- 英
- 関
WordNet
- a milk protein used in making e.g. plastics and adhesives
PrepTutorEJDIC
- カゼイン,乾酪素(牛乳の蛋白質;絵具・接着剤にも用いる)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/03 13:58:27」(JST)
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カゼイン(英: casein)は、牛乳やチーズなどにふくまれるリンタンパクの一種。またはそれを原料とするカゼインプラスチックの略称としても用いられる。
目次
- 1 所在・成分・物性
- 2 カゼインの利用
- 3 有害性
- 4 参考文献
- 5 関連項目
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所在・成分・物性 [編集]
カゼインは、牛乳に含まれる乳タンパク質の約80%を占める。一般に乳固形分と呼ばれる成分の主要成分の一つである。その構成成分は単一のタンパク質ではなく、大きく分けて下記の3種類に分類される。
- α-casein(アルファ カゼイン)
- β-casein(ベータ カゼイン)
- κ-casein(カッパー カゼイン)
カゼインは、そのタンパク質を構成するアミノ酸のうち、セリンに由来する部分(セリン残基)の多くにリン酸が結合した、リンタンパク質(リン酸化タンパク質)の代表的な例である。この特徴のため、カゼインは分子全体としてマイナスの電荷を帯びており、カルシウムイオンやナトリウムイオンと結びつきやすい性質を持つ。
牛乳中では特にカルシウムと結合してカルシウム塩の形で存在し、結果として牛乳中でカルシウムの安定な運び屋として機能する。牛乳中においてカゼインは、カルシウム−カゼイン−リン酸複合体の形で存在しているが、このときカゼインのうちで特に水溶性の高いκ-caseinの働きによってこの複合体はミセルを形成する。この結果、カゼインは一種の「安定剤」として、牛乳を均質なコロイド溶液にし、またその不溶性成分が析出することなく均質な状態を長期間保つ役割を果たしている。 またカゼインは、等電点であるpH 4.6において放置することで、牛乳から容易に分離することもできる。
カゼインは、ヒトの乳汁においても同様に存在するが、人乳においてはα-caseinの量が牛乳に比べて著しく少ない事が知られている。また、このα-caseinはヤギ乳においても存在量が少ない事が知られている。
カゼインの利用 [編集]
カゼインは、食品化学や材料化学の分野でさまざまに利用・応用されている。
- 栄養補助剤
- カゼインはそれ自体が栄養価が高いタンパク質であるため、栄養補給を目的に栄養補助剤として使われる。またカゼインはカルシウムと結びつきやすく、ヒトがカルシウムを吸収するのを助ける性質があるため、カルシウム補給を目的とした栄養補助剤に添加される。
- 安定化剤
- カゼインは水溶液中でミセルを形成し、他の不溶性の物質の分散を助け、長期間安定に分散した状態に保つのを助ける。この性質を利用して、カゼインは加工飲料や化粧品(特に乳液)などの安定化剤として利用されている。この用途には、より水溶性が高く使いやすいカゼインナトリウム塩(カゼインNa)が繁用される。
- カゼインプラスチック
- 牛乳に酸を加えるなどするとカゼインは沈澱して、象牙に似た外観の熱可塑性のプラスチックとなる。これをカゼインプラスチック、ラクトカゼインなどと呼ぶ。印章、ボタンなどの材料として工業的に利用されている。1898年にドイツで発明された。染色が可能。
- プロミックス
- カゼインにアクリロニトリルをグラフト重合して作った繊維をプロミックスと言い、1970年代に東洋紡によって開発された。絹に似た風合いが特徴。
- 塗料
- カゼインをアンモニアなどのアルカリで中和することによって水溶化し、古くから塗料原料(主には皮革用塗料)として使用されている。
有害性 [編集]
- カゼインと牛乳アレルギー
- 牛乳を飲んでアレルギー症状を起こす人の多くは、α-caseinが原因(抗原)であると言われている。[誰?]そのため、現在では乳幼児用などにこのα-caseinを減らした乳児用ミルクなどが販売されている。
- 癌との関係
- アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書では、日常摂取量の牛乳たんぱく=カゼインで癌細胞が劇的に促進させることが科学的に証明されている(Campbell, 2006)。[要出典]
参考文献 [編集]
- T Colin Campbell; Thomas M Campbell, II (2006) (英語). The China study : the most comprehensive study of nutrition ever conducted and the startling implications for diet, weight loss and long-term health. BenBella Books. ISBN 9781932100662. OCLC 70867373.
