出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/07 07:54:04」(JST)
塩素酸 | |
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別称
Chloric(V) acid
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 7790-93-4 |
ChemSpider | 18513 |
SMILES
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InChI
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特性 | |
化学式 | HClO3 |
モル質量 | 84.45914 g mol−1 |
外観 | 無色 |
密度 | 1 g/mL, solution (approximate) |
水への溶解度 | >40 g/100 ml (20 °C) |
酸解離定数 pKa | ca. −1 |
構造 | |
分子の形 | 三角錐形 |
危険性 | |
主な危険性 | 酸化剤 (O) 腐食性 (C) |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 臭素酸 ヨウ素酸 |
その他の陽イオン | 塩素酸アンモニウム 塩素酸ナトリウム |
関連物質 | 次亜塩素酸 塩酸 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
塩素酸(えんそさん、英: chloric acid)は塩素のオキソ酸の1つで、化学式 HClO3 の化合物。+5価の塩素を中心にヒドロキシ基1つと酸素原子が2つついた構造を持つ。塩酸(塩化水素酸)とは異なる物質である。
炭酸と同様、遊離酸は単離できない。
希硫酸と塩素酸バリウム水溶液を混合すると、不溶性の硫酸バリウムが析出して塩素酸水溶液を生じる。
水溶液は強酸で、強力な酸化剤でありしたがって漂白作用がある。冷たい水溶液はおよそ30%まで安定で、そこから慎重に減圧することで40%まで濃縮することができる。温めたりそれ以上の濃度にすると分解して様々な化合物を生じる。
塩素酸塩はいずれも不安定で取り扱いに注意を要する。火薬や爆弾の原料として、また漂白にも使われる。
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ハイポライト消毒液10%
効能・効果 | 用法・用量 |
手指・皮膚の消毒 | 有効塩素濃度100〜500ppm(200〜1,000倍)溶液に浸すか、清拭する。 |
手術部位(手術野)の皮膚の消毒、手術部位(手術野)の粘膜の消毒 | 有効塩素濃度50〜100ppm(1,000〜2,000倍)溶液で洗浄する。 |
医療機器の消毒 | 有効塩素濃度200〜500ppm(200〜500倍)溶液に1分間以上浸漬するか、または温溶液を用いて清拭する。 |
手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒 | 有効塩素濃度200〜500ppm(200〜500倍)溶液を用いて清拭する。 |
排泄物の消毒 | 有効塩素濃度1,000〜10,000ppm(10〜100倍)溶液を用いる。 |
HBウイルスの消毒 | 1) 血液その他の検体物質に汚染された器具の場合は、有効塩素濃度10,000ppm(10倍)溶液を用いる。 2) 汚染がはっきりしないものの場合は、有効塩素濃度1,000〜5,000ppm(20〜100倍)溶液を用いる。 |
患者用プール水の消毒 | 残留塩素量が1ppmになるように用いる。 |
国試過去問 | 「109B008」 |
リンク元 | 「次亜塩素酸」「オキソ酸」「過塩素酸」「chlorate」 |
拡張検索 | 「過塩素酸塩放出試験」「次亜塩素酸カルシウム中毒」「次亜塩素酸塩」「塩素酸塩」 |
関連記事 | 「酸」「塩素」 |
B
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次亜塩素酸(じあえんそさん、Hypochlorous acid)は塩素のオキソ酸の1つで、塩素の酸化数は+1である。組成式では HClO と表わされるが、水素原子と塩素原子が酸素原子に結合した構造 H−O−Cl を持つ。不安定な物質であり水溶液中で徐々に分解する。次亜塩素酸および次亜塩素酸の塩類は酸化剤、漂白剤、外用殺菌剤、消毒剤として利用される。
