- 英
- acute suppurative thyroiditis
- 同
- 化膿性甲状腺炎 suppurative thyroiditis?、急性甲状腺炎 acute thyroiditis
- 関
- 甲状腺炎
- 甲状腺とその周囲における細菌感染による化膿性の炎症疾患。
- 甲状腺はヨウ素濃度が高いこと、血流が良好であること、解剖学的に他の臓器と連続していないため、感染に比較的強い。
- 免疫状態が低下するような病態があるいか、あるいは解剖学的な異常を背景として感染が生じる。
- 病因:
- 下咽頭梨状窩瘻;3,4番目の鰓弓異常から生じた梨状窩からの瘻孔を通じて細菌が波及した。瘻孔はほとんどが左側に生じる。そのため瘻孔が原因となる急性化膿性甲状腺炎は90%の例で左側に発症する。初発は小児期が多く、21歳以上での症例は数%に過ぎない。
- 甲状舌管遺残、盲孔開存、先天性鰓瘻、血行性播種、直接波及、食道前部の穿孔、免疫抑制(成人例の1/4が免疫不全に由来してもので、半数がHIVに罹患していた問い言う報告がある)
- 発熱、前頚部片側の疼痛、腫脹が出現、皮膚の発赤、熱感
- 1) 細菌:グラム陽性球菌(Staphylococcus, Streptococcus)、グラム陰性桿菌
- 2) 真菌:アスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカス
- 3) ウイルス:Rubella, Cytomegarovirus
- 亜急性甲状腺炎
- 橋本病の急性増悪
- 頚部軟部組織感染症
- 局所所見、病歴で疑い、血液検査、甲状腺エコーを加える。確定診断は腫瘤部の試験穿刺とグラム染色による。
- 速やかな抗生剤投与を行う。
- 亜急性甲状腺炎の疑診例に副腎皮質ステロイドを投与して悪化した場合には、本疾患を疑い抗生剤投与に切り替える。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/31 17:19:36」(JST)
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急性化膿性甲状腺炎(きゅうせいかのうせいこうじょうせんえん)は下咽頭からの細菌侵入により甲状腺周囲に感染が起こり発症する、細菌感染症である。比較的まれな疾患である。
目次
- 1 原因
- 2 症状
- 3 検査
- 4 治療
- 5 鑑別すべき疾患
- 6 脚注
- 7 関連項目
原因
上気道炎に引き続き、下咽頭を介して細菌が甲状腺周囲に侵入することにより発症する。
症状
上気道炎に続き、急激な頸の前側、左右どちらかに強い痛み、腫れ、発熱を生じる。ほとんど左側だという。[1]
検査
他に超音波、CTなどが施行される。 穿刺すると膿汁が吸引される。
治療
抗生物質の投与 膿の穿刺または切開排膿
鑑別すべき疾患
- 橋本病急性増悪
- 亜急性甲状腺炎
- 甲状腺未分化癌
- 甲状腺のう胞内出血
脚注
- ^ 「甲状腺疾患診療実践マニュアル 第3版 文光堂 2007」
関連項目
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Japanese Journal
- 臨床研究・症例報告 右下咽頭梨状窩瘻による急性化膿性甲状腺炎,深頸部膿瘍の1例
- DP-031-6 当院で経験した急性化膿性甲状腺炎症例の検討(第108回日本外科学会定期学術集会)
- 北川 亘,伊藤 公一,杉野 公則,長浜 充二,渋谷 洋,大桑 恵子,矢野 由希子,高山 純一,鈴木 明彦,赤石 純子,中山 博貴,伊藤 國彦
- 日本外科学会雑誌 109(臨時増刊_2), 407, 2008-04-25
- NAID 110006891730
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★リンクテーブル★
[★]
- 32歳の女性。暑がり、発汗過多、手指振戦および労作時の動悸を主訴に来院した。 2週前から症状が出現したという。感冒様症状の先行はない。身長162cm、体重52kg。体温36.2℃。呼吸数28/分。脈拍104/分、整。血圧128/72mmHg。甲状腺はびまん性に腫大、弾性硬、表面に軽度凹凸を認め、圧痛を認めない。皮膚は湿潤、手指に振戦を認める。血液生化学所見:総コレステロール105mg/dl、AST 20IU/l、 ALT 26IU/l. TSH 0.1μU/ml(基準0.2-4.0)、FT4 3.2ng/dl(基準0.8-2.2)。99mTc04-甲状腺シンチグラム(別冊No.8)を別に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A034]←[国試_105]→[105A036]
[★]
- 英
- hyperthyroidism
- 同?
