急性化膿性甲状腺炎
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Japanese Journal
- 無痛性甲状腺炎,亜急性甲状腺炎 (特集 甲状腺疾患 : 診断・治療の最新動向) -- (主要疾患の病態・診断・治療)
- 小児科領域でのその他の甲状腺疾患(化膿性甲状腺炎,亜急性甲状腺炎,無痛性甲状腺炎) (特集 小児科領域の甲状腺疾患・甲状腺関連遺伝子変異)
- 甲状腺中毒症 (特集 内分泌疾患 : 疑うヒントと専門医へ紹介するポイント) -- (甲状腺疾患)
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★リンクテーブル★
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- 24歳の女性。動悸、発汗過多および体重減少のため来院した。脈拍124/分、整。血圧120/70mmHg。発熱はなく、自発痛や圧痛を伴わないびまん性甲状腺腫と手指振戦とを認める。赤沈10mm/1時間。血清生化学所見:TSH0.01μU/l未満(基準0.2~4.0)、freeT4 2.6ng/dl(基準0.8~2.2)。免疫学所見:CRP陰性、抗サイログロブリン抗体陽性、抗ミクロゾーム抗体陽性、TSH受容体抗体陰性。超音波検査所見で甲状腺のぴまん性腫大を認める。甲状腺123I摂取率(24時間値)は4.2%(基準10~40)である。診断はどれか。]]
[正答]
※国試ナビ4※ [097D049]←[国試_097]→[097D051]
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- 英
- acute suppurative thyroiditis
- 同
- 化膿性甲状腺炎 suppurative thyroiditis?、急性甲状腺炎 acute thyroiditis
- 関
- 甲状腺炎
- 甲状腺とその周囲における細菌感染による化膿性の炎症疾患。
- 甲状腺はヨウ素濃度が高いこと、血流が良好であること、解剖学的に他の臓器と連続していないため、感染に比較的強い。
- 免疫状態が低下するような病態があるいか、あるいは解剖学的な異常を背景として感染が生じる。
- 病因:
- 下咽頭梨状窩瘻;3,4番目の鰓弓異常から生じた梨状窩からの瘻孔を通じて細菌が波及した。瘻孔はほとんどが左側に生じる。そのため瘻孔が原因となる急性化膿性甲状腺炎は90%の例で左側に発症する。初発は小児期が多く、21歳以上での症例は数%に過ぎない。
- 甲状舌管遺残、盲孔開存、先天性鰓瘻、血行性播種、直接波及、食道前部の穿孔、免疫抑制(成人例の1/4が免疫不全に由来してもので、半数がHIVに罹患していた問い言う報告がある)
- 発熱、前頚部片側の疼痛、腫脹が出現、皮膚の発赤、熱感
- 1) 細菌:グラム陽性球菌(Staphylococcus, Streptococcus)、グラム陰性桿菌
- 2) 真菌:アスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカス
- 3) ウイルス:Rubella, Cytomegarovirus
- 亜急性甲状腺炎
- 橋本病の急性増悪
- 頚部軟部組織感染症
- 局所所見、病歴で疑い、血液検査、甲状腺エコーを加える。確定診断は腫瘤部の試験穿刺とグラム染色による。
- 速やかな抗生剤投与を行う。
- 亜急性甲状腺炎の疑診例に副腎皮質ステロイドを投与して悪化した場合には、本疾患を疑い抗生剤投与に切り替える。
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- 英
- endocrine, internal secretion
- 関
[★]
- 英
- subacute thyroiditis
- 同
- ドゥ・ケルヴァン甲状腺炎
- 関
- 甲状腺
概念
- 有痛性の甲状腺腫脹がみられ、ときに発熱が認められる甲状腺炎である。病気によって甲状腺中毒症や甲状腺機能低下症を呈する。全身倦怠感や感染による上気道炎が、数週間くらい甲状腺にまつわる特徴(thyroid-related features)に先行する。(HIM.2238)
- 全身性ウイルス性感染(mumps、coxsackie, adenoviruses, measles, Influenza, echoviruses)に伴うが、患者からウイルスを同定する試みはしばしば不成功に終わり、病原体同定することは本疾患の管理に影響を及ぼさない。(HIM.2238)
- 症状は咽頭炎に似ており、しばしば見落とされる。(HIM.2238)
疫学
