- 英
- kinase
- 同
- カイネース、リン酸化酵素 phosphoenzyme phosphotransferase
WordNet
- an enzyme that catalyzes the conversion of a proenzyme to an active enzyme
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/26 14:44:54」(JST)
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キナーゼ(Kinase、読み:カイネイス、カイネース)とは、生化学において、ATPなどの高エネルギーリン酸結合を有する分子からリン酸基を基質あるいはターゲット分子に転移する(リン酸化する)酵素の総称であり、リン酸化酵素とも呼ばれる。EC 2.7群(リン酸転移酵素、ホスホトランスフェラーゼ)に属する。英語発音に由来するカイネイス、カイネースと呼ぶ研究者が増えてきている。
一般に高エネルギーリン酸化合物からのリン酸転移反応は大きな負の自由エネルギー変化を伴うため不可逆変化として進行しやすく、その結果生じる化合物もまた高エネルギーリン酸化合物である場合もある。ゆえにキナーゼは基質分子に対して「活性化」あるいは「エネルギーを与える」(キナーゼの名称もこの意味による)と考えることができる。すべてのキナーゼはMg2+あるいはMn2+など2価の金属イオンを要し、それによりドナー分子の末端リン酸基の転移を容易にする。
キナーゼには様々なタイプがあるが、大きくは低分子化合物を基質とし代謝経路で機能するタイプと、タンパク質を基質としてその機能を調節したり細胞内シグナル伝達経路で機能するタイプの2つに分けられる。例として次のようなものがある:
- 低分子基質タイプ
- クレアチンキナーゼ
- ピルビン酸キナーゼ
- ヘキソキナーゼ
- プロテインキナーゼ:特にこのタイプをキナーゼとよぶことも多い。
なおプロテアーゼの中にはウロキナーゼ、ナットウキナーゼのように「キナーゼ」という名称のついたものがあるが、これらは「酵素(プラスミノーゲン)を活性化する酵素」の意味で個別に命名されたものであって、本項目のキナーゼではない。
ホスホトランスフェラーゼ/キナーゼ (EC 2.7) |
|
2.7.1 - OH アクセプター |
ヘキソ- - グルコ- - フルクト- - ガラクト- - ホスホフルクト- - チミジン - NAD+- - グリセロール- - パントテン酸- - メバロン酸- - ピルビン酸- - デオキシシチジン- - PFP - ジアシルグリセロール- - ブルトンチロシン - ホスホイノシチド-3 - スフィンゴシン
|
|
2.7.2 - COOH アクセプター |
ホスホグリセリン酸 - アスパラギン酸
|
|
2.7.3 - N アクセプター |
クレアチン
|
|
2.7.4 - PO4 アクセプター |
ホスホメバロン酸 - アデニル酸 - ヌクレオシド二リン酸
|
|
2.7.6 - P2O7トランスフェラーゼ |
リボース-リン酸ジホスホキナーゼ - チアミンピロホスホキナーゼ
|
|
2.7.7 - ヌクレオチジル- |
インテグラーゼ - PNPアーゼ - ポリメラーゼ - RNアーゼ PH - UDP-グルコースピロホスホリラーゼ - ガラクトース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ -ターミナルトランスフェラーゼ - RNAレプリカーゼ - リバーストランスクリプターゼ (テロメラーゼ) - トランスポザーゼ
|
|
2.7.8 - 他のリン酸基 |
N-アセチルグルコサミン-1-リン酸トランスフェラーゼ
|
|
2.7.10-11 - プロテイン |
チロシン - セリン/トレオニンプロテイン
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- DGKβは記憶および感情障害改善薬のターゲットになりえるか? : 神経系におけるジアシルグリセロールキナーゼβ(DGKβ)の機能解析
- 白井 康仁
- 日本薬理学雑誌 = Folia pharmacologica Japonica : くすりとからだ : ファーマコロジカ 143(3), 131-136, 2014-03
- NAID 40019998021
- ビーポーレン,ローヤルゼリーのBacillus subtilis nattoによる発酵 : 循環改善,骨疾患予防剤の開発
- Entecavirとdasatinibを併用し,安全に治療継続し得たHBVキャリアの新規発症慢性骨髄性白血病慢性期
- 武井 寿史,Takei Hisashi,三井 健揮,Mitsui Takeki,佐藤 成,Sato Naru,斉藤 明生,Saito Akio,星野 匠臣,Hoshino Takumi,小磯 博美,Koiso Hiromi,滝沢 牧子,Takizawa Makiko,横濱 章彦,Yokohama Akihiko,斉藤 貴之,Saito Takayuki,塚本 憲史,Tsukamoto Norifumi,村上 博和,Murakami Hirokazu,半田 寛,Handa Hiroshi,野島 美久,Nojima Yoshihisa
- The Kitakanto medical journal = 北関東医学 64(1), 51-55, 2014-02-01
- 症例は63歳男性. 血液検査, 骨髄検査から慢性骨髄性白血病慢性期(CML-CP) と診断した. 初診時よりHBV-DNA が検出され,HBVキャリアと診断した.チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)投与によるHBV再活性化の可能性を考慮しentecavir 0.5mg/日の投与を先行した. HBV-DNA 量の低下を確認しdasatinib 100mg/日の併用を開始した. 投与3ヵ月後に細胞遺伝学的 …
- NAID 120005372529
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
有効成分〔1瓶中〕
添加物〔1瓶中〕
- 人血清アルブミン 40mg,クエン酸ナトリウム水和物 32mg,リン酸水素ナトリウム水和物 48mg,リン酸二水素ナトリウム 10.4mg
備考
- ウロキナーゼは,ヒト尿に由来する.
