- 英
- carbonic acid
WordNet
- turn into a carbonate
- a salt or ester of carbonic acid (containing the anion CO3)
- treat with carbon dioxide; "Carbonated soft drinks"
PrepTutorEJDIC
- 炭酸塩 / …'を'炭酸塩化する,炭酸で飽和させる / …'を'炭化させる
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/03 05:33:31」(JST)
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|
この項目では、化学物質の炭酸について説明しています。サイダー、コーラなどの炭酸の入った清涼飲料水については「炭酸飲料」をご覧ください。 |
炭酸 |
|
|
|
別称
二酸化炭素溶液
Dihydrogen carbonate
acid of air
Aerial acid
Hydroxymethanoic acid
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
463-79-6 |
ChemSpider |
747 |
KEGG |
C01353 |
ChEMBL |
CHEMBL1161632 |
|
- InChI=1S/CH2O3/c2-1(3)4/h(H2,2,3,4)
Key: BVKZGUZCCUSVTD-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/CH2O3/c2-1(3)4/h(H2,2,3,4)
Key: BVKZGUZCCUSVTD-UHFFFAOYAU
|
特性 |
化学式 |
H2CO3 |
モル質量 |
62.03 g/mol |
密度 |
1.0 g/cm3 (希薄溶液) |
融点 |
n/a
|
水への溶解度 |
溶液中にのみ存在 |
酸解離定数 pKa |
6.352 (pKa1) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
炭酸(たんさん、英: carbonic acid)は、化学式 H2CO3 で表される炭素のオキソ酸であり弱酸の一種である。
目次
- 1 性質
- 2 炭酸の不安定性
- 3 炭酸と雨水
- 4 脚注
- 5 関連項目
性質
普通は水溶液(炭酸水)中のみに存在し、水に二酸化炭素を溶解(炭酸飽和)することで生じる。
水に溶解した二酸化炭素の一部は水分子の付加により炭酸となる。
この反応の平衡定数 (Kh) は 25 °Cで 1.7 × 10−3 であり[1]、著しく左に偏っているため水溶液中の二酸化炭素の大部分は CO2 分子として存在する。触媒が存在しない場合、二酸化炭素と炭酸の間の反応が平衡に達する速度は低く、正反応の速度定数は 0.039 s−1、逆反応の速度定数は 23 s−1 である。
二酸化炭素と炭酸の平衡は体液の酸性度を調節する上で非常に重要であり、ほとんどの生物はこれら2つの化合物を変換させるための炭酸脱水酵素を持っている。この酵素は反応速度をおよそ10億倍にする。
炭酸は水溶液中で2段階の解離を起こす。25 ℃における酸解離定数は1段階目が pKa1 = 3.60、2段階目が pKa2 = 10.25 であり、炭酸は真の解離定数において酢酸よりも強い酸であるが、上記の二酸化炭素との平衡が存在するために、見かけ上の pKa* が高い非常に弱い酸である。このため炭酸塩は相応の塩基性を示し、灰汁として古代より日常生活のアルカリとして洗浄などに活用されてきた。
酸解離に関する標準エンタルピー変化、ギブス自由エネルギー変化、エントロピー変化の値が報告されており[2]、解離に伴いエントロピーの減少がおこるのは、電荷の増加に伴いイオンの水和の程度が増加し、電縮が起こり水分子の水素結合による秩序化の度合いが増加するからである[3]。この値は以下の平衡に対するものでpKa1*は見かけの酸解離定数である。
- ,
- ,
|
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|
第一解離 |
7.64 kJ mol−1 |
36.34 kJ mol−1 |
−96.3 J mol−1K−1 |
−377 J mol−1K−1 |
第二解離 |
14.85 kJ mol−1 |
58.96 kJ mol−1 |
−148.1 J mol−1K−1 |
−272 J mol−1K−1 |
