ナファレリン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ナサニール点鼻液0.2%
組成
1瓶中:
容量
有効成分
添加物
- D-ソルビトール
氷酢酸
ベンザルコニウム塩化物
pH調節剤
禁忌
- 診断のつかない異常性器出血のある患者[異常性器出血の原因疾患を悪化させるおそれがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある患者[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 授乳期の患者[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 本剤の成分又は他のGn-RH誘導体に対して過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫の縮小及び子宮筋腫に基づく下記諸症状の改善
- 過多月経、下腹痛、腰痛、貧血
- 通常、成人には1回あたり片側の鼻腔内に1噴霧(ナファレリンとして200μg)を1日2回、月経周期1〜2日目より投与する。
慎重投与
- 粘膜下筋腫のある患者[出血症状を増悪させることがある。]
重大な副作用
うつ状態(0.1〜5%未満)
- エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。
血小板減少(0.1%未満)
- 血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害(0.1〜5%未満)、黄疸(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
不正出血(0.1〜5%未満)
- 大量の不正出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
卵巣のう胞破裂(頻度不明)
- 子宮内膜症患者において、卵巣のう胞が破裂することがあるので、観察を十分に行い、腹部膨満感、下腹部痛(圧痛等)等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
基礎薬理試験
下垂体−性腺機能抑制作用
- 雌サルを用いた実験で、血中LH量及びFSH量の減少で示される下垂体機能の抑制と、正常な性周期に伴う血中プロゲステロン量増加の抑制で示される卵巣機能の抑制が認められた9)。
雌イヌを用いた実験で、正常な性周期に伴う血中プロゲステロン量増加の抑制、排卵の抑制及び無月経で示される卵巣機能の抑制が認められた10)。
実験的子宮内膜症ラットを用いた実験で、下垂体中のGn-RH受容体量の減少及び血中LH量の減少で示される下垂体機能の抑制と血中エストラジオール量の減少で示される卵巣機能の抑制が認められた11)。
実験的子宮内膜症に対する効果
- 実験的子宮内膜症ラットの実験で、移植子宮内膜片の体積の減少がみられ、子宮内膜症の治癒効果が認められた11)。
臨床薬理試験
下垂体ゴナドトロピン分泌能抑制作用
- 健康成人(正常月経を有する健康な女性)を対象として、本剤を22日間反復投与したとき、投与開始直後にみられたLH、FSHの分泌の亢進は、投与継続により鈍化し、LH、FSHの分泌能は抑制されることが認められた1)。
また、子宮内膜症患者に、本剤を24週間投与したとき、LH、FSHの律動性分泌の抑制と同時にLH、FSH分泌能の著明な抑制がLH-RHテストにより確認された5)。
卵巣機能抑制作用
- 本剤の投与継続により、一過性に上昇がみられた血中エストラジオール濃度は、その後閉経レベルにまで低下し、それに伴って排卵の抑制、月経の停止等卵巣機能の抑制が認められた1〜8)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 酢酸ナファレリン(nafarelin acetate)
化学名
- (−)-5-oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-tryptophyl-L-seryl-L-tyrosyl-3-(2-naphthyl)-D-alanyl-L-leucyl-L-arginyl-L-prolylglycinamide acetate hydrate
分子式
- C66H83N17O13・xC2H4O2・yH2O
(1≦x≦2,2≦y≦8)
分子量
性状
- 酢酸ナファレリンは白色〜淡黄色の粉末である。
水に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、アセトニトリル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- GnRH anonist
- 同
- (国試)GnRHアナログ GnRH analogue
GnRHアゴニスト
概念
- GnRH受容体アゴニスト。下垂体のGnRH受容体のダウンレギュレーションを狙って用いられる。GnRHよりGnRHに対する結合力が強く、継続的に使用することでGnRH受容体がダウンレギュレーションをうけてゴナドトロピンの分泌が抑制される。適応としては前立腺癌、閉経前乳癌治療、子宮内膜症治療である。
[★]
- 英
- gonadotropin-releasing hormone analog GnRHa
- 同
- GnRHアナログ GnRH analog
- 関
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモン誘導体、性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗物
[★]
- 英
- nafarelin
- 化
- 酢酸ナファレリン nafarelin acetate
- 商
- ナサニール、ナファレリール、Synarel
- 関
- GnRHアゴニスト
- ゴナドトロピン放出ホルモン誘導体;子宮内膜症治療薬