アマンタジン
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Japanese Journal
- 医薬情報室 処方のヒント 抗インフルエンザ薬の使い方
- 河合 直樹,池松 秀之,柏木 征三郎
- 日経メディカル 38(1), 137-139, 2009-01-00
- … 抗インフルエンザ薬として、1998年にアマンタジン塩酸塩(商品名シンメトレルなど)がA型に、2001年にノイラミニダーゼ阻害薬のリン酸オセルタミビル(タミフル)とザナミビル水和物(リレンザ)がA型またはB型に保険適用となり、インフルエンザ治療は一変した。 …
- NAID 40016419742
- グラフィック 分子構造から考える薬物の作用機序(1)抗A型インフルエンザ薬としてのアマンタジン塩酸塩
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 精神活動改善・パーキンソン症候群治療剤
- 抗A型インフルエンザウイルス剤
販売名
アマンタジン塩酸塩錠50mg「ZE」
組成
成分・分量(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸、ステアリン酸、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン及び黄色4号(タートラジン)アルミニウムレーキを含有する。
禁忌
- 透析を必要とするような重篤な腎障害のある患者[本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるので、蓄積により、意識障害、精神症状、痙攣、ミオクロヌス等の副作用が発現することがある。また、本剤は血液透析によって少量しか除去されない(「副作用」の項参照)。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- パーキンソン症候群
- 脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善
- A型インフルエンザウイルス感染症
「A型インフルエンザウイルス感染症」に本剤を用いる場合
- 本剤は、医師が特に必要と判断した場合にのみ投与すること。例えば、以下の場合に投与を考慮することが望ましい。
A型インフルエンザウイルス感染症に罹患した場合に、症状も重く死亡率が高いと考えられる者(高齢者、免疫不全状態の患者等)及びそのような患者に接する医療従事者等。
- 本剤を治療に用いる場合は、抗ウイルス薬の投与が全てのA型インフルエンザウイルス感染症の治療に必須ではないことを踏まえ、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。
- 本剤を予防に用いる場合は、ワクチン療法を補完するものであることを考慮し、下記の場合にのみ用いること。
・ワクチンの入手が困難な場合
・ワクチン接種が禁忌の場合
・ワクチン接種後抗体を獲得するまでの期間
- 本剤はA型以外のインフルエンザウイルス感染症には効果がない。
パーキンソン症候群の場合
- 通常、成人にはアマンタジン塩酸塩として初期量1日100mgを1〜2回に分割経口投与し、1週間後に維持量として1日200mgを2回に分割経口投与する。
なお、症状、年齢に応じて適宜増減できるが、1日300mg3回分割経口投与までとする。
脳梗塞後遺症の場合
- 通常、成人にはアマンタジン塩酸塩として1日100〜150mgを2〜3回に分割経口投与する。
なお、症状、年齢に応じて適宜増減する。
A型インフルエンザウイルス感染症の場合
- 通常、成人にはアマンタジン塩酸塩として1日100mgを1〜2回に分割経口投与する。
なお、症状、年齢に応じて適宜増減する。
ただし、高齢者及び腎障害のある患者では投与量の上限を1日100mgとすること。
本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるため、腎機能が低下している患者では、血漿中濃度が高くなり、意識障害、精神症状、痙攣、ミオクロヌス等の副作用が発現することがあるので、腎機能の程度に応じて投与間隔を延長するなど、慎重に投与すること(【禁忌】、「慎重投与」、「副作用」の項参照)。
<参考>クレアチニンクリアランスと投与間隔の目安
注)上記は外国人における試験に基づく目安であり、本剤の国内で承認されている用法及び用量とは異なる。
「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善」に本剤を投与する場合、投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。
「A型インフルエンザウイルス感染症」に本剤を投与する場合
発症後に用いる場合
- 発症後は可能な限り速やかに投与を開始すること(発症後48時間以降に開始しても十分な効果が得られないとされている)。また、耐性ウイルスの発現を防ぐため、必要最小限の期間(最長でも1週間)の投与にとどめること。
ワクチンの入手が困難な場合又はワクチン接種が禁忌の場合
- 地域又は施設において流行の徴候があらわれたと判断された後、速やかに投与を開始し、流行の終息後は速やかに投与を中止すること。
ワクチン接種後抗体を獲得するまでの期間に投与する場合
- 抗体獲得までの期間は通常10日以上とされるが、抗体獲得後は速やかに投与を中止すること。
- 小児に対する用法及び用量は確立していないので、小児に投与する場合は医師の判断において患者の状態を十分に観察した上で、用法及び用量を決定すること(「小児等への投与」の項参照)。
慎重投与
- 心血管疾患(うっ血性心疾患等)又は末梢性浮腫のある患者[副作用として下肢浮腫が発現することがあり、心血管疾患や浮腫を悪化させるおそれがある。]
- 腎障害のある患者[本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるので、蓄積による副作用を避けるため用量の調節に十分注意すること(【禁忌】、<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照)。]