実験室的には水酸化カリウム水溶液などに塩素を通じたりして調整した次亜塩素酸塩水溶液を硫酸で中和し、水蒸気蒸留して遊離酸の水溶液を得る。また、酸化水銀 の四塩化炭素懸濁液に塩素を通じた後に水で抽出したり、あるいは酸化ビスマスを水懸濁液中に塩素を通じることで遊離酸の水溶液を得る方法も知られている。
薄い水溶液としては存在するが、25%以上の濃度では一酸化二塩素に変化するので遊離酸を単離することはできない。濃厚水溶液は淡黄色である。また、遊離酸が弱酸 (pKa = 7.53)<ref>「次亜塩素酸」、『岩波理化学辞CD-ROM版』 第5版、岩波書店、1998年。</ref> のため、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸塩水溶液はかなり強い塩基性を示す。
水溶液中でも不安定で、次のような不均化により塩化水素を放出しながら徐々に分解する。
次亜塩素酸やその塩の水溶液は、カルキ臭と呼ばれるプールの消毒槽のようなにおいを持つ。
また、塩素を水に溶かすと、次のような平衡により一部が塩酸と次亜塩素酸となる<ref>「次亜塩素酸」、『世界百科事典CD-ROM版』 V1.22、平凡社、1998年。</ref>。
{\rm Cl_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ HCl + HClO} \quad K _{\rm w}=1.56 \times 10^{-4} </math> すなわち、中性~酸性条件ではこの反応はあまり進行しないが、アルカリ性条件では生成する遊離酸が次亜塩素酸塩となり平衡が右に偏るので、次亜塩素酸塩を製造する方法の1つとなる。
\rm Cl_2O + H_2O \longrightarrow 2HClO </math>
\rm HClO + H_2O_2 \longrightarrow HCl + H_2O + O_2 </math>
<references />
。]] オキソ酸(オキソさん、Oxoacid)とは、ある原子にヒドロキシル基 (-OH) とオキソ基 (=O) が結合しており、且つそのヒドロキシル基が酸性プロトンを与える化合物のことを指す<ref>IUPAC Gold Book - oxoacids</ref>。ただし、無機化学命名法IUPAC1990年勧告のオキソ酸の定義では、先述した化合物の他にアクア酸(aqua acid)<ref>中心金属イオンに配位した水分子に酸性プロトンが存在する酸。例:ヘキサアクア鉄(III)イオン</ref>、ヒドロキソ酸(hydroxoacid)<ref>隣接するオキソ基が存在しないヒドロキシル基に酸性プロトンが存在する酸。例:オルトケイ酸 (H4SiO4)</ref>もオキソ酸に含まれることになる。無機化合物のオキソ酸の例としては硫酸や硝酸、リン酸などが挙げられる。有機化合物で最も重要なオキソ酸はカルボン酸である。酸性の強弱は化合物の種類によりさまざまなものがある。一般に、オキソ酸は多原子イオンと水素イオンを与える。
オキソ酸が脱水縮合することで、ポリオキソ酸が生成する。例えば、リン酸では二リン酸、三リン酸である。酸無水物も同様に、オキソ酸の脱水縮合生成物にあたる。遷移金属元素のオキソ酸は金属オキソ酸(ポリ酸)と呼ぶ。
単核オキソ酸の酸性度の強さを推定する2つの経験則としてポーリングの規則(Pauling's rules)が知られている。
ただし、この規則に従わないオキソ酸も存在する。例えば炭酸の推定値は3であるが実測値は6.4である。これは水溶液中に溶けている二酸化炭素が僅かしか炭酸にならないためである。このことを考慮に入れるとpKa値は規則通り約3.6となる。また、亜硫酸も規則に従わない。これは溶液中に亜硫酸分子は検出されず、さらにSO2が複雑な平衡を持っているからである。
テンプレート:脚注ヘルプ <references/>
HClO4
酸性 :過塩素酸>塩素酸>亜塩素酸>次亜塩素酸 酸化力:次亜塩素酸>亜塩素酸>塩素酸>過塩素酸 -perchlorate
塩素酸、(化合物)塩素酸塩
パークロレイト放出試験 : 18 件 過塩素酸塩放出試験 : 15 件 パークロレート放出試験 : 5 件
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