炭酸の不安定性
長い間、炭酸そのものを室温で単離することは不可能だと考えられていた。しかし、1991年にNASA・ゴダード宇宙飛行センターの科学者が初めて純粋な H2CO3 を作り出すことに成功した[4]。彼らは凍結させた水と二酸化炭素に高エネルギーの放射線を照射したのち、加温して余分な水を取り除くことにより単離を行った。得られた炭酸の構造は赤外分光法によって検討された。宇宙空間には水や二酸化炭素の氷が普通に存在することから、この実験結果は宇宙線や紫外線によってそれらが反応することで生成した炭酸も宇宙空間には存在する可能性があることを示唆している。
理論計算によって、水が1分子でも存在すると炭酸はすぐに二酸化炭素と水に戻ってしまうが、水を含まない純粋な炭酸は気体状態で安定であることが示されており、その半減期はおよそ18万年であると見積もられている[5]。
炭酸と雨水
大気中の二酸化炭素 (0.033 %) が溶け込んだ水の pH は 5.6 である。通常の雨水は二酸化炭素で飽和状態になってはいないため、大気汚染物質がなければその pH は 6 前後である。これは二酸化硫黄などの工業廃棄物によって雨水の pH が激しく低下する酸性雨現象とは異なる。しかし、雨の酸性度はチョークや石灰岩などの炭酸塩鉱物に関する重要な地質学的問題である。岩石に含まれる炭酸カルシウムと炭酸水素カルシウムの間には、以下のような溶液中での平衡が成り立っている。
これにより、水が入りこんだ断層線付近の地下洞窟が浸食されることがある。カルシウムを多く含んだ水が蒸発すると炭酸カルシウムが沈殿し、しばしば鍾乳石や石筍を形成する。チョークからなる帯水層からくみ上げられた水は多量の炭酸カルシウムが溶解しており、「硬水」と呼ばれる。
脚注
- ^ Welch, M. J.; Lipton, J. F.; Seck, J. A. (1969). "Tracer studies with radioactive oxygen-15. Exchange between carbon dioxide and water". J. Phys. Chem. 73: 3351–3356. DOI: 10.1021/j100844a033
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ 田中元治 『基礎化学選書8 酸と塩基』 裳華房、1971年
- ^ Moore, M. H.; Khanna, R. (1991). "Infrared and Mass Spectral Studies of Proton Irradiated H2O + CO2 Ice: Evidence for Carbonic Acid". Spectrochim. Acta [A] 47: 255–262.
- ^ Loerting, T.; Tautermann, C.; Kroemer, R. T.; Kohl, I.; Mayer, E.; Hallbrucker, A.; Leidl, K. R. (2000). "On the Surprising Kinetic Stability of Carbonic Acid". Angew. Chem., Int. Ed. 39: 891–894. DOI: 10.1002/(SICI)1521-3773(20000303)39:5<891::AID-ANIE891>3.0.CO;2-E
関連項目
|
ウィキメディア・コモンズには、炭酸に関連するカテゴリがあります。 |
水素の化合物 |
|
二元化合物 |
AlH3 · AsH3 · BH3 · B2H6 · CaH2 · CH4 · GaH3 · GeH4 · HAt · HBr · HCl · HF · HI · HN3 · H2O · H2O2 · H2O3 · H2S · H2S2 · H2Se · KH · NaH · NH3 · PH3 · SiH4
|
|
多元化合物 |