- 肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告されているため、肝機能検査値に注意すること。]
- 低血圧を呈する患者[めまい・立ちくらみ等があらわれやすい。]
- 精神疾患のある患者[幻覚、妄想、錯乱、悪夢等の精神症状が増悪するおそれがある(【警告】の項参照)。]
- 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇をおこし、症状が悪化するおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明):
- 急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等があらわれることがあるので、このような場合には再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、投与継続中にも同様の症状があらわれることがある。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明):
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
視力低下を伴うびまん性表在性角膜炎、角膜上皮浮腫様症状(頻度不明):
- このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心不全(頻度不明):
- このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害(頻度不明):
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP上昇等の肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腎障害(頻度不明):
- 腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
なお、腎機能が低下している患者では、本剤の排泄遅延がおこりやすい(「慎重投与」の項参照)。
意識障害(昏睡を含む)、精神症状(幻覚、妄想、せん妄、錯乱等)、痙攣、ミオクロヌス(頻度不明):
- 意識障害(昏睡を含む)、精神症状(幻覚、妄想、せん妄、錯乱等)、痙攣、ミオクロヌスがみられることがある。このような場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に腎機能が低下している患者においてあらわれやすいので注意すること。
薬効薬理
抗パーキンソン症候群作用・精神賦活作用2)
- ラットの脳切片における実験でドーパミンの放出促進作用及び合成促進作用が認められており、減退しているドーパミン作動ニューロン活性を高める(抗パーキンソン症候群作用)とともに、ドーパミン作動物質として働き脳機能を改善(精神賦活作用)すると考えられる。
カタレプシー抑制作用3)
- クロルプロマジン、レセルピン等の神経弛緩剤により惹起されるラットのカタレプシーに対し抑制作用のあることが示されている。
A型インフルエンザウイルスに対する作用4)
- アマンタジンは、インフルエンザウイルスA型株の複製を初期段階(脱殻uncoatingの段階)で阻害する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- アマンタジン塩酸塩(Amantadine Hydrochloride)(JAN)
別名:
化学名:
- Tricyclo[3.3.1.13,7]dec-1-ylamine monohydrochloride
分子式:
分子量:
- 187.71
- アマンタジン塩酸塩は白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。ギ酸に極めて溶けやすく、水、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
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- 36歳の男性。手指のふるえを主訴に来院した。数年前から書字の際に手がふるえることに気付いた。特に緊張時に悪化する。ふるえのため、食事の時にお腕の味噌汁をこぼすこともあった。ふるえは飲酒時に軽減する。歩行障害や安静時の振戦は認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A040]←[国試_104]→[104A042]
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- 英
- antiparkinsonian drug
- 関
- 抗パーキンソン病薬
商品
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- 英
- amantadine
- 化
- 塩酸アマンタジン amantadine hydrochloride、アマンタジン塩酸塩
- 商
- アテネジン、アマゾロン、シンメトレル Symmetrel、トーファルミン、ボイダン、ロティファミン
歴史
- 最初、A型インフルエンザに対する抗ウイルス薬として使われていたが、パーキンソン病患者がアマンタジンを服用したところパーキンソン病の症状が改善されたことから、パーキンソン病への薬効が見いだされた。
薬理作用
パーキンソン病治療薬
- ドーパミンの合成促進
- ドーパミンの再取り込み抑制
- ドーパミンの遊離促進
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- 英
- flax、Linum usitatissimum
- 関
- 亜麻、亜麻仁、アマ属
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- 英
- hydrogen chloride
- 同
- 塩化水素
- 関
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- 英
- hydrochloride
- 関
- ハイドロクロライド