- 25歳の女性。頭痛を主訴に来院した。15歳ころから月に1回程度の頻度で、片側の拍動性頭痛がみられ、半日で軽快していた。頭痛直前に視覚障害があり、頭痛時に嘔吐を伴い光がまぶしく感じるという。来院時、頭痛はなく、意識は清明である。身体所見と神経学的所見とに異常はない。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A047]←[国試_100]→[100A049]
★リンクテーブル★
[★]
- 4歳の女児。けいれん発作を主訴に来院した。3歳児健康診査で言葉の遅れを指摘された。4歳5か月時、保育所で昼寝中に意識障害と全身けいれんとを起こした。身長94.0cm(-2.5SD)、体重12.0㎏(-2.0SD)。体温36.8℃。呼吸数30/分。脈拍80/分、整。四肢と腰背部とに多毛がみられる。脳脊髄液所見:細胞数2/μl(基準0~2)、蛋白25mg/dl(基準15~45)、糖59mg/dl(基準50~75)。血清生化学所見:血糖130mg/dl、アンモニア40μg/dl(基準18~48)、乳酸82mg/dl(基準5~20)、ピルビン酸4.0mg/dl(基準0.3~0.9)。頭部単純MRIのT2強調像を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A046]←[国試_100]→[100A048]
[★]
- 20歳の女性。昼ころから両下肢に力が入らなくなり来院した。1年前と3か月前とに右眼の視力低下を生じたが、数日で回復した。意識は清明。対麻痺、感覚障害および膀胱障害を認める。脳脊髄液所見:細胞数3/μl(基準0~2)、蛋白30mg/dl(基準15~45)、lgG10.5mg/dl(基準0.8~4.1)。血清生化学所見:CK30単位(基準10~40)、Na140mEq/l、K3.8mEq/l、Cl108mEq/l、免疫学所見:HTLV-I抗体(-)。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A048]←[国試_100]→[100A050]
[★]
- 日
- へんずつう
- 英
- migraine
- ラ
- hemicrania
- 同
- 片頭痛型血管性頭痛 vascular headache of migraine type
- 関
- 頭痛、機能性頭痛。片頭痛治療薬
[show details]
片頭痛 : 約 1,400,000 件
偏頭痛 : 約 4,050,000 件
概念
- 機能性頭痛の一種であり、拍動性頭痛が特徴的で、前兆(閃輝暗点)を伴うことがある。頭痛の持続時間は72時間以上持続することはない。片側性であることが多く、日常生活に支障をきたす中等度~重度の頭痛である。
- 家族歴がありうる → 緊張型頭痛に家族歴があることは少ない
- 日常生活が妨げられ、悪心、嘔吐、光過敏を伴う頭痛 (感度81%, 特異度75%)(めざせ外来診療の達人 第3版 p.6)
疫学
- 頻度:8.4 ← 何に対しての頻度なのか不明。
- 頭痛に対して片頭痛が占める割合は16% (Goadsby PJ:Diagnosis and management of migraine, BMJ 312:1279, 1996)
- 男女比=1:3.6
- 家族歴がある場合があり、遺伝性が示唆される。片親が片頭痛の場合、50%。
誘因
- 月経、肩こり、ストレス、睡眠不足、過眠、光、騒音など
- HBN.219
- 身体精神的因子(疲労・ストレス、およびその解放後、激しい運動、性交、睡眠不足、睡眠過多、空腹など) → ストレスが最も多い
- 食事因子(チラミンや亜硫酸塩などを含むチョコレート、コーヒー、紅茶、熟成チーズ、乳製品、香辛料、グルタミン酸ナトリウム、ナッツ、ホットドック、ソーセージ、柑橘類、海藻、飲酒など)
- 薬剤(経口避妊薬、エストロゲン療法およびその離脱、硝酸薬や降圧薬などの血管拡張薬など)
- 環境因子(入浴・冷暖房による温度差、騒音、炎天、飛行機の離着陸時の気温差、騒音、臭気など)、アレルギー性因子(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、気管支喘息)
症状
- 周期性 月経と関連
- 頻度 数回/年~1回/週。平均月2回
- 持続時間 4-72時間
- 偏在性 60%が一側
- 部位 前頭部・側頭部の一側
- 頭痛の正常 拍動性(ないことも)
- 頭痛の程度 中程度~重度
随伴症状
増悪因子
治療
- 関
- 片頭痛治療薬
- 薬物療法:これらの薬剤は妊娠時には禁忌となるものが多い。
予防
- カルシウム拮抗薬 → 妊婦には禁忌
- β遮断薬 → 妊婦にも使用可能
- 抗うつ薬
- uptodate.4
- βブロッカー、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、及びARB
- RCTによる研究結果より、βブロッカー、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、及びARBが片頭痛の予防に有効であることが示されており、このうちβブロッカーが片頭痛の予防に有効であるという最も強いエビデンスがある。一方、チアジド系利尿薬が有効であるという臨床研究のデータはない。
- 一般的に降圧治療は頭痛の予防に有効であるようである。これはβブロッカー、ACE阻害薬、ARB、チアジド系利尿薬という4種類の降圧薬を対象とした95のRCT(頭痛の有病率を含む)のメタアナリシスで示されている。
ガイドライン
- http://www.jhsnet.org/guideline.html
参考
uptodate
- 1. [charged] 頭痛、片頭痛、および脳卒中 - uptodate [1]
- 2. [charged] 成人における片頭痛の病態生理、臨床症状、および診断 - uptodate [2]
- 3. [charged] 成人における片頭痛の急性期治療 - uptodate [3]
- 4. [charged] 成人における片頭痛の予防的治療 - uptodate [4]
- 5. [charged] 小児における片頭痛の病態生理、臨床的特徴、および診断 - uptodate [5]
- 6. [charged] 小児における片頭痛の分類 - uptodate [6]
- 7. [charged] 小児における片頭痛の管理 - uptodate [7]
- 8. [charged] 脳底型片頭痛 - uptodate [8]
- 9. [charged] 慢性片頭痛 - uptodate [9]
- 10. [charged] エストロゲン関連片頭痛 - uptodate [10]
国試