- 英
- hypertensive retinopathy
- ラ
- retinopathia hypertonica
- 同
- 高血圧網膜症。
- 関
- シャイエ分類。(高血圧性眼底、高血圧眼底。高血圧性網膜症の概念の中だが、より軽度なもの?)
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概念
- 高血圧により網膜細動脈にもたらされた変化により生じる網膜の病的変化
- 網膜細動脈は狭細化と口径不同となり、網膜の循環障害により、出血、網膜浮腫、綿花状白斑、硬性白斑がもたらされる。
分類 (SOP.131)
- 1. 動脈硬化性変化:∝高血圧の期間
- 2. 高血圧性変化 :∝高血圧の重症度
1. 動脈硬化性変化(SOP.132)
- 網膜における細動脈の硬化性変化のことである。
- 高血圧により血管壁が肥厚して透明性を失う結果、血管壁の反射が変化する
- 肉眼所見における変化
- (血管壁反射の亢進) → 銅線化(銅線動脈) → 銀線化(銀線動脈)
- 細動脈硬化により硬化した動脈周囲の不透明化、静脈の圧排、軸方向の伸張
- 組織学的変化:内皮・弾力線維・結合織の増殖、内膜の硝子様変性
2. 高血圧性変化(SOP.132)
- 血圧上昇が緩徐:細動脈の狭小化 ∝ 血圧。走行は直線的。
- 血圧上昇が急激:血管の拡張。走行は蛇行屈曲 → 細動脈の太さが不均一 → 毛細血管前動脈の閉塞による綿花様白斑、透過性亢進による出血・浮腫・硬性白斑 → 乳頭浮腫
- 血圧上昇が高度で急激(急性腎炎、妊娠高血圧):(網膜)細動脈の線維素性壊死を生じ、細動脈の口径不同・網膜浮腫・綿花様白斑、出血、乳頭浮腫、星状白斑。(脈絡膜)血管攣縮 → 毛細血管前菜動脈の閉塞 → 網膜色素上皮の壊死
高血圧眼底と細動脈硬化の程度分類(SOP.132)
- 0群:正常
- I群:わずかな血管腔狭小化・動脈硬化
- II群:銅線動脈・交叉現象
- III群:口径不動・軟性白斑・星状斑、そのほか滲出物・網膜浮腫・様々の形の出血。
- IV群:乳頭浮腫
- I群・II群:慢性高血圧 or 本態性高血圧
- III群・IV群:急性に著しく血圧上昇が起こったときなどに
細動脈硬化(S)
- I度:動脈壁反射亢進、交叉現象軽度
- II度:反射亢進がより著明、交叉現象中等度
- III度:銅線動脈、交叉現象著明
- IV度:銀線動脈
高血圧性変化(H)
- I度:わずかの細動脈細小を認めるもの
- II度:細動脈に口径動脈が加わる
- III度:出血・白斑が加わる
- IV度:乳頭浮腫
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Japanese Journal
- 眼底画像における細動脈狭窄評価のための主幹動静脈の自動検出および分類法(ポスター講演)
- 岩瀬 達彦,村松 千左子,畑中 裕司,周 向栄,原 武史,藤田 広志
- 電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 109(407), 189-193, 2010-01-21
- … 眼底画像を解析することによって,高血圧性網膜症の所見である細動脈狭窄を定量的に評価し,眼科医の診断を支援するコンピュータ支援診断システムを開発することが本研究の目的である.本研究では,Black top hat変換と2重リングフィルタを組み合わせて血管抽出し,血管領域内のR,G,B成分を用いて線形判別関数を求めることによって主幹動静脈の分類を行なった.その結果,主幹動静脈の分類精度は88.2%であった.さらに,分類し …
- NAID 110007866421
- 眼底鏡の使い方と所見のみかた (特集 実践的診察技法ガイド--OSCEを越えて) -- (実践的な診察法のコツ)
- 眼底画像におけるトップハット変換画像を用いた動静脈の分類および動脈狭窄の検出(一般セッション,センシング技術とその応用)
- 林 俊文,中川 俊明,畑中 裕司,林 佳典,青山 陽,水草 豊,藤田 明宏,加古川 正勝,原 武史,藤田 広志,山本 哲也
- 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 107(57), 127-132, 2007-05-17
- われわれは眼底画像の血管像をコンピュータで解析することによって,狭窄の程度を定量的に評価し,眼科医の診断を文援するコンピュータ支援診断システムを開発してきた.本システムでは,眼底画像から血管の抽出を行い,動静脈の分類を行った後,動静脈血管径比によって動脈狭窄を検出する.動静脈血管径比の算出には動静脈を正確に分類することが重要である.しかし,特徴量には画像の位置に依存してばらつきがあり,分類精度に悪 …
- NAID 110006292769
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- 高血圧性網膜症. 医)清瞭会吉本眼科医院 院長 吉本 弘志. 1.はじめに · 2.網膜血管と 高血圧症 · 3.なぜ動脈が細くなってしまうのか · 4.もっとも大切な所見-網膜細動脈の狭 細 · 5.高血圧性網膜症とは · 6.血管痙縮性網膜症の治療 · 7.目に障害が起こった場合 ...
