(コイリング)を検討する。開頭術にはクリッピング困難時にトラッピング、親動脈近位部閉塞術を行う。それすら困難な場合は動脈瘤被包術(コーディング術、ラッピング術)などを考慮する。血管内治療は外科的治療のリスクが高い症例で選択されることが多く、高齢者や多発性動脈瘤で有利であるが、逆にneckの広い動脈瘤や大型動脈瘤では再開通率が高く不利である。
- 血管内治療においては治療後も不完全閉塞や再発などについての経過観察が必要で、開頭クリッピングも完全に成功したとしても再発や新生にてクモ膜下出血が20年間で12%認められるため経過観察は必要である。
- ISAT試験、CRAT試験では、クリッピングとコイリングの治療法の効果には大きな差がなかったとの報告があった。
くも膜下出血の対応[編集]
詳細は「クモ膜下出血」を参照
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 日本脳卒中学会ホームページ:脳卒中治療ガイドライン2009
- 脳ドックのガイドライン2008
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血後の言語性記憶の特徴
- 大沢 愛子,前島 伸一郎,棚橋 紀夫
- The Japanese journal of rehabilitation medicine 49(9), 625-630, 2012-09
- NAID 40019445570
- くも膜下出血(破裂脳動脈瘤) (特集 速習!3日で学ぶ 血管内治療と看護) -- (速習2日目 疾患別血管内治療がわかる!)
- 脳動脈瘤コイル塞栓術支援システムの開発 (特集 医療機器)
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- A:脳の血管(動脈)の一部が膨らんで弱くなっているところを脳動脈瘤と言います。人は 1.5-5%の割合で有していると思われています。そのうちの0.5-3%が破れて症状を 引き起こすと言われています。 脳動脈瘤は生まれつき持っているわけではなく、40歳 以降に ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 80歳の男性。右眼の視力低下を主訴に来院した。約2年前から縦の線がうねって見えることに気付いていた。3か月前に急激な視力低下をきたし、硝子体出血の治療を近医で受けたが改善しなかった。5年前から糖尿病と高血圧とを指摘され治療を受けており、1年前から不整脈が発生し抗血小板療法を受けている。視力:右手動弁/30cm(矯正不能)、左0.8(矯正不能)。前眼部、中間透光体所見:両眼に軽度の白内障を認めたが、角膜、前房および隅角には異常を認めなかった。右眼の硝子体に強い混濁を認めた。血液所見:赤血球350万、Hb 11.0g/dl、Ht 33%、白血球 4,230、血小板 13万。血液生化学所見:血糖 145mg/dl、HbA1C 7.2%、総蛋白 6.3g/dl、アルブミン 4.0g/dl、尿素窒素 20mg/dl、クレアチニン 0.9mg/dl、Na 142mEq/l、K 4.7mEq/l、Cl 107mEq/l。右眼の硝子体切除術を施行した。混濁した硝子体を除去すると網膜下にも出血があり、出血は黄斑部を含んで下方に広がっていた。手術後3日の右眼(手術眼)の眼底写真と左眼の眼底写真とを以下に示す。
- 硝子体出血の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I078]←[国試_103]→[103I080]
[★]
- 70歳の女性。下腿浮腫を主訴に来院した。7年前から健康診断で蛋白尿を指摘されていたが医療機関を受診しなかった。5年前から両下肢に浮腫が出現し、増悪と軽快とを繰り返していた。2週前から浮腫が高度となり歩行障害をきたしたため受診した。身長 158cm、体重 60kg。体温 37.6℃。脈拍 64/分、整。血圧 152/90mmHg。呼吸数 16/分。顔面は浮腫状である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。脛骨前面に圧痕を残す浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血(±)。血液所見:赤血球 486万、Hb 12.8g/dL、Ht 38%、白血球 6,200、血小板 34万。血液生化学所見:総蛋白 4.8g/dL、アルブミン 2.8g/dL、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 98mEq/L。腎生検のPAM染色標本(別冊No. 27A)、蛍光抗体IgG染色標本(別冊No. 27B)及び電子顕微鏡写真(別冊No. 27C)を別に示す。
- この患者で検索すべきなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I072]←[国試_109]→[109I074]
[★]
- 78歳の女性。右片麻痺と意識障害のため救急車で搬入された。昨晩はいつもどおりに就寝したが、本日の朝、意識がなくなっているのを夫が発見し、救急車を要請した。これまでに脂質異常症を指摘されたことがある。意識レベルはJCS Ⅲ-100。体温 36.8℃。脈拍 72/分、整。血圧 156/92mmHg。呼吸数 16/分。右片麻痺を認める。血液所見:赤血球 410万、Hb 13.1g/dL、Ht 40%、白血球 6,600、血小板 31万。血糖 96mg/dL。CRP 0.2mg/dL。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。頭部単純CT(別冊No. 24A)を別に示す。開頭手術を行い血腫を除去した。術中採取した血腫周囲の脳組織のCongo-Red染色標本(別冊No. 24B)を別に示す。
