- 英
- androstenedione
- 関
- 副腎、副腎皮質ホルモン、アンドロゲン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/13 07:22:40」(JST)
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アンドロステンジオン |
|
IUPAC名 |
4-アンドロステン-3,17-ジオン |
別名 |
4-アンドロステンジオン |
分子式 |
C19H26O2 |
分子量 |
286.4 |
CAS登録番号 |
[63-05-8] |
アンドロステンジオン(Androstenedione)は、副腎、性腺で生産される19炭素のステロイドホルモンで、テストステロン、エストロン、エストラジオールのそれぞれの生合成経路の中間生成物である。
目次
- 1 生合成
- 2 サプリメントとしてのアンドロステンジオン
- 3 関連項目
生合成
一般にアンドロステンジオンは性ホルモンの前駆体である。また、血漿中にも分泌され、末梢組織でテストステロンとエストロゲンに変換される。
アンドロステンジオンはデヒドロエピアンドロステロンもしくは17-ヒドロキシプロゲステロンから変換され、テストステロンやエストロンに変換される。
副腎で生産されたアンドロステンジオンは副腎皮質ホルモンによって制御され、性腺で生産されたアンドロステンジオンはゴナドトロピンによって制御される。閉経前の女性のアンドロステンジオンの全生産量は約3mg/dayで、副腎と卵巣からそれぞれ半量ずつ生産される。更年期になると、卵巣から分泌されるステロイドは減少し、アンドロステンジオンの生産量は約半分になる。それでも、アンドロステンジオンは閉経後の卵巣で生産される重要なステロイドである。
サプリメントとしてのアンドロステンジオン
アンドロステンジオンはアメリカでサプリメントとして製造され、アンドロまたはアンドロスと呼ばれていた。アンドロは1990年代まではメジャーリーグで使用されていた。しかし、アンドロがどのくらいパフォーマンスを向上させていたかは知られていない。現在、サプリメントは世界アンチ・ドーピング機関によって禁止されている。ゆえにオリンピックでも使用することはできない。
2004年4月11日には、アメリカ食品医薬品局がアンドロの販売を禁止している。
エストロンへの転換
アンドロステンジオンはエストロゲンにも変換されるため、このサプリメントを服用している人はエストロゲンによる副作用が起こる可能性がある。たとえば、男性の女性化乳房(胸組織の形成)があり得る。
畜産業
畜産業での使用例として、牛、豚に皮下注射で血管内投与することで体重の増加約10パーセントと、成長速度の加速が見込まれる また、二週間程度で生体分解される
関連項目
- プロホルモン
- プレグネノロン
- ランディー・バーンズ - 陸上界では禁止薬物として指定されており、使用が発覚してアトランタ五輪の金メダル剥奪
- マーク・マグワイア - MLB本塁打記録を更新した1998年シーズンの夏に使用を認める
- セルジオ・ミトレ - ドーピング検査での陽性反応で出場停止処分
ステロイド |
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前駆体 |
スクアレン · ラノステロール
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一般 |
コレステロール · プレグネノロン · 17-ヒドロキシプレグネノロン · DHEA · アンドロステンジオン · アンドロスタンジオール
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性ホルモン |
エストロゲン
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エストラジオール · エストリオール · エストロン
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アンドロゲン
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テストステロン · デヒドロテストステロン · アンドロステロン
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プロゲストーゲン
|
プロゲステロン · 17-ヒドロキシプロゲステロン · プロゲスチン
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副腎皮質ホルモン |
糖質コルチコイド
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コルチゾール · プレドニゾン · コルチコステロン · コルチゾン · プロゲステロン
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鉱質コルチコイド
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アルドステロン
|
|
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フィトステロール |
スチグマステロール · ブラシカステロール
|
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エルゴステロール |
エルゴステロール · エルゴカルシフェロール
|
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主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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Japanese Journal
- アンドロステンジオン (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・4)その数値をどう読むか) -- (内分泌学的検査 副腎皮質関係)
- DHEA(-s),アンドロステンジオン,テストステロン (特集 新しい臨床検査) -- (内分泌・代謝)
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- adrenocortical hormone
- 同
- 副腎皮質ステロイド adrenocorticoids
- 関
