シベンゾリン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
シベノール静注70mg
組成
有効成分(1管5mL中)
添加物
禁忌
- 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[心停止を起こすおそれがある。]
- うっ血性心不全のある患者[心機能抑制作用及び催不整脈作用により、心不全を悪化させるおそれがある。また、循環不全により肝・腎障害があらわれるおそれがある。]
- 透析中の患者[急激な血中濃度上昇により意識障害を伴う低血糖などの重篤な副作用を起こしやすい。(本剤は透析ではほとんど除去されない。)]
- 緑内障、尿貯留傾向のある患者[抗コリン作用を有するため症状を悪化させるおそれがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- バルデナフィル塩酸塩水和物、モキシフロキサシン塩酸塩、トレミフェンクエン酸塩又はフィンゴリモド塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 頻脈性不整脈
- 通常、成人には1回0.1mL/kg(シベンゾリンコハク酸塩として1.4mg/kg)を必要に応じて生理食塩液又はブドウ糖液にて希釈し、血圧及び心電図監視下2〜5分間かけて静脈内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
慎重投与
- 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
- 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者
- 著明な洞性徐脈のある患者
- 重篤な肝機能障害のある患者
- 腎機能障害のある患者[蓄積しやすい傾向があるので、少量を投与するなど投与量に十分に注意し、慎重に観察しながら投与すること。]
- 高齢者[腎機能が低下していることが多いので、腎機能障害のある患者に準じて投与すること。(「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照)]
- 治療中の糖尿病患者[低血糖があらわれるおそれがあるので、血糖値に注意すること。]
- 血清カリウム低下のある患者[催不整脈作用が誘発されやすいので、心電図変化に注意すること。]
重大な副作用
催不整脈作用
- 心室細動(0.1%未満)、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、上室性不整脈(各0.1〜5%未満)があらわれ、心停止に至る場合もあるので、心電図に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、抗不整脈薬を投与するなど適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー
- ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、血圧低下、発疹、浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心不全
- 心不全、心原性ショック(各0.1%未満)があらわれることがあるので、心機能に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、ドパミンの投与等適切な処置を行うこと。
循環不全による肝障害
- 本剤の心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって重篤な肝障害(トランスアミナーゼ、LDHの急激な上昇を特徴とするショック肝:0.1%未満)があらわれることがある。このような場合には、投与を中止し、早急にドパミンの投与等心機能改善のための処置を行うとともに、必要に応じ肝庇護療法など適切な処置を行うこと。なお、このような症例では、腎障害を伴うことがある。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
不整脈モデルに対する作用
電気刺激による不整脈11)12)
- 麻酔ネコにおいて、心室細動を生ずる電気刺激閾値を増加させる。また、冠動脈結紮により心筋梗塞を作成したイヌにおいても、電気刺激による心室細動を抑制する。
薬物投与による不整脈11)13)
- 麻酔ラットないし麻酔イヌにおいて、アコニチン、ウワバイン及びアドレナリンにより惹起された心室性不整脈を抑制する。
冠動脈結紮による不整脈11)13)
- イヌにおいて、冠動脈二段階結紮により惹起される心室性不整脈を抑制し、その効果はジソピラミドに比べ強く、持続的である。
電気生理学的作用11)14)〜16)
- ウサギ、イヌ、モルモット及びカエルの各種摘出心筋標本で、Vaughan Williamsらの分類でのクラスI型(心筋活動電位の最大脱分極速度の抑制)の作用を示し、この抑制開始速度のキネティックスは中程度である。なお、活動電位の持続時間の延長及び高濃度において内向きCa2+電流の抑制作用を示す。また、低酸素によって惹起される心房活動電位の持続時間の短縮を抑制する。
心筋代謝に対する作用17)
- 麻酔イヌにおいて、心筋虚血による心筋ATP含量の低下、乳酸含量の増加及び心筋アシド−シスに対して改善作用を示す。
心血行動態に対する作用
- 抗不整脈作用発現量では血行動態に対して特に障害となる影響を及ぼさない。すなわち麻酔イヌあるいは冠動脈狭窄イヌにおいて心筋収縮力、心拍出量及び左心室仕事量に対する抑制作用はジソピラミドよりも弱く、また、左心室内圧max dp/dtに対して影響を及ぼさない18)。
- 不整脈患者において、本剤1.4mg/kgを静脈内投与した場合、軽度の心拍数抑制、心係数抑制並びに末梢血管抵抗の上昇がみられるが、他の心血行動態パラメーターに変化は認められない2)。
腎動脈及び冠動脈血流量に対する作用
- 腎動脈及び冠動脈血流量に対しても特に明らかな影響を及ぼさない(イヌ)19)20)。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
融点
分配係数
性状
- シベンゾリンコハク酸塩は白色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくい。本品のメタノール溶液(1→10)は旋光性を示さない。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 抗不整脈薬
商品
[★]
- 英
- cibenzoline
- 化
- コハク酸シベンゾリン シベンゾリンコハク酸塩 cibenzoline succinate
- 商
- シベノール、シノベジール
- 関
- 不整脈用剤
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3