- 英
- sulfonic acid、sulfonate
- 関
- スルホン化、スルホン酸塩
WordNet
- a salt of sulphonic acid
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/29 21:20:08」(JST)
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スルホン酸(スルホンさん、Sulfonic acid)はスルホ基 (別名、スルホン基、スルホン酸基) (-SO3H, sulfo group) が置換した化合物の総称である。一般的には炭素骨格にスルホ基が置換した有機化合物をさす。一方、スルホン酸の置換基 (R-) が炭素骨格を含まない無機のスルホン酸はハロゲンと置換した塩化スルホン酸(クロロ硫酸)、フルオロスルホン酸は存在するが、水素と置換した無置換の無機スルホン酸は存在しない(その他の硫黄のオキソ酸については硫黄を参照)。
スルホ基は硫酸と同様に強酸性を示し、その陰イオンは水と良く水和するので、染料や界面活性剤を始め多くの有機化合物に導入され利用されている。
スルホン酸化合物を合成するには、大別して
- 相当するチオール、ジスルフィドあるいはスルフィン酸化合物を過マンガン酸塩などで完全に酸化する。
- 芳香族化合物に対して、発煙硫酸あるいはクロロ硫酸などを用いて親電子置換反応でスルホ基を導入する。
などの方法が取られる。通常、後者の芳香族化合物に対し親電子置換反応でスルホ基を導入する反応をスルホン化反応と呼ぶ。例としてベンゼンのスルホン化の反応式を示す。
芳香族スルホン酸(特にニトロ基などが存在し、電子欠乏性の芳香族化合物)はイプソ型中間体を経由すると考えられる求核置換反応を受ける。代表的な例としては芳香族スルホン酸塩を水酸化ナトリウム中で溶融しフェノール化合物へと導く反応が挙げられる。
あるいは発色団である芳香族アゾ化合物にスルホ基を導入した酸性染料は水に対する溶解性も良く、その上絹、羊毛なナイロンなどのアミド結合の窒素原子とスルホ基とが結合(水素結合)するので染色性も格段に優れている。
あるいは、スルホ基を導入した界面活性剤は強酸の塩の為に溶液はアルカリ性を示さず(中性洗剤)、硬水中でも不溶性の塩(スカム)を発生しないので、洗剤として多用されている。また人体に対する毒性も低いものが多いため、塩基性の医薬には溶解性を上げる目的でスルホン酸の塩として供給されるものがある。
スルホ基
スルホン酸が持つ -SO3H の官能基はスルホ基 (sulfo group) と呼ばれる。強酸性と強い電子求引性を示す。
代表的なスルホン酸化合物
- メタンスルホン酸
- ベンゼンスルホン酸
- p-トルエンスルホン酸(トシル酸)
- 10-カンファースルホン酸 (CSA)
- マジック酸
- タウリン
- 合成洗剤(ABS洗剤)
関連項目
官能基 |
|
- アセチル基
- アセトキシ基
- アクリロイル基
- アシル基
- アルコール
- アルデヒド
- アルカン
- アルケン
- アルキン
- アルコキシ基
- アミド
- アミン
- アゾ化合物
- ベンゼン
- カルベン
- カルボニル基
- カルボン酸
- シアネート
- ジスルフィド
- ジオキシラン
- エステル
- エーテル
- エポキシド
- ハロゲン化アルキル
- ヒドラゾン
- ヒドロキシ基
- イミド
- イミン
- イソシアネート
- イソチオシアネート
- イソニトリル
- ケトン
- メチル基
- メチレン
- メチン基
- ニトリル
- ニトレン
- ニトロ化合物
- ニトロソ化合物
- 有機リン化合物
- オキシム
- ペルオキシド
- リン酸
- ピリジン
- セレノール
- スルホン
- スルホン酸
- スルホキシド
- チオエステル
- スルフィド
- チオエーテル
- チオケトン
- チオール
- 尿素
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Components of the carrier solvents and separation performance in the tube radial distribution chromatography using a fused-silica capillary tube
- Jinno Naoya,Hayashi Yoichiro,Hashimoto Masahiko,Tsukagoshi Kazuhiko
- 同志社大学理工学研究報告 52(3), 177-180, 2011-10
- … モデル検体として1-ナフトールと2,6-ナフタレンジスルホン酸の混合試料を用い、チューブ内に注入した。 … このとき1-ナフトールが最初に検出され、続いて2,6-ナフタレンジスルホン酸が検出された。 …
- NAID 110008692611
- 合成洗剤アルキルベンゼンスルホン酸の酵母に対する毒性解析と変異株の単離
- 神道 麻美,伊藤 昇,菅井 貴裕,田中 進,保坂 公平
- The Kitakanto medical journal 61(3), 467-467, 2011-08-01
- NAID 120003338779
- チオスルホン酸エステルとジスルフィドの無溶媒合成と反応機構
- 谷藤 尚貴,山本 耕平
- 日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology 16(3), 105-108, 2011-07-31
- … 溶媒無使用条件において進行するチオスルホン酸及びジスルフィドの合成反応において,報告例の少ない2分子間のクロスカップリングを開発し,溶媒和の無い条件での反応について各種機器分析を用いて直接観測することにより追跡することで,それぞれの反応の溶媒和の無い条件における反応特性を明らかにした.チオスルホン酸エステルの合成は,3段階の反応がすべて固体状態でも進行することによ …
- NAID 110008686641
Related Links
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- 【ベストアンサー】ラウレスは たんぱく質を分解する働きがあります。 ヤシ油を配合することで 酸化を強くしない働きがあります。 スルホン酸のほうは 界面活性剤なので 汚れを浮き出す効果 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
