- 英
- life cycle、life circle
- 同
- 生活史 life history
- 関
- 生涯過程、ライフサイクル、生活環ステージ
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/10/23 14:03:57」(JST)
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生活環(せいかつかん、Life cycle、Biological life cycle)とは、生物の成長、生殖に伴う変化がひと回りする間の様子、特に核相との関わりから見た場合のそれを指す言葉である。
目次
- 1 意味
- 2 規則的な生活環
- 3 可変的な生活環
- 4 参考文献
- 5 関連項目
意味
生活環とは、生物の成長、生殖による変化が一通り出現する周期の一つを指す言葉である。生活史(せいかつし)もほぼ同じように用いられることもあるが、こちらはむしろ生態学的な意味が強いのに対し、生活環は核相の変化、世代交代など生殖にかかわる部分を見る場合に使われる。
一般に、生物は栄養を摂取し、成長し、一定時間の生活を営む時期と、繁殖のための特別な活動を行う時期がある。これらを経て、生物はその姿を変えて行く。その中で、ほとんど姿を変えず、時に生殖細胞の形になるだけのものがあるが、何通りかの生殖細胞があり、それぞれから現れる姿が異なるものもある。特に、生活を営む姿が生殖細胞を隔てて2つ以上ある場合、世代交代と言われる。しかし、いずれにせよ、それらの姿の出現順番や出現する状況は一定であり、もとの状態に戻る。この一回りが生活環である。
生物の生活環にはいろいろな型がある。動物のそれはたいてい簡単で、変化がないが、植物や藻類、菌類には多くの型があり、大分類において重要な特徴と考えられてきた。ただし、他の形質から近縁と思われる群に於いて異なった生活環の型が見られる場合もあるので、意外に変わりやすい形質ではないかとの指摘もある。
規則的な生活環
生物において、生活を行う状態になる体を世代とも呼ぶ。生活環の中で、世代がひとつしかないものもあれば、複数の世代をもつ場合もある。また、世代の変化と、核相の変化が連動する場合と、しない場合がある。
典型的なのは以下の3つである。なお、生活環の型の日本語名には揺れがあり、以下で用いているのとは異なる名前が使われる場合もある。
- 生活する体は単相で、体細胞分裂によって生殖細胞を作る。接合によって複相の接合子を形成、発生(孵化、発芽)の前に減数分裂が起きる。
- 緑藻、シャジクモ類、接合藻、黄金色藻、黄緑藻、アピコンプレックス門、渦鞭毛虫の多く、ネコブカビ類、メタモナス類の多く、細胞性粘菌、菌類ではツボカビ、接合菌類や子のう菌類などがこれにあたる。
- 生活する体は複相で、減数分裂によって生殖細胞を形成する。生殖細胞の接合による接合子はそのまま発生(孵化、発芽)し、元と同じ体を形成する。
- 大部分の動物、藻類のケイソウ類、褐藻類のヒバマタ目(ホンダワラなど)、オパリナやタイヨウチュウ、ラビリンチュラ、繊毛虫、ヤコウチュウ、メタモナス類の多く、有殻アメーバ、菌類のツボカビ類、他に卵菌類などがこれである。
- 2つの体がある型である。単相の体は体細胞分裂によって生殖細胞(配偶子)を作る。配偶子は接合して複相となる。接合子は発生(孵化、発芽)し、複相の体を形成する。複相の体は減数分裂によって生殖細胞を形成し、その生殖細胞は発生(発芽、孵化)によって単相の体に発達する。この場合、核相の変化に伴う世代交代が存在することになり、単相世代を配偶体あるいは有性世代、複相世代を胞子体または無性世代と呼ぶ。二つの世代はほぼ同じ程度に発達するものもあれば、両者の大きさが極端に異なるものもある。種子植物では、配偶体は胞子体の体内に寄生した状態になっている。
- シダ植物、コケ植物、種子植物や、緑藻の一部、褐藻類の多く、ハプト藻、有孔虫、粘液胞子虫、変形菌などがこれである。菌類では微胞子虫やツボカビ類の一部(カワリミズカビ)がこれにあたる。