関連項目 [編集]
- タンニン酸アルブミン - カゼインとタンニン酸より合成される。
- カッテージチーズ - カッテージチーズの生成には、カゼインの性質が関係している。
- 食材
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ラット好塩基球様細胞株RBL-2H3の脱顆粒に及ぼすカゼイン由来ペプチドおよび関連アミノ酸の影響
- 田中 守,山岸 賢司,菅原 卓也 [他]
- 日本食品科学工学会誌 = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 59(11), 556-561, 2012-11
- NAID 40019479104
- 脱脂乳による製パン性阻害に対する乳タンパク質の熱変性の影響
Related Links
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - カゼインの用語解説 - 乾酪素ともいう。リンを含む蛋白質の一種で,乳の主成分 (牛乳中3%,母乳中1%) 。カゼインは少くとも3種の成分 (α,β,γ) から成り,それぞれアミノ酸組成が違う。
- 1-6 κ-カゼイン 169 個のアミノ酸 遺伝的変異体: A 、 B 結合リン酸量が 1 個 ⇒ Ca に対し感受性が低い ⇒ α s-カゼインやβ-カゼイン etc の Ca による凝集を阻止 して乳を安定化 (保護コロイドとしての役目) カゼイン成分中で唯一糖を ...
- 「カゼイン」とは - :物質 英名:Casein 牛乳のタンパク質の1つで全体の約80%を占める物質。ミルクを酸で処理し、沈殿させて採取する。 非常に栄養の高いタンパク質で、これが体内で分解されることによりカルシウムの...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ラコールNF配合経腸用半固形剤
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 牛乳たん白アレルギーのある患者[本剤は牛乳由来のカゼインが含まれているため、ショック、アナフィラキシーを引き起こすことがある。]
- 胃の機能が残存していない患者[本剤の投与方法は、胃の貯留能、運動機能を利用する必要がある。]
- イレウスのある患者[消化管の通過障害がある。]
- 腸管の機能が残存していない患者[水、電解質、栄養素などが吸収されない。]
- 高度の肝・腎障害のある患者[肝性昏睡、高窒素血症などを起こすおそれがある。]
- 重症糖尿病などの糖代謝異常のある患者[高血糖、高ケトン血症などを起こすおそれがある。]
- 先天性アミノ酸代謝異常の患者[アシドーシス、嘔吐、意識障害などのアミノ酸代謝異常の症状が発現するおそれがある。]
効能または効果
- 一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。
- 経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には、速やかに経口食にきりかえること。
- 通常、成人標準量として1日1,200〜2,000g(1,200〜2,000kcal)を胃瘻より胃内に1日数回に分けて投与する。投与時間は100g当たり2〜3分(300g当たり6〜9分)とし、1回の最大投与量は600gとする。
また、初めて投与する場合は、投与後によく観察を行い臨床症状に注意しながら増量して数日で標準量に達するようにする。
なお、年齢、体重、症状により投与量、投与時間を適宜増減する。
- 本剤は、経腸栄養剤であるため、静脈内へは投与しないこと。
慎重投与
- 短腸症候群の患者[下痢の増悪をきたすおそれがある。]
- 急性膵炎の患者[膵炎が増悪するおそれがある。]
- 水分の補給に注意を要する下記患者[下記の患者では水分バランスを失いやすい。]
- 意識不明の患者
- 口渇を訴えることのできない患者
- 高熱を伴う患者
- 重篤な下痢など著しい脱水症状の患者
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(頻度不明):
- ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 胃瘻カテーテルを留置したラットを用い、対照薬と栄養効果を比較検討した結果、体重推移、血清中のたん白質濃度、脂質濃度及び窒素出納がほぼ同等であったことから、同様の栄養効果を有すると考えられた3)。