H3AsO4 · H5As3O10 · HAuCl4 · HBF4 · HBiO3 · HBO2 · H3BO3 · HBrO · HBrO2 · HBrO3 · HBrO4 · HClO · HClO2 · HClO3 · HClO4 · HClO5 · HCN · H2CrO4 · H2Cr2O7 · H2CO3 · H2CO4 · H2CS3 · H[CuCl2] · H2[CuCl4] · HFO · HIO · HIO3 · HIO4 · H5IO6 · HMnO4 · H2MoO4 · HNC · HNCO · HNO2 · HNO3 · HNO4 · H2N2O2 · HOCN · HCNO · HPH2O2 · H2PHO3 · H3PO3 · H3PO4 · H3PO5 · H4P2O7 · H4P2O8 · H5P3O10 · H2[PtCl4] · H2[PtCl6] · HReO4 · HRuO4 · H2RuO4 · H2SeO3 · H2SeO4 · H2SeO5 · H2SiF6 · H2SiO3 · H4SiO4 · H2Si2O5 · HSNC · HSCN · H2SO4 · H2SO5 · H2S2O3 · H2S2O4 · H2S2O6 · H2S2O7 · H2S2O8 · HTcO4 · H2TeO3 · H6TeO6 · HVO3 · H3VO4 · H4V2O7 · H2WO4 · H2XeO4
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
AK-ソリタ透析剤・FL
組成
- 本剤はA剤及びB剤よりなる組合せ製剤であり、A剤は1本中9L入りの濃厚原液で、B剤は液体で1本11.5L中炭酸水素ナトリウム738gを含む。希釈前の成分、分量及び35倍希釈後の電解質濃度・浸透圧は下記のとおりである。
希釈前の成分、分量
A剤
成分(1本(9L)中)
- 塩化ナトリウム 1,961g
塩化カリウム 47g
塩化カルシウム水和物 58g
塩化マグネシウム 32g
酢酸ナトリウム 233g
ブドウ糖 315g
添加物(1本(9L)中)
B剤
成分(1本(11.5L)中)
A・B剤希釈調製後の電解質濃度(mEq/L)
A剤
- Na+ 115.5
K+ 2.0
Ca2+ 2.5
Mg2+ 1.0
Cl− 112(性状の項参照)
Acetate− 9
Glucose 1g/L
浸透圧(理論値) 245.8mOsm/L
B剤
- Na+ 27.5
HCO3− 27.5
浸透圧(理論値) 55mOsm/L
A剤+B剤
- Na+ 143
K+ 2.0
Ca2+ 2.5
Mg2+ 1.0
Cl− 112(性状の項参照)
HCO3− 27.5
Acetate− 9
Glucose 1g/L
浸透圧(理論値) 300.8mOsm/L
効能または効果
- 慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液として、活性型ビタミンD3剤やカルシウム剤の投与などによる高カルシウム血症の場合であって、以下の要因を持つものに用いる。
- ・無糖の透析液では、血糖値管理の困難な場合
- ・カリウム、マグネシウムの高い透析液では、高カリウム血症、高マグネシウム血症の改善が不十分な場合
- 用時、本剤のB剤1容に対し水26容を加えて希釈し、この希釈液34容に対してA剤1容を加えて希釈して用いる。
用量は、透析時間により異なるが、通常、灌流液として150〜300Lを用いる。
慎重投与
- 高度の肝障害又は重症糖尿病等による酢酸代謝障害のある患者
[酢酸による作用(末梢血管拡張作用、心機能抑制)により、血圧低下等の症状があらわれるおそれがある。]
- ジギタリス配糖体製剤投与中の患者
[血清カリウム値低下によるジギタリス中毒発症のおそれがあるので、必要に応じカリウムを本剤に添加して使用すること。]
薬効薬理
- 本剤は透析型人工腎臓の透析液として用いた血液透析療法において次の効果を示した。
- 血清電解質の維持・是正効果及び血液酸塩基平衡の是正効果
- 窒素代謝産物(血液尿素窒素、尿酸、クレアチニン)及び体内過剰水分の除去効果
- 血糖の維持効果
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- oxo acid、oxoacid
。]]
オキソ酸(オキソさん、Oxoacid)とは、ある原子にヒドロキシル基 (-OH) とオキソ基 (=O) が結合しており、且つそのヒドロキシル基が酸性プロトンを与える化合物のことを指す<ref>IUPAC Gold Book - oxoacids</ref>。ただし、無機化学命名法IUPAC1990年勧告のオキソ酸の定義では、先述した化合物の他にアクア酸(aqua acid)<ref>中心金属イオンに配位した水分子に酸性プロトンが存在する酸。例:ヘキサアクア鉄(III)イオン</ref>、ヒドロキソ酸(hydroxoacid)<ref>隣接するオキソ基が存在しないヒドロキシル基に酸性プロトンが存在する酸。例:オルトケイ酸 (H4SiO4)</ref>もオキソ酸に含まれることになる。無機化合物のオキソ酸の例としては硫酸や硝酸、リン酸などが挙げられる。有機化合物で最も重要なオキソ酸はカルボン酸である。酸性の強弱は化合物の種類によりさまざまなものがある。一般に、オキソ酸は多原子イオンと水素イオンを与える。