- 脳出血の原因で最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I072]←[国試_110]→[110I074]
[★]
- 76歳の女性。見えにくいことを主訴に来院した。 10年前に糖尿病を指摘され経口血糖降下薬を内服している。起床時に物が二重に見えることに気付き受診した。意識は清明で頭痛はなく、複視は左方視で増強する。眼瞼下垂はない。瞳孔径は両側3 mmで対光反射は正常である。四肢筋力低下はなく、手袋靴下型の軽度の表在・深部感覚低下を認める。四肢の腱反射は全体に左右差なく減弱している。来院時血糖 112 mg/dl、HbA1c(NGSP) 6.4% (基準 4.6~6.2)。正面視を指示した際の眼位 (別冊 No. 12)を別に示す。
- 正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A034]←[国試_108]→[108A036]
[★]
- 50歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。3年前に高血圧を指摘されたが降圧薬は内服していない。母親が慢性腎不全で60歳から血液透析を受け、65歳時にくも膜下出血で死亡している。腹部触診で両側の腹部に凹凸のある腫瘤を触れるが圧痛はない。腸蠕動音は弱い。体温36.5℃。血圧162/90mmHg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(±)。血液所見:赤血球382万、Hb 10.2g/dl、Ht 32%、白血球5,600、血小板28万。血液生化学所見:アルブミン3.8g/dl、尿素窒素22mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl。CRP 0.2mg/dl。腹部単純CT(別冊No.16)を別に示す。
- この患者で検索すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A041]←[国試_107]→[107A043]
[★]
- 32歳の女性。発熱と労作時呼吸困難とを主訴に来院した。1か月前に抜歯を受けたが、発熱が持続し、昨日から労作時呼吸困難が出現した。意識は清明。身長155cm、体重48kg。血液所見:赤血球330万、Hb10.5g/dl、白血球14,500。CRP11.2mg/dl。断層心エコー図とドプラ図とを以下に示す。
- この患者でみられないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A018]←[国試_101]→[101A020]
[★]
- 36歳の男性。2か月前から頭痛、めまい及びふらつきが出現したため来院した。14歳時に両側眼底出血の既往がある。意識は清明。眼振、四肢協調運動障害および体幹失調を認める。四肢の麻痺と感覚障害とはみられない。頭部MRIのT1強調像、造影T1強調像及び椎骨動脈造影側面像を以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096A046]←[国試_096]→[096A048]
[★]
- 65歳の男性。朝起きたら左のまぶたが挙がらないと言って来院した。複視を訴える。意識は清明。左眼瞼下垂、左瞳孔散大および左眼の外転位を認める。顔面の感覚は正常。この患者で考えられるのはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095C026]←[国試_095]→[095C028]
[★]
- 53歳の女性。朝からものが二重に見えることを主訴に来院した。意識は清明。右眼瞼下垂と右眼球運動障害とを認める。頭部単純MRIのT1強調像とT2強調像とを以下に示す。
- 診断の確定に必要なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A041]←[国試_101]→[101A043]
[★]
- 6歳の女児。1週前から頭痛と嘔吐とが出現し、歩行時ふらつくようになってきたため来院した。右上下肢に運動失調を認める。頭部単純MRIのT1強調像と右椎骨動脈造影側面像とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A045]←[国試_100]→[100A047]
[★]
- 50歳の女性。突然出現した右眼瞼下垂を主訴に来院した。複視と前頚部痛とを訴えており、脳動脈瘤が疑われた。
- 考えられる病変部位はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [098B004]←[国試_098]→[098B006]
[★]
- 36歳の男性。急に出現した頭痛と右眼瞼下垂とを主訴に来院した。意識は清明。右瞳孔は左より大きく対光反射は消失している。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D014]←[国試_101]→[101D016]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103E010]←[国試_103]→[103E012]
