ブセレリン
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Japanese Journal
- 星野 輝彦,宮本 浩子,長野 由美,古川 輝次,鬼塚 芳夫,中原 和彦
- 日本病院薬学会年会講演要旨集 5, 48-49, 1995-06-30
- NAID 110001266670
- 子宮内膜症に対する酢酸ブセレリン(スプレキュア)の治療効果--多施設共同臨床研究
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- スプレキュアとは、視床下部に働きかけることで脳下垂体ホルモンの分泌を抑制する点 鼻薬です。似た薬にナサニールがあります。ナサニール、スプレキュアとは商品名を指し 、これらの薬をまとめて「GnRHアゴニスト」と呼んでいます。 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
スプレキュア点鼻液0.15%
組成
- 本剤は、1瓶10mL中にブセレリン酢酸塩15.75mg(ブセレリンとして15mg)を含有する点鼻液である。(点鼻用医薬品注入器付)
添加物としてクエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム、ベンザルコニウム塩化物、pH調節剤を含有する。
禁忌
- 診断のつかない異常性器出血のある患者[類似疾患(悪性腫瘍など)のおそれがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある患者[妊娠状態の継続ができないおそれがある。「5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 授乳期の患者[動物実験で母乳への移行が認められている。「5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 本剤の成分又は他のGnRH誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
子宮内膜症
子宮筋腫の縮小及び子宮筋腫に基づく下記諸症状の改善
子宮内膜症及び子宮筋腫
- 通常、成人には1回あたり左右の鼻腔内に各々1噴霧ずつ(ブセレリンとして300μg)を1日3回、月経周期1?2日目より投与する。なお、症状により適宜増減する。
- 本剤及び他のGnRH誘導体製剤の長期投与により骨塩量の低下がみられることがあるので、GnRH誘導体製剤の6ヶ月を超える継続投与は原則として行わないこと。
中枢性思春期早発症
中枢性思春期早発症
- 左右の鼻腔に各々1噴霧投与(ブセレリンとして300μg)を1回投与とし、通常1日3?6回投与する。効果不十分のときは皮下注射法に切り替える。
本剤の効果は、本剤投与前と比較した投与2週以降におけるGnRHテストの血中LH、FSHの反応性の低下及び血中性ステロイドの低下で判断する。
慎重投与
- 肝障害のある患者[肝機能が悪化するおそれがある。]
- うつ病又はうつ状態の患者並びにそれらの既往歴のある患者[更年期障害様のうつ症状があらわれるおそれがある。]
- 粘膜下筋腫のある患者[出血症状の増悪、あるいは大量出血のおそれがある。]
- 高血圧症の患者[血圧を上昇させるおそれがあるので患者の血圧に注意すること。]
- 糖尿病の患者[耐糖能が悪化するおそれがあるので患者の血糖値に注意すること。]
- 脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある患者[血管病変が進行し、これらの疾患が増悪することがある。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、熱感、全身紅潮、血圧低下等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
うつ症状
- 更年期障害様のうつ症状を起こすことが報告されているので、本剤の使用に際しては患者の状態等を十分に観察すること。
脱毛
- 脱毛の報告があるので、患者の状態に注意し、症状があらわれた場合には投与を中止すること。
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞
- 狭心症、心筋梗塞、及び脳梗塞の報告があるので、本剤の使用に際しては患者の状態に注意し、異常が認められた場合には投与を中止すること。
血小板減少、白血球減少
- 血小板減少、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
不正出血
- 大量の不正出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
卵巣のう胞破裂
- 卵巣のう胞が破裂することがあるので、観察を十分に行い、膨満感、下腹部痛(圧痛等)等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
糖尿病の発症又は増悪
- 糖尿病の発症又は増悪があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
