- 60歳の男性。足に力が入らず歩きにくいことを主訴に来院した。6か月前から両下肢遠位部の筋力低下が出現し、徐々に進行してきた。家族歴に類症はない。両下肢の遠位部に筋力低下と筋萎縮とを認める。感覚障害はない。四肢で深部反射が亢進し、Babinski徴候は両側で陽性である,頭部と脊髄とのMRIに異常なく、神経伝導速度は正常である。
- 次に行う検査はどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 7か月の男児。前屈発作を主訴に来院した。3週前から上半身を一瞬前屈し、同時に腕と大腿とを曲げる発作が出現した。発作は数秒の間隔をおいて何回も反復する。
- 在胎39週。出生体重2,800g。Apgarスコア8点(1分)。頚定4か月。独坐とつかまり立ちとはまだできない。発声はほとんどない。体重7,500g。顔つきは無表情である。尿検査、血液検査および血清生化学検査に異常を認めない。脳波を以下に示す。
- この患児の治療はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A044]←[国試_098]→[098A046]
[★]
- 推定年齢60歳の男性。路上で突然倒れるところを目撃され、救急車で搬入された。
- 高度の意識障害があり、疼痛刺激に対して左手で払いのける動作をする。右上下肢を全く動かさず、発語はない。
- 発症1時間後に頭部単純CTを撮影し、引き続き脳血管造影を施行した。左内頚動脈造影の側面像を以下に示す。
- この患者の頭部単純CTは以下①~⑤のどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A042]←[国試_098]→[098A044]
[★]
- amyotrophic
- 英
- amyotrophic lateral sclerosis, ALS
- 同
- シャルコー病 Charcot disease、ゲーリック病、Gehrig病 Gehrig's disease、ルー・ゲーリック病 Lou Gehrig病 Lou Gehrig's disease
- 関
- 運動ニューロン疾患
まとめ
- 上位運動ニューロンと下位ニューロンが障害される運動ニューロン疾患の一つである。多くが孤発性であるが、5-10%に家族性の発症が見られ、発症年齢は20歳と若いが、進行は緩徐である。通常は、40歳以降の発症、特に50歳代が多い。下位ニューロンの障害が先行する。一側上肢遠位の筋萎縮で始まり対側上肢、両下肢に筋萎縮が進行し、球麻痺の出現、呼吸筋萎縮に至る。下位ニューロンの障害により、舌の線維束性攣縮、四肢筋の脱力、萎縮、線維性攣縮(これらは上肢優位、遠位筋優位)、また腱反射消失が見られる。また、上位ニューロンの障害により構音障害、嚥下障害、舌運動障害が認められ、下顎反射亢進が認められる。四肢では痙縮が下肢優位にまた、腱反射の亢進と病的反射が認められる。自律神経、感覚神経、脳の高次機能は障害されないため、他覚的感覚障害、眼球運動障害、膀胱・直腸障害、小脳徴候、錐体外路徴候、認知症、褥瘡は認められない。根治療法はなく、リルゾールでの延命治療、対症療法として、嚥下障害に対して経管栄養、呼吸障害に対して人工呼吸器を用いる。(BET.440)
概念
- 軸索変性をきたす神経変性疾患
- 誘発筋電図上ではM波の振幅の減衰が見られる
- 上位運動ニューロンと下位運動ニューロンが侵される。四肢、呼吸筋が侵される。ついには球麻痺をきたす。
- 自律神経、感覚神経、脳の高次機能は障害されない → (筋萎縮性側索硬化症の陰性症状) (1) 他覚的感覚障害、(2) 眼球運動障害、(3) 膀胱・直腸障害、(4) 小脳徴候、(5) 錐体外路徴候、(6) 認知症、(7) 褥瘡
疫学
- 有病率:4-6人/10万人
- 男女比=1.3:1 (YN.J-130)
- 発症年齢:中年以降。40歳以降でみられ、多くは50歳以降
- 日本では紀伊半島、米国ではグアムで多く見られる。
病因
病理
- Lwey body-like hyaline inclusions, Hirano bodies, ブニナ体, slein-like inclusions
症状
検査
- 軸索変性を来すので、神経伝導速度の低下は顕著ではない → 筋電図で神経原性変化を見る!!
鑑別診断
- 変形性頚椎症:知覚障害が出現するので鑑別されるが、症状が神経所見がはっきり分からず、診断に難渋することがある、らしい。
- 球麻痺・呼吸筋麻痺を呈する疾患
国試