頚椎 | cervical vertebrae | 7 |
胸椎 | thoracic vertebrae | 12 |
腰椎 | limbar vertebrae | 5 |
仙椎 | sacral vertebrae | 5 |
尾椎 | coccygeal vertebrae | 1(5-6) |
環椎 | 軸椎 | 頚椎 | 胸椎 | 腰椎 | |
椎体の特徴 | なし | 歯突起 | 小型で、横径が前後径より長い。上面は凹み、下面は膨らむ | 心臓型である。肋骨頭と関節する窩(facet)を持つ | 巨大。上方ないし下方から見ると腎臓型 |
椎孔の特徴 | 歯突起が通る | 大型で三角 | 円形で、頚椎と腰椎よりも小型である。 | 三角形。胸椎よりも大きく、頚椎よりも小さい。 | |
横突起の特徴 | 横突孔がある。 | 横突孔がある。 | 横突孔がある。第7頚椎では小型あるいは欠如。椎骨動脈と伴行静脈と交感神経叢が横突孔を通るが、ただし第7頚椎では小さな頚骨静脈を通すのみ。前結節と後結節がある。 | 長く丈夫で、後外側に伸びる。第1から第12胸椎に向かって短くなる(第1~第10胸椎には肋骨の結節と関節するための関節面がある) | 長く細い。この突起の基部の後面に副突起がある。 |
関節突起の特徴 | 後頭顆を受ける | 下関節面は下前方に向く。 | 上関節面は上後方に向く。下関節面は下前方に向く。 | 上関節面は後方やや外側に向く。下関節面は、前方やや内側に向く。 | 上関節面は後内側(ないし内側)を向く。下関節面は、前外側(ないし外側)を向く。上関節突起の後面には乳様突起がある。 |
棘突起の特徴 | なし | 先が二分する | 第3~第5頚椎では短く先が二分する。第6頚椎では長いが、第7頚椎ではさらに長い。 | 長く後下方に傾斜する。先端は下位の椎体の高さに達する。 | 短く丈夫である。 |
その他 | 前弓、後弓、前結節、後結節、歯突起窩 | 歯突起 |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/23 14:58:49」(JST)
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骨: 椎骨 | |
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胸椎の模式図(肋骨頭・肋骨体との関節面は他の椎骨にはない。椎体、棘突起、横突起、上関節突起、下関節突起が認められる。)
脊椎の部位
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名称 | |
日本語 | 椎骨 |
英語 | Vertebra |
ラテン語 | Vertebra |
関連構造 | |
上位構造 | 脊椎 |
画像 | |
アナトモグラフィー | 三次元CG |
関連情報 | |
MeSH | Vertebra |
グレイの解剖学 | 書籍中の説明(英語) |
テンプレートを表示 |
椎骨(ついこつ)または脊椎骨(せきついこつ)(vertebra)は、脊椎の分節をなす個々の骨のことで縦一列に並んでおり、ヒトの場合上から順に頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎5個、尾椎4個の33個存在するが、仙椎および尾椎はそれぞれ癒合しており、仙骨および尾骨と呼ばれる。その他の独立した椎骨は、それぞれの部位の第何番目の骨と命名されている。
目次
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一番上に位置する頚椎の二つの椎骨(第一頚椎=環椎 atlas、および第二頚椎=軸椎 axis)はきわめて特殊な構造をしているが、その他の22個の独立した椎骨は共通した構造を持っている。前方(腹側)にある楕円形に近い形の椎体と後方(背側)にあるアーチ型をした椎弓から成り立っており、その間には隙間があって椎孔と呼ばれる。ここを脊柱管が貫通する。椎体は単純でほぼ同じような形をしているが、椎弓は複雑である。椎弓には上下の他の椎体との関節面があり、左右の上関節突起・下関節突起・横突起と一つの後下方に延びる棘突起がある。隣接する椎体どうしの関節は5つ(椎弓で4つ、椎体で1つ)あり、椎体どうしの接する関節(椎間関節)には弾性にとんだ椎間板が存在する。これらの関節のおかげで、脊柱は体を支えることができると同時に、前後左右に曲がることができる。
棘突起は背中を丸めると、皮膚の上から触ることができるものがある(第二・第七頚椎(隆椎)および腰椎でわかりやすい)。隣接した椎弓の間には、椎孔につながる隙間が左右に二つあり、椎間孔と呼ばれる。脊髄から出た脊髄神経はここから外に延びている。
7個の椎骨からなり、それぞれ上からC1~C7と呼ぶ。このうち上述のように、第一頚椎(C1環椎)と第二頚椎(C2軸椎)はきわめて特殊な形態をしている。環椎は頭蓋骨に接しており、その名のとおりリング状の骨である。軸椎は上方に向いた大きな突起(歯突起odontoid process)があり、これが環椎のリングの中を貫通している。この二つの骨の関節(環軸関節)は頭部が左右に回転するための構造である。