[★]
- 常染色体優性遺伝多発性嚢胞腎症に合併するのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I011]←[国試_102]→[102I013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H053]←[国試_098]→[098H055]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D112]←[国試_099]→[099D114]
[★]
- 英
- subarachnoid hemorrhage, SAH
- 同
- (国試)くも膜下出血
[show details]
くも膜下出血 : 約 1,360,000 件
クモ膜下出血 : 約 373,000 件
脳卒中治療ガイドライン2009ではクモ膜下出血に統一されている
疫学
- SCN.206
- 発症率:6-29/10万人/年
- 50-60歳が発症のピーク。
- 加齢によって発生率が上昇
- 動脈瘤破裂によるクモ膜下出血は女性に多い
リスク因子
- 参考1
病因
- 外傷によるクモ膜下出血を除く
- 1. 脳動脈瘤破裂:60-80% → ちなみに脳動脈瘤の破裂部位は前大脳動脈領域40%、内頚動脈領域30%、中大脳動脈領域20%、らしい(出典不明、資料によって%異なるので注意)
- 2. 脳動静脈奇形:10%
- 3. 高血圧性脳内出血:10%
- 4. その他(もやもや病、外傷)
症状
- ただし、内頚動脈-後交通動脈分岐部動脈瘤による動眼神経麻痺(眼瞼下垂や複視)は動脈瘤サイズの拡大や限局した出血である可能性がある(SCN.207)。内頚動脈から眼動脈が分岐する部位での動脈瘤では視力障害をきたしうる。
- 1. 突然の(これまで経験したことのないような)激しい頭痛。持続的。
- 2. 悪心・嘔吐 ← 脳圧亢進症状
- 3. 意識障害(半数の症例) ← 一過性
- 4. 項部硬直 ← 硬膜刺激症状:初期には出現しないことがある(YN.J-91 NHB.603 )。 ← 発症初期には明らかでないことが多い(出典不明)。
- 発熱で気づかれることもあるらしい。
検査
- 血液検査:白血球増加(頭蓋内出血による急性炎症反応が起こった場合 → 102C031)
- 眼底
- 硝子体下出血を認めることがある(CASES.194)
その他
- (研修医当直御法度 症例帳 p.8
- 28%の例にCK上昇が見られる。
- 90%の例に心電図異常が認められる。
重症度分類
- SCN.207 参考1
Grade
|
Hunt and Hess分類(1968)
|
Hunt and Kosnik分類(1974)
|
WFNS分類(1983)
|
GCS score
|
主要な局所神経症状(失語あるいは片麻痺)
|
I
|
無症状か、最小限の頭痛および軽度の項部硬直をみる
|
15
|
なし
|
Ia
|
ー
|
急性の髄膜あるいは脳症状をみないが、固定した神経学的失調のあるもの
|
ー
|
ー
|
II
|
中等度から強度の頭痛、項部硬直をみるが、脳神経麻痺以外の神経学的失調はみられない
|
14~13
|
なし
|
III
|
傾眠状態、錯乱状態、または軽度の巣症状を示すもの
|
14~13
|
あり
|
IV
|
昏迷状態で、中等度から重篤な片麻痺があり、早期除脳硬直および自律神経障害を伴うこともある
|
12~7
|
有無は不問
|
V
|
深昏睡状態で除脳硬直を示し、瀕死の様相を示すもの
|
6~3
|
有無は不問
|
|
|
重篤な全身性疾患、たとえば 高血圧、糖尿病、著明な動脈硬化、 または慢性肺疾患、 または脳血管造影でみられる頭蓋内血管攣縮が 著明な場合には、重症度を1段階悪いほうに移す。
|
|
|
合併症
- SCN.211 YN.J-92
- 再出血:発症後24時間以内(6時間未満が最多(出典不明))。動脈瘤破裂によるSAHの場合、再発率は50-80%。初回死亡率50%、再発作死亡率50-70%
- 脳血管攣縮
- 脳血管攣縮により遅発性虚血脳神経脱落症状が出現することがある。出現は4-14日(SCN)/7-8日(YN)がピーク。早期(3日以内)や後期(21日以降)の発症もあり売る。脳血管上の攣縮は70%の症例で見られ、このうち36%で症状が出現する。予防は循環血液量を保ち、開頭術・コイル祖塞栓術を施行したのち、脳槽・脊髄ドレナージをおこない原因となる血性髄液を排出する。
- 脳梗塞:血管攣縮による
- 水頭症(クモ膜下出血後水頭症):数週~数ヶ月後(YN)。血性髄液によりクモ膜顆粒に炎症が生じ髄液の吸収障害をきたす。
治療
- YN.J-92 SCN.209
- 治療方針:脳動脈瘤破裂の治療として再出血の防止を行う(24時間以内のクリッピング、脳血管内治療)。
-
- 早期手術:Grade I-IIIの症例が対象。Grade IV-Vであっても意識回復の見込みがあれば行う。
- 晩期手術:
予後
- 発症時に約20%が死亡
- 発症後、2週間以内の死亡が多い。6か月以内に約半数は再出血して死亡することが多い。
参考
- http://www.jsts.gr.jp/jss08.html
国試
著名人
[★]
- 英
- autosomal dominant polycystic kidney disease, ADPKD
