68歳の男性。就寝中の行動を心配した妻に伴われて来院した。週に数回、就寝後1時間半ほどすると大声をあげ、むっくと起き上がって何かと戦っているような行動をするようになった。妻が制止すると我に返り「夢を見ていた」と言い、再び就寝し翌朝には夢の中でのことだったと記憶している。日中の行動異常は全くない。身体的には体が固く、動作が遅くなったといい、物忘れを自覚している。身長168cm、体重60kg。四肢に筋固縮を認める。Mini-Mental State Examination(MMSE)では21点(満点30)、血液所見、血液生化学所見、脳波および頭部単純MRIに異常を認めない。