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン
- ステロイド
- 関
- 副腎、副腎皮質、ステロイド、コルチコステロイド、ステロイドホルモン、コルチコイド。副腎皮質ホルモン剤
種類(主要なもののみ)
- 球状層から分泌される。アルドステロン
- 索状層から分泌される。コルチゾール
- 網状層から分泌される。アンドロステンジオン
臨床関連
- 21-hydroxylaseが正常に機能しないことにより生じる (L.320)
薬理学
副腎皮質から分泌されるホルモン (SP.895)
[★]
- 英
- polycystic ovary syndrome, polycystic ovarian syndrome, PCOS
- 同
- スタイン・レーヴェンタール症候群 スタイン・レーベンタール症候群 スタイン-リヴェンサール症候群 Stein-Leventhal症候群 Stein-Leventhal syndrome
- 関
- 多嚢胞性卵巣症候群、スタイン・レヴェンタール症候群
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概念
- 両側の多嚢胞卵巣、排卵障害、月経異常(無月経)、不妊、不育、肥満、多毛、男性化症状などを呈する病態
病因
- インスリン抵抗性 → 高インスリン血症 → 莢膜細胞肥厚 → アンドロゲン産生促進
病態生理
- 過剰産生されたアンドロステンジオンは末梢の脂肪組織でエストロゲンに変換される。
- 卵巣の白膜が肥厚、卵胞の発育抑制 ← アンドロゲン過剰による
-
- 過剰のテストステロン・アンドロゲン → にきび、声の低音化、多毛、男性化症状
- 卵巣の顆粒細胞層は萎縮し、アロマターゼ活性低下 → エストラジオール産生は増加しない。
症状
- 日本では月経異常(92%)、不妊(99%)の訴えが多い。多毛(23%)、肥満(20%)は少ない
合併症
- 耐糖能異常、脂質代謝異常、2型糖尿病、高血圧、心血管病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群
- 子宮体癌
- 参考1
- メタボリックシンドロームの臨床像である耐糖能異常、脂質代謝異常、2型糖尿病、高血圧、心血管病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を罹患する、あるいは将来罹患すると考えられている。排卵障害に起因するエストロゲンへの恒常的曝露により、子宮体癌に進展するリスクが高い。
- 参考2
- 過剰に産生されたアンドロステンジオンは脂肪組織でエストロゲンに変換され、子宮内膜がエストロゲンに暴露され、無排卵周期であるためにプロゲステロンが分泌されず暴露は継続的となる(子宮体癌との関連は限定的という研究もあるが)。しかし、PCOSでは高インスリン血症、IGF-1高値、抗アンドロゲン血症、肥満が見られ、これは子宮体癌のリスクファクターとなっている。
- 参考3
- PCOSでは排卵の頻度が少ないかあるいは無敗卵となるために正常量のプロゲステロンが分泌されない。高レベルのエストロゲンを拮抗できないために子宮内膜過形成と過多月経のリスクを上げる。
検査
ホルモン検査
- (also see 参考3)
- アンドロゲン:高値
- LH/FSH≧1 LH:高値 。FSH正常~低値
- LHRL負荷試験:LH:過剰反応。FSH:正常範囲
経腟超音波検査
診断
- 続発性無月経、不妊を主訴 → 視診(多毛、陰核肥大、肥満など) → 内診(両側卵巣腫大) → 経膣超音波検査(多数の卵胞が卵巣表面に並んで見える) → 血液生化学(LH高値、アンドロゲン高値、LH-RH負荷テストでLHの過剰反応) → (治療的検査?)腹腔鏡検査
治療
排卵障害・月経異常
- 参考1
- 1) クロミフェン療法:第1度無月経を呈するPCOSに対してクロミフェンを投与。50%の排卵率と10-20%の妊娠率が得られる
- 2) ゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法):クロミフェン療法が無効の場合に適応となる。多胎と卵巣過剰刺激症候群が起こりやすいので注意する。
- 3) 腹腔鏡下卵巣多孔術:クロミフェン療法が無効の場合に適応となる。電気メスやレーザーにより、卵巣表面に多数の穴を開ける腹腔下手術である。メリット:効果はゴナドトロピン療法に匹敵、OHSSや多胎のリスクが少ない、受診回数が少なくて済むなど。デメリット:排卵誘発剤の補助的併用が必要になる場合がある、効果の持続は1-2年以内と比較的短い、手術のリスク。
- 4) 生殖補助技術:1)-3)で不成功に終わった場合適応。
参考
- 1. E.婦人科疾患の診断・治療・管理 3.内分泌疾患 - 日産婦誌60巻11号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/60/6011-477.pdf
- 2. [charged]Clinical manifestations of polycystic ovary syndrome in adults - uptodate [1]
- 3. [charged] Steroid hormone metabolism in polycystic ovary syndrome - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- androgen
- 同
- 男性ホルモン male sex hormone
- 関
- 精巣性アンドロゲン
概念
アンドロゲン
- アンドロゲンは肝臓で不活化されるため、経口投与ではほとんど効果がない。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%B3)
種類
分類
性状
産生組織
- 卵胞内の卵胞上皮細胞で芳香環化されてエストロゲンに変換される。
標的組織
受容体
作用
- アンドロゲンとは雄の副生殖器の発育および機能を促進し、二次性徴を発現させる作用をもつ物質の総称であり、数種類のホルモンからなる。
分泌の調整
分子機構
生合成
臨床関連
[★]
- 英
- zona reticularis
- 同
- 網状帯
- 関
- 副腎皮質、球状層、束状層
- 作用は弱く正常状態ではほとんど無視できる (HIS.272)
- 不規則に並んだ細胞索からなり、皮質の7%をしめる。好酸性の細胞質はやあヤンチョウであるが、多数のリポフスチン顆粒の存在による (HIS.272)
[★]
アンドロステンジオン
[★]
- 英
- dione
- 関
- 内痔核
硫酸アルミニウムカリウム水和物、タンニン酸