- 英
- sulfurous acid、sulfite、sulfurous
- 関
- 亜硫酸塩、イオウ酸
WordNet
- of or related to or containing sulfur or derived from sulfur (同)sulphurous
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/01 09:15:42」(JST)
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亜硫酸 |
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識別情報 |
CAS登録番号 |
7782-99-2 |
特性 |
化学式 |
H2SO3 |
モル質量 |
82.07 g/mol |
危険性 |
MSDS |
ICSC 0074 |
EU分類 |
腐食性(C) |
EU Index |
016-011-00-9 |
Rフレーズ |
R20, R34 |
Sフレーズ |
(S1/2), S9, S26, S36/37/39, S45 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
亜硫酸(ありゅうさん、sulfurous acid)は、化学式 H2SO3 で表される硫黄のオキソ酸で、二酸化硫黄の水溶液中に存在するとされる酸である。分子量 82 。酸性雨に含まれる物質の1つである。
遊離酸は不安定なため単離できない。古くは水溶液としては存在するとされていたが、ラマンスペクトルにおいて (HO)2SO という構造を持つ化合物が全く検出されないことから、実際には水溶液中での平衡は以下のようなものであると考えられている[1]。
この反応の平衡定数は K1 = 1.3 × 10−2 である。また、水溶液中では、亜硫酸水素イオンは2量化した構造との平衡にある[2]。
亜硫酸イオンは溶存酸素と反応し、硫酸イオンとなる。
塩
亜硫酸の塩は安定である。この性質は炭酸に似ている。水溶液中では溶存酸素と反応するため、脱酸素剤として利用されている。
- 亜硫酸アンモニウム ((NH4)2SO3)
- 亜硫酸カリウム (K2SO3)
- 亜硫酸水素ナトリウム (NaHSO3)
- 亜硫酸ナトリウム (Na2SO3)
- 亜硫酸鉄 (FeSO3)
結晶構造およびラマンスペクトル[3][4]から、亜硫酸水素イオンには水素原子が硫黄原子についた構造 (H−SO3−)と水素が酸素原子についた構造(HO-SO2−)の異性体が存在し、溶液中では相互変換により両者の比率が温度に依存して変化することが明らかとなっている。
脚注
- ^ Jolly, W. L. (1991). Modern Inorganic Chemistry (2nd ed). McGraw-Hill: New York. ISBN 0-07-112651-1.
- ^ Connick, R. E.; Tam, T. M.; von Deuster, E. (1982). "Equilibrium constant for the dimerization of bisulfite ion to form disulfite(2-) ion". Inorg. Chem. 21: 103–107. DOI: 10.1021/ic00131a020
- ^ Simon, A.; Kriegsmann, H. (1956). Chem. Ber. 89: 2442.
- ^ Littlejohnm D.; Walton, S. A.; Chang, S.-G.; (1992). Appl. Spectroscopy 46: 848.
関連項目
- 二酸化硫黄
- 酸性雨
- 足尾銅山
- 亜ジチオン酸
- 二硫酸
- 二亜硫酸
- チオ硫酸
- ジチオン酸
- ポリチオン酸
- 硫酸
- ペルオキソ二硫酸
- 過硫酸
- 発煙硫酸
- ワイン
水素の化合物 |
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二元化合物 |
AlH3 · AsH3 · BH3 · B2H6 · CaH2 · CH4 · GaH3 · GeH4 · HAt · HBr · HCl · HF · HI · HN3 · H2O · H2O2 · H2O3 · H2S · H2S2 · H2Se · KH · NaH · NH3 · PH3 · SiH4
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多元化合物 |
H3AsO4 · H5As3O10 · HAuCl4 · HBF4 · HBiO3 · HBO2 · H3BO3 · HBrO · HBrO2 · HBrO3 · HBrO4 · HClO · HClO2 · HClO3 · HClO4 · HClO5 · HCN · H2CrO4 · H2Cr2O7 · H2CO3 · H2CO4 · H2CS3 · H[CuCl2] · H2[CuCl4] · HFO · HIO · HIO3 · HIO4 · H5IO6 · HMnO4 · H2MoO4 · HNC · HNCO · HNO2 · HNO3 · HNO4 · H2N2O2 · HOCN · HCNO · HPH2O2 · H2PHO3 · H3PO3 · H3PO4 · H3PO5 · H4P2O7 · H4P2O8 · H5P3O10 · H2[PtCl4] · H2[PtCl6] · HReO4 · HRuO4 · H2RuO4 · H2SeO3 · H2SeO4 · H2SeO5 · H2SiF6 · H2SiO3 · H4SiO4 · H2Si2O5 · HSNC · HSCN · H2SO4 · H2SO5 · H2S2O3 · H2S2O4 · H2S2O6 · H2S2O7 · H2S2O8 · HTcO4 · H2TeO3 · H6TeO6 · HVO3 · H3VO4 · H4V2O7 · H2WO4 · H2XeO4
