性腺刺激ホルモン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/11 14:14:31」(JST)
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性腺刺激ホルモンまたはゴナドトロピン(英: Gonadotropin、イギリス英語: gonadotrophin)は脊椎動物の下垂体の性腺刺激ホルモン産生細胞から産生されるタンパク質ホルモンである。黄体化ホルモン(または黄体形成ホルモン、LH:luteinizing hormone)と卵胞刺激ホルモン(または濾胞刺激ホルモン、FSH:follicle stimulating hormone)の2種類の主要な性腺刺激ホルモンがある。LH、FSHともに、2つのペプチド鎖のα鎖とβ鎖がジスルフィド結合している。LHとFSHはほぼ同一のα鎖を持ち、β鎖が受容体相互作用へ特異性を与えている。
また、ヒトの第三の性腺刺激ホルモンとしてヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG:human chorionic gonadotropin)が挙げられ、妊娠中の胎盤で産生される。
機構
性腺刺激ホルモン受容体は標的細胞膜に埋め込まれており、Gタンパク質系と結合している。受容体に引きおこされたシグナルは細胞内でcAMPにより中継される。
性腺刺激ホルモンは視床下部の弓状核からの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH:gonadotropin-releasing hormone)のコントロール下にある。性腺―精巣と卵巣―はLHとFSHの第一の標的器官であり、様々な細胞タイプに影響し、標的器官に多様な反応を誘発する。単純に言うと、LHは精巣のライディッヒ細胞あるいは卵巣の顆粒膜細胞を刺激してテストステロン(間接的にエストラジオール)を産生させ、一方FSHは精巣の精子形成組織あるいは卵胞の顆粒層細胞を刺激する。
疾患
脳下垂体の疾患による性腺刺激ホルモンの欠乏は性腺機能低下症を引きおこす。性腺の不全や欠損はLH及びFSHの血中レベルが上昇する。
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Japanese Journal
- P2-1-3 Hypogonadotropic hypogonadism症例に対する新しい卵巣刺激法 : ゴナドトロピン(Gn)療法の補助療法としての経皮的エストロゲン投与(Group73 生殖医学(症例)1,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 中澤 明里,神尊 貴裕,中村 泰昭,落合 尚美,中川 圭介,矢部 慎一郎,五十嵐 敏雄,宗田 哲男,梁 善光
- 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 709, 2011-02-01
- NAID 110008509550
- P1-31-7 ゴナドトロピン投与によりラット卵巣での発現が誘導される遺伝子群の網羅的解析(Group65 生殖生理・病理・基礎1,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
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- ヒト絨毛性ゴナドトロピン(-じゅうもうせい-、Human chorionic gonadotropin, hCG)と は、妊娠中に産生されるホルモンである。 目次. 1 概要; 2 構造; 3 機能; 4 妊娠検査; 5 腫瘍マーカー; 6 ステロイドとの娯楽利用. [編集] 概要. ヒト絨毛性ゴナドトロピンは、受胎 ...
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- 28歳の女性。月経異常と不妊とを主訴に来院した。初経は12歳で、月経周期は45~60日と不順であった。身長158cm、体重68kg。両側下肢に多毛を認める。内診で子宮は正常大。経腹超音波検査で両側の卵巣に直径10mm前後の小卵胞を多数認める。基礎体温は低温一相性。クロミフェンで排卵が認められない。血液生化学所見:LH15.8mIU/ml(基準1.8~7.6)、FSH6.8mIU/ml(基準5.2~14.4)、プロラクチン12.2ng/ml(基準15以下)、FT32.8pg/ml(基準2.5~4.5)、FT4 1.3ng/dl(基準0.8~2.2)、エストラジオール70pg/ml(基準25~75)、テストステロン52ng/dl(基準10~60)。子宮卵管造影と夫の精液検査とに異常を認めない。
- 治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I041]←[国試_102]→[102I043]
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- 53歳の女性。のぼせ、著明な発汗および不眠を主訴に来院した。既往歴に特記すべきことはない。52歳で閉経して以来、のぼせと著明な発汗とが出現し、1か月前からこの症状に加えて、イライラ、不眠および全身倦怠感が強くなり、仕事をするのも嫌になっている。近医を受診し、漢方薬や向精神薬を処方されたが改善していない。
- ホルモン療法として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I056]←[国試_103]→[103I058]
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- 22歳の女性。4か月前からの無月経を主訴として来院した。妊娠反応は陰性で、基礎体温は低温1層性である。子宮は正常大で、両側付属器を触知しない。経膣超音波検査を行った。子宮の超音波写真と卵巣の超音波写真とを以下に示す。診断のためにまず投与する薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095C032]←[国試_095]→[095C034]