人血清アルブミンは,ヒト血液に由来する.
禁忌
- 止血処置が困難な患者:頭蓋内出血,喀血,後腹膜出血等〔出血が助長されることがある.〕
- 頭蓋内あるいは脊髄の手術又は損傷を受けた患者(2ヵ月以内)〔出血を惹起し,止血が困難になるおそれがある.〕
- 動脈瘤のある患者〔出血を惹起し,止血が困難になるおそれがある.〕
- 重篤な意識障害を伴う患者〔脳内出血を発症している可能性が高い.〕
- 脳塞栓又はその疑いのある患者〔出血性脳梗塞を起こすことがある.〕
効能または効果
- 次の血栓・閉塞性疾患の治療
- 脳血栓症(発症後5日以内で,コンピューター断層撮影において出血の認められないもの)
- 末梢動・静脈閉塞症(発症後10日以内)
- 本剤を10mLの日本薬局方生理食塩液に用時溶解し,静脈内に注射する.
なお,日本薬局方生理食塩液又は日本薬局方ブドウ糖注射液に混じて点滴注射することが望ましい.
- 血栓・閉塞性疾患
- ・脳血栓症:1日1回60,000単位を約7日間投与する.
- ・末梢動・静脈閉塞症:初期1日量60,000〜240,000単位,以後は漸減し約7日間投与する.
慎重投与
- 出血している患者:手術等外科的処置時(肝,腎生検等を含む),糖尿病性出血性網膜症等の出血性眼疾患,消化管出血,尿路出血,流早産,分娩直後,月経期間中等〔出血を助長し,止血が困難になるおそれがある.〕
- 出血の可能性のある患者:消化管潰瘍,消化管の憩室炎,大腸炎,重症高血圧症,活動性結核,頭蓋内出血の既往等〔出血を惹起するおそれがある.〕
- 治療困難な凝固能低下状態の患者:凝固因子欠乏症,血小板減少症等〔出血を惹起するおそれがある.〕
- 血液凝固阻止作用を有する薬剤,血小板凝集抑制作用を有する薬剤又は他の血栓溶解剤を投与している患者(「相互作用」の項参照)
- 重篤な肝障害,腎障害のある患者〔代謝,排泄能の低下により,本剤の作用が増強することがある.〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 本剤又は組織培養ウロキナーゼに対して過敏症の既往歴のある患者
重大な副作用
出血性脳梗塞(0.1〜5%未満),脳出血(0.1%未満),消化管出血(0.1%未満)
- 出血性脳梗塞,脳出血,消化管出血等の重篤な出血があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
また,t-PA製剤において,出血の増大に伴い出血性ショックに至ることが報告されているので注意すること.
ショック(頻度不明)
- ショックを起こすことがあるので観察を十分に行い,血圧低下,呼吸困難,胸内苦悶,脈拍の異常,発汗等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
- ウロキナーゼは,プラスミノーゲン分子中のアルギニン-バリン結合を加水分解して直接プラスミンを生成する4).生成したプラスミンはフィブリンを分解することにより血栓及び塞栓を溶解する5).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
分子量
性状
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- protein kinase
- 同
- 蛋白質キナーゼ、蛋白質リン酸化酵素
- 関
- キナーゼ
[★]
- 英
- phosphotransferase
- 関
- キナーゼ、リン酸基転移酵素、リン酸転移酵素
[★]
キナーゼ カイネース リン酸化酵素 phosphoenzyme phosphotransferase
[★]
- 関
- キナーゼ
[★]
- 英
- kinase
- 関
- キナーゼ、リン酸化酵素
[★]
- 英
- lymphocyte-specific protein tyrosine kinase p56
- 関
- Lckキナーゼ
[★]
- 英
- streptodornase and streptokinase
- 関
- バリダーゼ
[★]
- 英
- thymidine kinase、TK
[★]
- 英
- casein kinase Iepsilon