- 62歳の男性。四肢のしびれと歩行障害とを主訴に妻に伴われて来院した。4年前から手の動かしにくさとしびれ感とを感じていた。1年前から階段を下りるときに手すりが必要になったが、医療機関を受診しなかった。昨日、敷居に足が引っかかりよろめいてから四肢のしびれが強くなり、自力で歩けなくなった。健康診断で軽度の糖尿病を指摘されたことがある。家族歴と生活歴とに特記すべきことはない。意識は清明。身長167cm、体重67kg。坐位はとれるが、介助しても立位は不可能。徒手筋力テストでは上下肢ともほぼ3(fair)である。深部腱反射は上腕二頭筋以下すべて亢進し、Babinski徴候は陽性である。四肢に末梢優位の表在感覚低下を認める。明らかな膀胱・直腸障害はない。頚椎エックス線写真の側面像(別冊No、19A)と頚椎単純CT(別冊No、19B)とを別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A041]←[国試_104]→[104A043]
★リンクテーブル★
[★]
- 72歳の男性。オートバイで走行中に乗用車と衝突したため搬入された。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。意識レベルはJCS II-20。呼吸数16/分。脈拍64/分、整。血圧136/80 mmHg。全身の擦過傷と左前額部の皮下血腫とを認める。両鼻孔から淡血性の液体の流出があった。入院時の頭部単純CT(別冊No.20A、B、C)を別に示す。
- この患者でみられないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A042]←[国試_104]→[104A044]
[★]
- 36歳の男性。手指のふるえを主訴に来院した。数年前から書字の際に手がふるえることに気付いた。特に緊張時に悪化する。ふるえのため、食事の時にお腕の味噌汁をこぼすこともあった。ふるえは飲酒時に軽減する。歩行障害や安静時の振戦は認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A040]←[国試_104]→[104A042]
[★]
[★]
- 英
- ossification of posterior longitudinal ligament, OPLL
- 関
- 頚椎後縦靭帯骨化症、後縦靭帯、難病
概念
- 椎体及び椎間板の後面にあり脊柱管の前壁をなす後縦靭帯が肥厚・骨化し、脊髄を緩徐に圧迫して脊髄症状を引き起こす疾患。
- 変性は頚椎に多いが胸腰椎のこともある。
- 1960年に月本により報告された。
- 難病であり、特定疾患治療研究事業の対象疾患である。
- びまん性特発性骨増殖症の部分症であることがある。
病因
疫学
- 東南アジアに多く、50歳以上の男性に多い。男性での発生頻度は4%、女性では2%。
- 頚椎部の発生は男子に、胸椎部の発生は女子に多い。
- 日本人3%、中国人0.2-1.8%、台湾人3%、アメリカ人0.12%、ドイツ人0.1%。 (SOR.447)
- 糖尿病の合併例が多い
- 患者の両親に26%、兄弟に28%と同一家族に多発
分類
骨化の型による分類
病態
- SOR.448
- 骨化占有率が50%を越えると60%の症例に脊髄症が発生
- 骨化占有率が60%を越えるとほぼ全症例に脊髄症が発生
症状
検査
[show details]
- 脊柱管の中の大部分を占める骨化像が認められる。単純X線側面像はわかりにくいが、脊柱の後方で濃度の高い部分がC3?-C5?に認められる。
治療
- SOR.449
- 重症例には手術療法をするが、軽症例に対して予防的に手術すべきかという基準はない。
- 保存療法:頚椎カラー装着により頚部の安静を保つ。
- 手術療法:除圧術により脊髄の圧迫を解除する。手指の痺れ・巧緻運動障害、下肢体幹の感覚障害、痙性歩行、膀胱直腸障害などの重症頚髄症が見られた場合には手術適応。
ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0033/1/0033_G0000095_GL.html
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/257
- 2. [charged] 広汎性特発性骨増殖症(DISH) - uptodate [1]
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