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硫黄の化合物 |
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二元化合物 |
SBr2 · SBr4 · S2Br2 · SCl2 · SCl4 · S2Cl2 · SF2 · SF4 · SF6 · S2F2 · S2F4 · S2F10 · SO · SO2 · SO3 · S2O
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三元化合物 |
H2SO3 · H2SO4 · H2SO5 · H2S2O3 · H2S2O4 · H2S2O5 · H2S2O6 · H2S2O7 · H2S2O8 · NSF · NSF3 · SOBr2 · SOCl2 · SOF2 · SOF4 · SO2Cl2 · SO2F2
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四元・五元化合物 |
HSCN · HSO3Cl · HSO3F · HSO3NH2 · SO2ClF · SO2(NH2)2
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酸性雨 |
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現象 |
酸性雨 - 立ち枯れ - 黒い森 - 黒い三角地帯 - アシッドショック
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原因物質 |
窒素酸化物 - 硫黄酸化物 - 亜硫酸
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条約法規等 |
長距離越境大気汚染条約 - 欧州監視評価計画議定書 - EMEP議定書 - ヘルシンキ議定書 - ソフィア議定書 - オスロ議定書 - 国別排出上限指令(EU) - 大気浄化法(米) - 自動車NOx・PM法・ディーゼル車規制条例(日)
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モニタリング |
EANET(東アジア) - EMEP(ヨーロッパ) - CANSAP(カナダ) - NAPAP(米国)
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Cyanidioschyzon merolaeにおける亜硝酸を選択的に還元する新規亜硫酸還元酵素
- 三橋 秀基,後藤 真弓,真下 啓一,重原 哲也,矢野 新太郎
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(5), 427-433, 2011-05-28
- … ーターとして認識されつつある.しかし,血液中硫化水素の濃度測定は低濃度であり干渉する物質の存在のため難しく臨床的研究は数少ない.一方,腎不全では含硫アミノ酸代謝異常がおこりシステインや亜硫酸などの硫黄化合物が血中に上昇することが知られている.われわれは透析患者において硫化水素代謝異常の可能性を推測し,高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography:HPLC)を用いたSavage …
- NAID 10029406812
Related Links
- 亜硫酸(ありゅうさん、sulfurous acid)は、化学式 H2SO3 で表される硫黄のオキソ酸で 、水と二酸化硫黄が反応してできる ... 結晶構造およびラマンスペクトルから、亜硫酸 水素塩は水素原子が硫黄原子についた構造 (H−SO3−) を持つことが明らかにされて いる ...
- 亜硫酸ナトリウム(ありゅうさんナトリウム、sodium sulfite)は亜硫酸のナトリウム塩で、 化学式 Na2SO3 で表される無機化合物。 排煙脱硫の過程で二酸化硫黄 SO2 を吸収 した洗浄液に含まれる。ドライフルーツの退色を防いだり、肉類を保存する際の防腐剤 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アルベカシン硫酸塩注射液25mg「タイヨー」
組成
1管(0.5mL)中:
添加物
- 亜硫酸水素ナトリウム…0.25mg
等張化剤、pH調節剤
禁忌
- 本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
適応菌種
- アルベカシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
適応症
成人への投与
- 通常、成人にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回150〜200mg(力価)を30分〜2時間かけて点滴静注する。必要に応じ、1日150〜200mg(力価)を2回に分けて点滴静注することもできる。また、静脈内投与が困難な場合、アルベカシン硫酸塩として、1日150〜200mg(力価)を1回又は2回に分けて筋肉内注射することもできる。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
小児への投与
- 通常、小児にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回4〜6mg(力価)/kgを30分かけて点滴静注する。必要に応じ、1日4〜6mg(力価)/kgを2回に分けて点滴静注することもできる。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