★リンクテーブル★
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[正答]
※国試ナビ4※ [107E035]←[国試_107]→[107E037]
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※国試ナビ4※ [105G009]←[国試_105]→[105G011]
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[正答]
※国試ナビ4※ [097G053]←[国試_097]→[097G055]
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- 英
- prolactin (Z), PRL, lactotrophic hormone (Z)
- 関
- ホルモン、下垂体前葉ホルモン
分類
性状
- ペプチド
- 199 aa., 198aa 21.5kDa(HIM.2204)
- 成長ホルモン、hPL(human placental lactogen)に構造が似る → common GH-PRL-hPL precursor gene on chromosome 6
産生組織
- 下垂体前葉:lactrope(20%を占める)で産生される。lactropeはsomatotropeと同じ前駆細胞に由来するので、GHとPRLを産生する線種もある。lactropeのpopulationはエストロゲンの影響下にあって、また妊娠のlast two trimestersおよび授乳期の最初の2,3ヶ月に過形成が起こる。(HIM.2204)
- わずかに下記組織で産生される (SP.888)
標的組織
生理作用
- プロラクチンの生理作用はエストロゲンにより阻害される(SP.888) ← 分娩後に初めて乳汁産生が起こる
HIM.2204
- プロラクチンは乳汁分泌を維持し、生殖機能を低下させ、性的衝動を減退させる。
- これらの機能は、母体の乳汁分泌を持続し妊娠によって中断しないことを確実にすることにかなう。
- プロラクチンは視床下部のGnRHや下垂体でのGnHの分泌を抑制し、男女ともに視床下部のステロイド合成を減少させる。
- 卵巣では、卵胞形成を阻止し、顆粒層細胞のアロマターゼ活性を抑制し、低エストロゲン症と無排卵をきたす。
- プロラクチンは黄体退縮作用を持ち、月経周期の黄体周を短縮させ、あるいは不十分にする。
- これらのホルモンの変化により性欲が減退し、生殖力が低下する。
作用機序
分泌調節
- プロラクチンの分泌制御はユニークであり、ドパミンによるD2受容体を介した抑制を受ける。
- プロラクチンは視床下部に対して抑制的に作用し、間接的に下垂体前葉からのプロラクチン放出が抑制される (短環フィードバック)
- 視床下部からドーパミンが放出され、下垂体前葉に対し抑制的に作用する。
SP.889改変
HIM.2204
- パルス状に分泌
- REM睡眠時に分泌↑ ← 成長ホルモンと似ている?
- 血中濃度のピークは朝方(4-6時)で、30ng/ml
- 半減期は50分
妊娠・出産との関連
- 授乳する場合、出産後3-4ヶ月かかって緩やかに下降。 → 同時期の月経再開と関連
基準値
検査の本?
- 小児(10歳まで) 1.2-12ng/ml
- 成人女性 1.5-15ng/ml
- 成人男性 1.5-10ng/ml
- 高齢者(70歳以上) 1.2-15ng/ml
- 以上、WHO 1st IRP-PRL(75/504)を標準品とした値。なお、妊婦、産褥期には高値となりこの基準値はあてはまらない
HIM.2204
- 10-25 ng/ml (女性)
- 10-20 ng/ml (男性)
検査
臨床関連
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- 英
- casein kinase Ialpha
- 関
- カゼインキナーゼI
[★]
- 英
- casein kinase II
- 関
- カゼインキナーゼII
[★]
- 英
- casein kinase I
- 関
- カゼインキナーゼI
[★]
- 英
- paracasein
- 関
- カゼイン
[★]
- 英
- casein kinase Iepsilon