- 20歳の女性。昼ころから両下肢に力が入らなくなり来院した。1年前と3か月前とに右眼の視力低下を生じたが、数日で回復した。意識は清明。対麻痺、感覚障害および膀胱障害を認める。脳脊髄液所見:細胞数3/μl(基準0~2)、蛋白30mg/dl(基準15~45)、lgG10.5mg/dl(基準0.8~4.1)。血清生化学所見:CK30単位(基準10~40)、Na140mEq/l、K3.8mEq/l、Cl108mEq/l、免疫学所見:HTLV-I抗体(-)。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A048]←[国試_100]→[100A050]
★リンクテーブル★
[★]
- 10歳の男児。けいれんを主訴に来院した。乳幼児期に発熱時けいれんが10回以上あった。最近しばしば上下肢の攣縮がみられる。朝方、数分間に及ぶ全身けいれんをきたした。う歯が多数みられる。血清生化学所見:Na146mEq/l、K3.6mEq/l、Cl102mEq/l、Ca6.0mg/dl、P8.1mg/dl、TSH0.3μU/ml(基準0.2~4.0)、FT42.0ng/dl(基準0.8~2.2)、PTH6.0pg/ml(基準10~60)。頭部単純CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A049]←[国試_100]→[100A051]
[★]
- 25歳の女性。頭痛を主訴に来院した。15歳ころから月に1回程度の頻度で、片側の拍動性頭痛がみられ、半日で軽快していた。頭痛直前に視覚障害があり、頭痛時に嘔吐を伴い光がまぶしく感じるという。来院時、頭痛はなく、意識は清明である。身体所見と神経学的所見とに異常はない。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A047]←[国試_100]→[100A049]
[★]
- 英
- multiple sclerosis, MS
- 関
- 脱髄疾患、視神経脊髄炎症候群。急性型多発性硬化症 バロー同心円硬化症 Balo's concentric sclerosis
- first aid step1 2006 p.191,327,332,350,353,358
概念
- 中枢神経系の原因不明の脱髄疾患
- 中枢神経系(大脳、小脳、脳幹、視神経)の白質に、多巣性の限局性脱髄疾患が生じ、さまざまな神経症候(空間的多発)が、再発と緩解を繰り返す(時間的多発)のが特徴
病因
疫学
- 緯度の高い地方に多発する傾向。(北欧・北米>アジア、アフリカ諸国)
- 北欧・北米:30-80人/10万人 有病率
- 日本:1-4人/10万人 有病率
- 若年に発症(15-50歳で80-90%が発症。30歳がピーク)
- 男:女=1:1.3-3.2
- HLA-DR2との関連
病理
症状
classical triad
- 神経心理学的症候:失語、失行、失認
- 錐体外路症状:硬直、ジストニー
診断
検査
- CTや核磁気共鳴法など:脱髄巣
- CT:低吸収
- MRI
[show details]
腰椎穿刺、髄液
- 細胞・蛋白・IgG・ミエリン塩基性蛋白は軽度から中等度上昇
- 電気泳動:60-80%でオリゴクローナルIgGバンド、ミエリンベーシック蛋白質陽性
治療
症例
- 22歳女性、昨日より突然右の上下肢に力が入らなくなったので驚いて受診した。16歳の時に一過性の視力低下があった。20歳の時には小脳失調になったが数日で回復したという。MRI T2強調画像で白質に多発性の病変が見られる。
USMLE
国試
参考
- http://www.neurology-jp.org/guidelinem/koukasyo.html
- →acrobat reader Xやflash player 10が必要だったり、閲覧に苦労するかも。
- http://www.neuroimmunology.jp/MSgaido2009.pdf