C3からC6まではほぼ一般的な形の椎体であるが、椎体は胸椎以下のものと比べると小さい。C1からC6の左右横突起の根元には穴が開いている(横突孔)。この中を椎骨動脈が貫通している。C7の棘突起は特に発達しており、首を前屈させると隆起しているのが体表から見てもわかるため、C7は隆椎と呼ばれる。
12個の椎骨からなり、それぞれ上からT1~T12(またはTh1~Th12)と呼ぶ。ほぼ標準的な形の椎骨からなるが、胸椎には肋骨が接しているため、椎体に肋骨との関節面がある。
5個の椎骨からなり、それぞれ上からL1~L5と呼ぶ。上位の椎体よりもより重い体重を支えなければならないため、椎体は最も大きいが、骨粗鬆症における椎骨圧迫骨折などの障害も起こりやすい骨である。成人では一般に脊髄はL1とL2の椎間のあたりで終わり、それ以下の髄腔内には末梢神経の集合した馬尾が存在している。そのため、脳脊髄液の検査の際に実施する腰椎穿刺はこれ以下の椎間で行う必要がある。
5個の椎骨が癒合して一つの骨(仙骨)を形成している。さらに仙骨は腸骨と仙腸関節を介して強固に結合し、骨盤の一部となっている。
ヒトでは3〜5個の椎骨が癒合して一つの骨(尾骨)を形成している。
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脊髄損傷
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国試過去問 | 「105E019」 |
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関連記事 | 「骨」 |
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概念 | 疫学 | 自覚症状 | 他覚症状 | ||||
頚椎症状 | 神経根症状 | 脊髄症 | 神経根症 | 脊髄症 | |||
頚椎椎間板ヘルニア | 椎間板の退行変性に基づく線維輪断裂部からの椎間板組織の脱出。後方正中ヘルニア→脊髄症。後側方のヘルニア→神経根圧迫 | 30-50歳代。男性。中下位頚椎 | 喉頭・頚部から肩甲背部の疼痛、しびれと頚椎運動制限を呈する。通常頚椎の運動時に増悪し、安静にて軽快する。 | 一側の肩甲背部の疼痛、上肢へ放散する疼痛、しびれと感覚障害、脱力、筋萎縮、筋の線維性攣縮などを呈する | 感覚以上は手指、手掌全体に及ぶしびれ感が主体で、体幹、下肢に広がる。運動系では、手指巧緻運動障害を訴える。下肢痙攣麻痺(ぎこちない歩行、階段下降時に手すりが必要、走れない)。進行すると膀胱直腸障害を自覚 | 神経障害部位に一致した上肢の筋力低下、および筋萎縮、感覚障害、腱反射減弱。Spurlingテスト陽性が多い。 | 上肢に障害髄説に一致した腱反射低下、筋力低下。それ以下は錐体路障害による腱反射亢進(Hoffmann反射、Rossolimo徴候、Mendel-Bekhterev反射、膝・足クローヌス陽性)。手指巧緻運動障害。感覚障害は初期に上肢、故知に体幹・下肢に拡大。腹壁反射、睾丸挙筋反射消失。Babinski反射陽性。排尿障害は軽微 |
変形性頚椎症 | 椎間板の退行変性により、椎間板腔の狭小化、椎体近縁の骨硬化・骨棘形成、椎間関節の狭小化などを生じる。これにより、可動域制限、疼痛、こり感などの局所症状を呈した状態 | 中下位頚椎。高齢者ではC3-4椎間。 | 椎間板および椎間関節の変形などによる頚肩部の疼痛、運動制限 | ||||
頚椎症性神経根症 | 変形性頚椎症に加え、神経根症を呈した状態 | 圧迫に伴う神経根刺激症状として、上肢のしびれ、放散痛、感覚異常(後根)がある。 | Jacksonテスト、Spurlingテスト陽性。神経脱落症状としては、感覚鈍麻、脱失および上肢の脱力、筋萎縮筋の線維束攣縮が見られる。 | ||||
頚椎症性脊髄症 | 頚椎症性神経根症に加え、脊髄症を合併した状態。 | 上肢における巧緻運動障害、myelopathy hand、下肢腱反射亢進、病的反射の亢進、痙性歩行障害などの痙性麻痺および神経因性膀胱などが見られる。 | |||||
頚椎後縦靭帯骨化症 | 椎体および椎間板の後面にあり脊柱管の前壁をなす後縦靭帯が肥硬・骨化し、脊髄を緩徐に圧迫して脊髄症状を引き起こす疾患。 | 後縦靭帯骨化:男性4%、女性2%。 | 頚椎可動性の減少、肩こり、頚部痛が見られる。重要な障害は圧迫による脊髄症の麻痺症状である。一般に脊髄症は緩徐に進行する。外傷を契機に急激に悪化する場合もある。受診時に、多くの患者は種子のしびれや巧緻運動障害、下肢の痙性麻痺による歩行障害を呈する。 |
第1頚椎 → C1椎体 第10胸椎 → T10椎体 第3腰椎 → L3椎体
第8頚髄 → C8脊髄
第4腰神経 → L4神経
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
-硬膜外静脈叢
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