これ以外に、大きな分類群に見られる、特殊な型としては、以下のようなものがある。
- 紅藻類では、単複世代交代型に近いが、配偶体の上で接合細胞が発芽し、小さいながらも多細胞となり、果胞子というものを形成する。果胞子は発芽して胞子体となる。つまり、2つの世代の間にもう1つの世代が挟まっており、この世代を果胞子体という。
- 担子菌類では、減数分裂で生じた担子胞子の発芽で菌糸体を生じ、菌糸の接合を行うが、接合の後も核は融合せず、二核共存体として成長する。二核菌糸はそのままで成長を続け、子実体を形成して担子器を形成、そこで初めて融合し、多くの場合にその位置で減数分裂を行ない、担子胞子となる。なお、サビキン類では、寄生生活や季節による宿主の変更を行うものもあり、さらに複雑になっている。
ただし、実際にはそれぞれの世代が独立して生活活動を行うとは限らない。たとえば複相と単相の二つの世代を持つものでも、両方が同等に生活活動をするものはまれで、片方がはるかに小さいもの、あるいは一方が他方に寄生的に生活するもの、あるいはほとんど痕跡的なものもある。たとえば被子植物の花粉(あるいは花粉管)は、配偶体であると見なされているが、実際には細胞は分かれず、その中に花粉管核と精細胞が分化するのみである。これを配偶体という一つの世代であると判断するのは、シダ植物との系統関係に基づくものと言える。独立してそれなりの生活活動を行う体を栄養体と言うこともある。
可変的な生活環
状況や周囲の環境に応じて姿を変える場合もある。この場合、前記のように規則的な変遷の形を取らず、出現頻度は不定であったり、季節に対応して生じる。
- アブラムシ、ミジンコなどでは、好適な環境下では単為生殖によって雌が雌を生み、悪化すると雄が生じて両性生殖を行う。
- バッタの例が有名であるが、集団で生活すると、移動型に変化する。他にもカメムシなどで密度が高まると羽根の発達した個体が出現し、移動するものが見られる。
- クラゲでは、幼生のポリプが無性的に増殖をするので、これを無性世代と呼ぶ場合がある。また、吸虫やサナダムシも幼生が幼生を産む形の生殖を行う。
参考文献
- Raikov IB (1995). “Meiosis in protists: Recent advances and persisting problems”. Eur. J. Protistol. 31 (1): 1-7. doi:10.1016/S0932-4739(11)80349-4.
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、生活環に関連するカテゴリがあります。 |
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Japanese Journal
- "快適生活環境"を提供する分離膜 (繊維学会創立70周年記念特集号) -- (ビジョン 非衣料素材)
- 上西 理玄
- Fiber = 繊維学会誌 : journal of the Society of Fiber Science and Technology, Japan 70(9), P-520-525, 2014-09
- NAID 40020189508
- 郊外住宅団地居住者の日常的移動の実態および生活環境評価に関する研究 : 多心型コンパクトシティの形成を念頭において
- 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 Injury Alert(傷害速報)(No.50)新しいタイプの洗剤(1回分パックタイプ洗濯用液体洗剤)の誤飲
- 日本小児科学会雑誌 = The journal of the Japan Pediatric Society 118(8), 1293-1295, 2014-08
- NAID 40020188329
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★リンクテーブル★
[★]
- ☆case33 頭痛と混乱
- ■glossary
- accompany
- vt.