- 甲状腺中毒症 thyrotoxicosis
- 関
- 甲状腺、甲状腺ホルモン、甲状腺腫。甲状腺機能低下症
定義
- 甲状腺においてホルモンの合成と分泌が増加し、そのために甲状腺ホルモン過剰の症状が出現している病態
分類
-
- グレーブス病 :びまん性 :fT3↑、fT4↑、TSH↓
- 甲状腺機能性結節 toxic multinodular goitar
- TSH産生下垂体腫瘍 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
- 下垂体型甲状腺ホルモン不応症 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
- 胞状奇胎、絨毛腫瘍
- ヒト絨毛性ゴナドトロピンhCGがTSH様甲状腺刺激物質として作用するため、甲状腺でのホルモン分泌、合成が亢進する。血中甲状腺ホルモンは高値となるが、TSHは低値を示す。hCGは妊娠初期にも分泌され、一過性の甲状腺機能亢進状態になることもある。
- 卵巣の奇形腫(teratoma)で、腫瘍内に過機能性甲状腺腫が存在し、甲状腺中毒症状を呈す。
- 甲状腺ホルモンの過剰投与、痩せ薬としての服用などにより、甲状腺中毒症状が出現する。血中TSH値は抑制され、サイログロブリンは低値を示すことが特徴的。
-
疫学
- 参考1
症状
YN.D-30
- 全身症状:全身倦怠感、易疲労感、体重減少、体重増加もあり、微熱
- 消化器症状:食欲亢進、排便回数の増加、軟便、下痢
- 循環器症状:動悸、息切れ、頻脈、心房細動、高血圧(収縮期血圧上昇、拡張期血圧低下、脈圧増大)
- 神経筋症状:手指振戦、下肢近位筋の筋力低下、筋萎縮
- 皮膚症状:発汗過多、皮膚湿潤、色素沈着、脱毛、皮膚掻痒感、手掌紅斑、爪甲剥離(Plummer爪)
- 精神症状:神経過敏、易刺激性、不眠、多動
- 性腺症状:月経異常(月経過少、無月経)
甲状腺機能亢進症と褐色細胞腫
- 血圧:収縮期血圧↑/収縮期血圧↓ ⇔ 収縮期血圧↑/収縮期血圧↑
- 消化器症状:下痢 ⇔ 便秘
眼症状
- 甲状腺眼症においては、球後軟部組織の炎症性病変すなわち眼窩症が眼症発症の背景にある。
- したがって、球後脂肪織炎による眼球突出と、外眼筋炎を伴う眼球突出がある。
- Basedow病発症のピークを示す20歳前後の世代では脂肪織炎のみによる眼球突出のみによる眼球突出が高頻度に見られるのに対して、もう一つの山である40歳代の中高年層では外眼筋肥大を伴う例が多い。
- 薬物治療:副腎皮質ステロイドホルモンのパルス療法あるいは漸減法を行う。
- 特徴的所見:眼瞼後退、Graefe徴候(下方視の際に上眼瞼の下方への動きが遅れる)、Kocher徴候(目が凝視または驚いたように見える状態)
合併症
検査
など
- Ca:高値 → 甲状腺ホルモンによる骨吸収・骨形成亢進のため? 骨粗鬆症が出現する症例はない、あるいは少ないのか?
- P: 高値
- 食後:高血糖
- AST:上昇
- ALT:上昇
治療
- ICU.762
- β遮断薬
- 抗甲状腺薬:メチマゾール(MMI)(PTUより早く血漿fT4濃度を低減させるし、顆粒球減少の頻度がより低い)、プロピルチオウラシル(PTU)
- ヨウ素剤:重症の場合は抗甲状腺薬に加えて使用する。ヨウ素は甲状腺からのT4放出を抑制する。
参考
- http://www.thyroid.jp/pdf/dr_TRAb.pdf
uptodate
- 1. [charged] 成人における甲状腺機能亢進症の臨床症状の概要 - uptodate [1]
- 2. [charged] 潜在性甲状腺機能亢進症 - uptodate [2]
- 3. [charged] 甲状腺機能亢進症の原因となる疾患 - uptodate [3]
- 4. [charged] 小児期および思春期における甲状腺機能亢進症の臨床症状および診断 - uptodate [4]
- 5. [charged] 甲状腺機能亢進症およびバセドウ病の神経学的症状 - uptodate [5]
- 6. [charged] 甲状腺機能亢進症の心血管系への影響 - uptodate [6]
- 7. [charged] 甲状腺機能亢進症の診断 - uptodate [7]
- 8. [charged] バセドウ病(グレーブス甲状腺機能亢進症)の治療 - uptodate [8]
[★]
- 英
- thyrotoxicosis
- 関
- 甲状腺機能亢進症、甲状腺、甲状腺ホルモン
定義
- 血中に甲状腺ホルモンが増加し、それに臨床症状が伴っている状態
- 過剰の甲状腺ホルモンが存在するという生理的な症状を指す。この病態を表すにはhyperthyroidismよりthyrotoxicosisが用いられるべき。thyrotoxicosisは甲状腺の機能亢進とは関連しない。hyperthyroidismは甲状腺機能の亢進による障害のためにとっておく。(WIL.333)