- 本剤の薬効は最高血中濃度と最も相関するとされていることから、1日1回静脈内投与が望ましい。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
- 本剤の使用にあたっては、腎機能異常及び聴力障害等の副作用に留意し、本剤の投与期間は、原則として14日以内とすること。患者の状態などから判断して、14日以上にわたって本剤を投与する場合には、その理由を常時明確にし、漫然とした継続投与は行わないこと。
慎重投与
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 低出生体重児、新生児(「小児等への投与」の項参照)
- 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと]
重大な副作用
- ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
- 眩暈、耳鳴、耳閉感、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
- 急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 汎血球減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- アルベカシン硫酸塩は、MRSAに対して強い抗菌活性を示す。感性菌に対する抗菌力はジベカシンとほぼ同等であり、アミカシンより強くゲンタマイシンよりやや弱いが、多くのジベカシンやゲンタマイシン耐性菌に対しても活性を示す。2)
有効成分に関する理化学的知見
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- oxo acid、oxoacid
。]]
オキソ酸(オキソさん、Oxoacid)とは、ある原子にヒドロキシル基 (-OH) とオキソ基 (=O) が結合しており、且つそのヒドロキシル基が酸性プロトンを与える化合物のことを指す<ref>IUPAC Gold Book - oxoacids</ref>。ただし、無機化学命名法IUPAC1990年勧告のオキソ酸の定義では、先述した化合物の他にアクア酸(aqua acid)<ref>中心金属イオンに配位した水分子に酸性プロトンが存在する酸。例:ヘキサアクア鉄(III)イオン</ref>、ヒドロキソ酸(hydroxoacid)<ref>隣接するオキソ基が存在しないヒドロキシル基に酸性プロトンが存在する酸。例:オルトケイ酸 (H4SiO4)</ref>もオキソ酸に含まれることになる。無機化合物のオキソ酸の例としては硫酸や硝酸、リン酸などが挙げられる。有機化合物で最も重要なオキソ酸はカルボン酸である。酸性の強弱は化合物の種類によりさまざまなものがある。一般に、オキソ酸は多原子イオンと水素イオンを与える。
オキソ酸が脱水縮合することで、ポリオキソ酸が生成する。例えば、リン酸では二リン酸、三リン酸である。酸無水物も同様に、オキソ酸の脱水縮合生成物にあたる。遷移金属元素のオキソ酸は金属オキソ酸(ポリ酸)と呼ぶ。
ポーリングの規則
単核オキソ酸の酸性度の強さを推定する2つの経験則としてポーリングの規則(Pauling's rules)が知られている。
- 1, 中心元素 E のオキソ酸の化学式が EOm(OH)n で表されるときに、酸解離定数 Ka は次の関係式で表される。
- <math>\mbox{p}K_a = -\log K_a \approx 8 - 5m </math>
- 2, n>1の酸の逐次酸解離のpKa値はプロトン解離が1回起こる毎に5ずつ増加する。
ただし、この規則に従わないオキソ酸も存在する。例えば炭酸の推定値は3であるが実測値は6.4である。これは水溶液中に溶けている二酸化炭素が僅かしか炭酸にならないためである。このことを考慮に入れるとpKa値は規則通り約3.6となる。また、亜硫酸も規則に従わない。これは溶液中に亜硫酸分子は検出されず、さらにSO2が複雑な平衡を持っているからである。
- <math>\rm CO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H_2CO_3</math>
- <math>\rm SO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H^+ + HSO_3^-</math>
オキソ酸の一覧
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ
<references/>
関連項目
[★]
亜硫酸、亜硫酸塩
- 関
- sulfurous、sulfurous acid
[★]
- 関
- sulfite、sulfur acid、sulfurous
[★]
- 英
- sulfur acid
- 関
- 亜硫酸、硫黄酸
[★]
- 英
- sulfite
- 関
- 亜硫酸
[★]
- 英
- hydrogensulfite reductase
- 関
- 亜硫酸水素還元酵素、重亜硫酸レダクターゼ、亜硫酸水素レダクターゼ
[★]
- 英
- hydrogensulfite reductase
- 関
- 重亜硫酸還元酵素、重亜硫酸レダクターゼ、亜硫酸水素レダクターゼ
[★]
- 英
- hydrogensulfite reductase
- 関
- 亜硫酸水素還元酵素、重亜硫酸還元酵素、重亜硫酸レダクターゼ
[★]
- 英
- fuchsine sulfurous acid reagent, fuchsin sulfurous acid reagent
- 関
- シッフ試薬
[★]
- 英
- metabisulfite
- 関
- メタ重亜硫酸塩
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
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- 英
- sulfuric acid, sulfate
- 関