- 高血圧性網膜症は、いままで述べてきた高血圧を引き起こす抵抗血管の収縮が、極限 状...
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★リンクテーブル★
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- 80歳の男性。右眼の視力低下を主訴に来院した。約2年前から縦の線がうねって見えることに気付いていた。3か月前に急激な視力低下をきたし、硝子体出血の治療を近医で受けたが改善しなかった。5年前から糖尿病と高血圧とを指摘され治療を受けており、1年前から不整脈が発生し抗血小板療法を受けている。視力:右手動弁/30cm(矯正不能)、左0.8(矯正不能)。前眼部、中間透光体所見:両眼に軽度の白内障を認めたが、角膜、前房および隅角には異常を認めなかった。右眼の硝子体に強い混濁を認めた。血液所見:赤血球350万、Hb 11.0g/dl、Ht 33%、白血球 4,230、血小板 13万。血液生化学所見:血糖 145mg/dl、HbA1C 7.2%、総蛋白 6.3g/dl、アルブミン 4.0g/dl、尿素窒素 20mg/dl、クレアチニン 0.9mg/dl、Na 142mEq/l、K 4.7mEq/l、Cl 107mEq/l。右眼の硝子体切除術を施行した。混濁した硝子体を除去すると網膜下にも出血があり、出血は黄斑部を含んで下方に広がっていた。手術後3日の右眼(手術眼)の眼底写真と左眼の眼底写真とを以下に示す。
- 硝子体出血の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I078]←[国試_103]→[103I080]
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- 英
- soft exudate
- 同
- 綿花様白斑 cotton-wool patch cotton wool patch
- 関
- 糖尿病性網膜症、神経線維層、網膜、硬性白斑、網膜白斑
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病態生理
- 1. 網膜神経線維層の細動脈、または毛細血管の閉塞による局所性網膜乏血
- 2. 虚血による神経線維層の梗塞 (SOP.138)
病理学的所見
- 神経節細胞の軸索流の低下により神経線維が局所的に膨化し、細胞のように見られる細胞様小体が観察される(SOP.128-129)
眼底所見
- 形大きさ共に不定で、主に後極部眼底に生じる(SOP.128)
- 境界は硬性白斑より不鮮明 (SOP.138)
軟性白斑が見られる疾患 SOP.129
参考
- http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~ortho/med/pic/Softexudate1.jpg
- http://medweb.bham.ac.uk/easdec/eyetextbook/dr.htm3.gif
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- 英
- Scheie's classification, Scheie classification
- 同
- Scheie分類
- 関
- 高血圧性網膜症
高血圧眼底と細動脈硬化の程度分類(SOP.132)
細動脈硬化(S)
- I度:動脈壁反射亢進、交叉現象軽度
- II度:反射亢進がより著明、交叉現象中等度
- III度:銅線動脈、交叉現象著明
- IV度:銀線動脈
高血圧性変化(H)
- I度:わずかの細動脈細小を認めるもの
- II度:細動脈に口径動脈が加わる
- III度:出血・白斑が加わる
- IV度:乳頭浮腫
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- 英
- hard exudate
- 同
- 蝋様白斑 waxy exudate、硬性斑 hard spot
- 関
- 網膜白斑、軟性白斑
病態生理
- 血管外に出た浸出液の脂質が吸収されずに外網状層に貯留したもの。2つの形成過程がある(SOP.129)
- 1. 網膜血管瘤等により正常網膜に接して限局性の網膜浮腫がある場合で、持続的に透過性亢進と浮腫の再吸収がされていると、その境界部で脂質の沈着が生じやすい。
- 2. 網膜浮腫の出現と再吸収のとの間に時間的なずれがある場合。
硬性白斑が見られる疾患
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- 英
