出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/06 16:15:55」(JST)
塩化水素 | |
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IUPAC名
塩化水素 |
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別称
塩酸(水溶液)
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 7647-01-0 |
RTECS番号 | MW4025000 |
特性 | |
化学式 | HCl |
モル質量 | 36.46 g/mol |
外観 | 無色気体または液体 |
密度 | 1.00045 m g/cm3 |
融点 |
−114 °C |
沸点 |
−85 °C |
水への溶解度 | 67 g/100 mL (30 ℃) |
酸解離定数 pKa | −4 |
危険性 | |
MSDS | 厚生労働省モデルMSDS |
主な危険性 | T C |
Rフレーズ | R23, R35 |
Sフレーズ | (S1/2), S9, S26, S36/37/39, S45 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | フッ化水素 臭化水素 |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
塩化水素(えんかすいそ)は塩素と水素から成るハロゲン化水素。化学式 HCl。常温常圧で無色透明、刺激臭のある気体。有毒。塩化水素酸 (hydrochloric acid) あるいは塩酸ガスとも呼ばれる。
塩化水素は常温常圧下では気体であり、塩化水素の水溶液を塩酸と呼ぶ。気体の塩化水素は、塩化水素分子として存在し、水溶液である塩酸中では、塩化水素はほぼ完全に正負のイオンに電離している。
常温常圧下で、濃度がほぼ25%以上の塩酸には発煙性がある。
日本では毒物及び劇物取締法により、原体および10%を超える製剤が劇物に指定されている。
ラットの吸入毒性ではLC50が3124 ppm/1h。
塩化水素は水素と塩素の反応で得る。
もしくは塩化ナトリウムと濃硫酸の反応によって得ることができる。この反応では、濃硫酸が塩化水素より強酸であり且つ、硫酸が不揮発性で塩化水素が揮発性であることが重要である。
塩化ナトリウム + 濃硫酸 → 硫酸水素ナトリウム + 塩化水素
工業的には塩化ナトリウム水溶液の電気分解によって水酸化ナトリウムとともに水素と塩素を生成し、その後水素と塩素を混合して作る(イオン交換膜法)。近年では、以下の反応のように塩化ビニルや塩化ビニリデンなどの製造の副生成物として回収される塩化水素の生産量のほうが多い。
(R:アルキル基、ビニル基など)
塩化水素ガス(塩酸分は除く)の2008年度日本国内生産量は 91,692 t、消費量は 88,078 t である[1]。
自然には火山活動などで発生する。ルブラン法が炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)生成の主な方法であった頃はこのガスが問題となっていた。
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希塩酸「コザカイ・M」
リンク元 | 「次亜塩素酸」「塩酸」 |
関連記事 | 「塩化」 |
次亜塩素酸(じあえんそさん、Hypochlorous acid)は塩素のオキソ酸の1つで、塩素の酸化数は+1である。組成式では HClO と表わされるが、水素原子と塩素原子が酸素原子に結合した構造 H−O−Cl を持つ。不安定な物質であり水溶液中で徐々に分解する。次亜塩素酸および次亜塩素酸の塩類は酸化剤、漂白剤、外用殺菌剤、消毒剤として利用される。
実験室的には水酸化カリウム水溶液などに塩素を通じたりして調整した次亜塩素酸塩水溶液を硫酸で中和し、水蒸気蒸留して遊離酸の水溶液を得る。また、酸化水銀 の四塩化炭素懸濁液に塩素を通じた後に水で抽出したり、あるいは酸化ビスマスを水懸濁液中に塩素を通じることで遊離酸の水溶液を得る方法も知られている。
薄い水溶液としては存在するが、25%以上の濃度では一酸化二塩素に変化するので遊離酸を単離することはできない。濃厚水溶液は淡黄色である。また、遊離酸が弱酸 (pKa = 7.53)<ref>「次亜塩素酸」、『岩波理化学辞CD-ROM版』 第5版、岩波書店、1998年。</ref> のため、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸塩水溶液はかなり強い塩基性を示す。
水溶液中でも不安定で、次のような不均化により塩化水素を放出しながら徐々に分解する。
次亜塩素酸やその塩の水溶液は、カルキ臭と呼ばれるプールの消毒槽のようなにおいを持つ。
また、塩素を水に溶かすと、次のような平衡により一部が塩酸と次亜塩素酸となる<ref>「次亜塩素酸」、『世界百科事典CD-ROM版』 V1.22、平凡社、1998年。</ref>。
{\rm Cl_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ HCl + HClO} \quad K _{\rm w}=1.56 \times 10^{-4} </math> すなわち、中性~酸性条件ではこの反応はあまり進行しないが、アルカリ性条件では生成する遊離酸が次亜塩素酸塩となり平衡が右に偏るので、次亜塩素酸塩を製造する方法の1つとなる。
\rm Cl_2O + H_2O \longrightarrow 2HClO </math>
\rm HClO + H_2O_2 \longrightarrow HCl + H_2O + O_2 </math>
<references />
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