- 次の文を読み、45、46の問いに答えよ。
- 55歳の男性。呼吸停止状態でマスクによる用手人工呼吸を受けながら救急車で搬入された。
- 現病歴 : 会社で電話中に後頭部に激しい頭痛を訴えて倒れた。同僚がかけつけたときいぴきを伴う大きな呼吸をしていたが、救急車到着時には呼吸停止の状態であった。
- 既往歴 : 高血圧を指摘されたが無治療であった。
- 現症 : 意識は昏睡状態。体温37.0℃。自発呼吸はない。脈拍は微弱。血圧68/40mmHg。左前額部に擦過傷を認める。瞳孔径左右とも3mm、対光反射は左右とも消失。心雑音はない。腹部に異常所見は認めない。
- 救急外来でまず行うべき処置で誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097F044]←[国試_097]→[097F046]
★リンクテーブル★
[★]
- 1歳の男児。今朝39℃の発熱があり、けいれんをきたしたので来院した。
- 現病歴 : 2、3日前から咳と鼻汁とがみられている。けいれんは全身性、強直性であり、2~3分で消失した。哺乳力は良好で、下痢と嘔吐とはない。
- 既往歴 : 周産期に異常はなく、成長・発達は正常である。けいれんの既往はない。
- 現症 : 意識は清明。身長75cm、体重10kg。体温39℃。脈拍140/分、整。咽頭は発赤している。大泉門は平坦で、項部硬直はない。胸部に心雑音はなく、肺野にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾は触知しない。深部(四肢腱)反射は正常である。皮膚の緊張度は正常である。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球450万、Hb13.3g/dl、Ht40%、白血球11,000(桿状核好中球4%、分葉核好中球56%、好酸球2%、単球3%、リンパ球35%)、血小板31万。血清生化学所見:血糖83mg/dl、総蛋白7.0g/dl、尿素窒素9mg/dl、Na143mEq/l、K4.0mEq/l、Cl104mEq/l、Ca8.9mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [097F043]←[国試_097]→[097F045]
[★]
- 次の文を読み、45、46の問いに答えよ。
- 55歳の男性。呼吸停止状態でマスクによる用手人工呼吸を受けながら救急車で搬入された。
- 現病歴 : 会社で電話中に後頭部に激しい頭痛を訴えて倒れた。同僚がかけつけたときいぴきを伴う大きな呼吸をしていたが、救急車到着時には呼吸停止の状態であった。
- 既往歴 : 高血圧を指摘されたが無治療であった。
- 現症 : 意識は昏睡状態。体温37.0℃。自発呼吸はない。脈拍は微弱。血圧68/40mmHg。左前額部に擦過傷を認める。瞳孔径左右とも3mm、対光反射は左右とも消失。心雑音はない。腹部に異常所見は認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [097F045]←[国試_097]→[097F047]
[★]
- 英
- subarachnoid hemorrhage, SAH
- 同
- (国試)くも膜下出血
[show details]
くも膜下出血 : 約 1,360,000 件
クモ膜下出血 : 約 373,000 件
脳卒中治療ガイドライン2009ではクモ膜下出血に統一されている
疫学
- SCN.206
- 発症率:6-29/10万人/年
- 50-60歳が発症のピーク。
- 加齢によって発生率が上昇
- 動脈瘤破裂によるクモ膜下出血は女性に多い
リスク因子
- 参考1
病因
- 外傷によるクモ膜下出血を除く
- 1. 脳動脈瘤破裂:60-80% → ちなみに脳動脈瘤の破裂部位は前大脳動脈領域40%、内頚動脈領域30%、中大脳動脈領域20%、らしい(出典不明、資料によって%異なるので注意)
- 2. 脳動静脈奇形:10%
- 3. 高血圧性脳内出血:10%
- 4. その他(もやもや病、外傷)
症状
- ただし、内頚動脈-後交通動脈分岐部動脈瘤による動眼神経麻痺(眼瞼下垂や複視)は動脈瘤サイズの拡大や限局した出血である可能性がある(SCN.207)。内頚動脈から眼動脈が分岐する部位での動脈瘤では視力障害をきたしうる。
- 1. 突然の(これまで経験したことのないような)激しい頭痛。持続的。
- 2. 悪心・嘔吐 ← 脳圧亢進症状
- 3. 意識障害(半数の症例) ← 一過性
- 4. 項部硬直 ← 硬膜刺激症状:初期には出現しないことがある(YN.J-91 NHB.603 )。 ← 発症初期には明らかでないことが多い(出典不明)。
- 発熱で気づかれることもあるらしい。
検査
- 血液検査:白血球増加(頭蓋内出血による急性炎症反応が起こった場合 → 102C031)
- 眼底
- 硝子体下出血を認めることがある(CASES.194)
その他
- (研修医当直御法度 症例帳 p.8
- 28%の例にCK上昇が見られる。
- 90%の例に心電図異常が認められる。
重症度分類
- SCN.207 参考1
Grade
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Hunt and Hess分類(1968)
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Hunt and Kosnik分類(1974)
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WFNS分類(1983)
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GCS score
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主要な局所神経症状(失語あるいは片麻痺)
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I
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無症状か、最小限の頭痛および軽度の項部硬直をみる
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15
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なし
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Ia
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ー
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急性の髄膜あるいは脳症状をみないが、固定した神経学的失調のあるもの
|
ー
|
ー
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II
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中等度から強度の頭痛、項部硬直をみるが、脳神経麻痺以外の神経学的失調はみられない
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14~13
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なし
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III
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傾眠状態、錯乱状態、または軽度の巣症状を示すもの
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14~13
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あり
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IV
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昏迷状態で、中等度から重篤な片麻痺があり、早期除脳硬直および自律神経障害を伴うこともある
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12~7
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有無は不問
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V
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深昏睡状態で除脳硬直を示し、瀕死の様相を示すもの
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6~3
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有無は不問
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重篤な全身性疾患、たとえば 高血圧、糖尿病、著明な動脈硬化、 または慢性肺疾患、 または脳血管造影でみられる頭蓋内血管攣縮が 著明な場合には、重症度を1段階悪いほうに移す。
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合併症
- SCN.211 YN.J-92
- 再出血:発症後24時間以内(6時間未満が最多(出典不明))。動脈瘤破裂によるSAHの場合、再発率は50-80%。初回死亡率50%、再発作死亡率50-70%
- 脳血管攣縮
- 脳血管攣縮により遅発性虚血脳神経脱落症状が出現することがある。出現は4-14日(SCN)/7-8日(YN)がピーク。早期(3日以内)や後期(21日以降)の発症もあり売る。脳血管上の攣縮は70%の症例で見られ、このうち36%で症状が出現する。予防は循環血液量を保ち、開頭術・コイル祖塞栓術を施行したのち、脳槽・脊髄ドレナージをおこない原因となる血性髄液を排出する。
- 脳梗塞:血管攣縮による
- 水頭症(クモ膜下出血後水頭症):数週~数ヶ月後(YN)。血性髄液によりクモ膜顆粒に炎症が生じ髄液の吸収障害をきたす。
治療
- YN.J-92 SCN.209
- 治療方針:脳動脈瘤破裂の治療として再出血の防止を行う(24時間以内のクリッピング、脳血管内治療)。
-
- 早期手術:Grade I-IIIの症例が対象。Grade IV-Vであっても意識回復の見込みがあれば行う。
- 晩期手術:
予後
- 発症時に約20%が死亡
- 発症後、2週間以内の死亡が多い。6か月以内に約半数は再出血して死亡することが多い。
参考
- http://www.jsts.gr.jp/jss08.html
国試
著名人