- でも、以下の分類だと、ごちゃまぜに使っています・・・要するに文献によって用語の使い方が統一されていない。
分類
-
- グレーブス病 :びまん性 :fT3↑、fT4↑、TSH↓
- 甲状腺機能性結節 toxic multinodular goitar
- TSH産生下垂体腫瘍 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
- 下垂体型甲状腺ホルモン不応症 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
- 胞状奇胎、絨毛腫瘍
- ヒト絨毛性ゴナドトロピンhCGがTSH様甲状腺刺激物質として作用するため、甲状腺でのホルモン分泌、合成が亢進する。血中甲状腺ホルモンは高値となるが、TSHは低値を示す。hCGは妊娠初期にも分泌され、一過性の甲状腺機能亢進状態になることもある。
- 卵巣の奇形腫(teratoma)で、腫瘍内に過機能性甲状腺腫が存在し、甲状腺中毒症状を呈す。
- 甲状腺ホルモンの過剰投与、痩せ薬としての服用などにより、甲状腺中毒症状が出現する。血中TSH値は抑制され、サイログロブリンは低値を示すことが特徴的。
-
合併症
[★]
急性化膿性甲状腺炎
[★]
急性化膿性甲状腺炎
[★]
急性化膿性甲状腺炎
[★]
- 英
- thyroid gland
- ラ
- glandula thyroidea
- 関
- 甲状腺ホルモン、副甲状腺(上皮小体)
- 喉頭
- 図:N.24(全面の筋),25(全面の筋),70(血管),71(血管)
解剖学
部位
性状
- 成人の正常重量15-25g、女性の方が少し重い。妊娠中や性周期で重量が変化する。分泌期初期(early secretary phase排卵後2-5日目)には50%も重量が増加する。
大きさ
- よくわかる甲状腺疾患のすべて 永井書店 (2004/01) ISBN 481591673X
- 単位はmm?
|
n
|
峡部
|
横断厚
|
横径
|
縦経(右)
|
縦経(左)
|
男性
|
34
|
1.8±0.6
|
18±3.0
|
48±4.8
|
49±3.7
|
49±3.8
|
女性
|
16
|
1.3±0.8
|
16±2.2
|
46±3.6
|
45±6.0
|
46±3.0
|
血管
動脈
静脈
神経
- 声帯を支配する神経が甲状腺の裏側を通過 N.71
画像
- (高エコー)筋肉>甲状腺>気道(低エコー) ← 要確認
組織学
- 成人甲状腺全体の0.1%を占める
- カルシトニン産生細胞、HEでは判別困難。
- 銀染色(Glimerius)、免疫組織化学(chromogranin A、synaprophysin, carcitoninなど)により明らかとなる。
- 電顕では、electron dense な顆粒を有する(神経内分泌顆粒)。
機能
発生
神経支配
- 上頚部交感神経節、中頚部交感神経節。交感神経神経線維は濾胞近傍に終末し、分泌に影響を及ぼす。
臨床関連
診察所見と疾患
非腫瘍性疾患
- a) 無形成 Agenesis
- b) 低形成 Hypoplasia
- c) 異所性甲状腺:異残物
- mynocyclineによるblack thyroid:消耗性色素リポフスチンと他の物質(lipid-drug complexによりlysosomeに色素が沈着する)。
- a) 濾胞腺腫 follicular adenoma
- a) 乳頭癌 papillary carcinoma 88%
- b) 濾胞癌 follicular carcinoma 4.2% 甲状腺濾胞癌 thyroid follicular carcinoma
- c) 低分化癌 poorly differentiated carcinoma
- d) 未分化癌 undifferentiated carcinoma 1.5%
- e) 髄様癌(C細胞癌) medullary carcinoma, C-cell carcinoma 1.4%
- f) 悪性リンパ腫 malignant lymphoma 3.5%
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
分類
[★]
- 英
- purulence, suppuration
- ラ
- purulenta
- 同
- 化膿性炎 purulent inflammation
[★]
- 英
- purulent、suppurative、pyogenic、pyogenes
- 関
- 化膿、膿性
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型