- (人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
- slurred n. 不明瞭
- 強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- ■症例
- 28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
- 主訴:頭痛と混乱
- 現病歴:過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在も頭痛が持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭。救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
- ・診察 examination
- やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管、呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間、場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
- ・検査 investigation
- 血算:白血球増多
- 血液生化学:ナトリウム低下
- CT:供覧
- ■キーワード&着目するポイント
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis)
- ・頭痛、精神症状、強直間代痙攣
- ・眼底両側に乳頭浮腫
- ・CT所見
- ・低ナトリウム血症は二次的なもの
- ■アプローチ
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM、免疫抑制、AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期の抗菌薬の使用)
- ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
- ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
- ・精神症状、強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
- ・頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
- ・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進の徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍、クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患、大量出血、肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
- ・頭痛と脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変、脳炎(IMD.274)
- ・CT所見 → ringformの病変、脳浮腫、脳圧亢進
- ・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニアに続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体にトキソプラズマによる病変が形成されることにより起こりうる。
- ・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
- パターン認識でHIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
- ■Toxoplasma gondii
- 原虫 胞子原虫類
- (感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
- ・疫学:西洋では30-80%の成人がトキソプラズマの感染の既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
- ・生活環
- ・終宿主:ネコ:ネコの小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便にオーシストの排泄
- ・中間宿主:ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類:無性生殖で増殖、シストの形成
- 急性期の増殖盛んな急増虫体tachyzoiteとシスト内の緩増虫体bradyzoite
- ・病原、病因 phathogenesis
- ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
- ・感染経路
- 1. オーシストの経口摂取
- 2. 中間宿主の生肉中のシストの経口摂取
- 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
- (4)移植臓器、輸血。確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
- ・病態
- 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
- ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神・運動障害
- 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
- (1) 健常者
- ・多くは不顕性感染。発熱、リンパ節腫脹、皮疹(rash)
- ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
- ・(まれ)肺炎、心筋炎、脳症、心膜炎、多発筋炎
- ・網膜、脈絡叢に瘢痕や、脳に小さい炎症性の病変を残すことあり(CASES)。
- ・急性感染の症状は数週間で消失 筋肉や中枢神経系に緩増虫体が残存
- (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
- シスト内緩増虫体→急増虫体→播種性の多臓器感染
- AIDSでは、トキソプラズマ性脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
- ・治療
- (日本)アセチルスピラマイシン、ファンシダール(感染予防学 080521)
- ■トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis、トキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
- ・症状
- 発熱、頭痛、混乱m、痙攣、認知の障害、局所神経徴候(不全片麻痺、歯垢、脳神経損傷、視野欠損、感覚喪失)(CASES)
- ・画像検査
- (CT,MRI)多発性、両側性、ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核、脳幹、小脳が冒されやすい(CASES)
- ・鑑別診断(臨床症状・画像診断の所見で)
- リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
- ・病歴と画像所見からの鑑別診断
- リンパ腫、結核、転移性腫瘍
- ?
- このCTがcerebral toxoplasmosisに特徴的かは不明
- □最後に残る疑問
- AIDSでWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVはCD4+ T cellとmacrophageに感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球はAIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性に増加している?ちなみに、好酸球は寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
- スルファジアジン
- sulfadiazine
- ピリメタミン
- pyrimethamine
- 葉酸拮抗剤である。
- サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
- ST合剤
- SMX-TMP
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
- □AIDSの定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
- A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
- or he/she has one of the following defining illnesses:
-
- 01. Candidiasis of bronchi, trachea, or lungs
- 02. Candidiasis esophageal
- 03. Cervical cancer (invasive)
- 04. Coccidioidomycosis, disseminated or extrapulmonary
- 05. Cryptococcosis, extrapulmonary
- 06. Cryptosporidiosis, chronic intestinal for longer than 1 month
- 07. Cytomegalovirus disease (other than liver, spleen or lymph nodes)
- 08. Encephalopathy (HIV-related)
- 09. Herpes simplex: chronic ulcer(s) (for more than 1 month); or bronchitis, pneumonitis, or esophagitis
- 10. Histoplasmosis, disseminated or extrapulmonary
- 11. Isosporiasis, chronic intestinal (for more than 1 month)
- 12. Kaposi's sarcoma
- 13. Lymphoma Burkitt's, immunoblastic or primary brain
- 14. Mycobacterium avium complex
- 15. Mycobacterium, other species, disseminated or extrapulmonary
- 16. Pneumocystis carinii pneumonia
- 17. Pneumonia (recurrent)
- 18. Progressive multifocal leukoencephalopathy
- 19. Salmonella septicemia (recurrent)
- 20. Toxoplasmosis of the brain
- 21. Tuberculosis
- 22. Wasting syndrome due to HIV
- People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
-
- AND
- □AIDSのステージング
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
生活環、ライフサイクル、生涯過程
- 関
- life circle、life cycle stage
[★]
- 英
- life cycle
- 関
- 生活環、ライフサイクル
[★]
- 英
- life cycle
- 関
- 生活環、生涯過程
[★]
- 関
- life cycle
[★]
- 英
- life cycle stage
- 関
- 生活環
[★]
- 英
- ring、circle、annulus
- 関
- 輪、サークル、弁輪、リング
[★]
- 英
- life
- 関
- 生涯、生命、人生