オキソ酸が脱水縮合することで、ポリオキソ酸が生成する。例えば、リン酸では二リン酸、三リン酸である。酸無水物も同様に、オキソ酸の脱水縮合生成物にあたる。遷移金属元素のオキソ酸は金属オキソ酸(ポリ酸)と呼ぶ。
ポーリングの規則
単核オキソ酸の酸性度の強さを推定する2つの経験則としてポーリングの規則(Pauling's rules)が知られている。
- 1, 中心元素 E のオキソ酸の化学式が EOm(OH)n で表されるときに、酸解離定数 Ka は次の関係式で表される。
- <math>\mbox{p}K_a = -\log K_a \approx 8 - 5m </math>
- 2, n>1の酸の逐次酸解離のpKa値はプロトン解離が1回起こる毎に5ずつ増加する。
ただし、この規則に従わないオキソ酸も存在する。例えば炭酸の推定値は3であるが実測値は6.4である。これは水溶液中に溶けている二酸化炭素が僅かしか炭酸にならないためである。このことを考慮に入れるとpKa値は規則通り約3.6となる。また、亜硫酸も規則に従わない。これは溶液中に亜硫酸分子は検出されず、さらにSO2が複雑な平衡を持っているからである。
- <math>\rm CO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H_2CO_3</math>
- <math>\rm SO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H^+ + HSO_3^-</math>
オキソ酸の一覧
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ
<references/>
関連項目
[★]
- 英
- ornithine cycle
- 同
- 尿素サイクル 尿素回路 urea cycle、クレブス-ヘンゼライト回路 Krebs-Henseleit cycle、オルニチンサイクル
- 関
- オルニチン、尿素
ミトコンドリア内の反応
1) アンモニア + 炭酸 + 2ATP → ADP + Pi + カルバモイルリン酸
5)から
↓
2) カルバモイルリン酸 + オルニチン → シトルリン + Pi
↓
3)へ
サイトソルの反応
2)から
↓
3) シトルリン + アスパラギン酸 + ATP → AMP + ピロリン酸 + アルギニノコハク酸
4) アルギニノコハク酸 → フマル酸 + アルギニン
5) アルギニン + 水 → 尿素 + オルニチン
↓
2)へ
|
ornithine
|
----------mitochondria
|
ornithine
|
|<-carbamoyl phosphate {ornithine transcarbamoylase}
|
citrulline
|
----------mitochondria
|
citrulline
|
|<-aspartate {argininosuccinate synthase}
|
argininosuccinate
|
|->fumarate {argininosuccinase}
|
arginine
|
|<-H2O
| {arginase}
|->urea
|
ornithine
|
臨床関連
[★]
- 英
- carbon、C、carbonic
- 関
- カルボニック、クーロン、システイン、シトシン、炭酸、カーボン
[★]
炭酸、(化合物)炭酸塩
- 関
- carbonic、carbonic acid
[★]
- 関
- carbonate、carbonic
- 同
- H2CO3
[★]
- 英
- arterial alveolar carbon dioxide difference, aADCO2, a-ADCO2
- 関
- 肺胞気動脈血ガス分圧較差
- 換気血流比が小さい場合に著しい → シャントの傾向
[★]
- 英
- calcium carbonate
- 商
- 沈降炭酸カルシウム、炭カル
- 関
- 制酸剤
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%AD%E9%85%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0
[★]
- 英
- alveolar CO2 concentration
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義