- 英
- thyroxine, T4, thyroxin (Z)
- 同
- テトラヨードサイロニン tetraiodothyronine、(薬品名としてはこちらが使われている)チロキシン
- 関
- 甲状腺ホルモン、L-thyroxine、levothyroxine、levothyroxine sodium
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/24 01:23:53」(JST)
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サイロキシン |
|
別名 |
チロキシン
3,5,3',5'-テトラヨードサイロニン |
分子式 |
C15H11I4NO4 |
分子量 |
776.87 |
CAS登録番号 |
[51-48-9] |
SMILES |
NC(Cc1cc(I)c(Oc2cc(I)c(O)c(I)c2)c(I)c1)C(O)=O |
サイロキシンまたはチロキシン (thyroxine) は甲状腺ホルモンの一種であり、同じく甲状腺ホルモンであるトリヨードサイロニンの前駆体ともなる修飾アミノ酸で、T4と略記される。
サイロキシンは、その99.95%がサイロキシン結合タンパク質やアルブミンなどのタンパク質と結合した状態で血液中を運ばれる。血中での寿命はおよそ1週間である。
またサイロキシンは代謝量の制御に関わり、成長に影響を与えていることが示されている。
D型の異性体はデキストロサイロキシン[1]と呼ばれ、脂質の改質に用いられている[2]。
反応経路[編集]
サイロキシン結合グロブリン[編集]
サイロキシン結合グロブリン(Thyroxine Binding Globulin) は、甲状腺ホルモンの血中輸送タンパク質である。
出典[編集]
- ^ MeSH Dextrothyroxine
- ^ C10AX01
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
|
視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
|
GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
|
|
脳下垂体後葉
|
バソプレッシン - OXT
|
|
脳下垂体中葉
|
インテルメジン
|
|
脳下垂体前葉
|
αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - MSH - エンドルフィン - リポトロピン)
|
|
|
副腎 |
副腎髄質
|
副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
|
|
副腎皮質
|
副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
|
|
|
甲状腺 |
甲状腺
|
甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
|
|
副甲状腺
|
PTH
|
|
|
生殖腺 |
精巣
|
テストステロン - AMH - インヒビン
|
|
卵巣
|
エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
|
|
|
その他の内分泌器 |
膵臓
|
グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
|
|
松果体
|
メラトニン
|
|
|
内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 超早産児の一過性低サイロキシン血症に対するサイロキシン投与と脳性麻痺
- 鈴村 宏,NITTA Akihisa,TSUBOI Yayoi,WATABE Yoshiyuki,KURIBAYASHI Ryouta,ARISAKA Osamu
- Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society 53(4), 463-467, 2011-08-01
- NAID 10029558778
- 臨床講座(30)甲状腺機能異常(バセドウ病,橋本病)
- 低T3症候群--血中T3濃度が低下するメカニズム (特集 甲状腺ホルモン代謝--最近の進歩)
Related Links
- 甲状腺ホルモン:T3(トリヨードサイロニン)とT4(サイロキシン)とは、甲状腺機能の評価を行います。甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症などの甲状腺機能異常を疑う時や甲状腺疾患の治療判定や経過観察の場合におこなわれます。
- FT4(遊離サイロキシン)…0.9~1.9ng/dl FT3(遊離トリヨードサイロニン)…2.5~4.5pg/dl TSH(甲状腺刺激ホルモン)…0.3~3.7μU/dl 検査結果の判定 T4、T3が高値の場合は甲状腺機能亢進症が、T4、T3が低値の場合は甲状腺機能 ...