- 同
- 常染色体優性嚢胞腎、成人型嚢胞腎 adult polycystic kidney disease APKD APCD、adult-type polycystic kidney disease
- 関
- 腎嚢胞
[show details]
遺伝
疫学
病因
病態
- 腎臓にサイズが大きめの嚢胞が多発し(⇔常染色体劣性嚢胞腎 ARPKD)、腎実質を圧迫して腎機能を低下させる。
症状
- SURO.125
合併症
参考
uptodate
- 1. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の遺伝学および嚢胞成長のメカニズム - uptodate [1]
- 2. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の診断およびスクリーニング - uptodate [2]
- 3. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の腎外症状 - uptodate [3]
- 4. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の腎症状 - uptodate [4]
- 5. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎における高血圧 - uptodate [5]
- 6. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎における尿路感染症 - uptodate [6]
- 7. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の経過および治療 - uptodate [7]
- 8. [charged] 小児における常染色体優性多発性嚢胞腎 - uptodate [8]
[★]
- 英
- oculomotor nerve paralysis, oculomotor paralysis, oculomotor palsy
- ラ
- paralysis oculomotoria
- 関
- 動眼神経
概念
病因
瘤
症状
- 滑車神経が支配する上斜筋、外転神経の支配する外直筋のみが眼球運動を支配するので、外転以外は困難となる。よって複視を生じる。
国試
[show details]
[★]
- 英
- internal carotidartery-posterior communicating artery aneurysm IC-PC aneurysm
- 同
- 内頸動脈後交通動脈分岐部動脈瘤、IC-PC動脈瘤
- 関
- 脳動脈瘤
[show details]
[★]
- 英
- anterior communicating artery Acom ACOM
- ラ
- arteria communicans anterior
- 関
- ウィリス動脈輪、内頸動脈、前大脳動脈、交通動脈
概念
- 前大脳動脈が吻合してできた交通動脈
- 脳動脈瘤の好発部位(欧米では最多で40%(BPT))
臨床関連
[★]
- 英
- dissecting cerebral aneurysm
- 同
- 脳動脈解離症 脳動脈解離 cerebral arterial dissection、解離脳性動脈瘤
病態
- 動脈壁が解離することにより壁内に血管が入り込む → 動脈瘤様に拡張/血管腔の狭窄・閉塞
症状
- 頻度は1>2
- 1. クモ膜下出血で解離性脳動脈瘤を発症
- 2. 脳虚血症状で解離性脳動脈を発症 → 突然の頭痛・頚部痛に引き続き小脳、脳幹梗塞を来たす。
- (その他)頭痛・頚部のみで解離性脳動脈を発症
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- 英
- middle cerebral artery aneurysm
- 関
- 前交通動脈動脈瘤、脳動脈瘤、頭蓋内動脈瘤、嚢状動脈瘤、脳底動脈瘤、桑実状動脈瘤、後交通動脈分岐部動脈瘤
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- 英
- nonruptured cerebral aneurysm, unruptured cerebral aneurysm
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- 英
- multiple cerebral aneurysm, multiple aneurysm
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- 英
- ruptured cerebral aneurysm, ruptured aneurysm
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- 英
- aneurysm, arterial aneurysm
- 関
- 大動脈瘤、真性動脈瘤、仮性動脈瘤
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- 英
- artery (Z)
- ラ
- arteria
- 関
- 静脈
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- 英
- cerebral artery
- 関
- 大脳動脈