- 25歳の女性。反復する嘔吐と著しい体重減少とを主訴に来院した。重症妊娠悪阻の診断で緊急入院となった。絶食とし、糖質と電解質との輸液によって悪阻は軽減した。入院後3週目ころから急に、歩行がふらつき、物が二重に見えるようになり、会話内容も支離滅裂になった。意識は軽度混濁、見当識障害を認める。身長156 cm、体重39㎏。体温36.5℃。呼吸数18/分。脈拍88/分、整。血圧120/70mmHg。皮膚色は正常。貧血と黄疸とを認めない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫はない。眼振、眼球運動制限および歩行失調を認める。四肢麻痺、けいれん及び項部硬直はない。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 23歳の女性。多関節痛のため来院した。昨年の冬からRaynaud現象が出現した。妊娠中に手指の関節の腫脹と疼痛とが現れ、血圧の上昇と蛋白尿とを認めた。37週で出産し、新生児は健常である。出産後多関節痛は増悪し、全身倦怠感を伴った。意識は清明。身長159cm、体重45kg。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧126/86mmHg。眼瞼結膜に貧血はなく、眼球結膜に黄疸を認めない。頚部リンパ節腫脹を認める。心雑音なく、胸部にラ音を聴取しない。腹部に圧痛はなく、肝を触知しない。両手指の近位指節間関節と中手指節関節に対称的に腫脹と圧痛とを認める。尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血1+。血液所見:赤血球358万、Hb10.1g/dl、白血球3,500、血小板9万。血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.4g/dl、クレアチニン0.5mg/dl、AST19単位、ALT18単位、LDH 205単位(基準176~353)。免疫学所見:抗核抗体640倍(基準20以下)、CH50 20単位 (基準30~40)。胸部エックス線写真に異常を認めない。
[正答]
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- 53歳の女性。1週前からの目のかすみを主訴に来院した。20年前に健康診断で糖尿病を指摘され、15年前から経口血糖降下薬で治療されている。1年前から全身倦怠感があり、1か月前から階段昇降時に息切れがある。意識は清明。身長158cm、体重52kg。脈拍88/分、整。血圧162/102mmHg。眼瞼結膜は蒼白であるが、眼球結膜に黄染は認めない。下腿に浮腫を認める。尿所見:蛋白2+、糖1+、ケトン体(-)、潜血(-)。
- 血液所見:赤血球240万、Hb8.0g/dl、Ht25%、白血球7,200、血小板18万。血清生化学所見:空腹時血糖220mg/dl、HbA1c 8.5%(基準4.3~5.8)、総蛋白5.8g/dl、アルブミン2.5g/dl、尿素窒素52mg/dl、AST32単位、ALT24単位、アルカリホスファターゼ420単位(基準260以下)、アミラーゼ220単位(基準37~160)、Na138mEq/l、K4.9mEq/l、Cl105 mEq/l、Ca7.5mg/dl、P7.2mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.32、PaO2 80Torr、PaCO2 24Torr、HCO3- 14mEq/l。
- 治療方針で正しいのはどれか。
- a. 摂取エネルギー制限の徹底
- b. 摂取蛋白質の増量
- c. 腎生検による診断の確定
- d. インスリン治療への切り替え
- e. 免疫抑制薬の追加
[正答]
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[★]
- 英
- Wernicke's encephalopathy, Wernicke encephalopathy
- 同
- Wernicke脳症、急性出血性上部灰白脳炎 polio-encephalitis haemorrhagica superior acuta
- 関
- ウェルニッケ症候群、ウェルニッケ病
病因
病理
症状
- 眼球運動障害:両側外転神経麻痺、両側方注視麻痺、上方注視麻痺、両側内転障害。眼振。
- コルサコフ症候群:記銘障害、作話、空間と時間に対する失見当識
検査
-
- 乳頭体、第三脳室、中脳水道、第四脳室周囲の灰白質に病変部位が認められる。
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