- FT4(遊離サイロキシン)の概要 この項目は、血液中に存在する甲状腺ホルモンのFT4(フリーT4、遊離サイロキシン)の量を調べる検査です。 甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)は、甲状腺から分泌されているホルモンで、糖 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 25歳の女性。動悸と手の震えとを主訴に来院した。2か月前から疲れやすくなり、動悸を感じるようになった。食欲は旺盛であるが体重は変化していない。汗が多く、イライラするようにもなった。10日前から安静時の手の震えを感じる。意識は清明。身長158cm、体重50kg。体温37.2℃。脈拍112/分、整。血圧156/42mmHg。眼裂は大きく、上眼瞼縁と角膜との間に強膜が認められる。う歯と歯槽膿漏とを認める。びまん性甲状腺腫を認める。血清生化学所見:総コレステロール100mg/dl、AST30IU/l、ALT22IU/l、ALP380IU/l(基準260以下)、γ-GTP 42IU/l(基準8~50)、TSH 0.01μU/ml以下(基準0.2~4.0)、FT3 12pg/ml(基準2.5~4.5)、FT4 7.6ng/dl(基準0.8~2.2)。
- 治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A047]←[国試_101]→[101A049]
[★]
- 36歳の女性。1週前から顔面が腫れぼったい感じがするため来院した。1年前に健診で甲状腺腫を指摘され、精査を受けたが甲状腺機能は正常であった。1か月前から全身倦怠感があり、何をするにも気力がなくなった。意識は清明。身長158 cm、体重62kg。体温35.8℃。脈拍60/分、整。血圧100/52mmHg。顔面に浮腫を認める。頚部に横径5cmの弾性硬、びまん性の甲状腺腫を認める。圧痛はない。下腿に圧痕を残さない浮腫を軽度認める。血清生化学所見:TSH 60μU/ml (基準0.2~4.0)、T3 82ng/dl(基準80~220)、T4 2.0μg/dl(基準5~12)、FT4 0.3ng/dl(基準0.8~2.2)。免疫学所見:抗サイログロブリン抗体8.0U/ml(基準0.3以下)、抗TSH受容体抗体0.5%(基準10以下)。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A048]←[国試_099]→[099A050]
[★]
- 45歳の男性。意識障害のため搬入された。3か月前から全身倦怠感と食欲不振とがあった。2日前から上気道炎様の症状が続いており、今朝から呼びかけに応答しなくなった。身長165cm、体重55kg。体温38.2℃。脈拍96/分、整。血圧80/40mmlHg。全身の皮膚に色素沈着が認められ、特に四肢の関節部に顕著である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。深部腱反射は正常である。血清生化学所見:血糖48mg/dl、Na126mEq/l、K5.6mEq/l、Ca9.0mg/dl。CRP0.8mg/dl。
- この患者の血中で低下しているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G048]←[国試_101]→[101G050]
[★]
- 生後20日の新生児。甲状腺機能異常を指摘され来院した。在胎41週、出生体重3,320g、Apgarスコア9点(1分)。母親は生来健康である。生後5日の新生児マススクリーニングで異常を指摘され、生後12日に産科で再検査を受けた。TSH 12.0μl(基準0.2~4.0)、FT4 1.5ng/dl(基準0.8~2.2)であったため小児科を紹介された。臍ヘルニアは認めず、便秘もない。四肢の運動は活発である。
- まず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100I001]←[国試_100]→[100I003]
[★]
- ホルモンとその過剰による病態の組合せで正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100G061]←[国試_100]→[100G063]
[★]
- ホルモンの過剰と症候の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098G063]←[国試_098]→[098G065]
[★]
- 採血時の体位により血中濃度が影響されやすいホルモンはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B038]←[国試_097]→[097B040]
[★]
- 多発性内分泌腫瘍II型で血中濃度が上昇するのはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095B061]←[国試_095]→[095B063]
[★]
- 高齢者の内分泌系にみられる特徴はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C022]←[国試_113]→[113C024]
[★]
- 53歳の男性。幼児期から嗅覚が脱出しており、二次性徴が発達しなかった。最近、特に誘因無く胸椎の圧迫骨折を生じた。
- 予想される血中ホルモンの所見はどれか?
[正答]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B026]←[国試_103]→[103B028]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D058]←[国試_099]→[099D060]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
[★]
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- thyroid hormone, thyroid hormones
- 関
- 甲状腺、サイログロブリン、カルシトニン、甲状腺ホルモン製剤
- 胎児の発育・新生児の生理と適応
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
- 核内甲状腺受容体(甲状腺ホルモン受容体ファミリー)
- ステロイドレセプタースーパーファミリーに属する → 核内受容体スーパーファミリー
作用
代謝系別
- 脳、脾臓、睾丸をのぞくすべての組織で酸素消費を高める ← 甲状腺クリーゼによる発熱の原因
- カテコラミンの作用を増強する
心筋細胞のカテコールアミン受容体を増加 ←証明されていない?