- crossing phenomenon, crossing phenomena
- ラ
- phenomenon decussationis
- 同
- 動静脈交叉現象 arteriovenous crossing phenomenon、交差現象
- 関
- 高血圧性網膜症
[show details]
[★]
- 英
- hypertonic fundus
- ラ
- fundus hypertonicus
- 同
- 高血圧眼底
- 関
- 高血圧性網膜症
[show details]
[★]
- 英
- blood pressure, BP
- 同
- 動脈圧 arterial pressure AP
- 関
- 血圧測定
成人の血圧
- 至適血圧:<120mmHg かつ <80mmHg
- 正常血圧:130mmHg かつ 85mmHg
- 正常高値血圧:130~139mmHg または 85~89mmHg
- I度高血圧(軽症):140~159mmHg または 90~99mmHg
- II度高血圧(中等症):160~179mmHg または 100~109mmHg
- III度高血圧(重症):≧180mmHg または ≧110mmHg
- 収縮期高血圧:≧140mmHg かつ <90mmHg
糖尿病性腎症
- 管理目標: 130/80 mmHg
- 尿蛋白1g/日以上:125/75 mmHg
冠血管と血圧
- In the normal state, autoregulatory mechanisms adjust coronary tone tomatch myocardial oxygen supply with oxygen requirements. In the absence of obstructive coronary disease, thesemechanisms maintain fairly constant rate of coronary flow, as long as the aortic perfusion pressure is approximately 60 mmHg or greater.
血圧の異常
血圧の上肢における左右差
- 大動脈炎症候群:腕頭動脈、鎖骨下動脈の狭窄・閉塞を生じる
- 動脈硬化:鎖骨下動脈領域の病変があるとき、左右の脈拍差や皮膚温の違いを生じる
血圧の上下肢の差(下肢>上肢)
- 大動脈炎症候群:大動脈弓部が冒されやすいが、鎖骨下動脈が冒された場合に上肢の血圧が低下。
- 解離性大動脈瘤:解離腔に生じた血腫が鎖骨下動脈を圧迫すると、上肢の血圧が低下
- 大動脈閉鎖不全症:Hill徴候
収縮期血圧のみ高い。拡張期血圧は高くない
- 拡張期に動脈血流が減少する病態(血流が体循環に押し出されないか、心収縮力のみ上昇している状態?(体循環の血管抵抗が上がっていない?))
- 脈圧が上昇する
- 1. 大動脈基部の血流が逆流やシャントにより減少する場合
ショック
非侵襲的な血圧測定法による血圧の上肢・下肢の差
- 血圧を測定するために駆血帯で血流を遮断する必要がある。このとき、下肢の動脈の方が深部を走行しているため上肢より強く駆血帯で圧迫する必要がある。強く圧迫を要する分だけ下肢の血圧が高く測定されてしまう。
心血管とその周囲の血圧 YN.C-29
- see also PHD.61
中心静脈
|
|
肺動脈楔入圧
|
4~8
|
8~20
|
右心房
|
左心房
|
1~4
|
8~20
|
右心室
|
左心室
|
8~20
|
120~20
|
肺動脈
|
大動脈
|
8~20
|
120~70
|
臓器移植における脳死判定の除外
- 脳死判定#脳死判定の除外規定、臓器の移植に関する法律施行規則#第二条第四項
- 収縮期血圧が以下で定められる数値未満の場合には脳死判定ができない。
- 1歳未満の者 65
- 1歳以上13歳未満の者 年齢x2+65
- 13歳以上の者 90
国試
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- 英
- retina
- 関
- 眼、眼球
組織学
臨床関連
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- 英
- retinopathy
- 関
- クロロキン網膜症、血管痙縮性網膜症、高血圧性網膜症
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- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- hypertensive
- 関
- 高血圧