- 30-50歳 (HIM.2238)
- 男女=1:3 (HIM.2238)
病期~
- 1) destructive phase:濾胞破壊によるhyperthyroid。甲状腺中毒症(T3,T4高値。TSH低値)。123I uptakeは低値か検出下限以下。
- 2) phase of hypothyroidism:数週間の経過で甲状腺機能低下症となる。unbound T4低値、軽度TSH高値。123I uptakeは正常化やや高値
- 3) recovery phase:正常化
病理
- 斑状に炎症細胞の浸潤が認められ、甲状腺濾胞のdisruptionを伴う。甲状腺濾胞には多核巨細胞が認められるものがある。濾胞の変化は線維化を伴う肉芽腫に進展する。発症から数ヶ月で甲状腺は通常正常に回復する。
- マクロ:非対称性腫大。
- 組織像:多核巨細胞、リンパ球、形質細胞、組織球、急性炎症を示す箇所、線維化巣、肉芽腫形成。
症状
- 局所の圧痛と自然痛、発熱、全身倦怠感、数カ月で回復。
身体所見
検査
- 甲状腺機能:病期による。
- 超音波検査:炎症部位・腫瘤部に一致して低エコーとなる。
グレーブス病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎の比較
- YN.D-40改変
参考
- 1. [charged] 亜急性甲状腺炎 - uptodate [1]
国試
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- 英
- thyroid gland
- ラ
- glandula thyroidea
- 関
- 甲状腺ホルモン、副甲状腺(上皮小体)
- 喉頭
- 図:N.24(全面の筋),25(全面の筋),70(血管),71(血管)
解剖学
部位
性状
- 成人の正常重量15-25g、女性の方が少し重い。妊娠中や性周期で重量が変化する。分泌期初期(early secretary phase排卵後2-5日目)には50%も重量が増加する。
大きさ
- よくわかる甲状腺疾患のすべて 永井書店 (2004/01) ISBN 481591673X
- 単位はmm?
|
n
|
峡部
|
横断厚
|
横径
|
縦経(右)
|
縦経(左)
|
男性
|
34
|
1.8±0.6
|
18±3.0
|
48±4.8
|
49±3.7
|
49±3.8
|
女性
|
16
|
1.3±0.8
|
16±2.2
|
46±3.6
|
45±6.0
|
46±3.0
|
血管
動脈
静脈
神経
- 声帯を支配する神経が甲状腺の裏側を通過 N.71
画像
- (高エコー)筋肉>甲状腺>気道(低エコー) ← 要確認
組織学
- 成人甲状腺全体の0.1%を占める
- カルシトニン産生細胞、HEでは判別困難。
- 銀染色(Glimerius)、免疫組織化学(chromogranin A、synaprophysin, carcitoninなど)により明らかとなる。
- 電顕では、electron dense な顆粒を有する(神経内分泌顆粒)。
機能
発生
神経支配
- 上頚部交感神経節、中頚部交感神経節。交感神経神経線維は濾胞近傍に終末し、分泌に影響を及ぼす。
臨床関連
診察所見と疾患
非腫瘍性疾患
- a) 無形成 Agenesis
- b) 低形成 Hypoplasia
- c) 異所性甲状腺:異残物
- mynocyclineによるblack thyroid:消耗性色素リポフスチンと他の物質(lipid-drug complexによりlysosomeに色素が沈着する)。
- a) 濾胞腺腫 follicular adenoma
- a) 乳頭癌 papillary carcinoma 88%
- b) 濾胞癌 follicular carcinoma 4.2% 甲状腺濾胞癌 thyroid follicular carcinoma
- c) 低分化癌 poorly differentiated carcinoma
- d) 未分化癌 undifferentiated carcinoma 1.5%
- e) 髄様癌(C細胞癌) medullary carcinoma, C-cell carcinoma 1.4%
- f) 悪性リンパ腫 malignant lymphoma 3.5%
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
分類
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型
[★]
- 英
- thyroiditis
- 関
- 亜急性甲状腺炎
[★]
- 英
- adenitis
- 関
- リンパ節炎