出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/02 14:22:07」(JST)
骨: 舌骨 | |
---|---|
名称 | |
日本語 | 舌骨 |
英語 | hyoid bone |
ラテン語 | os hyoideum |
画像 | |
アナトモグラフィー | 三次元CG |
関連情報 | |
MeSH | Hyoid+Bone |
グレイの解剖学 | 書籍中の説明(英語) |
テンプレートを表示 |
舌骨(ぜっこつ、英語: Hyoid bone、ラテン語: Os hyoideum)とは、四肢動物において、祖先の魚類の鰓弓構造に由来する骨である。
ヒトの舌骨は、下顎と咽頭の間に存在するU字形をした骨である。他の骨と関節がない[1]人間の首の骨で、首の筋肉によって支持され、舌根を支持する。蹄鉄型をしており、茎突舌骨靱帯によって、側頭骨の茎状突起の先端につるされている。
英名であるHyoid boneは、ギリシャ文字のυを意味するhyoeideから来ている。 楕円船形をした体と、体の前面左右両側に付属した2個の小角、小角と体の隣接部から後上方に左右に細長く伸びる2個の大角によって構成されている[1]。
目次
|
体は中央にある四角形の部分である。
前面は前上方に凸型であり、その上半分でわずかに下向きの凸状を持つ顕著な斜走隆線が交差する。そして多くの場合、中央の垂直隆線が体を左右に分割する。横線より上の垂直隆線は大部分の標本で確認できるが、下ではごくわずかな標本でのみ明らかである。斜走隆線の上部と下部の大部分の範囲にオトガイ舌骨筋が停止する。舌骨舌筋の起始はオトガイ舌骨筋停止部の側部に刻み目をつける。斜走隆線の下に顎舌骨筋、胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋が停止する。
後面は後下方になめらかな凹面で、甲状舌骨膜と大量のゆるい疎性結合組織にて喉頭蓋から分離されている。a bursaは舌骨と甲状舌骨膜の間に入る。
上縁は丸く、甲状舌骨膜といくらかのオトガイ舌筋の腱膜の繊維が付く。
下縁は平均的に胸骨舌骨筋、その横の肩甲舌骨筋、場合によっては甲状舌骨筋の一部が停止する。また、Levator glandulæ thyreoideæが存在するときはここにつく。
若い頃は側面の大角との連結部は、軟骨結合となっているが、中年以降では骨となっている。
大角とは、体の両側から後ろに伸びる部分で、縦に長い扁平で、後ろの方に行くに従い細くなっている。両端は側方hyothyroid靭帯に繋がる結節で終わっている。その上面はその両端の境界に似てざらざらしている。これは筋肉が接続するためである。この筋肉のうち最大のものは、角の長さ方向全体に渡って伸びる舌骨舌筋及び咽頭収縮筋mediusである。顎二腹筋と茎突舌骨筋は、体と角の接続部の近くの前側で小さく交差している。甲状舌骨膜が体の中央部に接続しており、体の両側の前側で甲状舌骨筋と交差している。
小角は左右に一対有る小さな上向きの円錐形で体と大角の間の連結部に付いている[1]。線維組織により体につながっており、場合によっては大角と明確な可動結合関節によって結合している。これは通常、一生を通じて存続するが、強直する事もある。
小角は体の斜走隆線の線上に位置し、形態的に連続しているように見える。角の頂点は茎突舌骨靱帯が付く。小角舌筋は底の内側から起こる。
舌骨は体が二つと大角、小角それぞれ一つずつの合計6ヶ所から骨化する。大角の骨化は出生直前に始まり、体ではその直後に、小角は出生後一~二年後に始まる。
舌骨はその位置のため、骨折を起こしにくい。異状死の場合、舌骨の骨折は絞殺の強い徴候である。
この「舌骨」は、医学に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
国試過去問 | 「104D053」 |
リンク元 | 「鰓弓」「喉頭」「舌骨上筋」「上喉頭神経」「舌骨下筋」 |
拡張検索 | 「胸骨舌骨筋」「舌骨体」「甲状舌骨膜」「舌骨舌筋」 |
関連記事 | 「骨」 |
CD
※国試ナビ4※ [104D052]←[国試_104]→[104D054]
# | 鰓弓 | 神経 | 筋 | 骨格 | 動脈* |
1 | 顎弓(上顎隆起、下顎隆起) | CN V 三叉神経: 上顎枝、下顎枝(第一鰓弓の筋を支配) |
咀嚼筋(側頭筋、咬筋、内側翼突筋・外側翼突筋)、顎舌骨筋、顎二腹筋前腹、口蓋帆張筋と鼓膜張筋 | 上顎突起(顎前骨、上顎骨、頬骨、側頭骨の一部)、メッケル軟骨(下顎骨、キヌタ骨、ツチ骨、前ツチ骨靱帯、蝶下顎靱帯) | 消失し一部残存(顎動脈) |
2 | 舌骨弓 | CN VII 顔面神経 |
顔面表情筋(頬筋、耳介筋、前頭筋、広頚筋、口輪筋および眼輪筋)、顎二腹筋後腹、茎突舌骨筋、アブミ骨筋 | アブミ骨、茎状突起、茎突舌骨靱帯、舌骨小角と舌骨体の上部 | 消失し一部残存(舌骨動脈、アブミ骨動脈) |
3 | CN IX 舌咽神経 |
茎突咽頭筋 | 舌骨大角と舌骨体の下部 | 総頚動脈、内頚動脈の基部。外頚動脈が出芽 | |
4 | CN X 迷走神経 |
輪状甲状筋、口蓋帆挙筋 | 喉頭軟骨(甲状軟骨、輪状軟骨、披裂軟骨、小角軟骨、および楔状軟骨 | 大動脈弓の一部 | |
5 | 上喉頭神経(第四鰓弓支配神経) | 咽頭収縮筋 | 消失 | ||
6 | 反回神経(下喉頭神経)(第六鰓弓支配神経) | 喉頭内の筋 | 動脈管と肺動脈の基部 |
筋名 | 起始 | 停止 | 支配神経 | 機能 |
オトガイ舌骨筋 | 下顎骨(オトガイ棘) | 舌骨(舌骨体) | 第1,2頚神経前枝 | 舌骨を前方へ引く。舌骨の固定時→下顎を下げる |
顎舌骨筋 | 下顎骨(顎舌骨筋線) | 舌骨(舌骨体) | 三叉神経の下顎神経(顎舌骨筋神経) | 口底と舌の挙上。舌骨の固定時→下顎を下げる |
茎突舌骨筋 | 側頭骨(茎状突起) | 舌骨(舌骨小角) | 顔面神経 | 舌骨を挙上 |
顎二腹筋 | 側頭骨(乳突切痕) | 下顎骨(下縁) | 前腹は三叉神経の下顎神経(顎舌骨筋神経)。後腹は顔面神経 | 下顎骨の固定時→舌骨を挙上。舌骨の固定時→下顎骨を下制 |
筋名 | 起始 | 停止 | 支配神経 | 機能 |
胸骨舌骨筋 | 胸骨(第一肋軟骨) | 舌骨(舌骨体) | 上位頚神経 | (頚神経ワナ) |
胸骨甲状筋 | 胸骨(胸骨柄後面、第一,二肋軟骨) | 甲状軟骨(斜線) | 喉頭を下方に引く | |
甲状舌骨筋 | 甲状軟骨(斜線) | 舌骨(舌骨体) | 舌骨を喉頭に近づける | |
肩甲舌骨筋 | 肩甲骨(肩甲骨上縁) | 舌骨(舌骨体) | 舌骨を押し上げる |
.