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- 59歳の女性。6年前から一過性に顔面のほてり、発汗および動悸が起こり、不眠が持続するため来院した。閉経は52歳。脈拍72/分、整。血圧138/74mmHg。甲状線機能検査と副腎髄質機能検査とに異常はない。この病態で分泌亢進が予想される下垂体ホルモンはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095C010]←[国試_095]→[095C012]
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[正答]
※国試ナビ4※ [103B024]←[国試_103]→[103B026]
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- 高齢者の内分泌系にみられる特徴はどれか。2つ選べ。
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※国試ナビ4※ [113C022]←[国試_113]→[113C024]
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[正答]
※国試ナビ4※ [099D052]←[国試_099]→[099D054]
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- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
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[正答]
※国試ナビ4※ [098G042]←[国試_098]→[098G044]
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[正答]
※国試ナビ4※ [098H051]←[国試_098]→[098H053]
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- 英
- elderly、aged
- 関
- 老化、加齢、歳、初老、老齢、年輩、高齢、老人、老齢者、老年者、高年齢
定義
- 国連の世界保健機関による定義:高齢者とは65歳以上。前期高齢者とは65歳以上74歳未満。後期高齢者とは75歳以上。末期高齢者とは85歳以上。
特徴
- 精神:人格変化(柔軟性の低下、自発性の低下、感情の制御困難(涙もろい、怒りっぽい)、社会的引きこもり)。若い頃の性格が先鋭化。
- 神経:反射低下
- 呼吸:残気量増加、肺活量低下、分時換気量低下、最大酸素摂取量低下 ← 呼吸数は不変
[show details]
- 消化器:吸収機能低下、食欲低下、便秘
- 肝臓:肝機能低下
- 腎臓:糸球体濾過量減少
- 骨:骨塩量減少
- 筋肉:筋力低下
- 関節:可動域低下(拘縮)、変形
- 水分量:細胞外液・細胞内液減少 → 脱水になりやすい
- 血液
- 脂質増加
- BUN増加 ← 腎機能低下を反映
- 血清Cr増加 ← 腎機能低下を反映
高齢者と医療
- SUB12.
- 年齢階級別国民医療費(H20)「国民医療費」:65歳以上が54.6%と半数以上を占める。
- 年齢階級別一人あたり国民医療費(H20)「国民医療費」:65歳以上67万円、75歳以上83万円 ⇔ それ以外の年齢階級はは10-25万円
- 傷病別・年齢階級別一般診療医療費の割合(H20)「国民医療費」:65歳以上では循環器疾患(27.1%)が最も多く、新生物(13.1%)がこれに次ぐ。
- 疾病別外来・入院受診率「患者調査」:(外来)循環器系疾患(高血圧性疾患)。(入院)循環器疾患(脳血管疾患)
- 年齢階級別死因順位(H21)「人口動態統計」:(65~89歳)①悪性新生物、②心疾患。(89~99歳)①心疾患、②肺炎
- 医療保険制度:後期高齢者医療制度:65-74歳で一定の障害がある者と75歳以上を対象とする。各都道府県の全市町村が加入する広域連合が保険者。財源は公費(5割)、支援(4割)、保険料(1割)
- 介護保険制度:65歳以上(第1号被保険者)と40-64歳(第2号被保険者)が対象となる。市町村が保険者。財源は公費(5割。国20%、調節交付金5%、都道府県12.5%、市町村12.5%)、保険料(第1号被保険者20%、第2号被保険者30%)
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- 英
- gonadotropin, gonadotropins (Z), gonadotropic hormone GTH
- 同
- ゴナドトロピン
- 関
- FSH、LH。性腺刺激ホルモン放出ホルモン GnRH
概念
- 性腺(精巣や卵巣)の発育と内分泌機能に刺激作用をもつホルモンの総称。
- 下垂体前葉から卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)が分泌される。
男性
- SP.904 SURO.294
[★]
- 英
- human chorionic gonadotropin producing tumor
- 同
- ヒト絨毛ゴナドトロピン産生腫瘍
- 関
- ゴナドトロピン、hCG
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ゴナドトロピン、性腺刺激ホルモン、ゴナドトロフィン
- 関
- gonadotropic hormone、gonadotropin、GTH
[★]
- 英
- gonadotropin resistant ovary syndrome, GnROS Gn-ROS
- 関
- ゴナドトロピン
[★]
- 英
- human menopausal gonadotropin stimulation test
- 同
- hMG負荷試験 hMG stimulation test
[★]
- 英
- human menopausal gonadotropin-human chorionic gonadotropin test hMG-hCG test
[★]
- 英
- pituitary gonadotropin
- 関
- 下垂体性腺刺激ホルモン
[★]
- 英
- functional hypogonadotropic hypogonadism
[★]
- 英
- tropine