- 英
- acute epidural hematoma
- 関
- 硬膜外血腫
治療
- SCN.263
- 開頭術による血腫除去、出血源の止血、硬膜の吊り上げ縫合による血腫の再貯留の予防。
- 脳ヘルニアが急激に進行している場合には救急処置として穿頭術を施行し、頭蓋内圧を計った後に開頭術に以降。
画像
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/24 21:14:01」(JST)
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急性硬膜外血腫 |
分類及び外部参照情報 |
非外傷性硬膜外血腫。矢印が血腫
|
ICD-10 |
I62.1, S06.4 |
ICD-9 |
432.0 |
DiseasesDB |
4353 |
MedlinePlus |
001412 |
eMedicine |
emerg/167 med/2898 neuro/574 |
MeSH |
D006407 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
急性硬膜外血腫(きゅうせいこうまくがいけっしゅ、acute epidural hematoma)とは、硬膜と頭蓋骨との間に血腫が形成された状態のことである。
通常、頭部外傷に伴う頭蓋骨骨折に合併し、頭部外傷としては極めて重症に分類される。
目次
- 1 病態
- 2 症状
- 3 診断
- 4 治療
- 5 関連項目
|
病態[編集]
主に硬膜の外側にある硬膜動脈、他に硬膜静脈、あるいは静脈洞の損傷からの出血によって頭蓋骨と硬膜の間に生じる動脈性出血。特に側頭骨骨折による中硬膜動脈の破綻によるものが多い。
症状[編集]
受傷直後には意識障害を呈するが、脳挫傷などによる脳自体の一次的損傷が少ない場合には、すぐに意識は回復する(意識清明期)。しかし、血腫の増大によって徐々にあるいは急速に、脳圧が亢進し再び意識障害を呈する。同時に、瞳孔不同、片麻痺、除皮質あるいは除脳硬直などの脳嵌頓徴候を生じる。中硬膜動脈の損傷がある場合には、この徴候は急速に出現することが多い。
診断[編集]
頭部CTにより、血腫をレンズ状の高吸収域としてみとめ、圧排のため「midline shift」がみられる。
治療[編集]
緊急に開頭し血腫除去、止血を行う。脳浮腫に対してはグリセリンを使用。
関連項目[編集]
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- 急性硬膜外血腫後の高次脳機能障害と診断された筋強直性ジストロフィーの1例
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- The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 49(10), 734-737, 2012
- A 43-year-old man was admitted to our hospital for rehabilitation of higher brain dysfunction caused by traumatic brain injury. He had undergone an emergency operation for acute epidural hematoma afte …
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[★]
- 78歳の男性。帰宅途中に転倒し顔面を打撲したため搬入された。72歳から胃食道逆流症で通院治療中である。10日前に仕事からの帰宅時に尿失禁をしたが、意識障害や麻痺は伴わなかった。5日前の定期来院時、同伴の家族は少し元気がないと訴えたが、本人はそれを否定した。バイタルサイン、心肺および神経学的に異常所見を認めず帰宅した。搬入時、激しい頭痛や嘔吐はないが、右上肢が動かしづらいと訴える。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍 92/分、整。血圧 154/64mmHg。右前額部から眼窩部にかけて皮下出血を認める。眼瞼結膜に貧血を認めない。右眼球結膜に出血を認める。胸部と腹部とに異常を認めない。神経学的所見で右指鼻試験がやや稚拙であるが、他に異常を認めない。尿所見、血液所見および血液生化学所見に異常を認めない。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。頭部単純CT(別冊No.12)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [104G068]←[国試_104]→[104H001]
[★]
- 次の文を読み、39、40の問いに答えよ。 8歳の男児。意識障害のため搬入された。
- 現病歴: 自転車で坂を下っていて転倒した。「頭が痛い」と泣いて家に帰ったが、転倒1時間後から傾眠傾向となった。
- 既往歴: 4歳時に小児喘息と診断されたが治療は受けていない。
- 現症:意識障害を認め、痛み刺激で開眼する。身長129cm、体重30kg。呼吸数22/分。脈拍112/分、整。血圧102/64mmHg。瞳孔径:右2mm、左4mm。対光反射は左で減弱している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球471万、Hb 12.5g/dl、Ht 40%、白血球12,000。
- 血清生化学所見:AST 28IU/l、ALT 25IU/l、アミラーゼ90IU/l(基準37~160)。
- 動脈血ガス分析(自発呼吸、酸素3l/分投与下):pH7.24、PaO2 28Torr、PaCO2 54Torr、HCO3- 22mEq/l。
- 直ちに頭部単純CTが行われた。その写真を以下に示す。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D038]←[国試_101]→[101D040]
[★]
- 72歳の男性。自宅のトイレで倒れているところを発見され、救急車で搬送された。来院時呼名に応じていたが、次第に意識レベルが低下し、昏睡状態となった。来院時の頭部単純CTを以下に示す。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096D041]←[国試_096]→[096D043]
