- 英
- gonadotropin-releasing hormone gonadotropin releasing hormone GnRH
- 同
- ゴナドトロピン放出ホルモン、LH-releasing hormone、LH-RH、LHRH、luteinizing hormone-releasing hormone
- 関
- ホルモン
- gonadorelin
- Gonadotropin-Releasing Hormone
- pGlu-His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2 (MW = 1182.39)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/20 11:31:24」(JST)
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性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gonadotropin releasing hormone, GnRH)はFSHとLHを下垂体前葉から分泌させるペプチドホルモンである。これは視床下部で合成、分泌される。
目次
- 1 遺伝子
- 2 構造
- 3 神経ホルモンとしてのGnRH
- 4 FSHとLHのコントロール
- 5 活性
- 6 他の器官でのGnRH
- 7 処方
- 8 アゴニスト(作用薬)とアンタゴニスト(拮抗薬)
遺伝子
GnRH前駆体の遺伝子は第8番染色体に位置する。この前駆体は92のアミノ酸からなり、デカペプチド(10のアミノ酸)のGnRHへ加工される。
構造
GnRHの姿は1977年ノーベル賞受賞者のロジェ・ギルマンとアンドリュー・ウィクター・シャリーにより次の様に明らかにされた:pyroGlu-His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly CONH2.
神経ホルモンとしてのGnRH
GnRHは特定の神経細胞で産生され、その神経末端から放出される神経ホルモンと考えられている。視床下部のGnRHの産生の主要エリアは視索前野で、そこに殆どのGnRH分泌ニューロンが含まれている。GnRHは正中隆起の高さで門脈血流へ分泌され、性腺刺激ホルモン産生細胞の膜上にある受容体を活性化させる。GnRHはタンパク質分解によって数分の内に分解される。
FSHとLHのコントロール
下垂体ではGnRHはFSHとLHの合成と分泌を刺激し、その過程はGnRHパルスの頻度と強さ、それからアンドロゲンとエストロゲンのフィードバックである。GnRH分泌には性差が存在し、男性ではGnRHは一定の頻度で分泌されるのに対し、女性では月経周期によってその頻度が異なり、排卵前にGnRHが急激に高まる。GnRHの拍動性は全ての脊椎動物において見られ、正しい生殖機能を確実にするのに不可欠である。従って雌ではホルモンであるGnRHが単独で卵胞成長、排卵、黄体の保持という複合した過程、そして雄では精子形成をコントロールする。
活性
GnRHの活性は子供のうちは非常に低い。繁殖年齢ではパルス活性は複数のフィードバックによりコントロールされた順調な繁殖機能へ重大な意味をもつ。しかしながら、妊娠するとGnRH活性は要求されなくなる。パルス活性は視床下部・下垂体どちらかでの不全(即ち視床下部抑制)または器官の傷害(外傷、腫瘍)により乱される。プロラクチンの上昇によりGnRH活性は低下する。対照的に高インスリン血症ではパルス活性を上昇させ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で見られる様なLHとFSHの活性の障害へ導く。GnRHの形成はカルマン症候群では先天的に存在しない。ドーパミンはGnRH活性を低下させるらしい。
他の器官でのGnRH
GnRHは視床下部と下垂体以外の例えば胎盤や性腺にも見られ、そこでの役割はよく判っていない。
処方
GnRHはゴナドレリン塩酸塩(Factrel)として注射して使われる。研究によって、これが注入ポンプシステムを通して視床下部性性腺機能低下症の患者へ排卵を誘発させる事が明らかになった。
アゴニスト(作用薬)とアンタゴニスト(拮抗薬)
GnRHが合成され手に入るようになった一方で、短い半減期の所為でそれを医療へ用いるには注入ポンプを要する。GnRHのデカペプチド構造の改変により性腺刺激ホルモンへ刺激(GnRHアゴニスト)または抑制(GnRHアンタゴニスト)の作用をする類似体の薬物に行き着いた。重要なことに、ダウンレギュレーションを通してアゴニストはまた延長された抑制効果を行使することができる。
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
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視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
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GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
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脳下垂体後葉
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バソプレッシン - OXT
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脳下垂体中葉
|
MSH(インテルメジン)
|
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脳下垂体前葉
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αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - エンドルフィン - リポトロピン)
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副腎 |
副腎髄質
|
副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
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副腎皮質
|
副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
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甲状腺 |
甲状腺
|
甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
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副甲状腺
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PTH
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生殖腺 |
精巣
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テストステロン - AMH - インヒビン
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卵巣
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エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
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その他の内分泌器 |
膵臓