メサドリンS配合顆粒
組成
成分・含量(1g中)
- アズレンスルホン酸ナトリウム水和物 3.0mg
日局 L−グルタミン 990.0mg
効能または効果
下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎
- 通常成人1日1.5〜2.0gを3〜4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
薬効薬理
抗潰瘍作用
- アスピリン又はインドメタシンによる潰瘍生成を有意に抑制した(ラット)。3)
胃粘膜保護作用
- アスピリン経口投与時、胃粘膜内ヘキソサミンの減少を有意に抑制した(ラット)。3)
抗炎症作用
- アスピリン胃炎において、胃内液量及び粘膜色素量を有意に減少させ、抗炎症効果を認めた(ラット)。3)
有効成分に関する理化学的知見
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物
一般名
- アズレンスルホン酸ナトリウム水和物(Sodium Gualenate Hydrate)
化学名
- "Sodium 1,4-dimethyl-7-isopropylazulene-3-sulfonate"
分子式
分子量
性状
- 暗青色の結晶又は結晶性の粉末で、におい及び味はない。メタノールにやや溶けやすく、水又は酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、無水酢酸、ジエチルエーテル又はヘキサンにほとんど溶けない。
水溶液(1→200)のpHは6.0〜9.0である。
光により変化する。
- L−グルタミン
一般名
化学名
- "(2S)-2,5-Diamino-5-oxopentanoic acid"
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末で、わずかに特異な味がある。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- oxo acid、oxoacid
。]]
オキソ酸(オキソさん、Oxoacid)とは、ある原子にヒドロキシル基 (-OH) とオキソ基 (=O) が結合しており、且つそのヒドロキシル基が酸性プロトンを与える化合物のことを指す<ref>IUPAC Gold Book - oxoacids</ref>。ただし、無機化学命名法IUPAC1990年勧告のオキソ酸の定義では、先述した化合物の他にアクア酸(aqua acid)<ref>中心金属イオンに配位した水分子に酸性プロトンが存在する酸。例:ヘキサアクア鉄(III)イオン</ref>、ヒドロキソ酸(hydroxoacid)<ref>隣接するオキソ基が存在しないヒドロキシル基に酸性プロトンが存在する酸。例:オルトケイ酸 (H4SiO4)</ref>もオキソ酸に含まれることになる。無機化合物のオキソ酸の例としては硫酸や硝酸、リン酸などが挙げられる。有機化合物で最も重要なオキソ酸はカルボン酸である。酸性の強弱は化合物の種類によりさまざまなものがある。一般に、オキソ酸は多原子イオンと水素イオンを与える。
オキソ酸が脱水縮合することで、ポリオキソ酸が生成する。例えば、リン酸では二リン酸、三リン酸である。酸無水物も同様に、オキソ酸の脱水縮合生成物にあたる。遷移金属元素のオキソ酸は金属オキソ酸(ポリ酸)と呼ぶ。
ポーリングの規則
単核オキソ酸の酸性度の強さを推定する2つの経験則としてポーリングの規則(Pauling's rules)が知られている。
- 1, 中心元素 E のオキソ酸の化学式が EOm(OH)n で表されるときに、酸解離定数 Ka は次の関係式で表される。
- <math>\mbox{p}K_a = -\log K_a \approx 8 - 5m </math>
- 2, n>1の酸の逐次酸解離のpKa値はプロトン解離が1回起こる毎に5ずつ増加する。
ただし、この規則に従わないオキソ酸も存在する。例えば炭酸の推定値は3であるが実測値は6.4である。これは水溶液中に溶けている二酸化炭素が僅かしか炭酸にならないためである。このことを考慮に入れるとpKa値は規則通り約3.6となる。また、亜硫酸も規則に従わない。これは溶液中に亜硫酸分子は検出されず、さらにSO2が複雑な平衡を持っているからである。
- <math>\rm CO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H_2CO_3</math>
- <math>\rm SO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H^+ + HSO_3^-</math>
オキソ酸の一覧
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ
<references/>
関連項目
[★]
スルホン酸、スルホン酸塩、ルホン化する
- 関
- sulfonation、sulfonic acid
[★]
- 英
- sulfonation、sulfonate
- 関
- スルホン酸、スルホン酸塩
[★]
- 英
- sulfonate
- 関
- スルホン化、スルホン酸
[★]
スルホン酸
- 関
- sulfonate
[★]
- 英
- chloromercuribenzenesulfonate
- 関
- p-クロロ水銀フェニルスルホン酸、クロロ水銀フェニルスルホン酸、4-クロロ水銀ベンゼンスルホン酸
[★]
- 英
- colistimethate
- 関
- コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム、コリスチメタート
[★]
- 英
- p-chloromercuribenzenesulfonate
- 関
- p-クロロ水銀フェニルスルホン酸
[★]
- 英
- (n
- 関
- p-クロロ水銀フェニルスルホン酸
[★]
- 英
- 2-aminoethanesulfonicacid
- 関
- アミノエチルスルホン酸
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- sulfo
- 関
- スルフォ