[★]
- 67歳の男性。乗用車に後方から跳ねられ、救急車で搬送された。意識は清明で、四肢麻痺はなかったが、頚部の疼痛を訴えたので頚椎カラーを装着した。頭部エックス線単純写真と頭部エックス線単純写真とに異常所見を認めなかった。しかし、1時間後に意識が混濁し、右瞳孔が散大し、右側の対光反射の消失と左半身の麻痺とが出現してきた。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C017]←[国試_099]→[099C019]
[★]
- 75歳の男性。転びやすいことを主訴に来院した。 4日前から少しずつ歩行が不安定となり転倒しそうになることが多くなった。家族は 1週前から受け答えもつじつまが合わないと言う。 1か月前、歩行中に転倒して右側頭部を打ち、裂創を生じたため他院で縫合処置を受けた。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108H025]←[国試_108]→[108H027]
[★]
- 75歳の男性。5日前から徐々に増悪する頭痛と左上下肢の脱力とを主訴に来院した。意識は清明。左上下肢の不全麻痺と左半身の感覚低下とを認める。頭部単純CTを以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G045]←[国試_101]→[101G047]
[★]
- 25歳の男性。バイクを運転中に転倒した。事故後数分間は呼びかけに応じなかったが、その後意識は清明となった。頭部X線写真で左側頭骨に線状骨折を認めた。受傷3時間後に強い頭痛を訴え、嘔吐し、次第に呼びかけに応じなくなった。
- 最も可能性の高いのはどれか。
[正答]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101C032]←[国試_101]→[101C034]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D112]←[国試_099]→[099D114]
[★]
- 英
- chronic subdural hematoma
- 関
- 急性硬膜下血腫、硬膜下血腫 凹、硬膜外血腫 凸
定義
- 何らかのきっかけにより出血し(頭部外傷が多い。20%の症例では外傷の既往がない)、その出血から3週間以降に症状が出現した場合
- 1週間以内に発症したものは急性硬膜下血腫
概念
- 硬膜内面の外側皮膜(外膜)とくも膜表面の内側皮膜(内膜)に包まれた暗赤色流動性の血腫(SCN.266)
疫学
- 中高年以上の男性に多い
- 片側性(90%)、両側性(10%)
病理
- 慢性硬膜下血腫の外膜は組織的には肉芽組織で血管に富む。内膜はコラーゲン束からなり血管は見られない(SCN.266 図:SCN.267(病理組織))
- 血腫は凝固因子を欠如しているため、凝固しない(SCN.266)
症状
- YN.
- 片麻痺、記憶力低下、意識障害
- 若年者・・・頭痛、高齢者・・・認知症が多い。
- 頭蓋内圧亢進症状 >> 脳圧迫症
検査
CT
- 三日月型の血腫が典型的 ⇔ 急性硬膜外血腫
- 血腫は新鮮なものはhighしだいにisoからlowに変化する。
- 出血後2-4修吾の血腫は、血腫被膜部の増強効果がみられる。
MRI
治療
- 穿頭術により流動性血腫を除去後、血腫腔を生理食塩水で洗浄した後、血腫腔にドレーンを1日留置することで症状が劇的に改善する(SCN.267)
国試
[★]
- 英
- acute subdural hematoma
- 同
- 急性硬膜内血腫?
- 関
- 硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫。急性硬膜外血腫
[★]
- 英
- middle meningeal artery (M)
- ラ
- arteria meningea media
- 関
- 硬膜動脈、前硬膜動脈、後硬膜動脈
- 図:N.98(内頭蓋底)、M.476(頭頂部の分布)、N.94(硬膜中に存在) KA.82,83
- 硬膜動脈の中で最大である。
- 硬膜の間に入り込む (N.94)
- 硬膜ではなく頭蓋骨を養う
由来
走行
- 顎動脈から分岐した後に棘孔を通り、頭蓋腔に入る (M.481)
分布
枝
臨床関連
[★]
- 英
- lucid interval
- 関
- 清明期
- 初期意識障害から一旦回復した後、一定の時間をおいて意識障害が現れる迄の時間。6時間程度。
- 一次性脳損傷を伴わない急性硬膜外血腫で典型的。7割以上に2-6時間程度見られるという。
- 急性硬膜下血腫では20%の例でしか見られない。
[★]
- 同
- 急性硬膜外血腫
[★]
- 英
- hematoma
- ラ
- haematoma
- 同
- 血瘤
- 関
- 参考1
参考
- 1. B.産婦人科検査法 9.婦人科疾患のMRI 診断 - 日産婦誌53巻6号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/53/5306-099.pdf
[★]
- 英
- extradural hematoma (M,KH), epidural hematoma (M), EDH
- 同
- 硬膜外出血 epidural hemorrhage、硬膜上血腫 extradural hematoma
- 関
- 硬膜下血腫 subdural hematoma
硬膜外血腫
|
硬膜下血腫
|
・殆どが外傷性(80-90%)で、頭蓋冠骨折を伴う ・硬膜動脈の破綻による ・左右側頭部が好発部位 ・意識清明期を伴うことが多い ・骨と硬膜の硬い結合を剥がしながら伸展するので出血速度は遅い
|
・硬膜下腔への出血である ・硬膜外出血より進展しやすいので、意識障害の出現が早い ・(1)橋静脈の破綻によるもの、(2)高度の脳挫傷を伴うもの
・
|
-extradural hematoma
- 同
- extradural epidural hematoma
[★]
- 英
- dura mater
- ラ
- dura pachymeninx
- 関
- 脳硬膜、脊髄硬膜、髄膜
神経
[★]
- 関
- がん、腫瘍、腫瘤、良性新生物
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型