動物試験
子宮内膜症
下垂体?性腺系機能抑制作用12,13)
- 雌ラットあるいは雌モルモットを用いた実験で、下垂体機能の抑制(下垂体中のGnRH受容体量、LH量等の減少)と卵巣機能の抑制(卵巣中のLH受容体量、FSH受容体量、エストラジオール量、血中エストラジオール量及びプロゲステロン量の減少、妊娠の抑制)が認められた。
雌ザルを用いた実験で正常な性周期に伴う血中エストラジオール量、プロゲステロン量及びFSH量の増加の抑制、排卵の抑制、無月経、子宮内膜の萎縮や増殖休止像で示される卵巣機能の抑制が認められた。
実験的子宮内膜症に対する効果14)
- 実験的子宮内膜症ラットの実験で移植子宮片によって形成された嚢胞の体積及び重量が減少し、子宮内膜症の治癒効果が認められた。
子宮筋腫
下垂体?性腺系機能抑制作用12,13)
- 雌ラットあるいは雌モルモットを用いた実験で、下垂体機能の抑制(下垂体中のGnRH受容体量、LH量等の減少)と卵巣機能の抑制(卵巣中のLH受容体量、FSH受容体量、エストラジオール量、血中エストラジオール量及びプロゲステロン量の減少、妊娠の抑制)が認められた。
雌ザルを用いた実験で正常な性周期に伴う血中エストラジオール量、プロゲステロン量及びFSH量の増加の抑制、排卵の抑制、無月経、子宮内膜の萎縮や増殖休止像で示される卵巣機能の抑制が認められた。
中枢性思春期早発症
下垂体?性腺系機能抑制作用15,16)
- 未成熟雄ラットを用いた実験で下垂体中のLH量及びFSH量、血中LH量の減少とGnRHテスト時の下垂体反応性低下で示される下垂体機能の抑制と、精巣中のLH受容体量、血中テストステロン量、精巣重量、前立腺重量、精嚢重量の減少と精巣のテストステロン分泌能の低下で示される精巣機能の抑制が認められた。
また、未成熟雌ラットを用いた実験で下垂体GnRH受容体量の低下で示される下垂体機能の抑制と、子宮重量の減少で示される卵巣機能の抑制が認められた。
臨床薬理試験
子宮内膜症
下垂体ゴナドトロピン分泌能抑制作用17,18)
- 正常月経周期女子に、卵胞期初期から21日間連続投与したときLH、FSH分泌作用は第1日目に最大反応がみられ、以後、漸減し、LH、FSH分泌能は抑制されることが認められた。
また子宮内膜症患者に本剤を24週投与したときのLH、FSH分泌能は、著明に抑制されることがGnRHテストにより
確認された。
卵巣機能抑制作用2?4,18)
- 血中エストラジオール濃度は、本剤投与初期一過性に上昇し、その後閉経期レベルまで低下し、排卵・月経の停止、子宮内膜の萎縮がみられ、卵巣機能は抑制された。
子宮筋腫
下垂体ゴナドトロピン分泌能抑制作用17)
- 正常月経周期女子に、卵胞期初期から21日間連続投与したときLH、FSH分泌作用は第1日目に最大反応がみられ、以後、漸減し、LH、FSH分泌能は抑制されることが認められた。
子宮筋腫組織に対する効果19)
- 子宮筋腫患者に本剤を16週投与したとき、顕微鏡所見において子宮筋腫組織に高度のhyaline変性が認められた。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ブセレリン酢酸塩(buserelin acetate)
化学名
- 5‐Oxo‐L‐prolyl‐L‐histidyl‐L‐tryptophyl‐L‐seryl‐L‐tyrosyl‐O‐tert‐butyl‐D‐seryl‐L‐leucyl‐L‐arginyl‐N‐ethyl‐L‐prolinamide monoacetate
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色?微黄白色の粉末又は塊である。本品は水にやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は吸湿性である。
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- GnRH anonist
- 同
- (国試)GnRHアナログ GnRH analogue
GnRHアゴニスト
概念
- GnRH受容体アゴニスト。下垂体のGnRH受容体のダウンレギュレーションを狙って用いられる。GnRHよりGnRHに対する結合力が強く、継続的に使用することでGnRH受容体がダウンレギュレーションをうけてゴナドトロピンの分泌が抑制される。適応としては前立腺癌、閉経前乳癌治療、子宮内膜症治療である。
[★]
- 英
- gonadotropin-releasing hormone analog GnRHa
- 同
- GnRHアナログ GnRH analog
- 関
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモン誘導体、性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗物
[★]
- 英
- buserelin
- 化
- 酢酸ブセレリン buserelin acetate
- 商
- イトレリン、スプレキュア、フセット、ブセレキュア
- 関
- GnRHアゴニスト
- その他のホルモン剤
- LH-RH作動薬;前立腺癌および閉経前乳癌治療;子宮内膜症治療