-
-
- →甲状腺ホルモンの投与によりコルチゾールが減少し副腎クリーゼを誘発
- エリスロポエチン産生促進 → 赤血球増加
- ヘモグロビンからの酸素解離を促進 → 末梢組織での酸素利用↑
- 骨代謝回転を高め、骨形成・骨吸収を促進 (閉経後女性で甲状腺ホルモン多 → 骨塩量減少 → 骨粗鬆症
- グレーブス病では筋肉蛋白の代謝亢進、筋肉量の減少、筋力低下、筋脱力、四肢麻痺
-
- 肝臓におけるコレステロール産生を促進
- 肝臓のトリグリセリドリパーゼ活性を亢進し、コレステロールの代謝を促進
- コレステロールが減少 ← 総じて分解系の法が作用が強い
薬理学的作用 (SPC.321)
- 全ての生体の活動に関わる-(不足)→成長停止、身体的・精神的発育停止
- 組織の酸素消費を高め、基礎代謝を亢進させる。Na+,K+-ATApaseの活性刺激や、核内クロマチンに作用してDNA転写を促進する作用による
- 上記の通り
- ネガティブフィードバック
分泌の調節
- 視床下部--(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)-→下垂体前葉--(甲状腺刺激ホルモン)-→甲状腺濾胞細胞-→T3, T4-→T3, T4は下垂体前葉・視床下部に作用し甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制
分子機構
臨床関連
過多
欠乏
-
- 低栄養、外傷、感染症、手術、腎不全、肝不全、心不全、悪性腫瘍
- エネルギー消費を減らすための適応かもしれない
- 以上2007後期生理学授業プリント内分泌(3)
生合成 (SP.916)
[★]
- 英
- low T3 syndrome, low triiodothyronine syndrome
- 同
- 低T3症候群、甲状腺機能正常症候群 ユーサイロイドシック症候群 euthyroid sick syndrome sick euthyroid syndrome、非甲状腺疾患 nonthyroidal illness
- 関
- 甲状腺、甲状腺ホルモン、ユーサイロイドシック症候群
[show details]
概念
本症候群が見られやすい病態
OLM.296
- 本疾患が見られる病態:低栄養状態、重症疾患罹患時(外傷、感染症、手術)、腎不全、肝不全、心不全、悪性腫瘍
- 意義:T4からrT3に変換させて、エネルギーを低減させる適応減少。重症化によりT4,TSHも低下。
YN.D-167
- 摂取カロリー低下状態(飢餓、神経性食思不振症)、手術後、熱性疾患、肝硬変、腎不全、薬剤投与(グルココルチコイド、β受容体遮断薬)
- 末梢でのエネルギーを節約しようとしている病態?と考えられているらしい (YN.D-167)
検査
- T4:正常
- T3:低値
- reverse T3:高値
- FSH:正常 or やや上昇
[★]
- 英
- albumin (Z), Alb ALB
- 関
- グロブリン、フィブリノーゲン、血清タンパク分画、アルブミン/グロブリン比, A/G
- (臨床検査)血清アルブミン、(輸血製剤)アルブミン製剤
概念
- 最も多い血漿タンパク質
- 69kDa
- pI=4.9なので、生体内では負に帯電。
- 半減期:15-20日
基準値
- 4.9-5.1g/dl(流れが分かる実践検査マニュアル上巻 p.12)
- HIM.Appendix
- Female : 4.1–5.3 g/dL
- Male : 4.0–5.0 g/L
QB
産生
- 組織:肝臓(hepatocyte)(15g/day)
- 調節:炎症性サイトカインの存在下で産生が抑制される
機能
- PT.234
薬理学
- albumin is a major carrier ofr acidic drugs (GOO.7)
- basic drug→α1-acid glycoprotein
臨床関連
[★]
- 英
- levothyroxine
- ラ
- levothyroxinum natricum
- 同
- L-チロキシン L-サイロキシン L-thyroxine
- 化
- レボチロキシンナトリウム, levothyroxine sodium、レボチロキシンナトリウム水和物
- 商
- チラーヂンS、Synthroid
- 関
- 甲状腺ホルモン、サイロキシン、薬理学、リオサイロニンナトリウム
概念
[★]
- 英
- thyroxine-binding globulin TBG
- 同
- 甲状腺ホルモン結合グロブリン thyroid hormone-binding globulin、サイロキシン結合蛋白 サイロキシン結合蛋白質 thyroxine-binding protein TBP
- 関
- サイロキシン結合グロブリン欠損症
- 同
- TBG