- 英
- Rathke's pouch, Rathke pouch
- 同
- Rathke嚢、下垂体憩室 pituitary diverticulum、神経頬窩 neurobuccal pouch、頭蓋頬嚢 craniobuccal pouch、頭蓋咽頭窩 craniopharyngeal pouch
- 関
- 下垂体
- L.413, L.415 図19-26
- 口咽頭膜の直前にある口窩の外胚葉性ポケット状膨出
発生
- 漏斗に向かって背側に成長
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/14 06:01:39」(JST)
[Wiki ja表示]
|
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
ラトケ嚢(ラトケのう、英: pouch of Rathke)は、発生途中にできる外胚葉性の構造で、腺性下垂体(前葉・中葉)のもとになるものである。
目次
- 1 概要
- 2 脚注
- 3 参考文献
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
|
概要
脳下垂体は神経性成分の後葉と、腺性細胞成分の前中葉とから構成され、成体では頭蓋底骨内側に接して存在する。後葉は脳の下方への突出部として発生するが、前中葉は胚において口蓋が作られる前の時期の原始口腔外胚葉の天井部分が凹んで形成される[1]。このΩ状の凹みは、発見者マルティン・ラトケにちなんでラトケ嚢と呼ばれる。やがて外胚葉のΩ状の凹みの底部が閉じ、完全な袋状になるとともに、壁をつくる上皮が増殖して種々のホルモン産生細胞が分化する。ラトケ嚢が後葉と接した部分に中葉、その逆側に前葉が分化し、嚢腔は両者を境する空所(遺残腔)として残るがヒトでは時に認め難い。ラトケ嚢の閉鎖部から下方の上皮茎は発生中に退化消失するのが普通であるが、しばしば成体でも残存し、時に増殖して頭蓋咽頭腫の原因となることがある[1]。
脚注
- ^ a b A.L.Kierszenbaum、組織細胞生物学 ISBN 978-4-524-23676-3
参考文献
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
関連項目
外部リンク
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 視野障害で発症したラトケ嚢胞に対し神経内視鏡下開窓術で治療し得た1例
- 出端 亜由美[他]
- 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 89(2), 114-119, 2014-06-25
- … トルコ鞍部嚢胞性病変の鑑別疾患としてくも膜嚢胞、ラトケ嚢胞、頭蓋咽頭腫などが挙げられる。 … 今回の症例は2回目の手術時の病理所見よりラトケ嚢胞と診断された。 … ラトケ嚢胞のう胞においても開窓を大きく設け、脳槽部分との交通を広く設けることで良好な治療成績が得られる事が示唆された。 …
- NAID 110009842986
- 症例報告 視野障害で発症したラトケ嚢胞に対し神経内視鏡下開窓術で治療し得た1例
- 突然発症の頭痛と下垂体機能低下症を呈したラトケ嚢胞の一例
- 白鳥 恭子,三好 直美,広川 理恵 [他],齋藤 洋,齋藤 登,村岡 東子,市原 淳弘,澤田 達男,天野 耕作,野村 馨
- 東京女子医科大学雑誌 83(1), 38-42, 2013-02-25
- … 頭部MRIではトルコ鞍内にT1,T2ともに高信号を示す境界明瞭な領域を認めラトケ嚢胞に一致する所見であった。 … 病理所見はラトケ嚢胞であり周囲に軽度の炎症所見を認めた。 … 本症例の画像所見、病理所見より、ラトケ嚢胞周辺の炎症などが下垂体に障害を与え下垂体機能低下が起きたと判断した。 …
- NAID 110009575104
Related Links
- ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 口蓋側から ラトケ嚢ができてくる様子. ラトケ嚢(ラトケのう、英: pouch of Rathke)は、発生途中に できる外胚葉性の構造で、腺性下垂体(前葉・中葉)のもとになるものである。 目次 ...
- ラトケ嚢胞(ラトケのうほう)は、ヒトの胎生期に下垂体前葉が形成される過程において、 トルコ鞍内に遺残した嚢胞である。内容物によりMRIでは種々の像を呈する。無症状で 経過することが多く、偶発腫瘍(en:incidentaloma) として発見されることもある。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- craniopharyngioma
- 関
- 脳腫瘍、下垂体、ラトケ嚢
特徴
- ラトケ嚢に遺残した口腔粘膜上皮(扁平上皮細胞巣)より発生する。
疫学
- 全脳腫瘍の3-4%(2.9%(YN))。
- 全年齢に発生しうるが、小児期にやや多く(30%)、5-9歳にその40%が発生する。成人に喪見られる。
- 男性にやや多い(1.2倍)。
部位
- 鞍上部腫瘍では第2位。(小児では1位)。トルコ鞍上腫瘍の20%を占める。
- 下垂体茎のトルコ鞍内から視床下部(第三脳室前壁)の範囲に発育する。
病理
- 結節状の境界明瞭な腫瘍で、ほとんどが嚢胞を有する。
- 多くは単胞性・多胞性の嚢胞を形成
- コレステリン結晶を含む黄褐色の嚢胞液を含む
- 小児において石灰沈着が高頻度にみられる。
組織型
- エナメル上皮腫型:小児に多い
- 扁平上皮型:成人に多い。嚢胞成分が少ない。
症状
- 頭蓋内圧亢進(水頭症)、視野異常、成長障害が三徴
- 1. 眼症状(視野異常(70-80)。視神経圧迫による)
- 2. 下垂体機能低下症状(下垂体・視床下部圧迫):尿崩症(24%)。小児:低身長(30-40%)、成人:性機能不全・無月経(80%)
- 3. 頭蓋内圧亢進症状
治療
- 全摘により治癒
- 手術療法
- 手術療法(不完全摘出例) + 放射線療法
- 放射線療法(局所照射:50-60Gy)
国試
[★]
- 英
- pituitary gland (Z), hypophysis (Z)
- ラ
- glandula pituitaria
- 同
- 脳下垂体
- 図譜では矢状断のものしか載っていないが、前頭断で見ると意外に横に長い、みたい。
発生学(L.413)
- 胎生第4週に下垂体前葉と下垂体後葉が接する。Rathke嚢の細胞は、活発に分裂して前葉を形成し、内腔は殆ど閉鎖する。成人ではコロイドを満たした小嚢胞として前葉と後葉の間に認められる。
画像
- MRI T1:(高信号)下垂体後葉 > 下垂体前葉 ← 脂肪濃度を反映しているのですかね?軸索が多いでしょ?
[★]
- 英
- Rathke's cleft cyst、Rathke cleft cyst
- 同
- Rathke嚢胞、Rathke pouch cyst、下垂体エナメル上皮腫 pituitary adamantinoma
- 関
- 中枢神経系嚢胞 central nervous system cyst
-
- 鑑別疾患:頭蓋咽頭腫(ラトケ嚢に遺残した口腔粘膜上皮(扁平上皮細胞巣)より発生する良性腫瘍)
[★]
- 関
- 滑液包、ブルサ、包、ポーチ