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グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
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松果体
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メラトニン
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内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
|
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Japanese Journal
- 新規生理活性神経ペプチドキスペプチンと性機能調節 : 脳が制御する思春期発動と高次神経活動への影響
- 凍結胚受胚牛へ胚移植前日に性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体を投与すると受胎率は向上するか
- 西貝 正彦,田中 知己,加茂前 秀夫
- 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 64(9), 712-714, 2011-09-20
- GnRH投与が凍結胚移植の受胎率に及ぼす効果を明らかにする目的で黒毛和種受胚牛80頭を無作為にA、B郡に区分し、発情後6日にGnRH群40頭にはGnRH類似体(酢酸フェルチレリン)100μg、対照群40頭には生理食塩液2mlを筋肉内に注射し、発情後7日に胚移植を行った.発情後14日に両群の各10頭について卵巣の状態と血液中プロジェステロン(P4)濃度を調べた.胚移植後40~50日に妊娠診断を行った …
- NAID 10029702259
- 新規生理活性物質キスペプチン Kisspeptin と性機能調節神経系 : 新しい間脳(視床下部)-下垂体-性腺系機能概念の構築
- 小澤 一史,託見 健,澤井 信彦 [他],岩田 衣世,中根 亮,飯島 典生
- 顕微鏡 = Microscopy 46(2), 111-118, 2011-06-30
- NAID 10029694620
- ウシ過剰排卵処理における安息香酸エストラジオールの経膣投与効果と定時授精に向けたプロスタグランジンF2α類縁体製剤および性腺刺激ホルモン放出ホルモン類縁体製剤の応用
- 西宮 弘,高橋 利清,伊藤 隆
- 秋田県農林水産技術センター畜産試験場研究報告 -(25) (-), 32-41, 2011-03-00
- NAID 40019264621
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- luteinizing hormone-releasing hormone luteinizing hormone releasing hormone, LH-releasing hormone LH releasing hormone, LHRH, LH-RH
- 同
- 黄体化ホルモン放出ホルモン。性腺刺激ホルモン放出ホルモン、Gn-RH、GnRH
- 関
- ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン負荷試験 LHRH試験
[show details]
[★]
- 英
- gonadorelin
- 化
- 酢酸ゴナドレリン gonadorelin diacetate ゴナドレリン酢酸塩、塩酸ゴナドレリン gonadorelin hydrochloride
- 商
- LH-RH注、ヒポクライン
- 関
- 黄体形成ホルモン放出ホルモン、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン
[★]
- 英
- gonadotropin-releasing hormone、GnRH
- 関
- 黄体形成ホルモン放出ホルモン、ゴナドレリン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、塩酸ゴナドレリン
[★]
- 英
- GnRH challenge test
- 同
- GnRHテスト、LHRHテスト
- 関
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモン GnRH
[★]
性腺刺激ホルモン放出ホルモン
[★]
- 英
- gonadotropin-releasing hormone derivative, GnRH derivative
- 同
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモン作動薬 gonadotropin-releasing hormoneagonist
[★]
- 英
- isolated gonadotropin-releasing hormone deficiency, isolated GnRH deficiency
- 関
- 性腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン
[★]
- 英
- gonadotropin-releasing hormone stimulation test, GnRH stimulation test
- 関
- 黄体形成ホルモン放出ホルモン負荷試験
[★]
- 英
- gonadotropin-releasing hormoneagonist
- 関
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモン誘導体
[★]
- 英
- gonadotropin-releasing hormoneantagonist, GnRH antagonist
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- sexual gland, gonad
- ラ
- gonada, gonadum
- 同
- 生殖腺 reproductive gland
- 関
- 発生第7週まで生殖腺に男女の別のは形態的に現れない。(L.303)
- 生殖堤:体腔上皮+間葉凝縮
- 原始生殖細胞:発生の早期に尿膜に近い卵黄嚢壁の内胚葉細胞の間に出現。後腸の背側腸間膜に沿ってアメーバ様運動により移動。発生第5週の初めに原始生殖腺に達し、第6週に生殖堤に進入する。(L.303)
- 原始生殖索:原始生殖細胞が生殖堤に到達する直前またはその経過中に生殖堤の体腔上皮は活発に増殖し、上皮細胞はその下層の間葉へ進入する。これらの細胞により多数の不規則な細胞索を形成されたものをいう。(L.303)
- 未分化生殖腺:原始生殖索は表面の上皮と結合したままであり、男女の区別ができない。この状態の生殖腺を指す。(L.303)
男性の生殖腺 L.303-306
女性の生殖腺
[★]
- 英
- gonadotropin, gonadotropins (Z), gonadotropic hormone GTH
- 同
- ゴナドトロピン
- 関
- FSH、LH。性腺刺激ホルモン放出ホルモン GnRH
概念
- 性腺(精巣や卵巣)の発育と内分泌機能に刺激作用をもつホルモンの総称。
- 下垂体前葉から卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)が分泌される。
男性
- SP.904 SURO.294
[★]
- 英
- release、emission、discharge、ejection、extrusion、egress、release、desorb
- 関
- 駆出、退院、脱着、突出、排出、排泄物、拍出、発光、発射、分泌、娩出、放電、遊離、流出、漏出、追放、眼脂、リリース
[★]
- 英
- (刺激そのもの)stimulus、stimuli。(行為)stimulation、、stimulate、irritate、incite、(薬物や抗原で)prime
- 同
- impulse
- 関
- 刺激作用、煽動、抗原刺激、扇動、予備刺激